GOD EATER EXODUS -WASTED HEAVEN- 作:湯麺マン
愛用武器はショート/スナイパー、推しはジーナとナナ、好きなアラガミはハンニバルとラーヴァナです(狩りやすい)
砂塵吹き荒ぶ大砂漠の只中にて、神と人との生存競争が繰り広げられている。
神は巨躯を誇り、その姿は大楯と馬上槍を括り付けられた蠍のようである。人はぼろ布を纏った成人したての男で、その手には頼りない拳銃が一つだけ、命綱とばかりに把持されている。
鋭利な雄叫びを上げた神が槍の如き尾を構え、不遜にも銃口を向ける敵対者に対し突撃する。人はぎりぎりでその圧力をかわし、巨躯を支えるか細い脚を狙い撃つ。しかし銃弾のことごとくを大楯にて弾かれて反撃を許し、先ほどよりも大袈裟な回避を強いられる。
「ヴィンテージ1、リロード」
誰にも聞こえるはずのない掛け声を発し、カプセルを噛み砕く。すると拳銃は脈動し、再度攻撃態勢に移行する。槍の大振り後の隙を晒し終えた神は大楯を振りかぶり跳躍。小兵には面制圧と判断し、そのまま叩きつける。
血液をぶちまける不快な音を残して、人の姿が掻き消える。神は得物に伝わる感触に満足を示し、食らうべき獲物の無惨な姿を拝むべく前足をどける。そこにプラスチック片と鮮度の悪い血液が残っているだけと気付いたのは、全てが手遅れになってからだった。
「神機強制解放」
神の頭上に無礼にもまたがり、人が呟く。直後に眩い光を拳銃が放ち、発砲が開始される。1発1発と脳髄を抉り、犯し、貫通する銃弾の気味悪さに怒った神が暴れるが、ワイヤーで結ばれた二者の体はまぐわう犬のように離れず、十数発のヒットを許してしまう。
「赤玉だ」
ワイヤーを解き、人が離れていく。餞別とばかりに大口径の弾丸が射出され、度重なる銃撃でミンチと化した頭部を爆砕する。神は力なく倒れ伏し、断末魔もあげずに今際の際を迎える。二錠めのカプセルを噛み、神殺しの咎を負うべく銃口を向ける人であったが、その耳に風を切る音が潜り込む。
「本職のくせに、ハイエナはやめてくださいよ」
振るわれたのは大鎌。尋常ならざる速度で二度の斬撃が見舞われ、一撃は神の肉を削ぎ、二撃は人=ヴィンテージ1の首を刈り落とし____損ねた。いまだに健在の標的が発する煽り口上にわずかな苛立ちを感じたのか、返答にささやかな怒気が含まれてしまう。
「V1、任務ご苦労。新支部長の名の下に新たな命を下す」
砂嵐の向こうからぞろぞろと、大仰な武装を引っ提げた老若男女が姿を現す。労いの言葉もそこそこに大鎌の主は得物を構え直し、追撃を敢行せんと吠える。
「死ね」
神の亡骸を尻目に、人と人の諍いが幕を開ける。