皆様もう見慣れたであろう転生系になります。
1話は前日譚となります。このお話を要約すればあらすじなので、あらすじをご覧になった方はお目が高い。スキップしていただいて結構です。
それでは、お楽しみください。
「みんな…集まってくれたのか」
病床の周りにはたくさんの人
「親父…早いよ…」
「お義父さん…」
「おじいちゃん…?」
息子家族が声をかけてくれている。まだ幼い孫は状況が理解できていないようだな…
「幸せだな…」
「あなた…」
「…みんなを頼むぞ、晶子」
「っ…はいっ」
最愛の妻を泣かせてしまうとは、夫として失格だ。最期にみる妻の顔が、こんなにも涙で濡れている。ああ、もう少し生きていたい。目が閉じていく、妻の顔がぼやけて…泣いている妻の、顔が……
最期くらいは、笑って……ーーーー
「おや、お目覚めですか」
「…ん?」
気が付いたら、白い空間。
真っ白い、一面真っ白、先が見えないほどに奥行きのある、白、白、白い部屋。
そして私の目の前に立っている礼服を着た謎の男。
「田辺良平様、75歳の天寿を全う致しました。本当にご苦労様でした。」
そうか、私は本当に死んだんだな…
思い返してみれば、本当にあっという間だった。病気が見つかり深刻な状態、半月も経たない間に「感傷に浸りたい気持ちは山々ですが、そろそろ説明をさせていただいても?」
「説明…?」
「ええ。田辺様は今、死後の世界に居ます。」
「…そうか、私はこれから天国が地獄かを定められるのか。」
「いいえ。確かに通常でしたらこの後人生を振り返り天国か地獄かを決めます…が」
「が?」
「…新しい人生をスタートしてみる、というのはいかがでしょう?」
「……?」
「"転生"聞いたことありませんか?最近そちらの世界での流行ですが」
転生、聞いたことあるぞ…?スライムになったり蜘蛛になったりするやつ。ネットで見たことあるやつ!
「私はスライムも蜘蛛もお断りだが…」
「もちろん人道でございます。最近我が社では転生システムを採用いたしまして、真っ当に生き天寿を全うした方には転生して頂きもう一度新たな人生をスタートしてもらおう!というコンセプトになっております」
「なるほど、だいたいは理解出来た」
「ご理解が早くて助かります。では、どのような人生をご希望で?」
「こちら側が選べるのか?」
「ええ。大金持ち、イケメン、高身長、なんでも受け付けております。もちろん、漫画やアニメの世界でも。」
「そのような類はよく分からんな。普通でいい、影のようにひっそりと、それなりに生きていければいい。」
「かしこまりました。」
そう言って男は、何も無い空間を触り始めた。まるで目の前に画面があるように。
「手続きが完了致しました。」
そう男が言った途端。私の後ろに白いドアが音もなく現れた。
「そちらのドアを開けてお入りいただければ、新しい人生のスタートとなります。」
「…正直現実味が無さすぎて思考が追いついておらんが」
ドアを開けた刹那、生前の記憶が蘇ってくる。もしこの転生を蹴って天国に行けば、いつか妻とも再会できるだろうか。妻だけではない。息子や孫、親戚に友人。
「感傷に浸りたい気持ちは山々ですが、いい加減ここら辺にしておかないと話が進みませんので〜!」
「話?うおっ!?」
男はそう言い放ち私のケツを思いっきり蹴る。抵抗する暇もなく私は扉の中に吸い込まれていく。てか話とはなんだ!!
「老人に優しくしろと言われんかったかこの馬鹿者が!!!」
「HAHAHA!では!新しいライフをお楽しみくださ〜い!」
あの男、いつか絶対ケツを蹴ってやる!!
私はそう決心しながら、意識を手放したのだった。
「やっと行きましたか、これだから老人は困…おや?」
男は目の前のディスプレイを眺める。
「これはこれは、私とした事が。世界を間違えてしまいましたね。
"暗殺教室"
まあ、知らないだろうし大丈夫でしょう。」
ありがとうございました。
私事ですが社会の歯車故に投稿はスローもスローです。
それではまた。
追伸
自分の名前の変え方が分からないめぅ(老人)