Hunter世界でどう生きるか   作:武本良い肉

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4話を加筆修正しています。割と重要な内容が加わっているため、修正前をご覧になった方は、ぜひお読みいただけるとありがたいです。


第5話

名前が判明してから、3年ほど経過しました。エルフリーデ・フォン・マルティン3歳です。愛称はエルです。ブラックリストハンター的な仕事をしている世界的名探偵ではないです。名前を書かれると死ぬノートを追ったりはしていません。動き回れるようになって鏡を見てみたら。普通に美幼女だった。両親に似てブラウンの髪に緑眼、特にパパに似たキリッとした目鼻立ちが特徴の気が強そうな美幼女である。両親の美人遺伝子を引いていて一安心だ。

 

まずは私生活だが、1人で立てるようになり、離乳食を通り過ぎて普通の食事が取れるようになった。オムツもすでに卒業済みである、やったね。要約するとこれだけなのだが、オムツに関しては本当に大変だった、我慢しようと思ってもいつの間にか漏れ出ているのだから。だが我慢しようと試行錯誤しているうちに、そのうちできるようになっていた。感覚的には自転車の練習に近いだろうか?コツを掴みさえすれば後は手足の如く操れるような感覚、あんな感じである。

 

それと弟が生まれた。名前はハンス。これまたフワフワの金髪にクリクリまんまる緑眼の可愛らしい男の子である。家族で唯一の金髪なのだが、それ以外はママそっくりだ。優しげなタレ目、少しポテっとした唇、将来は甘いマスクで女の子をキャーキャー言わせるに違いない。きゃわいい……。

 

家族はハンスの育児について、私の時との違いに驚くと同時に四苦八苦している。まあ私の場合は中身成人の幼女モドキなので、育児難易度はイージーだっただろうから、仕方がない事だと思う。

 

また、弟が一歳、私が3歳になるのを目処に、パパが完全に職場復帰をした。ちなみにパパもおじいちゃんと同様、軍の偉い人らしい。(たしかおじいちゃんが上から2番目の大将、パパが大佐らしい。パパの年齢で大佐はすごい事だとママが自慢していたが、軍隊における階級がどれくらいのものなのかわからない。)ちなみにそんな軍の偉い人が、なぜ四年近く休暇を取れていたのかと言うと、うちが軍閥のガチ貴族だからである。血統を繋ぐことが1番重要な仕事だから、跡取りである直系男児が生まれるまではいくらでも休暇とって良いよ、ということである。

 

三年間生活を続ける中、色々と情報も手に入った。まずは現在地だが、ベゲロセ連合国を構成する国家の一つ、マニージャー共和国の元マルティン領、現マルティン市らしい。元というのは、貴族による領土支配は終わって、一部を除き、大半の土地は国に返したらしい。それでも何千ha、日本で言う市が大体一つまるまる入るくらいの土地を持っていて、その運用だけで食うには困っていないらしい。とは言っても大半は山と森と川しかない田舎領土だが、自然豊かで子育てには向いていると言うことで、私が生まれる前に、こちらに引っ越してきたらしい。

 

ベゲロセ連合国の名前は、本編において見たことがある。V5の一つとして名前と、暗黒大陸に挑戦したという情報は出てきたが、具体的な位置情報は流石に覚えていなかった。しかし最近通信教育のテキストのようなもので勉強させられ始めて、場所を知ることができた。大体前世でいうところのオーストラリアの位置だ。

 

ちなみに通信教育のテキストは、大体幼児向けのハンター文字表、ハンター文字練習帳みたいなものから、小学生高学年向けのテキストまでがまとめて十数冊も送られてきていた。国語は文字がハンター文字になっていたり、文化的背景の違いによる熟語が少し違う部分があったくらいでほぼ同じ、数学も法則や定義の名前が違うところがあるがほぼ同じ、理科も固有名詞がちょくちょく違うくらいでほぼ同じ。社会は全く違ったが、最も難しいものでも小学生高学年程度の内容なので、2日あれば丸暗記できた。

 

毎日宿題も出されるが完全に理解した内容なので数分で終わる。時々テストも行われるが完璧に理解しているので全く問題なし。ママもレナも年齢相応の学力以上は求めていないらしく、拘束時間も少なく修行に専念できるということである。(多分、パパが仕事復帰したことも含めて、弟のハンスを育てるのに手一杯でそこまで手が回らないのもあるだろう)

 

そして次に現在の年だが、1974年だった。確か本編がスタートする年が1999年だったはずなので、あと25年近くある。本編開始時には28歳になっているので、年齢的にはジン以下クロロ以上といったところだろうか?

 

こうして本編開始までの具体的なタイムリミットを見ると悩むことがある。原作に介入するべきかどうかだ。正確にいえば、原作に介入することに躊躇しているのではなく、原作に介入して、キメラアント側が勝利してしまう可能性が怖いのだ。それと暗黒大陸に向けた味方の強化フラグを折ってしまうのも。(ゴンさん化による念能力の喪失は、今後のゴンの強化フラグの可能性もあるし、キルアの能力の成長もキメラアント編を経なければもっと緩やかだっただろうし、イルミによる支配からの脱却も遅れていただろう)

 

1番良いのは、サポート型の念能力を覚えて、味方の強化に尽力することだろうか?もう私がこの世界で生きていく以上、本編に介入しない場合でもどんなバタフライエフェクトが起きるかわかったものじゃないし、ポジティブな介入はした方が良いだろう。だが直接戦闘をして、主人公たちの成長機会を奪ってしまうのは問題がある。

 

目標はビスケ、モラウ、ノヴだろうか?有能なサポート念能力で、前線に出なくても貢献度が高い。いざとなれば念能力なしでもオーラのみの攻防である程度対処が可能。相当高い壁だろうが、できるだけ頑張ってみようと思う。

 

私生活の事はこれで良いとして、続いては念能力含む修行についてだ。あれからは大体前回決めた方針通りの念の修行を継続していた。どれくらい上達したのかを発表しよう。

 

まずは纏。波のようにゆらゆらと揺れていたオーラが、凪いでいる時の湖面の細波くらいになった。それがどれくらい上達したことになるのかって?わからない。念の専門家に聞いてくれ。そしてそれを私に教えて欲しい。

 

次に絶。初めは精孔を閉じる感覚というのがわからずに苦戦したが、今では家族たちには気が付かれない程度には気配が消せるようになった。(物音で気が付かれることはあるけど。)これを利用してちょくちょく家から脱走して森を散策したり、修行したりしている。(家が森の中にあった。家族曰く私有の森で、鉄柵で囲ってあるため危険な動物はいないらしい。ド派手に金持ちだ)

 

この脱走は家族には時々バレているが、危険性がそんなにない事と、弟が生まれて大忙しなため、危ないことはしちゃダメよ!と注意のみ。最近では、安否確認のための一、二時間に一回の帰宅を条件に、お咎めなしになってきた。やったぜ。なお安否確認を忘れるとレナ(最近知ったが、レナは愛称で、本名はマグダレナらしい)が飛んできて引っ捕らえられ、一週間外出禁止である(一敗)

 

ちなみに森に生息している兎や鹿、鳥なんかには絶をしてもバレる。あいつら常に生存競争で感覚を磨いているからか、雨で匂いと音を誤魔化せる日でもないと、絶をしても違和感を察知してすぐに逃げる。まだ若く経験の浅い個体相手なら、晴れの日でも風向きと足音に気をつければ、なんとかタッチ出来たことがあるので、いつかは晴れの日でも、長生きしている経験豊富な感の鋭い個体にタッチ出来るようになるのが目標である。

 

次に練。これが少し問題があった。単純に森に出られるようになるまで練習場所がなかったのだ。前に修行方針を決めた時は、家族たちが近くにいない時に練の修行をするつもりだったのだが、実際にやってみたらすぐに問題にぶち当たった。家の中くらいの比較的近距離で練をすると、流石に非念能力者でも何か異常を感じるらしいのだ。

 

具体的に言うと、練をするたびに、異様な気配を察知した家族の誰かしらが部屋に飛び込んでくる。流石にこれだけ影響が出ていると、無闇に室内で練をする気にはなれなかったので、2歳後半ごろに森に出始めるまではまともに練の修行ができていなかった。途中でママが弟を妊娠が判明したこともあって、影響を軽視できなかった。違和感を感じるほどオーラを浴びてしまうと、胎児に対して洗礼として機能してしまう可能性を払拭しきれなかったのだ。そんなこともあり、練の持続時間は2時間ちょっと。修行期間と師匠がいない事を考えれば、上出来と言って良いのではないだろうか?。

 

次に発。これは多分喜んで良い事なんだろうが、多分特質系だった。多分と言うのは、他の系統と似たような現象なので、今の所確信が待てないのだ。

 

ある日、絶を覚えて家族の目をかいくぐることができるようになった私は、水入りグラスと良い感じの観葉植物の葉っぱを頂戴して、水見式を試してみた。まず起きた現象は、葉っぱに緑色の結晶が生えてきた。結晶が成長するのに比例するように、葉っぱがシナシナになる。最終的に葉っぱはカラカラの乾物のようになって、結晶に取り込まれて水に沈んだ。

 

結晶が生じるのは具現化系っぱいが、葉っぱシナシナ現象は特質系っぽい?専門家に判断を仰ぎたいところである。個人的には、元々具現化系だったけれど、生まれ変わりの影響で特質系に変質した説を提唱したい。

 

ちなみに練の継続時間が30分を超える頃には、この現象が一瞬で終わるようになった。結晶大量増殖だったら派手で面白くて良いと思っていたが、予想が外れて残念である。

 

自分だけの発、念能力の開発をしたいところだが、四大行も自分の系統も不確かな状態では、まともな能力になる気がしないので、一旦保留することにした。四大行の修行中にも思ったが、漫画の知識だけではどうしても不足した情報が多すぎて支障が出る。何とか師匠を確保したいところだ。

 

四大行も問題が全くないわけではないが、順調には進んでいるので、応用技も少しずつ練習している。

 

特に凝、隠が得意だ。まあ、そうなった理由は単純で、森に出歩くまでに安全に修行できたのがそれくらいだからである。あと、幼児の体で修行する上で、念による肉体強化があると便利だったので、凝を多用していたというのもある。凝は特に得意で、同時に2、3箇所に集めたり、1秒間で5~6回程度、凝の場所を入れ替えたり出来る。隠は絶とほぼ同じくらい動物に見つからずに接近できる。多分隠の練度が高いのもあるが、オーラ以外の音、匂い、息遣いのようなものでバレているから、絶と隠で差がないのだろう。

 

反対に、周、堅、硬、円が苦手だ。これまた理由は単純で、森に出歩くまで練習が非常にやりにくいか出来ない状態だったからだ。おもちゃのスコップでも、周をすれば危険な刃物に早変わりである。家族がいるところでは怖くて修行したくない。堅と硬と円は、そもそも元となる四大行である練が修行できる環境ではなかったので応用技など論外である。

 

森にある程度自由に出られる様になってからは、ビスケがやっていた修行を真似して、穴掘り修行もしている。穴掘りと言っても岩石地帯なんてうちにはないので、勝手にロシア式と命名した方式を採用している。スコップは倉庫にあったので勝手に拝借して、周をしたスコップを使ってひたすら地面を掘って横幅二、三メートルの縦穴をひたすら掘り続け、飽きたら今度は埋め戻す。埋め戻す時には周をしたスコップで叩きまくってガッチガチに固める。またガッチガチに固めた地面を同様に掘るのを繰り返し続けるのだ。(倉庫のスコップは何回か繰り返すうちに壊れてしまったので、おねだりしたら10本近く買ってくれた、良い子にしていてよかった。)

 

これをやり始めてオーラの総量が増えた実感がある。それに伴って練の持続時間が一気に伸びた。たしか一月で一時間以上伸びた記憶がある。ちょうど良い目安なので、練の持続時間の伸びが鈍化するまでは続けるつもりである。

 

堅と硬の修行は一旦保留している。わざわざビスケが周による穴掘り修行を先にやらせていたのも何かしら理由があると思うからだ。事前にオーラ総量を増やしておく、周で多量のオーラを移動させる感覚に慣れておく。色々考えられるが正解はわからないので、わからないなりに基本に忠実にやっていこうというわけである。

 

最後に円だが、これが1番意味がわからなかった。練と纏の応用らしいが、一応出来たには出来た。単純に練をして、広がったオーラを纏で止める。これで2メートルくらいの円は一応出来るのだ。だが、ここから範囲を広くする方法がわからない。練はオーラを通常以上の出力を出す技術であり、別にオーラを広範囲に広げる技術じゃないと思うのだが、ゼノやピトーのような広範囲の円を展開できる念能力者は、練の出力で無理やり円の範囲を広げているのだろうか?よくわからないので、こいつも一旦保留している。

 

家にいても娯楽がカードゲームやボードゲームしかないうえ、ママやレナは弟にかかりっきりで対戦相手になってくれず、暇つぶしにもならなかった。しかし修行はなかなかに面白かった。日々、修行に取り組めば取り組むほど、それが目に見えて成長につながる。まるで自分を育成するゲームをやっているようで、修行にも熱が入る物だ。だが、こうして修行内容を振り返ってみると、やはり師匠がいないことが所々でネックになっていることがわかる。流石に3歳だと許して貰えないかもしれないが、心源流で稽古出来るように家族におねだりしてみようと思う。

 




どこかでベゲロセ連合国はイギリスモチーフ説を見かけたので、勝手にベゲロセ連合国をEU圏モチーフとして設定しました。主人公の生まれたマニージャー共和国は完全に創作です。マニージャー共和国=ジャーマニーGermany=ドイツモチーフになっています。そのためマニージャー共和国出身者は基本的に古風なドイツ名に設定しています。
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