魔法先生ロボま!   作:カリドーン

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小説の書き方を忘れた それが僕です
♢この間抜けは……?


悪魔来たりて

「やっぱり魚が全く釣れんな……竿が悪いのか餌が悪いのか、そもそもこの池に魚がいないのか」

 

使い古された釣竿で釣りをしながらアリナは未だに獲物が掛からない事に愚痴をこぼしていた。今のアリナの生活に於いて釣りは趣味であり心の安らぎでもある。森での修行が始まってからは釣りの頻度をかなり減らしていた。久しぶりの釣りに心躍ったがボウズであっては何も楽しくはない。アリナの気分は少し落ち込んでいた。

 

「帰るかね。釣竿でも新調するかな……そうすりゃ釣れるだろ。多分」

 

そう言って釣りを切り上げ釣竿を肩に掛けて帰ろうとした時、村の方向から──

 

──眩いほどの光と耳を劈く程の爆音が響き渡った。

 


 

「ターゲットノ内ノ一人ノ元ヘハ、ヘルマン伯爵ガ向カッタヨウダナ」

 

村は悪魔の群れによって襲撃を受けていた。村の彼方此方から火の手が上がっており、かつては村人であった石像が其処彼処に点在していた。悪魔達の目的は一つ、英雄の子供であるネギとアリナの始末であった。ネギの所在は早々に知れ、村を襲撃している悪魔の中で最も強大な悪魔、ヴィルヘルム・ヨーゼフ・フォン・へルマン伯爵が目的を達成する為に向かっていた。

 

(モウ一人ノターゲット……アリナ・スプリングフィールドハドコニイル……?村ニハイナカッタノカ?)

 

村の上空にて一体の悪魔がアリナの居場所について考えていた。悪魔は他の木端の悪魔よりは知性、理性、そして実力があった。伯爵と比べれば五十歩百歩ではあるが少なくとも襲撃をかけた悪魔の中では二番目に優秀な悪魔でもあった。そんな悪魔からすればこれほど迄に村中を荒らしているにも関わらず三歳の子供が見つからない事は襲撃時には村にはおらず、森や近くの平野などにいる可能性が高いと考えられていた。さらに、奇妙な事はそれだけでは無かった。

 

(池ノ方へ向カッタ悪魔共ガ一向二帰ッテコナイ。モシイナケレバ、スグニ帰ッテクルハズ。イタノデアレバ、仕留メテ持ッテクルハズ)

 

村から離れた場所にある池の方向へ捜索にいった悪魔が誰一人として帰ってこないのだ。いくら木端の悪魔であっても悪魔、早々負けるほど弱くは無いし任務すらもこなせない程知能が低い訳でも無い。この不可解さが悪魔を困惑させたのだ。そして、悪魔はこう考えた。

 

「……ターゲットニヤラレタノカ」

 

三歳の子供に返り討ちにされたのだ。普通に考えればあり得ない話である。例えるのであれば象が蟻に負けるようなものである。しかし、そう考えれば少しは整合性が取れる。ターゲットであるアリナは池付近におり、捜索に来た悪魔を始末した。これでターゲットがいない事も帰ってこない

悪魔の事も納得がいく。通りすがりに別の強力な魔法使いが来て悪魔を倒したという事も考えたが、今の時点で外部から魔法使いが来た様子はない。

 

「気ヲ引キ締メルカ……」

 

他の悪魔では向かったところで結果は同じである事は推測できた。その為、村上空から様子を伺っていた悪魔は自身がアリナがいると推測される池方面へ向かうことにしたのだ。悪魔の脳内で困惑と焦燥、そして少しの

愉悦が駆け巡っていた。

 


 

「おお、また来たな。私は人気者だねぇ、悪魔にもこうやって付け狙われる。サインでも書いてやろうか?」

「要ラン………ヤハリオ前ガ悪魔ヲ返リ討チニシタノカ……ニワカニハ信ジ難イ!」

 

向かい合う悪魔とアリナ。アリナの顔には余裕が悪魔の顔には驚きが滲み出していた。アリナの服装は池へ釣りに行った時のものとは大きく異なっていた。灰色の軍服に青いコートと黄色いバックルがついたベルト。灰色のズボンは足先に近づくにつれ、黒い影のように真っ黒に染まっていた。そして右手には、

 

「ソノ銃……モシヤ!」

「ん?……あぁ、分かるのか()()()()だからか?」

 

マスケット銃の形状に似た銃が握られていた。装備の名はMagic Bullet(魔弾の射手)

悪魔と契約し、愛する者全てを自ら撃ち殺し、悪魔と成り果てた者の自我を抽出されたものである。

 

「フッ……木端デハカテンワケダ。久々ト伝ワル!オマエノ恐ロシサガ!」

「悪魔に褒められても嬉しく無いなぁ……滅茶苦茶可愛い美少女とかなら嬉しいけどさ」

 

悪魔は腹を抱えて笑い出したい気分であった。英雄の子供とはいえ三歳のガキ、村にも魔法使いはいるが英雄級の者はいない、子供の片割れは魔力が感じ取れないレベル。簡単な依頼である。しかし蓋を開けてみればどうだ。その片割れの子供が自身よりも圧倒的に上位の存在の悪魔の力を己の手足のように自由自在に扱っている。これが可笑しくなくていったい何が可笑しいというのだ。

 

「さっきの悪魔共は死んだ事にすら気づかないで眉間に風穴開けて死んだな。死体を残さない部分は幻想体そっくりだ……悪魔は死んだら何処へいくんだ?」

「ククク……悪魔ハ死ナン、致命傷ヲ負エバ魔界へ送還サレルダケノコトダ」

「はぁー、いいねぇ……死なないってのは、死ぬのはもう嫌だぜ私は!その点悪魔は羨ましいわ」

「クククッ……ハーッハッハッハッ!!」

「どうした急に頭おかしくなったか?」

 

なんとも面白い。ヘルマンが言っていた事を少し理解できた気がする。目の前の女児はきっとまだ本気を出していない、それどころか未だに発展途上なのだ。気になる、アリナ・スプリングフィールドが行き着く果てが見てみたい。悪魔には一つの目標が今打ち立てられた。

 

「オイ、アリナ・スプリングフィールド!今スグニ私ヲ撃ッテ魔界へ送リ返セ!」

「そうするつもりだったけど……なんでだ急に?」

「魔界ニ帰リ己ヲ鍛エ直ス。ソシテ強クナリ、オマエヲ打チ倒ソウ!今ノ私デハ勝チ目ナド無イカラナ!!」

「………めんどくさいのに火、付けちゃったなぁ……良いよ、強くなったらまた会いに来い。その時は私がまたお前を魔界に送ってやるよ」

「アア、楽シミニシテオケ」

 

アリナが面倒くさそうに、しかし何処か楽しそうに返事をすると悪魔は目の前に獲物を見つけた狼のような悦びを含んだ笑みを浮かべた。そして、銃声が一つ鳴り響くと悪魔は消え、その場にはアリナだけが残った。

 


 

「面倒くさそうなのと約束しちゃったな……まあ楽しみが一つ増えたとでも思っとくか……ってそれどころじゃねぇな早く村行くか」

 

アリナは悪魔を撃ち殺した後E.G.Oを消した。魔弾の射手は味方諸共撃ち抜くフレンドリーファイアが発生することが多々あるので今から村に向かう際は別の装備が良いと判断したのだ。そうしてアリナが村へ向かおうとした時、

 

「眩し!凄い魔法だなこれ……あのフードの奴は誰だ?」

 

眩いほどの光が村を包み悪魔の群れを消し去ったのだ。それほどの強力な魔法を発動したのはいつのまにか村の上空に現れたフードを被った魔法使いであることがアリナには理解できた。

 

「良かった……これで楽できる。昼寝でもするかな、働いたし」

「ネカネやアーニャは案外しぶといから大丈夫そうだな。ネギは……スタン爺辺りがなんとかしてくれてるかな?」

 

最早村に危機はない。余りE.G.Oを見せたくはないアリナからすれば有難い状況であった。村の修繕や怪我人の治療などでは魔法の使えない自分に出る幕はないであろう。ネカネやアーニャ辺りは心配であったがフードの魔法使いが何とかしてくれているだろうし、こんな襲撃があったのだから正義の魔法使い達は直ぐに救援に来てくれるだろう。そう考えたアリナは近くの木の根を枕にし、かなり遅めの昼寝をとる事にした。

 

そして次の日の朝、外部の魔法使い達の救援が届いたのであった。村は壊滅的な被害を受け、ネギ、ネカネ、アーニャ、そして村の外で寝こけていたアリナ以外のものは皆、伯爵級の悪魔の石化光線を受け石像となっていた。

 

 




『魔弾の射手』
魔法の弾丸を撃ち続けるために愛する人を撃ち殺して最終的に自分が悪魔になった悪魔
控えめに言ってどうかしてる
見た目が余りにもカッコよすぎる
武器が使いづらいというか巻き込み事故が怖くて使えない
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