回原のドリルは天を貫く   作:のりしー

112 / 135
ヒーローチーム VS 魔王チーム

sideトガヒミコ

 

「ドクター。ヒーローがここに攻め込んで来たのはいい機会ではないでしょうか?エリちゃんはここで解放しましょう」

 

「……ふぅむ」

 

ハイエンド脳無という、昨年福岡で暴れた強力な脳無の起動を急ぐドクターに、私は背後から声をかけた。

 

「元々どうやってエリちゃんを雄英に帰すか悩んでいた所なのです。いい機会ではありませんか?」

 

「……まあ、確かにのぉ」

 

忙しなく作業をしながら、渋るような声を上げるドクターに、

 

「……ひょっとして、余計な色気出してたりしませんよね?」

 

 

「ひっ!!」

ギラリ!!

 

……その、首筋にナイフを軽く当てる。

 

「エリちゃんの血を飲んで変身した私の血が、エリちゃんの血と全く同じ効果があるとわかった筈なのです。そして私が協力すると約束した以上、もうエリちゃんは不要なのです。私はコップ一杯の血で1日は対象に変身出来ます。そして採血なんて大して時間はかかりません……この後の血を取るのに必要な、ベースとなるエリちゃんの血はもう十分採血したでしょう?なのに……まさか、余計な色気出してたりしませんよね?まだまだエリちゃんを拘束し続けるだなんて……そんな事、まさか考えていたりしませんよね?」

 

「しとらん!!しとらんよ!!よしあの幼女をここでヒーロー共に返そう!!狙われる理由1個減ってワシもハッピー!!」

 

慌ててそんな事を宣言するドクター。

ヤレヤレなのです。絶対色気出してましたねこれ……。

 

「いいんじゃねえの?エリちゃん返す代わりに俺達の逃亡見逃せとか?少し追撃控えろとか?ヒーロー共への時間稼ぎの交渉も出来るだろうしな」

 

「あっくん」

 

「……俺の個性が復活した以上、あのガキはもう用済みだ。人質交渉に使うってんならオマエに任せる」

 

「弔くん」

 

「ふん」

 

そう言ってそっぽ向く弔くん。少し照れたような様子がカアイイのです。でも……

 

「……ツンデレですか?似合いませんねぇ」

 

「やかましい……俺も迎撃に出るぞ……後は任せる」

 

そう言い捨てて、弔くんもヒーロー達の迎撃に向かった。

 

 

 

 

仁くんの個性で増えた荼毘くん本人含む3人の魔王。

 

「よし!!これでOKじゃ!!行けワシのハイエンド脳無たち!!」

 

起動したハイエンド脳無。

 

そして弔くん。

 

 

 

 

蛇腔総合病院の地下で、ヒーローとヴィラン連合の一大決戦が始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideホークス

 

(……思ってたよりも皆頑張ってついてきてますねえ)

 

病院内の隠された扉を通り、隠されていた通路を先頭に立って飛んで進む俺。

 

周囲への警戒もある為全力ではないにしろ、俺的にもかなりのスピードで進んでいるのだが、

 

(俺に続いてミルコ、スパイラル、ダイナマイト、グラントリノ……少し遅れて焦凍くん、ルミリオン……エッジショットさんか)

 

高速移動に向いている個性持ちかどうかで差がついていた。まあ仕方の無い事だ。

 

暗くて狭い通路を高速で進み、そして!

 

「あらよっと!!!」

 

目の前を塞ぐ扉を、ここまで飛んできた勢いそのままに蹴り飛ばす!!

 

扉の奥は広いスペース!!そして!!

 

「「「ウェルカムホークス!!早速死ねぇ!!!」」」

 

「荼毘が3人!?トゥワイスの個性か!?」

 

広い空間に扉ごと飛び込んだ俺を焼き払うようにして、俺達を待ち構えていた増えた魔王・荼毘がエンデヴァーさんから奪った凶悪な炎を放って来た!!

それを高速で飛び去り躱す!!

 

「アアン!!なんだよ荼毘増えてんじゃねえか!?蹴り飛ばし甲斐があるな!」

 

「ホークスさん!援護します!」

 

「殺るぜオラァ!!」

 

俺に少し遅れて飛び込んできたミルコさん、スパイラル、ダイナマイトがここで参戦。

 

「はっ!!ぞろぞろと来やがったな!!」

 

荼毘の1人が、禍々しい赤い模様の走る凶悪な爪の個性で攻撃し、

 

「へっ!!好都合だ!!こっちから襲いに行く手間が省けたぜ!!」

 

また荼毘の1人は、掌から強力な衝撃波を放ち攻撃し、

 

「ここをテメエらの火葬場にしてやるぜ!!」

 

そして3人目の荼毘が赤く燃える強力な炎を薙ぎ祓い攻撃してきた!!

 

「ヒュウ!!」

 

「マジでAFOと同じで複数個性使えんのかよ!」

 

ミルコ、スパイラル、ダイナマイトがそれぞれ攻撃を回避し、

 

「ふん!!」

 

「把握してるぜ!!」

 

3人に隠れて室内に侵入してきたグラントリノの飛び蹴りを、荼毘が衝撃波の防壁で受け止める!

 

「テメエも見えてるぜホークス!!」

 

「おっとぉ!!危ね!!」

 

そしてまた別の荼毘は俺の風切太刀による攻撃を、放った炎で防壁を作り出す事で迎撃する!!俺は攻撃を即時中止!!炎の壁を回避した!!

 

「焼け死ねやぁ!!!」

 

「合わせろ!!押し返すぞトンガリ!!」

「お前が俺に指図すんじゃねえ!!お前が俺に合わせろやゴラァ!!」

 

また別の荼毘が放った強力な炎を、

 

 

 

「「個性合体!!ダイナマイト!!ドリルハリケーン!!」」

 

 

 

爆風を纏い強化された、スパイラル+ダイナマイトによるドリルハリケーンが迎え撃っていた!!

 

「蹴り飛ばす!!」

 

「やってみろやぁ!!」

 

そしてミルコがある荼毘を蹴り飛ばそうとして……

 

「……やっぱ辞めだ!!」

 

「チッ!!衝撃反転を察しやがったのかよ!?」

 

……蹴るのを中断し、そのままの勢いで後方へ抜ける。

 

 

 

ここまでが、ほんの僅か、一瞬の事。

 

 

 

極小時間の間に繰り広げられたハイレベルな攻防。

 

そこに、

 

「すまない!!少し遅れたんだよね!!」

「燈矢兄ぃ!!ここで止めさせてもらう!!」

「エッジショット!!只今より参戦する!!」

 

少し遅れていたヒーロー達が合流!!

 

「待たせた荼毘!!ハイエンド脳無もすぐに到着する!!ここでヒーロー共を仕留めるぞ!!」

 

更にヴィラン連合サイドはタルタロスから脱走した死柄木弔と、その後ろから高速で近寄ってくる脳無……福岡で俺達が倒したのと同種らしき、凶悪な脳無がこちらへと向かって来ていた。

 

「へ!!やっと来やがったか死柄木弔!!ここから第2ラウンド開始だなぁ!!」

 

そして魔王3人が笑い、

 

「「「うぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」」」

 

そして!!テンションを上げた魔王3人が力を解き放つ!!!

 

 

 

 

「「「赫灼熱拳!!!ヘルスパイダー!!!」」」

 

 

 

 

 

「おわ!!」

「チィ!!」

「ぬぅ……」

 

炸裂する魔王×3による極悪ヘルスパイダー!!

 

空間を制圧する、触れただけで焼かれるというより肉体が焼き切れる程の熱線!!その最悪な熱線が幾重にも幾重にも高速で飛び回る!!!俺達ヒーローはそれぞれ全力でこの攻撃を回避した!

 

それを!!

 

「ヌルいぜ!!」

 

その極死の熱線の中を避けながら掻い潜り飛び荼毘へと急接近するスパイラル!!

 

「火力と手数はスゲェが精度が甘えよ!!そんなんじゃエンデヴァーさんの足元にも及ばねぇぜ!!」

 

「生意気言うんじゃねえよクソガキがぁ!!死ねぇ!!!」

 

それに激昂し更に苛烈にヘルスパイダーの熱線を加速させるが、スパイラルはその全てを飛び回り避けまくりそして突撃!!

 

 

「一撃!!馳走(ちそう)!!」

「チィ!!」

 

死への道を幾重にも編み上げたヘルスパイダーによる地獄空間を突破し!!ついにスパイラルが荼毘へと一撃をぶち込む距離へと到達した!!

 

「……んな!?」

 

……が!!

突如!!急激に方向転換し急速に移動したスパイラル!!

その先ほどまでスパイラルがいた空間を!!それを抉るように!!ねじ切るようにして!!突如空が歪んだ!!

 

「……けっ!!アレを躱すのかよ」

 

「……カンだけで避けたぜ……なんだよ今のは……」

 

先ほどまで自分がいた空間……空気をねじ切る様にして渦巻き抉られた空間を見て警戒の度合いを引き上げるスパイラル。

 

 

 

「……あの脳無かよ?今のやった奴は?」

 

そしてその一連の様子を見て、警戒すべき相手を瞬時に判断するダイナマイト。

 

「……空間を抉る不可視の攻撃か……厄介だね。スパイラル、今君はどうやって攻撃を察知したんだい?」

 

「うーん……カンですかね?」

 

「アホかぁ!?」

 

「なんだよ弱虫だな生意気小僧!!見えねえ攻撃ならカンで回避してみせろ!!」

 

「テメエもアホかよこのクソウサギがぁ!!これだからアタオカ武術脳界隈はよぉ!!!」

 

スパイラルにダイナマイトがツッコみ、それに絡んだミルコを更にダイナマイトがツッコむ。

 

「……んじゃどーすんだよトンガリ?」

 

「……カンみたいな個人レベルに左右される感覚じゃなくて、全員が対応出来るような対策を出すんだよ。それがトップヒーローの役割だろうが……おい半分野郎。ダイアモンドダストみたいな、視認出来るサイズの極小の氷でこの空間を覆えるか?」

 

ダイナマイトの指名を受けて焦凍くんは、

 

「……?出来るけどなんで?……って、そう言う事か!!任せろ!!」

 

ゴォッ!!!!!!

 

そして焦凍くんの放ったダイアモンドダストのような極小の氷が空間を満たす!!

 

空間を満たす極小の氷の粒。急速に冷えていく室内空間。

 

「……これで空間を抉る不可視の攻撃でも全員見えるようになんだろ。全員!!警戒しろや!!空間を抉る攻撃が来る時は!!先に宙を舞う氷の粒が動く!!それで不可視の攻撃を察知するんだよ!!」

 

(……なるほどね)

 

……流石、スパイラルが『才能マン』と評するだけあって、戦闘に関しては天才的なセンスを持っているね爆豪くんは。

 

不可視の攻撃だとしても、それが空間を抉る攻撃であるならば、その空間を視認出来るように細工をすればいいだけのこと。

 

 

 

(……それを……この極限の状態で咄嗟に思いつく機転……確かに天才的だね彼のセンスは)

 

そして、氷の粒が舞う空間の中、改めて俺達は対峙する。

 

俺を中心としたヒーローチーム。

 

荼毘×3を中心とした、死柄木弔+強化脳無の魔王チーム。

 

 

 

 

「……不可視の攻撃が見えやすくなったとはいえ、アレはカンでも対応出来るヤツが相手した方がいいな。私が蹴り飛ばす!!」

 

「……んじゃ、俺はそのフォローだな……相変わらず貧乏くじだ……」

 

「エッジショット!!俺もそっちをフォローするんだよね!!」

 

 

強化された複数の脳無の相手を買って出るミルコ、エッジショット、ルミリオンの3人。

 

 

「アレは志村の孫か……悪ぃ、アイツの相手は俺に任せてくれねえか?」

 

 

死柄木弔との対戦を望むグラントリノ。

 

そして、

 

「……燈矢兄……姉ちゃん泣いてたんだよ。いい加減……いい加減に、ここで止めさせてもらうぜ」

 

「はっ!!魔王×3かよ!!手柄立て放題じゃねえか!!テンション上がるぜ!!」

 

「エリちゃんの救出もあります。さっさとあのインスタント魔王を蹴散らすとしましょうかホークスさん!!」

 

「ああ!!そうだね!!やるよ!!さぁ!!気合い入れてくよ3人とも!!」

 

焦凍くん、ダイナマイト、スパイラル、そして俺VS魔王×3。

 

それぞれがそれぞれの対峙すべき相手を定め、そして。

 

 

 

 

「「「はっ!!良いじゃねえか!!実に良い!!最っ!!高なぁ!!殺し合いの空気だよ!俺の大好物の空気だぁ!!さあ!全員で楽しく地獄で踊ろうぜぇ!!」」」

 

 

3人の魔王達が炎を放つ。

 

そして戦いは、ここから更に更に加速していく。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。