回原のドリルは天を貫く   作:のりしー

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決戦!!リ・デストロ!!

sideベストジーニスト

 

「『あなたの受けようとする苦しみを恐れてはならない。見よ、悪魔が、あなたがたのうちのある者をためすために、獄に入れようとしている。あなたがたは十日の間、苦難にあうであろう。死に至るまで忠実であれ。そうすれば、いのちの(かんむり)を与えよう』

……さあ耐えられるってんなら耐えて見やがれ!!無事に耐えきったらいのちの(かんむり)をプレゼントし殺したるわ!!」

 

「……すまねえ爆豪。俺には知識が無くて解説出来ねえんだ。俺もやはり聖書とか読んだ方がいいんだろうか?」

 

「何でだよ半分野郎!!なんでテメエが俺の相方ポジに納まろうとしてやがんだよすでに間に合ってるわクソボケが!!」

 

「……そうなのか?」

 

「聞くなや!!集中しろや!!地味にしょんぼりすんなや!!決戦だぞ!!マジモンの決戦だぞこれから!!」

 

 

(ふっ……実に楽しそう……嬉しそうだな爆豪よ……)

 

 

超巨大なヴィランとなったリ・デストロを拘束し続ける事は私にとっても難題であり、今こうしているこの瞬間すらも、かなりの負荷が私の身体を消耗させているのだが……

 

 

「……行け、爆豪……」

 

……だからといって、負荷がキツイからといって、今の彼から目を離す訳にはいかない。

 

 

職場体験で始めて私の事務所に来た時の君は、ただ粗野で粗暴で下手すればヴィランになりかねないような、ヒーロー見習いとも言えないような少年だった。

 

そこから合宿での誘拐〜からの神野事件、オールマイトの引退。

仮免取得してからは死穢八斎會との抗争で活躍もしたのだったな。

 

福岡や泥花市での戦いに参加出来ず、ただ見ている事しか出来なかったのはお前にとって屈辱だっただろう。回原がソコにいて。お前はいなかった。辛かったな。

 

他にも……他にも本当にたくさんの素晴らしい経験があり……きっと良い事も悪い事もあっただろう。それらがお前を大きく成長させたのだろうな。

 

「……わかるさ。わかるとも。年が明け、再び私の事務所に顔を出したお前は……職場体験の時とは明らかに違う、立派なヒーロー候補生となってインターンに来たのだからな」

 

そこからのインターンでの目覚ましい活躍。

個別での個性の特別訓練にもお前はよくついてきたよ。

良かったな、手だけでなく足裏でも個性が使えるようになって。

 

お前は本当に成長し、よく頑張ったぞ爆豪。

 

「……だからこそこの最重要局面で、エンデヴァーではなくお前が今その場にいる事は……偶然ではなくむしろ必然。そう、運命だったのかもしれん」

 

空を飛び、互いの個性と個性を掛け合わせていく4人。

 

「ライバルと意識していた回原が一足先にトップヒーローとして活躍し続けるのはお前にとって本当に悔しいことだっただろう。プライドの高いお前だからこそなおさらな。よく我慢し、そしてそこまで辿り着いた。追いついた」

 

 

『うおおお!!!この拘束を解けぇ!!ベストジーニストォォォォォォォォ!!!』

 

「………グッ!!」

 

特殊な繊維で編んだワイヤーに拘束されながらも、その巨大な力で暴れまわろうとするリ・デストロ……その力がこちらの身体に更に凶悪な負荷をかけてくる……が!!

 

「が!!……この瞬間を見逃す訳にはいかん!!私の矯正を受けたヒーローが!!広い世界に羽ばたく!!今!!この瞬間をな!!」

 

『ぬぅぅぅ!!!!』

 

負荷を跳ね返すように、更なる力をワイヤーに込めて強く強くリ・デストロを拘束する!!

 

 

「行け!!大爆殺神ダイナマイト!!!」

 

 

そして!!

 

残った微かな力を使いダイナマイトの背中の繊維を操る!!

 

(……ポン)

 

そして、ポン、と……微かな力でダイナマイトの背中を叩く。

彼が新たな世界で前に進む手助けを……安心して前に踏み出せるように。勢いつけて前に飛び立てるように。ほんの少しだけ前に押し出してやる。僅かだがその手助けをする。

 

「……デニム?」

 

奴は気づいただろうか?気づかないかもしれない。

まあそれはどちらでもいい。

 

「そこがお前の望んだ広い世界……トップヒーロー達の世界だ!!さあ!!新たな世界へと飛び込め!!そして自分の力で!!自らの運命を切り開いていけ!!」

 

 

 

そして!!宙を舞い力を合わせ!!4人のヒーローが叫ぶ!!

 

 

 

「「「「個性合体!!!!フェザー!ドリル!フレア!ダイナマイト!!!!」」」」

 

 

 

BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!

 

 

『ぐああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』

 

 

 

激戦の余波で崩壊し、刻一刻と廃墟へと近づいている群訝山荘。

その群訝山荘の空に、無数の羽が舞う。

 

 

BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!

 

 

その羽根の一本一本はまるでドリルのように凄まじい回転が加えられており、炎により更に加速し勢いがついていた。

 

そして……

 

BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!

 

 

『ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!』

 

 

そしてリ・デストロの巨大な身体に命中すると!!

その一本一本の羽が全て凄まじい大爆発を起こした!!

 

 

「ふっ……空を自在に舞い、敵に当たるとダメージを与え、最後には爆発する羽……凄まじい個性合体だな。見事だ」

 

 

爆発した羽は全てボロボロになり地に向けて落ちている。つまり弾数制限はあるのだろうが……

 

「……無数のホークスの羽……それが尽きるまであの個性合体に耐えられるヴィラン……そんなヴィランがいるなどとても想像出来んな」

 

 

継続性という点では、羽を燃やさず加速だけさせるエンデヴァー・ホークス・スパイラルのチームの方が優れているかもしれない。しかし……

 

「弾数制限はあるが……一撃の破壊力はあの3人チームよりも上かもしれん。見事……実に見事!!ベリーグッドデニムだ!!」

 

 

 

BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!

 

 

空を猛スピードで舞う、極悪非道とも言える羽。

 

その羽がリ・デストロを打ちのめし、今にも敗北の檻へと叩き込もうとしていた!!

 

 

『まだだぁ!!!』

 

「ぬっ!!」

 

この瞬間も大ダメージを受け続けながら、リ・デストロが叫び!!そして暴れようとする!!拘束を解き暴れ狂おうとする!!

 

『こんな!!こんな形で!!これで終わるなど認められるか!!認められん!!絶対に!!こんな!!こんな終わり方などぉぉぉぉぉぉ!!!!』

 

「グッ……ぬっ……ぐぅぅ!!!!」

 

追い詰められた火事場の馬鹿力なのか?窮鼠猫を噛むのか?何でもいい。何しろ何かがわからない。

 

しかし、追い詰められたリ・デストロは先ほどよりも更に更に強い力で私の拘束を解き、暴れようとする!!

 

(不味い!!このままでは!!ワイヤーがもたん!!)

 

個性で操るワイヤーから、そんな切実な緊急事態が一切の齟齬もなく伝わってくる。

私の個性は、私の力はまだ大丈夫だ!!

しかし!!ヤツを抑えるワイヤーが!!ヤツの力に耐えられん!!

 

「ぬぉぉぉぉぉぉ!!!」

『がぁぁぁぁぁぁ!!!』

 

私とリ・デストロ!!

実に地味ではあるが、この戦局を左右しかねない、そんな重要な局面!!

抑える私。逃れたいリ・デストロ。

 

目立たないが、しかし本当に重要な戦い。

拮抗する私達の、日の目を浴び難い戦闘。

 

……そこに!!

 

『……!!な!?何だと!?』

 

 

「これは!!」

 

ヤツの身体ばかりに注目していた自分が恥ずかしい。

気づくと、リ・デストロが立っていた地面。その地面が泥のように柔らかくなり、そしてその柔らかくなった地面にリ・デストロの足が飲み込まれていた!!

 

 

「……回原と物間に置いていかれて、アイツらだけ活躍してて歯痒いとか悔しいと思ってるのは爆豪と轟だけじゃないんだよなぁ!!!そういう訳でベストジーニスト!!この援護はお気に召しましたかねぇ!!」

 

「マッドマン!!」

 

回原のクラスメイトである骨抜。ヒーロー名はマッドマン。

 

その彼の個性によって、本来は踏ん張り、力を生み出す土台となるべき地面は柔化。力が上手く発揮出来ず、リ・デストロのワイヤーを振りほどく力が急速に弱まっていく!!

 

「見事だマッドマン!!」

 

ああ、ホークス。お前の言う通りだ!!

黄金世代!!

確かに!!彼らはその呼び名に相応しい!!

 

 

「マッドマン!!一億デニムポイントだ!!」

 

 

「アホがぁ!!インフレし過ぎたぞクソデニム!!真面目にポイント狙ってた俺がバカみてぇじゃねえか!!」

 

「……狙ってたのか、爆豪?」

 

「……う〜る〜せ〜え〜よ!!半分野郎!!」

 

 

 

BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!BOMB!!

 

『がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!』

 

「……南無三」

 

……そして最後の勝機を失い、爆発の中にリ・デストロが崩れ落ちていく。

 

 

「……決着、だな」

 

 

倒れたリ・デストロが再び起き上がる気配は無かった。

もし起き上がったとしても、すかさず宙を舞う無数の羽が今度こそトドメを刺すだけだろう。 

故に、これを決着と呼んでも間違い無いだろう。

 

「……皆が個性を自由に使える社会……その理想自体は決して嫌いではないよ、リ・デストロ。貴様は急ぎ過ぎたのだ。高いところにある目標に、急いで手を伸ばしたら人間は転ぶのだよ。ゆっくりと……そう、ゆっくりと社会を、人々の意識を変えていくように活動していたのなら……いつかはその理想が花咲く時が来たのかもしれないのにな。残念だ、リ・デストロ」

 

「……デニム」

 

個性合体を解き、ダイナマイトがこちらに来ていた。

 

「……出来るならば、貴様とは隠れ家BARとかそういう店でゆっくりと語り合ってみたかった」

 

「結局それかよ!!!」

 

「……ふっ!」

 

「ふっ!!じゃねえわ!!ほんの一瞬前までの引き締まってたアンタは何処に行った!!最後まで貫けやアホデニムがぁ!!」

 

ふっ……まだまだわかっていないな、爆豪よ。

 

こういうギャップこそが人を魅力的に見せ、そしてモテ力に繋がるのだ。

 

……まぁ、

 

「……駄犬!!」

 

「……チッ!!何だよ。無事だよ……ケガねえからそんな顔すんなやツタ女」

 

……まあ、貴様にはもう不要かもしれんがな。

 

良かったな爆豪。

君の色々なこれからを、その全てを、心から祝福するよ。

 

 

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