事象が起きれば転じて、何かしらの作用が働く。
これは、自然の摂理で変えようのない方程。
そして、それは命を買った僕にも適用された。
「こ、これは何かの夢だ…」
『現実逃避もいいかげんにしなよ』
「誰の性だ!!」
いっっつ…骨折した左足のふくらはぎ部分が痛む。
ここは個人病室。
だから、少し位騒いでも問題ないだろう。
と、太ももからくるぶしまでを固定している青いギブスの上から患部をさする。
『君が望んだことじゃないか?』
「そうだけど、性別を変えるなんて僕は一言も聞いていないんだけど?」
『何事にも大なり小なりの誤差は起きえるものさ』
…現に君の願いは聞き遂げられたじゃないか?
そうだ、命は救われた…だが、それは完全では無い。
いつもの日常に戻るにはあの出来事で起きた傷を癒さなきゃいけないが、それは後でいい。
僕は生きてる、それは何事にも代えられないことだ、
しかし、気になる事がある。
「それでも、君に何かしらの原因があるんじゃないのか」
『…人間は非効率的過ぎるなぁ』
「教えろ、雇い主!!」
彼は顔を2、3回撫でると話始めた。
ラナ曰く、この世は幾つもの世界……
今いる、この僕の体はこの世界の僕…
(ややこしくなるから彼女とでも言おう)
彼女のもので僕と同じ様に事故にあったらしく、
同じ様なタイミングでラナが商談を持ちかけたが、
断られて絶命したらしい。そこで、
空になった器が勿体ないと別世界で同じ様に事故に合い死にかけていた僕に商談を持ち込んだ訳だ。
「ってことは、君の商売相手は女の子ってわけかい?」
『勘が鋭いね…やっぱり、君を舞台に招きいれても問題ないだろ』
そう、言うとどこから取り出したのか無色透明の卵型のアクセサリーを取り出した。
「これは?」
『これは一時期、君の器だったものさ…』
「へぇ、これで世界を…」
太陽の光に照らしてみると、水晶は光を乱反射させる。
すると、瞳に一筋の光が飛び込んできた。
「いたぁ!」
『馬鹿かい、君は…』
「申し訳ない」
あかん、これ、気をつけないと失明するやつだ…
そう思ったが、通常の回復より早く視力は戻ってきた。
「あっ、れ?」
『魔法だよ』
「今のが?」
『今の君なら、どんな怪我でも治るよ…』
…その骨折もね
と、ラナはじっと僕をみつめる。
実はこの骨折、僕が3日間の昏睡状態になる前は、
ポッキリ折れていたらしいが現在しっかりと繋がっている。
これなら、後数日と経たず歩けるだろうと医師に言われた。
まぁ、炎症や筋肉疲労は残っているけど…
『まぁ、それくらいはリハビリがてら仕事をしてもらうから…』
「そう言えばお仕事って?」
ラナは振り返り様にこういった。
『魔獣の討伐さ』
ぬるりと、冷たい手で足を掴まれる感覚が僕を不安にさせた。
~つづく~