あれからさらに3年経過、6歳になったエルフリーデ・フォン・マルティンです。最近数ヶ月に一回、子供も含めた社交界モドキに駆り出されるのが憂鬱です。モドキというのは、子供とその保護者しかいない練習の場としての意味合いが強い場所だからだ。ママは私のドレス選びに大変上機嫌で、毎回一時間以上あれでもないこれでもないと、着せ替え人形役をやることになる。ハンスの育児に苦労しているようなので、息抜きに丁度良いのだろう。なので大人しく付き合う事にしている。
社交界モドキにおいては、まだ6歳とはいえ家格が上から数えて片手に入るくらいに高いからか、練習とはいえ中身大人の私が、年端もいかないガキンチョに恭しく対応されることになる。それが大変居心地が悪い。ガキンチョはこんなところで神経すり減らしてないで、友達と楽しくゲームか外遊びでもしてろ、ケッ。なお媚びるのは得意です、元社会人舐めんな。お靴お舐めしましょうか?ペロペロ
なんて冗談はさておき、前世も合わせると30年近い人生経験と社会経験がある私は、保護者たちの顔色を伺って最適解を出すのが同世代と比べて圧倒的にうまい。そのため社交界もどきにおける私の評価は上々だ。
本当は社交界なんて面倒なので出席自体お断りしたいところだが、家のメンツのために顔見せだけでもしておかないといけないので、仕方なくである。パパママに、挨拶だけでも良いからと懇々と説得されたのと、それ以外の日は勉強さえやっていれば、一日中森で遊んでいても良いらしいので、本当に仕方がなくである。
ハンスが3歳になって少し私に対して手間をかける余裕の出てきたママとしては、本当は森で修行に当てている時間を使って、お稽古事や花嫁修行を始めたかったらしいのたが、私がお願いしていた心源流のお稽古は女の子らしくないからと断られたので、こちらからもお断りさせていただいた。修行不足が死に直結しかねないので、許して欲しい。
諦めきれないのか、二、三ヶ月に一度、ピアノやヴァイオリンの先生を自宅に招待したり、コンサートに連れ出して興味を持たせようとしてくるのはやめて欲しいところだが、ママにとってはハンスの育児の合間にようやく取れるようになってきた休暇でもある。やっぱり興味は湧かないし、お稽古もやるつもりはないが、ママのためなので、その日だけは付き合う事にしている。
本当は社交界出席の条件に、ハンター試験を受けさせて欲しいとお願いしようかとも思ったが、ハンター試験の方は、実力さえあれば戸籍のない流星街出身者でも受けられるし、合格できる試験だ。最悪は家出をして受けに行けば良いという結論に至った。
ちなみに社交界モドキだが、格式張った場でつまらないだろうと思っていたが、案外収穫があった。子供の中に纏を使っていたり、偽装のためか、垂れ流しではあるがオーラの流れがぎこちない子が数人いた。一通り挨拶したところ、ある程度傾向があった。ほぼ全員軍閥の家系の、その中でも武闘派として有名な所の子だったので、多分子供の頃から念の教育をするようにしているのだろう。
だがまぁ、練度はそこまで高くないと見て良いだろう。纏の揺らぎが大きすぎる。大方覚えたばかりなのだろうが、生まれたばかりの時の私と同じくらいの纏の揺らぎ方をしている。数ヶ月ごとの社交界モドキのたびに顔を合わせているが、それでも纏の習熟が遅々と進んでいないのもその証左だろう。
師匠の質が悪く、基礎修行の重要性を理解せず基礎修行を怠っている。もしくは1番時間のかかる精孔を開いて纏を習得するまでを早めに終わらせて、じっくり育てる方針のどちらかだろう。V5の一つであり、暗黒大陸に進出した経験もあるのだし、後者の可能性が高いと思うが、実際どうなんだろうか?でもじっくり育てるにしても、最も基本的な纏があれでは……。念の専門家の中でも上澄みの中の上澄みを漫画とはいえ知ってしまっているから、目が肥えすぎているのだろうか?まあいいや、私にはあまり関係のない話だし、気にしないでおこう。
ちなみにだが、私は社交界モドキにおいて、纏をせずにオーラは垂れ流し状態にしている。なぜなら私が念を使えて、同年代の中で1番念を習熟している事をアピールしてもデメリットの方が多いからだ。
まず、うちの家格は十分高く、上の家格の人間にアピールして取り入る必要がない。そして家格の高い家の女が念を習熟しているアピールをした場合、期待される役割は次代へ資質を継がせる母体としての役割だろう。家のためだけにそこまでするのはまっぴらごめんなのだ。ハンター資格を取って、母体としてではなく、1人の人間として扱ってもらえるようになるまでは、念能力については隠すつもりだ。
さて、話は変わって修業について話そうと思う。
念の基礎である四大行だが、最近は月に1回と、修行の合間にちょくちょくやっている程度である。え?さっき同世代の基礎修行をボロクソに言っておいてお前はやってないじゃん?いやいや、別にコレはサボっているわけではないのだ。単純に四大行の練度が上がりすぎて、時間がかかりすぎるようになってしまったのだ。
例えば練だが、起きている間、一日中練をし続けても、寝る時間までにオーラが底をつかない。オーラ量が増えすぎて、もう練だけでは使いきれなくなってしまった。
絶の場合、森にいる動物程度なら、気づかれずに全部捕まえられるようになってしまった。そのため鉄柵を越えて勝手に外出して修行しているのだが、それでも割と簡単に捕まえられてしまう。それに加えて、近隣の動物が私の匂いと気配を覚えたのか、時々捕まえにくるけど危害を加えない変な生き物として警戒が薄くなってしまったので、より習熟するには外出に相当時間をかけないといけなくなってしまった。なので私の事を覚えないように、月一くらいで、場所も転々としながら修行は継続している。
纏の場合、社交界モドキみたいな外部の人間と会う場合を除いて常に纏を使っているし、修行として纏をする場合でも、他の修行の合間に休憩を兼ねて瞑想しながら纏をするのが丁度良いので、本格的にやるのは月一程度にしている。
発の場合、水見式ではもう意味がないので、系統別修行をやっている。え?自分だけの能力は開発してその修行をしろって?そうしたいのはやまやまなのだが、本編における特質系の能力開発の描写が限定的すぎて、その知識だけをもとに能力開発をしても良いのか躊躇しているのだ。
特に特質系の念能力者は、それぞれの特性にあった念能力が勝手に出来上がっている場合が多いのもそれに拍車をかけている。そもそも水見式の結果が本当に特質系なのかわからないのもある。
なので師匠を手に入れて、私の系統が特質系であると確信を得られた上で、特質系念能力の開発が自力でできる知識が手に入る、もしくは勝手に出来上がるまでは、発の開発はストップするつもりでいる。それまでは、どんな系統を併用しても良いように系統別修行を進めている。
とは言っても、本編における系統別修行の描写が一部のみしか描写されていないため、描写されている物は一通りクリアした後は、ほとんどその系統の特性を考えて、オリジナルの系統別修行を作ってやっている。
例えば強化系の場合、本編に登場した修行は手に持った石で地面に置いた石を割る修行だが、一つの石を使って千個の石を割れるようになってからは、だんだん脆くて壊れやすいもので石を割るようにしていった。まずは砂岩のような脆くて崩れやすい石で、木片で、プラスチックで、陶器で、千個の石を割れるようになるごとに段々素材を壊れやすい物に変えていく。しかし途中でこの修行はストップした。家からプラスチックや陶器が減っているのがバレてバチクソに怒られたからだ。どうやら陶器の方が結構高いやつだったらしい。なので修行方法を変えた。
適当に拾った木の枝2本をツタでT字に組み合わせて、ツルハシっぽく加工したもの。それで地面を掘っている。この即席ツルハシだが、もちろん脆い。地面を本気で殴ると枝が折れたり、ツルが千切れたりして一発でオシャカになる代物だ。強化をするにしても、全体に纏わせるだけでは意味がない。土や岩を掘る先端部分と、T字に保持するツタを重点的に強化した上で、ツルハシ全体の木材を折れないように全体を強化しなければならないので、かなり難しいのだ。そのうえ材料が木の枝二本とツタのみで、石を集める必要がないのが良いところだ。
変化系の場合、オーラの数字への変化の上位互換のような物が本編に登場していたので、今はもっぱらそれを行なっている。ジンのやっていたイボクリだ。オーラを大量のイボの形状に変化させて方向もバラバラに移動させたり、さらにそのイボの形状を多様に変化させるあれである。いまだに片手で5、6個、しかも同じ方向に移動させるのが限界だ。形状を変えながら行うのは今の練度では到底不可能だ。ジンと同様の練度までいける気がまるでしないのだが、あれは一体どうなってるんだろうか。ジンに会えたらコツを聞いてみたいところだ。
放出系の場合、ビスケの修行は一通りクリアした後、これまたゴンのやっていたピンボール大のオーラを体外で維持し続ける修行の上位互換が本編に登場していたため、それをやっている。名前はついていないが、メルエムのやっていた数百数千の大量の微細なオーラを放出してコムギを探したアレだ。私だと今のところ4~5個程度、しかもピンポン玉サイズが維持し続けられる限界だ。ピンポン玉サイズ以下にしようとすると形状の維持がめちゃくちゃ難しい。
しかもあれ、コムギを探してしたことから分かる通り、メルエムの場合は円のような能力も備えているのだ。私も飛ばしたオーラの球で円を出来ないか試したことがあるが、情報を読み取った瞬間に集中が切れて全ての球が維持できなくなってしまう。いつかはメルエムと同じくらい出来るようになりたいが、何年後になるか想像がつかない。自分が同じようにオーラを扱うようになったからこそ余計に思うことだが、作中の最上位層のオーラ操作技術は改めて異常だと思う。
操作系の場合はビスケの修行にも、作中に上位互換になりそうな修行もなかったので、完全にオリジナルで修行している。まあやってることは単純で、物にオーラを込めて操作する。それだけである。
もう少し詳しく説明すると、まず初めにやった事として、髪の毛を抜いて、それにオーラを込めてウネウネ操作した。(やっておいて何だが、本当にウネウネしていて気持ち悪かった、新鮮なミミズや釣り餌のアイツを彷彿とさせた。)髪の毛くらいオーラと親和性の高い、慣れ親しんだ物質がなかったのだ。髪の毛での操作に慣れたら、髪の毛をもっと増やして髪の束、髪の束で慣れたら、木の葉っぱや木片、木の枝と、操作対象の重量を増やしながら、慣れ親しんだ物質以外のものに切り替えて操作能力を高める修行をしている。
一応この修行で操作できる重量が増えて、機敏な操作が出来るようになってきているので、間違った修行じゃないことを祈りたい。目標は超能力バトルものでよくあるサイコキネシス、もしくは某SF洋画の金字塔に出てくるフォースだろうか?
具現化系は1番よくわかっていないので、現状は保留している。クラピカが鎖を具現化する修行はしていたが、アレはもう能力を開発する事を前提とした修行だ。下手に修行して具現化してしまい、ヒソカのいうメモリの無駄遣いになりました、なんて馬鹿なことはしたくないので、これまた師匠ができるまでは保留するつもりである。……ゴレイヌさんはゴリラを舐めたりしたのだろうか?
系統別修行はこんなところだろうか?次は応用技についてだ。
まずは周だが、強化系修行でツルハシに周をやっているのと、ツルハシで掘った穴を埋め戻すときに周で強化したスコップで埋め戻すことになるので、個別にはやっていない。
凝、特に特定の部位に集めて攻防力を調整する意味での凝は、後述する堅と流の修行で十分なためやっていない。戦略的に隠や絶を見破るために、目で凝をするタイミングの修行をしたいが、戦闘訓練ができる相手がいないため、あまり出来ていない。野生動物の絶を見破るのに以前は苦労していたが、今ではコツを掴んでしまったので余計にである。最近やっているのは、天空闘技場の二百階以上の念能力者同士の戦闘を見て、凝のタイミングを見定めるイメージ訓練くらいだろうか?
隠も凝と同様に、実践的に鍛える相手がいないため、やっていない。一時期は絶の修行の代わりに隠を使って野生動物捕獲の修行をやっていたが、今はあまりやっていない。近隣の森の動物相手だと、隠をしていれば堅と併用してもバレなくなってしまったのだ。実践的に修行をするなら、やはり凝ができる相手が必要である。なので月一くらいで動物相手に練習しているくらいである。
堅の修行の場合は、大体硬、流と並行して行なっている。本当はビスケの修行のように、念能力者と模擬戦闘を行なうのが1番実践的なのだろうが、相手がいないので擬似的に再現して修行している。やり方を詳しく説明しよう。
まずは襲ってきた適当な肉食動物を返り討ちにして生肉を調達する。そのうえで、念で強化した脚力でも走って一時間以上かかる、山岳地帯を超えた先にある森に行く。そして生肉の匂いに釣られてきた熊やジャガー、オオカミっぽい大型肉食獣に襲われるように仕向け、堅と硬と流を用いて攻撃をいなし続けるのだ。これが結構体力も使うし、体捌き、手捌き、足捌きの修行になるので、なかなか良いのだ。
とはいえ、オーラ総量が相当増えたのと強化系の練度が上がったのもあり、たかだか大型肉食獣程度の攻撃力なら全身を覆う堅だけで全て防げてしまうので、そこは少し工夫をしている。例えば動きのトロい肉食獣相手なら、出来るだけ硬を使って防ぎ絶で攻撃する。本来なら分配するまでもない攻撃だが、牙での攻撃なら70で防御、爪なら50、体当たりなら…と相手の部位によって防ぐためのオーラを決めておいて、その部位で攻撃してきたら、あらかじめ決めた通りの配分で防御して、擬似的に流の練習をしたりと色々やっている。
1番修行になるのは、四足歩行状態で私より頭ひとつ分くらいデカいオオカミだろうか?(私の現在の身長が約140センチなので、体高が約150センチ、通常のオオカミの2倍くらい?)他の肉食動物に比べて群れで数が多く、その上で非常に頭が良いので、死角を取ってきたり、足払い、目潰しを狙ってきたり、タイミングを合わせて連携してきたりするので、流の練習相手としても、戦闘経験の不足を補う相手としても最適なのだ。硬を使える隙が1日に一度二度、日によっては無いくらいだ。
このオオカミだが、こいつらは本当に頭が良い。数回練習に付き合わせると、こちらが肉をくれること、狩るのに苦労する相手だと認識したうえ、危害を加えるつもりがなく手加減していることもきちんと認識していた。その証拠として、狩の練習だと思うが、子供のオオカミもわざとけしかけてきたり、こちらが足捌きをミスってコケたり、攻防力をミスして吹っ飛んだりした時は、攻撃を止めたりする。
そんな感じで修行していたら、いつのまにか平常時での堅の持続時間が6時間を超えていた。ビスケ曰く、実戦では6倍消耗するらしいので、実践での持続時間は一時間と言ったところだろうか?本当の殺し合いという意味での実戦をしたことのない身としては短く感じるが、中堅ハンタークラスと言われたキメラアント編のゴンとキルアの倍と言われれば、まあまあ多い気がする。
これが今やっている修行の大体の内容である。やはり知識不足と相手不足で、所々に修行の限界が来ている。ママに心源流のお稽古を断られてしまったのが痛いところだ。
応用技の進捗はコレくらいだろうか?
え?円はどうしたのかって?知らない子ですね。
いや、知らないことはないのだが、私はあの修行が滅茶苦茶苦手なのだ。キメラアント編のナックル戦におけるゴンのように、オーラの勢いのままに無理やり広げた感じにならできる。あるいは変化系の系統別修行の応用で、ピトーのように好きな形にオーラの形状を変化させて索敵するのも(まだ5メートルくらいを一方向のみにだが)出来る。というかこちらの方が得意だ。なので今は変化系系統別修行の一部として円モドキを修行しているが、本当の円は保留である。本当に感覚が掴めないので、師匠が待ち遠しい。
山形修行と言いますが、具現化系はどんな修行をするのでしょうか?私のノミサイズの脳では思いつかなかったので、エルフリーデちゃんも思いつくことができませんでした。みなさまは系統別修行において、具現化系はどんな修行をすると思いますか?