回原のドリルは天を貫く   作:のりしー

109 / 135
幼女視点で書くの難しい……
違和感あったら下手な自分の所為ですすみません。


エリちゃんとヴィラン連合

sideエリちゃん

 

……思ってたより全然イヤな事も痛いこともされないな。

 

「エリちゃんは今日もカアイイですね〜!!」

「……わ!!トガちゃん!?」

 

そんな事を考えていたら、後ろからトガちゃん……私をここに連れて来た女の子に後ろから抱きつかれた。びっくりした!

 

ここがどこかはわからない。

……でもおひさまが見えないような所なんだと思う。

ここに連れてこられてからおひさまをみていなかった。窓が無い白くて綺麗な建物。まるで病院みたい……そんな建物の中に今私はいる。

 

「今日のお注射は終わりましたか?よく頑張ったねえエリちゃん!!カアイイねえ!!カアイイです!!」

 

「うん。お注射終わったよ。痛かったけどがまん出来たの」

 

「偉いですねえエリちゃんは!!あ!でもちょっと残念です。前みたいに注射終わってすぐだったらチウチウさせてもらえたかもしれなかったのに」

 

「トガちゃんチウチウしたいの?うん。いいよ。また今度ね」

 

私がそう言うとトガちゃんはぱあっ!!と笑って、

 

「わあ!!ありがとう!!ありがとうねエリちゃん!!」

「これくらい平気だよ」

 

デクさん達に助けてもらう前の事を思い出してしまう。

あの頃に比べれば、ちょっとお注射されるくらい全然イヤじゃない。少し痛いけどそれだけ。

 

トガちゃんはチウチウっていうけど、ちょっとペロペロされるくらいだもん。少しくすぐったいけど、ぜんぜん痛くない。

 

だから私は誘拐?っていうのかな?誘拐されたけれど、そんな痛かったり酷い目にはあっていなかった。

 

「エリちゃんはチウチウさせてくれるから好きです……チウチウさせてくれなくてもカアイイから好きですけどね……さ、おやつの時間なのです。一緒に行きましょうエリちゃん」

 

「うん。行こうトガちゃん」

 

そうして私はトガちゃんと手をつないで歩き出す。

……最初は怖かったんだけど、皆痛い事もイヤな事もしないイイ人達だった。

だから私はへいき。

あの頃よりも、全然へいき。

 

 

 

 

「お!ヒミコちゃんにエリちゃん!!お手々なんてつないじゃって、今日も仲良しだねえ!!」

 

2人で少し歩いて、皆でご飯を食べるお部屋に来た。

そこではあっくんさんがソファに座って目の前のテーブルに置かれたクッキーを食べていた。

あっくんさん……トガちゃんの恋人らしい!ビックリ!恋人ってテレビとかでしか見たことなかったから、最初にそう言われた時はすごくビックリして驚いちゃった。

 

 

でも……

 

すすす……と、トガちゃんは私をあっくんさんから守るように私の前に立って、

 

「気をつけるのですエリちゃん。あっくんはロリコンなのです。悪い悪い大人なのです。ヘンタイさんなのです。エリちゃんみたいなカアイイカアイイ女の子は食べられちゃうからあっくんには近づいてはいけませんよ」

 

「待って!!ねえ待って!!ロリコンは!!ロリコンに関してはもう受け入れるけど!!受け入れたけど!!幼女好きは!!幼女好きキャラにするのだけはマジでやめて!!幼女好きキャラはらめぇ!!!らめなのぉぉぉぉぉぉ!!」

 

トガちゃんとあっくん。2人はいつも楽しそう。

私を誘拐?したのはこの2人なんだけど、その時からずっと2人は優しくしてくれていたと思う。

 

 

 

 

 

『すまん……誘拐だなんて義賊のやる事じゃねえんだ本当は……本当にすまないなお嬢ちゃん』

『小さい子には優しいあっくんは流石のロリコンっぷりですね……ああ、真面目な話でしたねすみません……そんな訳で誘拐してごめんね。用事が終わったらちゃんと帰してあげるからちょっとだけ我慢して下さいね』

 

 

 

 

 

誘拐した時から2人はずっとこんな感じ。

ここに来るまでも来てからも、私があまりイヤな思いをしないようにすごく優しくしてくれていた。

だから、私はこんな所でも笑えているのだと思う。

 

「…………」

「…………」

 

……そして、そんなトガちゃんとあっくんさんの2人を、まるで仏さま?を、拝む?みたいにしてみている仁さん。

顔を隠してる筈なのに、多分やさしい顔をしてるのがわかってしまう。すごい不思議な雰囲気。

 

 

「あ、また仁くんが脳を破壊されています」

「俺達が付き合ってるの知ってからずっとこうだからなあ。流石にそろそろ慣れて欲しいもんだけど」

 

のうをはかいってなんだろう?

よくわからないけど、多分悪い事ではないと思った。

 

 

 

 

 

「聞いて下さいあっくん!!優しいんですよエリちゃんは!!またチウチウさせてくれるって約束してくれたのです!!」

 

「そっかー良かったなあヒミコちゃん」

 

「やったなトガちゃん!!」

「大丈夫か?無理すんなよエリちゃん!!」

 

こちらに戻ってきた?らしい仁さんもソファとテーブルのある方に来て、私達は4人でおやつを食べながらお話した。

私の隣にはトガちゃんが座ってる。トガちゃんは私の事をおにんぎょうさんみたいにぎゅっ!と抱きしめながら、

 

「やっぱ男なんかより女の子のがいいですねぇ!!可愛い女の子こそが至高なのです!!酷いんですよエリちゃん聞いて下さい!!男って本当に酷いんですよ!」

 

「どうしたのトガちゃん?」

 

「うちのあっくんは恥ずかしいからってあまりチウチウさせてくれないんです!!酷くないですか!?自分は私の色々な……それはもう色々なところを『チウチウ』したがるクセに、酷いですよねえエリちゃん!!男ってのはそういう酷い生き物なのです!!自分達は可愛い女の子が相手であれば誰でもいいからおっぱいとか色々『チウチウ』したがる癖に、いざ自分がチウチウされたいと言われると相手を異常者扱いするのです!!最低ですよね~」

 

「「ぎゃあああ強火!!強火過ぎる!!幼女いるんだぞちょっとは加減しろぉぉぉぉ!!!!!」」

 

「………?」

 

「あはー♪」

 

何かよくわからない。

でも、トガちゃんが楽しそうに笑ってて、あっくんさんも仁さんも楽しそうに笑って大声で話していた。

 

だから、とても楽しいんだ。

 

誘拐されたけど、私はとても楽しい。

 

 

 

「……へえ……随分と楽しそうにしてるじゃねえか……」

 

 

 

……うん、楽しい。

楽しいし、あまり怖くない。

……あんまり。そう、あまり怖い事はここには無かった。

でも……

 

 

「……こんだけ楽しそうって事は、余裕って事だよなぁ……じゃあ……」

 

……それでも、たまにイヤな事も……怖い事も、ある……

 

さっきまで皆で楽しく話していたおやつの時間。

そこに、一人の男の人が来た。

 

「……荼毘くん……その件に関してはもうたくさんお話しましたよね。エリちゃんの代わりに私が頑張る……という事で話は終わった筈です」

 

「魔王の後継者がいきなり約束を反故にする……だ、なんて事はねえよなぁ」

 

……私を守るように。トガちゃんとあっくんさんがソファから立ち上がり私の前に立った。

 

 

「……はっ!!何マジになってんだよ。こんなのただの軽いジョークじゃねえか!!泥花市の前はいつもこんなやり取りしてたじゃねえか俺達はよぉ!!」

 

 

そう、言った怖い人。

……荼毘さん。

 

 

私の事を怖い目で……あの時のあの人と同じ、とてもとても怖い目で私を見る……そんなすごく怖い人。

 

その荼毘さんから私を守るようにして、トガちゃんとあっくんさんが私の前に立っていた。

 

じっ……と、何も言わずお互いの事を見ている……そんな時間が過ぎていった。

そこに……

 

「……何してんだテメエら……?」

 

「弔くん?」

「……死柄木弔?」

 

そこに……死柄木弔さん……弔さん?不思議な雰囲気の人がやって来た。

 

弔さんは荼毘さんと、荼毘さんから私を守るように立っている2人を見て、そして、

 

「……仲間同士でケンカなんかしてんじゃねえよ。みっともねえ。ガキも見てんだろうが。さっさとつまんねえケンカはやめちまえ」

 

そして、ケンカを止める為にそう言った。

それに……

 

「……ケンカをやめろ、だって?……つまんねえ……つまんねえ事を言いやがるな死柄木弔……ケンカをやめろ、だなんて、小学生や幼稚園児でも言えるぜ……クソ!!興醒めだ!!」

 

「荼毘!!おい!!荼毘!!」

 

仁さんの引き留めるような、そんな声。

 

「……けっ」

 

その言葉が届いていないかのように、届いていたと思うけど。それを振り捨てるようにして荼毘さんがこの部屋から去って行く。

 

 

「…………」

「…………」

「…………」

「…………」

 

 

……後に残ったのは私と……トガちゃんと、あっくんさんと、仁さんと、弔さん……の5人だった。

 

不思議だけど、そのうちの4人の視線は自然と弔さんに向かい……弔さんは「あ〜……」って言ってこめかみをぽりぽりとかいて……そして、困ったように、

 

「……なんか、俺の所為で悪かったな……」

 

「……弔さん?」

 

……困った……とても困ったようにして私を見る弔さんと、私の目があって、そして、

 

「……本当に悪ぃな。泥花市で失った俺の個性……それを取り戻す為にお前の力が必要じゃねえか?……って話になったみたいでな。それで俺の為に……皆がお前を誘拐……あ、ここに連れて来ちまったんだ。本当に悪い……なるべく早く元の所に……雄英に帰してやるから、少しだけ我慢してくれ」

 

そう言って、私の前にかがんだ弔さん。

 

弔さんは不思議。

 

見た目は怖い。

 

……怖いんだけど、そんなに、怖くない?いや、怖くないかも。

 

「……あ。悪いな……怖かったか?飴食べるか?確かポケットの中にあった筈……」

 

そう言って、目の前でしゃがみながらポケットの中を探す弔さん。

 

 

 

『悪い……お前くらいの年の子供に……なんて言って話しかけていいかわかんねえんだ俺は……』

 

 

 

 

 

弔さんは、最初に私と会った時にそう言った。

そう言ったんだ。

 

……だから、私は弔さんの事はまだよくわからないけど……それでも、怖い?だけの人じゃないのかな?って思ってる。

 

 

……だから、だから「……あ、見つけた。こんなとこにあったのかよ……」と、言ってから「ほらよ」……って言って、私の手の上に飴をのせてくれた弔さん。その弔さんの目を見て、私は、

 

 

「……おいしそう!!ありがとう弔さん!!」

 

そう、私はお礼を言った。

 

「……おう」

 

そう言って、またこめかみをぽりぽりとかいて笑ってた。

困ったような……そんな、とてもとても困ったような、でもわらってる……そんな顔で。

 

 

 

 

「……ロリコンはまだいいけど幼女好きは犯罪ですよねえ」

 

「……(無言でグッ!!!!!)」

 

「ロリに和まされる展開っていいよな!!」

「でもロリに和むヤツって犯罪臭ヤベェよな!!」

 

 

そんな私達を見て笑ってる3人。

……何か笑われる事はあったのかな?

 

 

……それは、わからないけど。

 

「……んだこら……テメエら……」

 

「「「……きゃあああ〜♪」」」

 

 

でも、

 

「個性が復活したらまずは……まずはテメエら3人がターゲットだ!!」

 

「「「きゃあぁぁぁぁ〜♪」」」

 

 

なんか逃げてくトガちゃんとあっくんさんと仁さん。

そんな3人を、怖いけど怖くない顔で追いかける弔さん。

 

……ここにいるみんなが、笑っていた。

 

「「「きゃあぁぁぁ〜♪」」」

 

「黙れコラァ!!」

 

 

……だから、私はそんなにつらくないよ。

悲しくないよ。

あの頃に比べれば全然平気だよ。

まだまだ大丈夫だよ。

 

だから……

 

だから……

 

 

「……また、助けに来てね」

 

来てくれたら嬉しいな。

 

デクさん。

ルミリオンさん。

神父さん。ドリルさん。

 

 

「……まってるね」

 

こうして私の今日は終わる。

前より辛くなくて、悲しくなくて、痛くもなくて、

 

 

……そんな、1日が。




うわようじょつよい
(違う)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。