転生平凡学生のヌルヌル中学ライフ   作:歯車非常勤講師

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皆さんGWは楽しかったですか?そうですか。歯車にGWなど存在しません。(お久しぶりです)
アンケートありがとうございました。渡辺君はドキドキ拉致班に配属になりました!


これは立派な鈍器です。

「次!菅谷君、渡辺君!」

「おーっし…今日こそやってやろうぜ!」

「当たる気は全くせんがな…」

 

春の陽気がまだ残る6月、梅雨にはまだ入っておらずポカポカお天道様。今日も体育でワシらは…

 

「フンッ!」

「もっと脇を締める!」

 

ナイフ片手に教師に襲いかかってます。

安心してください、授業です。

 

「そいっ。」

「ナイフを振るうまでに時間がかかりすぎている!これではヤツには当たらんぞ!」

 

1ヶ月もやっててまだノーヒット、渡辺です。こんなの当たるわけなくない?相手は軍人ですよ?ワシと菅谷君の攻撃を払いながらアドバイスしてるし余裕ありすぎるだろ…

菅谷君はリーチが長くて有利のように見えるが、近接はそんなに得意ではないらしい。

 

「そいっと。」

「闇雲に振るっても当たらないぞ!二撃目、三撃目を意識するように!」

 

難しくて泣きそう。とにかく当てることに意識が向きすぎて、躱された時に思考が止まる。追撃を意識して動いても思い通りに体が動かなくて止まる。思考が止まった瞬間に2人まとめて烏間先生になぎ倒されて終わる。これが無理ゲーというやつです。

 

「2人とも動きは良くなっているし、元々の筋も良い。考えながら動くことを意識するように。」

「なかなか思ったようには進まんな…」

「いつになれば当たんのかねぇ〜…」

 

名前を呼ばれ、2人で襲いかかり、何もなし得ず終わる。ここ最近のテンプレである。

 

「知っての通り、来週から京都2泊3日の修学旅行だ…」

 

こう1ヶ月ずっと結果なしだとしょんぼりである。烏間先生が何か言ってるけどなんも入ってん。どうすれば当たるのかねえ…

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

 

「渡辺、班決めたか?」

「…はん?」

 

休み時間中、珍しく磯貝君が話しかけてきた。それにしても班とは何ぞや?

 

「来週の修学旅行だよ、さっきも烏間先生が話してたろ?まだ決まってないのか?」

「…あ〜。」

 

席が離れているのにわざわざ話しかけてきた、修学旅行の班についての話。これってつまりお誘い?なんと嬉しい…

 

「いやーそれがまだ決まってなくて困った困ったチラチラ。」

「決まったら俺か片岡に言ってくれ、学級委員だからな。」

「……あはい。」

 

お誘いかと思ったらお仕事でした。このままだとぼっちか?

焦って渚の元へ駆け寄ってみる。頼みの綱である。困った時は渚に頼るのがいいんだよなあ。仲良しだもんね!

 

「渚や渚や…修学旅行の班はもう決まってるか?」

「あ、渡辺君。もう決まってるよ?渡辺君は?」

「……ンーー。」

 

頼みの綱が切れた。まあ修学旅行ってね、みんなで行くのが全てじゃないしね。個人でゆったり楽しむのも良いよね。強がってないから!!

 

「もし良かったらうちの班来る?」

「…女神?」

「男だよ!」

 

女神だった。やっぱ頼るべきは渚様だよね!ほらもう、女神に見えてきたもん。ほらもう、羽とか生えてるし。合掌。

 

「お、渡辺もうちの班か。」

「もってことは、杉野君もか。」

「おうよ!ここにいるのはみんなうちの班だぜ?」

 

見渡すと渚君の席の周りには…

渚君、杉野君、茅野さん、奥田さん、神崎さん…

 

「よろしくね〜、渡辺。」

「あ〜…ヤ〜な予感してきたな。」

 

私に向かって薄ら笑いで手をフリフリしているのは…一緒にサボった時私を起こさなかった舐めプ男。ただの悪魔。煮オレマン。こいつ許さんからな。ほらもう、羽とか生えてるし…悪魔

 

「…頼むから修学旅行先で喧嘩とかしないでくれよ?」

「もちろん、ちゃんと口は封じるから表沙汰にはならないよ。」

「喧嘩前提で話進めるのやめんか…?おいニヤニヤすんな。」

 

ワシの班、女神と悪魔がおる。

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

 

「1人1冊です」

「鈍器じゃろこれ……」

 

教室に入ってきた殺せんせーからマッハで渡されたのは、広辞苑3冊分くらいの修学旅行のしおりであった。皆が辞書だろと言っていますが否定しておきましょう。これは間違いなく鈍器です。カバンに入れて振り回すだけでもこれは立派な鈍器です。

 

「これ持ってくのか…苦行だな…」

「うーん…あ、自分で日程表作るとかどうかな?」

「百理ある。さすが神崎さん。」

「さすが神崎さん!」

 

近くにいた神崎さんが超名案を出してきた。杉野君もナイスリアクション。好きなんかな神崎さんのこと。

頭の回る大和撫子…うちの班色濃いな。女神と悪魔、大和撫子に毒使い、甘党と野球少年。甘党と野球少年は案外普通だった。ごめん2人とも…

みんなであーだこーだ言いながら日程表を作り始めている。普通の中学生の風景に少しほっこりした。実態は暗殺教室ですけども。

 

「あ、ねえ…ちょっと気になったんだけど。」

「…おん?」

 

日程表の作成も折り返した最中、渚がワシの方を向く。

 

「うちの班7人だと、6人のボックス席にしたら1人余っちゃうんだけど…どうしよう?」

 

みんながハッとした表情でワシを見る。そうだよね、ワシが入るまでは6人でピッタリだったもんね。なんで新幹線って3人席と2人席で分かれてるんだろうね。

 

「……まあ、この班に入ったのは俺が最後だし…他の席でいい。」

 

申し訳なさそうな顔やめて欲しい渚君。おい笑うな煮オレマン。

烏間先生の隣空いてるかなあ…




次回、渡辺君は拉致られません。(大ネタバレ)
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