特命機関夏目リサーチ   作:クライングフリーマン

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歯科医の自宅で奥さんと娘が監禁の末、レイプして金品強奪の上で逃亡した案件、覚えてる?


50.モンタージュの精度

 

========== この物語はあくまでもフィクションです =========

============== 主な登場人物 =========================

笠置・・・夏目リサーチ社員。元学者。元経営者。分室リーダー。

高山・・・夏目リサーチ社員。元木工職人。Web小説ライターでもある。

榊・・・夏目リサーチ社員。元エンパイヤステーキホテルのレストランのシェフ。元自衛隊員。分室のまかない担当?

夏目朱美・・・夏目リサーチ副社長。夏目の妹。

 

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==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==

 

※夏目リサーチは、阿倍野元総理が現役時代に設立された会社で、警視庁テロ対策室準備室が出来る前に出来た。スーパーや百貨店の市場調査会社が、「隠密に」テロ組織を調査するのに適していると、副総監が判断し、公安のアシストとしてスタートした。

夏目リサーチは、民間の市場調査を行うのと併行して、危機的状況を調査する、国家唯一の調査機関である。

 

午後10時。浅草、浅草寺裏手のビル。夏目リサーチ社分室。

笠置が、警視庁から送られて来たデータをセットした。

「相変わらず、早いですね、笠置さん。今日は電子データですか?」

「5分前に来ただけだよ。タイムカード見て。これは、指名手配の案件。歯科医の自宅で奥さんと娘が監禁の末、レイプして金品強奪の上で逃亡した案件、覚えてる?」

「可哀想な歯医者さん。最初、誤認逮捕されたんでしたっけ?」

「そう、学会に出席していたから、すぐにアリバイ成立。そもそも家族にあんな危害を加える理由がない。誤認逮捕した巡査は、依願退職。本当はクビ。」

「あ。いけない。これ預かってきたんだ、社長から。」と、高山はCDを出した。

「もう間に合わないよね。」

「大丈夫。リスタートするから。人間だったら不平言うね。『何やってんの、高山さんはぁ』って。」

「今の、副社長の真似?」

「私、そんな言い方しないわよ。はい、年賀葉書。」そう言って、朱美は高山に年賀葉書を差し出し、高山は精算した。

「ありがとうございました。大した枚数出さないんですけどねえ。」

「お礼は良いけど、『濡れ衣』は、どうしてくれるのよ。あ。榊さんがいない。」

「30分、遅れまーす。さっきメール来てました。」

「副社長は、そんなきつい言い方しませんよね、失礼しました。」

その時、マッチングデータが出た。

「嘘みたい。別人じゃないですか。」と笠置は溜息をついた。

「ほんとだ。」高山と朱美は顔を見合わせた。

 

榊が顔を出し、すぐに作業にとりかかった。

笠置は報告書を書くので、高山と朱美が手伝った。

今夜は、『普通の』おでんである。

 

分析によると、頭頂部は陥没骨折をカモフラージュしていたらしい。

「ガチャガチャで発見されたデータでは、ヨコハマのネットカフェに出入りしていたみたいだね。」

「あれだけ違えば、誰も見向きもしないわ、」

「いつも買う店が火事でね。お見舞い渡して、他の店で仕入れてきました。あ、副社長が喪中見舞い、世話してくれた花屋の近くです。」

「今年は、火事が多いそうね。」

そういうなり、朱美は、食べることに専念した。

 

今夜も明るい夜だ。

 

―完―

 

 

 

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