魔法先生ロボま!   作:カリドーン

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頑張って5000文字くらい書こうと思っているのに完成してみたら3000文字しかない。
こういう事もあるよねハム太郎。ヘケッ


紅き翼、異端と出逢うべし

「よく寝たわ……ん?ここ病院か?」

 

アリナが目を覚ますと清潔に保たれた部屋のベットの上にいた。消毒液の匂いがしたため自身が居るのは病院ということが察せられた。恐らく村の救助に来た救援部隊が寝ているアリナを見つけ、アリナが悪魔に襲われて気絶していたのだと思い込んだのだろう。

アリナが起きた後は医者や看護師の診察や検査などを受けた。その結果、怪我や呪いなどの後遺症の類は一切無い事が判明した。悪魔の襲撃を受けて擦り傷も負っていないので医者は不思議に思っていたが怪我をしているよりはずっと良い、奇跡的に助かったのだろうと考えた。

 

「見てよアリナ!父さんが僕を助けてくれて杖をくれたんだ!すごくかっこよかった!僕も父さんみたいに立派な魔法使いになるよ!!」

「おん、この話もう5度目だ。はよ自分の部屋に戻って寝ろよネギ」

「聞いてよ!凄いんだ!特に悪魔の群れを倒した魔法なんか──」

 

悪魔襲撃事件の生き残りは当時村から離れていたアーニャを除くと、ネカネ、ネギ、アリナのみであった。あの日、ネギもアリナと同様に、悪魔の襲撃を受けていた。ネカネと共に逃げていたが悪魔に追いつかれ、そのネカネも足に石化を受けてしまっていた。そしてネギが悪魔によってその命を絶たれようとしたところに父にして英雄でもあるナギ・スプリングフィールドが颯爽と現れ、ネギを救ったのだ。ナギは英雄に相応しい圧倒的な力を振るい、悪魔を撃退。その後、ネカネの石化を止め、自身の杖を形見としてネギに手渡し後にその場から立ち去ったという。

 

「しかし、無事で良かったなネカネ!もし石化してたら私の部屋に飾ってたよ」

「物騒なこと言わないのアリナ!でも、助かってよかったわ。アリナも無事でよかった」

「………そういやなんか父親がなんか助けに来たってネギ言ってたけどマジなの?くたばったって聞いてたけど?」

「言い方!……それが分からないの。途中で私、気絶しちゃってたから」

「そうか」

 

本当にナギ・スプリングフィールドが来ていたのかはアリナには確かめる術はなかった。恐らくはフードを被った魔法使いの事ではあろうが、顔までは分からなかったしそもそも顔を見たところで父親の顔を知らないので解らないであろう。本人を見て、会話をしたのはネギだけである。恐怖のあまり記憶が混濁した可能性もあった。しかし、あの状態で悪魔の群れを倒せる実力のあるものは限られる。本当にナギが助けに来たと考える者も多かった。

 

「ネカネも寝たら?まだ疲れてるでしょ」

「うん、そうするね。おやすみ」

 

ネカネを病室に帰した後、病院のベットへ飛び込み寝転んだ。天井をじろりと眺めながら色々と考える事にした。

 

(十中八九、狙われたのは私とネギだな。それ以外狙うもの村には無いし、狙われる理由もある。英雄の子供なんか始末したくてたまんない奴なんか山ほどいるだろうしな)

 

最後に撃ち殺した悪魔の様子からしても自分の欲望で襲いに来た、というものでは無かったと思えた。悪魔と契約をして村に襲撃をし、アリナとネギを始末しに来たことはアリナからすれば直ぐに理解ができた。自身も前世では1級フィクサーとしてそういった仕事を受けた事があった。戦争で活躍した英雄の子供など、場所によって火種にしかならないことは自明の理であった。

 

(これからどうするかな……村人の大半はどうでも良いけどスタン爺やアーニャの親には結構世話になったしな……石化を解除する方法でも探すかな。魔法使えなさそうだけど私)

 

アリナには魔力が無い。正確に言えば魔力が確認出来ない程に少ない。少なくとも自分で魔法を開発して自分で魔法を唱えるなんて事は夢のまた夢である。

あーでも無いこーでも無いと考え、最終的に出来れば助けよう、そう考え、眠ることにした。ふかふかのベットは心地よく直ぐにアリナは夢の中に誘われた。

そうして病院で数日を過ごした後、双子の後見人となる人物が現れた。医者も問題無いと判断して子供達を退院させ、ネギとアリナはその後見人の元に行くことになった。

 


 

あの事件から1年近くが経過した頃、ウェールズの山奥にある格式高く名門でもある魔法学校、メルディアナ魔法学校の周辺にある湖畔にて一人の子供がいた。アリナは新品の釣竿と獲物を入れる保冷バックを持って釣りに来ていた。時間は正午を過ぎており、学校の生徒であれば午後からの授業を眠気から受けている筈であろう。同じくメルディアナ魔法学校の生徒であるアリナも学校内に居なければおかしい筈であるがそんな事もお構い無しに釣りを楽しんでいた。

 

「おお!釣れた!やっぱり場所と道具変えたら釣れるな!」

「……アリナ、授業には出ないかね?」

「そもそも魔力無いのに魔法学んで何になるんだよっていうか私停学中だぞ今」

「…………そういえばそうじゃったのお………」

 

アリナの隣で釣りをする様子を眺めていたのはネギとアリナの後見人であり、この魔法学校の校長でもある老魔法使いであった。老魔法使いは難しい顔をしながら白い立派な髭を撫でていた。

二人を引き取った校長は4歳になった二人を自身が校長を務めるメルディアナ魔法学校に入学をさせることにした。それに至るに当たって一つ心配事があり、それを解消させる事は困難でもある事は校長にとっては明白だった。アリナには魔力が無い、それが一つの心配事であった。ネギは父親譲りの魔力とセンスがあり、知力なども問題は無さそうであったがアリナには魔力が無くそもそも魔法すらも唱えられない。魔法を使えない、魔力の無いアリナを入学させて良いものか、入学させる事がアリナの為になるのか校長は入学前日まで悩んでいた。

そしてその心配事は杞憂では無かった。

 

「いや、悪いの私か?十数人で襲いかかってきた奴が悪くない?何で停学なんだよ私」

「流石に全員分の杖を折った後、利き腕を折ったのはやり過ぎじゃわ……安心せい、お前を襲った生徒は全員停学中じゃ」

 

英雄の子供というネームバリューは同年代の子供達にとっては敵愾心を煽るものであった。立派な魔法使いを目指す魔法使い達にとって、英雄であるナギ・スプリングフィールドの子供を特別扱いしない訳も無かった。特に非常に優秀であったネギは先生達に誉めそやされ、普通であれば規則で禁止されている筈の禁書庫への出入りすら許されていた。そんな不公平な贔屓をされ、生徒達の不満が溜まらない訳がなかった。そしてその不満が爆発し、一部の生徒達の間で英雄の子供と贔屓されている奴らを()()()()()()()という案が出てきたのだ。しかし、ネギの方は先生達に気に入られて魔法の才も自分達では敵わない。そのため魔法が使えず先生達にも特に何とも思われていない、尚且つ女で力も弱そうという考えからアリナを放課後に人気の無い場所へ呼び出し、集団で暴行しようと決まったのだ。

結果から言ってしまえば大きな間違いであった。呼び出したまでは良いが一瞬の内に杖を真っ二つに折られ、その後利き腕も折られた。そして生徒達が痛みから蹲り、泣き喚いている所に先生達が駆けつけたのだ。アリナは被害者であったが過剰防衛が過ぎるということで停学処分を受けた。

 

「弱かったなあいつら、片腕でちょっと強く握ったら折れちゃったよ。弱すぎを超えた弱すぎ。忌憚の無い意見ってやつっス。」

「お前の力が強過ぎるだけじゃと思うんじゃが?」

「そうか?………私、学校辞めようと思うんだけど、どうだ爺さん?」

「………少し待ってくれんか、お前に合わせたい人がいる」

「少なくともソイツに会うまでは待て、と」

「お前にとって悪い事にはならん、約束しよう」

「良いぜ爺さん……そもそも後見人として世話になってんだ私はそんなに文句言わないよ」

「………そうかの」

「おう、いつ会う?」

「明日には来てくれる筈じゃ、実はネギはもう会った事があるんじゃよ」

 

アリナは退学する事も視野に入れていた。学びも使えない魔法についてのもの、人間関係も微妙とあればこれ以上通う意味は無かった。今でも学校にいる理由はこの湖畔で釣りをするとよく魚が釣れる事と後見人である校長の義理立てであった。とある人物との対面を約束した校長は夜遅くにならないようにアリナに言含めて魔法学校へ帰っていった。その後アリナは数匹ほど魚を釣り上げると釣具を片付け自身の寮の部屋へと帰っていった。

 


 

「アリナ・スプリングフィールド君だね?よろしく、僕は高畑・T・タカミチ」

「よろしく」

(随分鍛え上げられてんなコイツ……今世で会った人間の中では一番だな今の所)

 

アリナは高畑の強さに少し驚きを感じていた。見た目は40歳程の渋い男であろうか、髪は灰に近い銀色をしており眼鏡の奥に見える目つきは鋭く見える。立ち姿勢からしても、一瞬見えた拳頭の傷からしても随分と自身の肉体を鍛え抜いて来た事が分かった。しかし、そう思っていたのは何もアリナだけでは無かった。

 

(本当にネギ君の双子なのか!?佇まいからも分かる……もしこの娘が本気を出したのなら今の僕では相当に苦戦する事は間違いない……!)

 

高畑は最初、アリナと会う前にネギと同じような子供だと考えていた。寧ろアリナの魔法が使えないという事実は高畑に親近感を持たせた。高畑自身詠唱が出来ず魔法が使えなかったため、気の扱いを学び、自身の肉体を鍛え、極めて困難な魔力と気の同時運用を果たして合一させ『咸卦法』の習得に成功したという経歴があった。魔法が使えない自分でもここまでになれたのだから君もなれると励まそうと考えていた数分前の自分を殴り付けたい気分に駆られた。

目の前の少女は圧倒的な強さを持っている。まだ4年しか生きていない筈の人間からは感じ取れないほどの強者のみが放てる威圧感、それを高畑は冷や汗を垂らしながら感じ取っていた。

 

(強い……コイツはなんなんだ?)

(強い……この娘は一体?)

「………大丈夫かの二人とも?」

 

二人ともお互いの方を注意深く観察しながら膠着状態になってしまった。校長からすれば奇妙な光景が目の前で繰り広げられていた。

 

「ところで爺さん、何でわざわざ約束までしてこの人に合わせたんだ?まあ、ネギに会わせたんだから私にも会わせないとってことなら解らなくもないけどさ」

「そう言われてみればそうだね。前にネギ君に会った時にアリナ君には会えなかったから今度メルディアナ魔法学校に訪れる事が会ったら会おうと思ったけど、今回は校長から会ってほしいと言われたからね。何か理由があるのでしょうか校長」

「一つお願いがあるのじゃ、タカミチ君。アリナを麻帆良に連れて行ってはくれんか!」

「まほら?何処だそこ?」

「!?」

 

校長は高畑に深々と頭を下げるとアリナを麻帆良へと連れて行く事をお願いした。今回のお願いは高畑からすれば困惑でしかなかった。ネギとアリナは双子でありその双子を二人とも連れて行く訳でなくアリナのみを連れて行く事は家族を引き離すようなものである。

 

「儂には分かるんじゃ。アリナにはきっと才能がある……しかし、その才能も此処では潰してしまう。麻帆良は自由な所だと聞いておる……向こうの学園長とも知り合いじゃしな。じゃから改めて頼みたい、アリナを麻帆良に連れて行ってはもらえんか」

「爺さん……」

「…………分かりました」

 

校長は学校で居場所が無かったアリナに対して心苦しさを感じていた。ネギとは違い魔法への興味が無かったアリナからすればこの学校はまるで鳥籠のように感じられていただろう。だから別の場所で自由が得られるようにしてあげたいと感じていた。そんな中、麻帆良という場所は校長からすればうってつけであった。

明治時代の中期頃に創設され、埼玉県麻帆良市に存在する幼等部~大学部までのあらゆる学術機関であり、多くの魔法使いが在籍している。そのためアリナの『英雄の子供』という特殊な立場でも比較的自由が得られ、魔法使い以外の人間も非常に多く住んでいるので魔法が使えないアリナでも差別のような真似もされないだろうと校長は考えたのだ。

苦渋の末の決断でもあった事はアリナと高畑、その両方にも理解ができた。

 

「すまんのアリナ……風邪を引かないように気を付けなさい。もし、何かあればすぐに帰ってきなさい……儂からすればお前は大事な孫なんじゃからな」

「分かってるよ爺さん。今までありがとうな」

「後は頼むよタカミチ君」

「はい、承知しました。後はお任せください!」

 

校長はアリナへ謝罪、高畑へ感謝を伝えると魔法学校へ帰っていった。心なしかその背中は小さく見えた。

 

「少し聞いて良いかいアリナ君?」

「どうしたタカミチ?別に構わねえよ」

「君、どうやってそんなに強くなったんだい?

「ほー……やっぱある程度実力あると気づくか。まあ、鍛えたっていうのが1割、生まれつきってのが9割かな」

「ほぼほぼ天然でその強さなのかい……!?」

「まあそうだな。麻帆良って居心地いいのかい?」

「とても良い所だよ。学園長もちょっと悪戯な時もあるけど良い人だしね。気にいると思うよ」

「良いねそいつは………そういや気になってたんだがタバコ吸ってんのか?銘柄は?」

「えっ?あぁ、マルボロってタバコを吸ってるよ」

「良いね、一本くれ」

「4歳の子供に吸わせたって知られたら君のお父さんに半殺しにされるよ……」

 

アリナと高畑は取り止めのない会話をしながら寮は向かった。最低限の荷物をまとめ、ネカネとアーニャに別れの挨拶をした。ネギは禁書庫におり、結局のところは会えず仕舞いに終わった。ネカネとアーニャは最初こそ慌てたがアリナの性格からすればその内学校から飛び出していたであろう。そう考えると高畑という信頼できる大人が一緒のだけマシと思い、アリナを送り出した。

そうして高畑とアリナは飛行機に乗り、日本の麻帆良学園へと向かった。

 

アリナは飛行機の中、麻帆良学園で良い女に出会えます様にと願いながら眠りについた。




Q.赤い霧(全盛期)と主人公(前世&全盛期)が戦うとどうなる?

A.赤い霧が1分も経たないうちに主人公を真っ二つにして終わり。
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