特命機関夏目リサーチ   作:クライングフリーマン

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笠置が出勤すると、久保田管理官が座っていた。
「あまりやりたくない確認作業なんだよなあ。」と、笠置が言うと、「笠置さんが超能力者なら、ここのシステムは要らないかな?」と、久保田管理官が答えた。



40.色んな思い

========== この物語はあくまでもフィクションです =========

============== 主な登場人物 =========================

笠置・・・夏目リサーチ社員。元学者。元経営者。分室リーダー。

高山・・・夏目リサーチ社員。元木工職人。Web小説ライターでもある。

榊・・・夏目リサーチ社員。元エンパイヤステーキホテルのレストランのシェフ。元自衛隊員。分室のまかない担当?

夏目房之助・・・夏目リサーチのオーナー。EITO東京本部の副司令官。夏目リサーチの経営は妻と妹に任せている。

久保田管理官・・・警視庁管理官。EITO初代指揮官。交渉人を勤めることもあるが、普段はEITOと警視庁のパイプ役を担っている。

 

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==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==

 

※夏目リサーチは、阿倍野元総理が現役時代に設立された会社で、警視庁テロ対策室準備室が出来る前に出来た。スーパーや百貨店の市場調査会社が、「隠密に」テロ組織を調査するのに適していると、副総監が判断し、公安のアシストとしてスタートした。

夏目リサーチは、民間の市場調査を行うのと併行して、危機的状況を調査する、国家唯一の調査機関である。

 

午後10時。浅草、浅草寺裏手のビル。夏目リサーチ社分室。

笠置が出勤すると、久保田管理官が座っていた。

「あまりやりたくない確認作業なんだよなあ。」と、笠置が言うと、「笠置さんが超能力者なら、ここのシステムは要らないかな?」と、久保田管理官が答えた。

「ははは。癖ですよ。心は読めない。でも、久保田さん、気の向かない時に、右目の下辺り、擦りますよね。前に何度か見たことがある。実は早死にした友人の癖と同じなんです。」

「油断したな。あつこ君にも言われたことがあるんだ。『伯父様、顔に出てますよ』って。」

「成程。『なくて七癖、あって四十八癖』って言いますからね。」と、高山が入って来た。

笠置が久保田から渡されたFDtごCDをセットしていると、榊が入って来た。

「今年は、花火やってる所が多いですね。久保田さん、いらっしゃい。じゃあメニュー変えよう。」

「別に私に無理矢理合わさなくてもいいですよ、榊さん。」

聞こえたのか聞こえなかったのか、榊は厨房に消えた。

「笠置さん、高山さん、名古屋で新種の麻薬が出てきたのを覚えていますか?」

「ああ。アメリカで流行していて、ランプ大統領が那珂国の仕業だって言ってカンカンのようですね。」

「これは、あの発見時に撮影され、リークした男のヤサから発見されたものです。男は反社でしたが、がんが発覚してから死生観が変わったらしい。回り回って警視庁にデータが届いたのは、彼が惨殺された後でした。遠山達に意見を聞きましたが、日本の反社の拷問の仕方が違うようです。また、元ダークレインボーの山下に相談しましたが、ダークレインボーは恐らく、あの薬物とは関係していないだろうとのことです。関係していたら、あの薬物を『盾』に出来ますから。」

「ダークレインボーじゃない?」

「以前、山下に聞いたことがあります。林や森は一本の木で成り立っていないだろう、と。」

「え?じゃ、ダークレインボー全員やっつけても、違う『木』が出てくるってことですか、久保田さん。じゃ、終わりが見えないじゃないですか。」

「ええ。最初はレインボーって名前だから、7人の幹部だと思っていたら、単に『木』の好みで付けた名前らしい。」

マッチング結果は、意外に早く、30分後に出た。

「検索していた人物の部分的な顔の絵から復元、マッチングしたのは、厚労省官僚、事務次官の塩川平太だった。」

「笠置さん、元データを出してみて下さい。那珂国マフイアらしき人物と話している人物のスーツ、官僚がよく着るオーダーメイドのスーツです。」

「それで、久保田さんは、政府の人間が絡んでいると思ったんですね。」と、笠置は感心した。

榊が、バスケットを持ってきた。

こういう場合、久保田管理官はすぐに警視庁に帰る。

それで、おにぎりの詰め合わせを拵えてバスケットに入れて持って来た。

1.塩おにぎり

2.鶏胸肉の味噌おにぎり

3.ミートボールとチーズのおにぎり

4.こぶおにぎり

5.梅干ししそおにぎり

 

「うわあ、豪華だなあ。」と、高山が唸った。

 

「ありがとう、榊さん。笠置さん、マッチングデータ、送っておいて。」

久保田は、そそくさと出て行った。

改めて榊が厨房から食卓テーブルに運んだものは、おにぎり類だけでなく、『冷や麦』だった。

モノが多いので、高山も運ぶのを手伝った。

「冷や麦の、つゆはシンプルに鰹で。」

 

今夜も、分室の宴は深夜まで続く。

 

―完―

 

 

 




「成程。『なくて七癖、あって四十八癖』って言いますからね。」と、高山が入って来た。
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