特命機関夏目リサーチ   作:クライングフリーマン

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『別の蝉がさつか?』
珍しく、先に来ていた榊が、この文言を見ていた。
これは、今度のダークレインボウの幹「パラ・リヴァイアサン」が挑戦状として出して来た文中にあったものだ。



34.『進出』の末路

========== この物語はあくまでもフィクションです =========

============== 主な登場人物 =========================

笠置・・・夏目リサーチ社員。元学者。元経営者。分室リーダー。

高山・・・夏目リサーチ社員。元木工職人。Web小説ライターでもある。

榊・・・夏目リサーチ社員。元エンパイヤステーキホテルのレストランのシェフ。元自衛隊員。分室のまかない担当?

夏目朱美・・・夏目リサーチの副社長。芦屋グループ傘下に入り、夏目リサーチは登記上、違う会社名になっている。

 

===============================================

==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==

 

※夏目リサーチは、阿倍野元総理が現役時代に設立された会社で、警視庁テロ対策室準備室が出来る前に出来た。スーパーや百貨店の市場調査会社が、「隠密に」テロ組織を調査するのに適していると、副総監が判断し、公安のアシストとしてスタートした。

夏目リサーチは、民間の市場調査を行うのと併行して、危機的状況を調査する、国家唯一の調査機関である。

 

午後10時。浅草、浅草寺裏手のビル。夏目リサーチ社分室。

『別の蝉がさつか?』

珍しく、先に来ていた榊が、この文言を見ていた。

これは、今度のダークレインボウの幹「パラ・リヴァイアサン」が挑戦状として出して来た文中にあったものだ。

「蝉って大体がさつですけどねえ。」

到着した笠置に言って、榊は厨房に消えた。

「確かに『繊細な神経の蝉』って聞いたことないな。

笠置は指令書を読みながら、データをシステムにセットした。

「高山さん。セミ・ヌードがどうとかって言わないで下さいよ。」

「言いませんよ、そんな昭和駄洒落。で、この写真は?」

「うん。今回は、大文字伝子隊長からの依頼だ。この男は、『枝』として、現場を指揮したんだが、妙に落ち着き払っていた、らしいよ、一佐の話だと。前に「枝」の大上が坊さんだった例もあるし。」

「なるほどね。いわくありげな人物って訳だ。」

「今日は、何の料理?」と、言いながら、副社長の朱美が入って来た。

「副社長。ご馳走目当てで来たのがバレバレですよ。」

「はあい。以後、気をつけまーす。」

間もなく、データ照合が終った。

人間の特徴というものは、意外と簡単に変えることが出来る。モンタージュ写真を作っても、変装や整形技術、老化で変わって見える。モンタージュ写真もバリエーションを作るようになったが、このシステムでは骨格から推量するので敵わない。

骨格からの推定は、科捜研でも出来るが、「死体」を基準にしている。

生きた人間の静止画・動画ではないから、やはり、このシステムは凄いと笠置は思っている。

アラームが鳴って、表示したのは、那珂国に渡る前の顔と、先日EITOが対峙した男の顔だ。『見取』の会長、見取志那吉だ。

「あ。」3人とも声を上げた。

びっくりして、榊が飛び出して来た。

「何事です?」

「那珂国に進出した『見取』の会長だよ。落ち着いている筈だ。何々。那珂国で乗っ取りに遭い、会社は倒産、行方不明になっていた・・・それで那珂国マフイアに雇われたか。ひょっとしたら、EITOには負け戦だって分かっていたのかもな。」と笠置が感心した。

「ひょっとしたら、あの会社を『人質』にされたかもな。」と、高山が言った。

「『会社質』ね。自業自得かも。あ、だから、負け戦か。」と言って、朱美は笠置を見た。

笠置が、急いで報告書を作り、警視庁にメールしている間に、食卓の準備が出来た。

「フライパンで簡単に出来るんです、副社長も一度作って見て下さい。鯛のちゅうか蒸し。たっぷりの薬味とごま油が美味しい味に仕上げました。魚をいさきやタラなどでも美味しく出来ます。魚料理にボリュームが欲しい時にもおすすめの一品です。あ。念の為、ハンバーガーも作ってみました。」

榊の説明も耳に入らないのか、朱美は夢中で食べ始めた。

「庶民的な会社だなあ。」と榊が言うと、高山も笠置も「庶民的な会社だなあ。」と言い、同意した。

宴は、簡単には終りそうに無かった。

―完―

 

 




榊の説明も耳に入らないのか、朱美は夢中で食べ始めた。
「庶民的な会社だなあ。」と榊が言うと、高山も笠置も「庶民的な会社だなあ。」と言い、同意した。
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