量産型ニケ、キヴォトスに行く   作:ウィルキンソンタンサン

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私(量産型にも焦点当ててほしいなぁ……)

SHIFT UP「おかのした」

NIKKE『サ ブ ク エ ス ト : ト レ ジ ャ ー ハ ン タ ー』

私「チギャウ……チギャウ……」




ホシノの銃の修正をしました(2025/03/10)


3.(Horus)(Falcon)ってなんやねん

 

 

 

 

 

 

校庭を並列して駆け、撃ち合いの応酬。

放たれた散弾を盾の表面で滑らせるように弾き、すかさず撃ち返す。しかし、それを彼女は読んでいたと言わんばかりに黒い盾で受け止めた。

 

「ッもう、おっもいなぁ……! こんなのポンポン撃っちゃダメでしょ、何使ってるのさ!」

 

「…………」

 

「また無視? ……すっごいね」

 

ため息混じりに、真顔でそう言われる。

んな事言われても、ねぇ? こちとら戦闘で手一杯だから喋るリソースなんて無いんですよ。あっちいったと思ったらこっちで、もう完全に網膜に搭載された戦闘補助センサーに頼りきりです。

 

それを何? この人は素でこれでしょ? 本当に人間か? 本当はニケなんじゃないの?

そもそも戦闘中に喋るだなんて、そんな事した経験なんてあるわけないでしょ。特化型じゃあるまいし。

話す相手はどうせ、言葉の通じない鉄屑(ラプチャー)なんですから。

 

「このままだんまりを貫くつもりなら……もう終わらせるよ。」

 

足を踏み込み、急に方向を変えて距離を一気に詰めてきた。

来る。そう思い散弾の直撃を避ける為盾を構えると───

 

「甘いよ」

 

彼女は地面から体を浮かし、盾に向かって脚を向ける。バッタの様に折り曲げられた脚が徐々に展開され、開ききるその瞬間、私の構えた盾にぶつかった。

 

「───ッ!!」

 

ガァン! と金属が震え、その振動が手を伝って全身へと広がる。女児の如く細い脚からは想像もつかないほどの出力で放たれた蹴りに少しバランスを崩した。

身体を覆う様に影が落ちる。上を向くと、盾に蹴りをぶつけた後逆の足で更に盾を蹴って跳躍をしたのか、宙に浮かんだ彼女が太陽をバックに銃口をこちらに向けていた。

 

一発。

 

「ぐっ……」

 

あ痛ーい!! なんでぃこいつ、武器の性能も弾薬も超強力って訳じゃ無いだろうに、なんだこの弾の威力! バイザーに散弾型の細かいヒビが!

ニケの視覚により、彼女の指がトリガーから既に離れ、もう一度押し込まれようとしているのを確認。手に持つショットガンはセミオート式────つまり?

 

2発、3発、4発、5発……休む間もなく叩き込まれる散弾。彼女のショットガンは恐らく速射に向いた型。装弾数を増やすカスタムもされているみたいで、その殺意の高さが伺える。

しかし、世界が違えど開発者の考える事は同じか……。こりゃこの世界にも私みたいなヒューマノイドがいてもおかしくないな。

 

どういう訳か並外れた威力を持つ散弾を何度も頭部に叩き付けられ、遂にヘルメットがひしゃげて吹き飛んだ。

 

「これで最後っ!」

 

そうして放たれた一撃。その散弾はヘルメットという防御を無くした私に対し十分脅威足り得る威力を持っていた。

 

が。

 

「あうっ」

 

「……へ?」

 

頭部に着弾するなりガン、とまるで固いものに当たって弾かれたように散弾が散った。

 

着地した彼女は驚いた様に表情を変え、バックステップで距離を取る。

 

「何、今の。突然固くなったみたいな……」

 

察しが宜しいようで。そうですとも、突然固くなったんです。あ、えっちな話では無いですよ?

 

ニケは、何も泥臭く銃だけでラプチャーに対抗している訳では無い。

個々がそれぞれラプチャーに対抗する為……或いは自身の望みの為、その身にいくつかの能力を宿している。

 

「……ファルコンウィングの起動を確認。危ない所でした。」

 

人はニケが宿すこの能力を、スキルと呼ぶ。

2つのスキルと1つの切り札。コレを持って初めて、ニケはニケ足り得るのだ。

ファルコンウィングは、私の1つ目のスキル。確率ではあるが、ダメージを受けると体表が硬質化する──有り体に言えば、防御力が上昇する。

 

「もう、なんなのさ……こっちは君らと違って弾薬に余裕が無いからさ、さっさと倒れて欲しいんだけどなぁ?」

 

闘志が凄いよ、この子。もういいでしょ? ヘルメット団の皆は既に撤退したみたいだし、私も帰っていいかな? てか私のヘルメットどうするのさ。バイザーヒビだらけだしメットは凹んでるし。

もうゴーグルしか残ってないんだけど。

頭ばっかり狙ってきやがってまぁ。こちとら頭破壊されたら死んじまうんやぞ! せめて手足にして!

 

「ホシノ先輩!」

 

突然投げかけられた声。その主を探ろうと視界を動かすと、その先にはミニガン持ちの子。

どうやらばたんきゅーな2人を中に運んできたらしい。揃いも揃って力が強いね……?

 

「───はぁ…もうおじさん疲れちゃったよ。腰も痛いし……」

 

かと思えば、彼女は急にナイフみたいな雰囲気を引っ込ませて……なんか……ふわっとした雰囲気になってしまった。

なんだこいつ、二重人格か? なんやねんおじさんって。どう見ても私より年下……あれ、私何歳だっけ。記憶無いわ。

 

「君、ファルコンだっけ? "恩を返してる"って言ってたね。って事は、ヘルメット団じゃないのかな?」

 

「…………」

 

「……うへ〜、分かったってもぅ。」

 

ショットガンの安全装置(セーフティ)をこれみよがしにONにし、盾を畳んで肩にかける。その非武装の印を見てやっと、私も銃を盾にしまい、ストラップを肩にかけた。

 

「……まずは非礼を詫びさせて下さい。皆様の学び舎を襲撃し、お仲間を傷付ける結果となってしまい、大変申し訳ありませんでした。」

 

「うへっ!? 思ってた反応と違うね!? ちょっとちょっと、頭上げてって…!」

 

「わぁ☆ あんなに強かった方に頭を下げさせるなんて、ホシノ先輩流石です〜☆」

 

「違うってぇ! 大丈夫だから、おじさんもう怒ってないから!」

 

許しが出たぞ、やったなぁおい。っぱアークで培った量産型ニケ根性はどこでも通用するんだなぁ。

……なんか反応違うけど。殴ったり蹴ったり踏んだりとかしないのか。

 

「ありがとうございます。あのお2人にも、よろしくお伝え下さい。それでは失礼します」

 

「それは待って?」

 

くるりとターンして颯爽とオウカ達の待つ拠点に戻ろうとすると、背中の盾を掴まれて引き止められてしまった。

なんや、何か用か。

 

「で、恩って何? ……ヘルメット団なんて、碌なものじゃないのに。」

 

「アビドス砂漠で遭難してしまいまして。何時間もさ迷っていた所を、拾ってもらいました。」

 

「砂漠で、遭難……」

 

「……無事で、良かったです」

 

「うん、無事で良かった。でも、それだけでヘルメット団に入るのは早計じゃない? 君が思っている程、良い奴らじゃないよ?」

 

うん、知ってる。学校襲ってるもんね。あと入るなんて一言も言ってないです。ヘルメット被ってるのはそういう事ではないです。

 

「──私は先日、初めて"カレーライス"を食べました。"人"として、思いやられました。私はそれだけで、大変な恩を感じているのです。確かに、学校を襲うと言うのは褒められたものではありません。」

 

でもねぇ、皆好き好んで学校襲おうとしてた訳じゃないし。そうでもしないと生活が出来なかったってだけだもんね。

学校しかり銀行しかり、しなくても生きられるのに嬉々として襲おうとする人なんていないさ。いたらただの変態だし。

 

「そうでもしないと、生きる事もままならない様な環境を放置している行政側にも問題が……すみません、私が意見するとは出過ぎた真似を。」

 

「気にしてないって、どんな生き方したの君……? でも、うーん……連邦生徒会なんて、それこそたかが知れてるからねぇ。」

 

レンポウセイトカイ? なんですかそれは。まさかこの学園都市キヴォトスの行政は生徒が行っているなんて、そんな馬鹿な事無いですよね……?

 

「まぁ、あそこは連邦生徒会長のワンマン組織ですから〜」

 

ミニガン持ちの子がそう言う。その手にはミニガンではなく、見るも無惨な私のヘルメット。

そんな彼女はヘルメットを持ったまま器用に手を打つ。

 

「改めてこんにちは、えふえー……さん? ヘルメットに書いてあったのですが……コードネームですか?」

 

「エリシオンのソルジャーF.A.(Falcon)です。よろしくお願いします。」

 

「そう、それ! エリシオンって何さ! というか、ファルコンって本当にキヴォトスの人? ヘイローも無いのに銃弾が効かないなんて、そんなの聞いた事ないよ」

 

矢継ぎ早に疑問を投げつけてくる。おうおう、どう答えたもんかなぁ。

オウカに説明した時みたいな感じでいいのかな。でもあそこまで開示するのもなぁ……私がヘルメット団にいる限り、この人達の敵な訳だし。

 

「エリシオンは……その……企業名と言いますか、所属している訳ではないのですが製造元というかなんと言いますかえーと……」

 

「よくわかんないんだけど!?」

 

「まぁまぁ。名乗ってくれてるんですから、こちらも自己紹介しないとですよ!」

 

「う〜へぇ〜…わかったよぅ。おじさんは小鳥遊ホシノだよぉ、ヘルメット壊しちゃってごめんねぇ……」

 

「私は十六夜ノノミです! ファルコンさん、よろしくお願いしますね!」

 

「ホシノにノノミですね、よろしくお願いします。ヘルメットに関してはお気になさらず。代替品を見つければ良い話ですので。」

 

この世界にアークは無いから、装備の新調とかも出来ない。だから、ショップとかで似た感じの物を探すしか無いね。

これなんかあれじゃない? このまま買い替えを繰り返したらさ、なんか見た目特化型みたいになる説あるくない?

 

うわ、アツ。キメラ系? 特化型の子がやってたゲームで見せてもらった事ある。

 

「私、似た物を知っています! ファルコンさんが良ければ、お取り寄せしましょうか?」

 

「ご心配には及びません。元々、こちらから仕掛けたのですから。」

 

「うへ、おじさんもやり過ぎちゃったから……受け取ってよ」

 

カラフルキメラの夢、終わった───。

何故かこの世界に来てからというものの、私に打ち込まれたNIMPHによる行動強制はうんともすんとも言わない。だがそれでも、脳髄に人に対する絶対服従がなんとなく焼き付いている。

 

よって、是非と言われればその通りにせざるを得ないのだ。

 

「分かりました、ご厚意に甘えさせて頂きます。感謝の程を申し上げます。」

 

ほれ見た事か、私のお口はまたペラペラと……。

 

「じゃあまたね。次会う時は敵じゃないと助かるなぁ〜」

 

「申し訳ありませんが、それは些か難しいかと。」

 

「なんでさぁ、ファルコン相手にすると疲れるんだよぉ……もう身体中痛いや。せめて手加減してぇ〜」

 

挨拶もそこそこに、私はまた一礼をして校門を通り抜けた。マップは行きがけに脳内に叩き込んだから拠点までのルートは問題無し。

しかし、ノノミにホシノか。オウカやマツリと同じようにヘイローがあった。でも、色と形が違う……。ヘルメット団2人はいかにも天使の輪って感じだったけど、アビドスの2人……というか、シロコもセリカもヘイローが違った。

 

……うーん。まぁ、いいか。

難しい事考えてても疲れるだけだしね!!!

 

ひとまず、自己修復が可能な範囲の損傷に収まってよかったよかった。

ふう、と軽くため息を吐いて盾を背負い直す。

 

「ソルジャーF.A.、任務完了。帰投します。」

 

 

 

 

先生は男にするべきか女にするべきか。それが問題だ。

  • 男にするべき
  • 女にするべき
  • おねにーさん(性別不詳)にするべき
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