回原のドリルは天を貫く   作:のりしー

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うなれ体育祭

『1年ステージ!!生徒の入場だあ!!!』

 

「気に入らないね、A組が最初に入場か」

「そこは仕方ないだろ…順番的に」

 

『雄英体育祭ぃ!!ヒーローの卵達が我こそはと鎬を削る年に一度の大バトル!!』

 

プレゼントマイクの言葉で会場のボルテージが上がっていく。

 

『どうせあれだろ!コイツラだろお!!敵の襲撃を受けたにも関わらず!!鋼の精神で乗り越えた奇跡の新星!!』

 

「やっぱ気に食わないね」

 

『ヒーロー科!!1年A組だろお!!!』

 

まあ物間の気持ちもわからんでもない。

盛り上げる為だろうけど、ここまでA組持ち上げるとはね。

 

「…よし!私たちの番だ!!行くよ!皆!」

 

拳藤の掛け声。

そして俺達も会場に入場する。

 

 

『話題性では遅れを取っちゃいるが!こっちも実力派揃いだあ!!ヒーロー科!!1年B組!!!』

 

 

「回原!頑張ろうぜ!!」

「おう!」

「おっしゃあ!!やってやろうぜ!!」

泡瀬の言葉に答える。

熱く燃える鉄哲。

静かに燃えている骨抜。

表情からはわかりにくいがやる気に溢れる黒色。

皆それぞれがそれぞれのやり方で体育祭開幕に向けてモチベーションを高めている。

 

そして普通科、経営科、サポート科も続々入場してくる。

 

「選手宣誓!」

ミッドナイト先生が皆の前で壇上で鞭と声を張り上げる。

 

「選手代表!1年B組!回原旋!!」

 

 

会場内の客席からざわざわとした声が聞こえてくる。

誰だ?アイツ?

A組じゃないの?みたいな。

 

『会場のリスナーの皆さんに軽く紹介しておくぜ!!選手代表は1年B組の回原旋!!』

 

プレゼントマイク先生の言葉を聞きながら、壇上にゆっくりと向かう。

 

『今年の入試1位通過!!しかも実技試験では他の生徒を圧倒する驚異の115ポイントという好成績をマーク!!!過去!!実技試験で100点以上をマークした生徒は雄英高校の長い歴史においても数えるほどしかいねえ!!』

 

壇上に上がり、マイクへ向かう。

 

『その数少ない生徒とはオールマイトやエンデヴァー!!今もトップオブトップで活躍しているプロヒーローばかり!!つまり今大会の優勝候補の1人だあ!!!』

 

おおおおお!!!!!

沸き立つ観客の声。

煽るの上手いなプレゼントマイク先生。

 

こうも煽られるとついつい俺もその気になってしまう。

まあいいか、せっかくのお祭りだし。

熱に浮かされたテンションのまま、俺も駆け抜けるとしようか。

 

マイクの前に、立つ。

本来事前に考えて来ていたセリフ、その後に続けるセリフを思い浮かべながら。

 

「選手宣誓!私達雄英高校1年はこの学校の名に恥じないよう正々堂々戦い、競い合うことを誓います!……が!」

 

「が?」

『が?』

が?

が?

 

会場に溢れる疑問の声。

それを塗りつぶし、宣誓する!

 

「正直、A組ばかりが期待されてる今の状況は面白くない。だから、俺が優勝してその期待を上書きさせてもらいます!」

 

マイクを強く握り、声を張り上げ、叫ぶ!!

 

「俺の名前は回原!回原旋!!天を貫くドリルだ!!この体育祭は俺が勝つ!!優勝して!皆さんには俺の名前だけを覚えて帰ってもらうつもりですので応援よろしく!!!」

 

そう言い切った。

会場は一瞬の沈黙。

からの、

 

「コラァテメエこのクソドリル!!調子のってんじゃねぇ!!!優勝すんのは俺だゴラァ!!!」

 

トンガリこと爆豪の怒声が響いた。

それに続くように他の生徒達の大ブーイング!!

凄まじいブーイングの嵐である。

ミッドナイト先生は良いわねこれもまた青春!みたいな顔をしていた。

 

「回原!!熱いぜ!!俺も負けねえからなあ!!!」

「そうだそうだ!!優勝して目立つのはオイラだからな!!」

この声は鉄哲だ。峰田もいるかな?

 

そうだぜ2人とも。

声は聞こえないがクラスの皆も気持ちは同じだろう。

熱量のある視線を複数感じる。

 

やってやろうじゃないのよ。

期待されて注目されてるのがA組なら。

体育祭で、食ってしまえばいいだけなのだから!!

 

 

 

 

 

 

 

 

「さあて、それじゃ早速始めましょう!第一種目はいわゆる予選よ!!」

 

ミッドナイト先生が説明を行う。

「…障害物競走か」

画面に表示された種目は障害物競走だった。

当然雄英体育祭。普通の障害物ではないんだろうけど。

 

 

「コースを守れば、何をしたって構わない…か」

「実質バトルロイヤル障害物競走ってことだね」

 

物間がそう言うと、

「B組の皆…僕から皆に提案がある」

 

クラスの皆に物間が提案した内容は、第一種目は力を温存し、A組の個性の把握や体力の温存に努めるという内容。

 

「先生は予選と言った。例年通りであればヒーロー科の40名プラス少しの人数が第二種目への足切りラインだ」

 

つまりその40位以内を目指しつつ、第二種目に備えるという提案だった。

合理的な提案だと思う。

だからこそクラス委員長の拳藤も特に反論はしない。

 

 

「あー物間悪いんだけど…」

でも俺はなあ…

あんだけ壇上でぶちかましておいてそれはちょっと…

俺は申し訳ないけど1位狙いで行きたいのだが…

 

俺の様子に、わかってるよと物間は、

「回原は好きにして構わない。むしろあれだけ皆の前でかましておいてギリギリ通過じゃ様にならないだろう?僕もそこまで非道じゃない。他、僕の提案が不服な人は無理にこの案にのらなくていいよ」

 

その物間の言葉に、骨抜、塩崎、鉄哲の3名が手を上げる。

 

「策を弄すのは主の御心に反します」

 

「俺も一応推薦組だしな。悪いけど1位狙わせてもらうよ」

 

「物間悪い!!お前の提案に従うのが頭いい事だってのはわかってる!!でも俺は全力で体育祭で戦いてえんだ!!」

 

「うん!当然の権利だ。他にはいるかい?」

物間の言葉に、後は誰も手を挙げなかった。

 

「……決まりだね。よし!皆!スタートまで時間ないよ!急いで準備だ!!スタートにいい場所探して!」

拳藤の言葉で皆が準備に入った。

 

「ん」

「小大?どうした?」

 

スタートまで時間無いぞ。

 

「…頑張って、回原」

普段無口な小大の貴重な応援の言葉。

 

「おう!ありがと!!」

 

元気百倍である。

 

 

そして配置についてその時を待つ。

 

会場の出入りの門。

その上にある、光る3つのランプ。

 

そのランプが、1つ消灯する。

 

そして、もう1つ。

 

そして、ついに残った最後のランプが消える!!

 

「スタート!!!」

ミッドナイト先生の開始を告げる声とともに、第一種目の障害物競走が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

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