回原のドリルは天を貫く   作:のりしー

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真・個性合体!!OFA(ワン・フォー・オール)スパイラル!!

「だぁぁぁぁ!!!」

 

稲光が舞う中、俺と俺に引かれた緑谷が駆ける!!

 

コイツは言った。

自分の個性はオールマイトから受け継いだモノだと。

オールマイト……言わずと知れた平和の象徴だ。

 

その力を、緑谷は俺に託すと言ったのだ!!

 

「……オラァ!!」

「回原くん!?」

 

 

両足で交互に地面を蹴る!!まるで靴底を地面に叩きつけるようにしてジグザグに地を這うようにして駆ける!!

 

正直!!まだ扱いに困るこの超絶パワー!!

それがオールマイトの力だと聞けば納得!!

そんな常識外れの凄まじい力だ!!

 

この力をオールマイトから緑谷が受け継いだ、という事実!!

本当の本当に極秘の情報だろう!!

本来ならば、それこそ可能であれば緑谷本人が死ぬまで、出来れば墓まで持って行きたかったであろう、最後の最後まで隠し通したかったであろうその極秘情報!!

 

それをコイツは俺に伝えた!!

あの時の緑谷……あの覚悟を決めきった緑谷の叫びを思い出す!!

 

そう、あの時の緑谷は覚悟を完了していた!!

 

最後まで隠し通すべき秘密の情報を俺に伝えてでも、俺と共に戦い荼毘を倒すのだと。今はそれが必要なのだと!!

 

「だったらよぉ!!その覚悟に俺が応えることこそが俺の覚悟だ!!」

 

全身で暴れに暴れて大暴れしまくるこの超絶パワー!!

この力を!!緑谷は俺ならば扱えると信じて俺に託したのだ!!

 

その覚悟に俺が応えられなきゃ!!俺は男じゃねえ!!

 

未だ絶える気配が無く続く落雷。

襲い来る竜巻の群れ。

その合間を縫うようにして走る危険なビーム達。

 

それを時にジグザグに跳躍し躱し!!緩急をつけた動きでタイミングを外し避け!!その後の爆発的な再加速で一気に振り切ってまとめて避ける!!

 

「スゴイ!!スゴイよ回原くん!!」

 

俺に引かれた緑谷が後方から興奮し叫んだ!!

 

「使いこなしてる!!使いこなしてるよ回原くん!!ワン・フォー・オールの圧倒的な力を!!君は今使いこなし始めてる!!」

 

「ああ!!まだまだ自分としては雑極まりねえ動きだが!!何となく感覚が!!イメージが掴めて来たぜ!!」

 

迫って来ていた竜の頭を蹴り飛ばし!!

 

「緑谷!!さっきまでのアレは個性合体じゃなかった!!今度こそ本当の個性合体だ!!」

 

そう!!あんな成り行きに任せたようなグダグダの個性合体だなんて、本当の個性合体じゃない!!

 

「個性合体ってのはなあ!!男と男の熱い魂のぶつかり合いだ!!それこそが個性合体なんだ!!」

 

「回原くん!!」

 

襲ってきたもう一匹の竜を殴り飛ばして、そして叫んだ!!

 

「緑谷!!お前の熱い覚悟!!そして熱い魂!!確かに受け取ったぜ!!だから俺もそれに応える!!応えて見せる!!お前が信じた俺を信じる!!だからお前も信じろ!!俺が信じるお前を信じろ!!そうすりゃ俺達は無敵だ!!」

 

「うん!!」

 

そうだ!!このお互いを信じあった熱い魂同士がぶつかり合うこの感じ!!これこそが本当の個性合体だ!!

 

 

 

「「個性合体!!OFA(ワン・フォー・オール)スパイラル!!」」

 

 

 

俺と緑谷の魂からの叫びが今!!一つに!!

 

 

「何なんだよテメエ!!俺の与一を!!僕のワン・フォー・オールを取るんじゃねええええ!!!」

 

 

空間を埋め尽くす、荼毘が放つ赫灼熱拳ヘルスパイダー!!

 

その隙間を埋めるようにして竜巻が乱舞する!!

 

まるで、一筋の隙間の存在も許さないとでも言わんばかりの地獄のような荼毘の攻撃!!

 

それを!!

 

「ワン・フォー・オール・フルカウル100%!!行け!!回原くん!!」

 

俺と緑谷が迎え撃つ!!

 

「スパイラル!!スマァァァッシュッ!!!!!」

 

全力で繰り出した俺の拳が天を裂く!!

裂かれた天が凄まじい衝撃波となって荼毘の攻撃を飲み込んで吹き飛ばす!!

 

「与一ぃぃいいいい!!!」

 

叫ぶ荼毘が俺に向けて腕を伸ばす!!

その掌からは凶悪な衝撃波!!

それに続くビームの乱れ撃ち!!

 

「おおおおおおおおお!!!!」

 

全力で右に跳ぶ!!

 

「行くぜぇぇ!!」

 

衝撃波とビームを横に跳び躱し、有り余る圧倒的な脚力にモノを言わせて再度地面を蹴っ飛ばし全力で前へと跳ぶ!!

ほぼ直角に近い鋭角な高速移動!!

 

緑谷の力が無ければ到底不可能な角度と速度で荼毘目掛けて跳ぶ!!

 

「………(にぃぃぃ)」

 

「……!?」

 

……ゾク!!

ヤツを間合いに捕らえ打撃の構えを取った俺を見て、荼毘が妖しい笑みを浮かべた!!

 

その時俺の背中を走った悪寒に導かれるようにして、俺は荼毘目掛けて放った拳を宙で止めた!!

 

「……チィッ!!衝撃反転の個性を見破りやがっただと!!バケモノがぁ!!」

 

「テメエが言う事かぁ!?」

 

俺の打撃の軌道上に突如出現した悪辣な個性の壁のほんの手前で俺は拳をストップ!!その様子を見て荼毘が苛立った叫びを上げる!!

 

だが!!

 

「いいのかよ!!俺にだけ注目してて!!」

 

「何ぃ!?……しまっ……!?」

 

荼毘はきっと、俺に特大のカウンターをお見舞いすべく前方へと全意識を集中していたのだろう!!

 

「……ワン・フォー・オール・フルカウル……30%!!」

 

「与一ぃぃ!!」

 

そこで俺の背後に隠れるようにして動いていた緑谷が!!俺に意識が集中した隙をついて荼毘の側面から襲いかかる!!

 

「タイランド・スマッシュ!!」

 

咄嗟にバリアの個性で防御する荼毘!!しかし緑谷の膝蹴りはそのバリアをぶち破ってそのまま荼毘に直撃する!!

 

「ぐはぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

多少威力は殺されたとはいえ、強力な緑谷の膝蹴りを受けて荼毘が大きく吹っ飛んだ!!

 

よし!!追撃を!!………って!?

 

この機を逃さず追撃しようとした俺を遮るようにして、荼毘はその体を覆い隠すようにしてこれまでで一番の竜巻を生み出した!!

 

は!!強力な竜巻を壁みたいにして俺の追撃を防ごうってハラかよ……だがなぁ!!

 

「……行こう!!回原くん!!」

 

俺と同じ事を考えた緑谷が叫ぶ!!

 

「行こう!!僕達の力ならあのくらいの竜巻なんて突き破れる!!行こう回原くん!!」

 

へっ!!

 

「以心伝心ってのはいい気分だな!!これぞ合体だ!!行くぜ相棒!!」

「うん!!」

 

 

そして駆ける俺達!!

 

……だが!!

 

 

「なぁ!!」「これは!!」

 

 

「……蹴ったね……俺を蹴ったね与一……」

 

……俺たちは不本意にも、その駆け出した足をすぐ止める事となった。

 

それは……

 

「これは……エンデヴァーのヘルフレイム……気象操作の個性にヘルフレイムを掛け合わせたのか!?」

 

ゴォォォォォォォォ!!!

 

緑谷の説明助かる!!

 

今までは竜巻単体、炎単体で俺達を攻撃してきていた荼毘の攻撃。

それがここに来て、敵も個性を組み合わせて来るだと!?

 

今、俺たち2人の目の前には炎の竜巻が……天を貫く程高く、そして猛々しく燃える炎の竜巻が立ち塞がっていた!!

 

「蹴りやがったな!!僕を蹴りやがったな!!僕は親父に叩かれた事はあっても蹴られた事はないのに!!俺を蹴ったね与一ぃぃぃ!!」

 

そしてその炎の竜巻の中心で叫ぶ荼毘!!

相変わらず何言ってるのか全くわかんねえ!!わかんねえのだが!!

 

 

「回原くん!!不味い!!不味いよ!!炎と竜巻の組み合わせは不味い!!」

 

「ああ!!わかってるよ緑谷!!」

 

炎と風の組み合わせはマジでヤバい!!

 

タダでさえ火力の高いエンデヴァーさんのヘルフレイム!!

それを更に竜巻で煽って広範囲に広げるだとぉ!?

 

ちょっと洒落にならん!!こんなの都市部でやられたら簡単に街一つ滅びるぞ!!

 

 

俺と緑谷を狙って来るだけならば、おそらく何とかなる!!何とかなるのだ!!

だが!!この恐るべき力が無差別に振るわれたら!!

 

「死ねよ……死ね……死ね死ね死ね死ね……ダメだ許さない……殺すけど僕の側にずっといるんだよ与一……だよなぁ……なぁ……オヤジもそれがいいと思うだろ?なあ親父……ぐっ!?!?」

 

「「……え?」」

 

数瞬の後に自分達を襲うであろう恐るべき炎の竜巻に備えて身構えていた俺たち2人の前で、突然!!荼毘が苦しみだした!!

 

服の上から胸をかきむしるようにして苦しみ出した荼毘。

 

「ああ……ここで来んのかよ……これが気象操作の……クソ……ああ……今良いとこなんだよぉ……邪魔すんなよ……与一が……ワン・フォー・オールが……俺の所に帰って来るんだよぉ……そんで親父と一瞬にきっと死んでくれるんだよぉ!!」

 

苦しみ悶え、そして最後にはその全てを吹き飛ばすようにして叫ぶ荼毘!!ぶっちゃけ人間的にヤバ過ぎる!!

 

の……だが!!

 

「ぐわああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

外からは見えない何か?その身体に一体何が起こっているのかわからないが!!わかることが一つ!!

 

「回原くん!?不味い!?」

 

苦しみながら恐ろしい力を振るい続ける荼毘、その力のコントロールが明らかに怪しい!?

 

「炎の竜巻が……暴走、するのか……マジでかよ!?」

 

 

 

「がぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

 

苦しみ苦悶の声を上げ続けながらも炎の火力と竜巻の出力を上げ続ける荼毘!!

離れている俺達にもその熱気が暴風とともに伝わる!!まだ距離があるから火傷とかは大丈夫だろうが、軽い痛みを感じる程の熱風が辺りに広がっていた!!

その炎の竜巻の挙動が明らかにおかしいんだよ!何だか炎の竜巻が大きくなり、ふらふらと左右に動き、大きく広がったかと思えば急に元の大きさに戻る!!そんな明らかに不自然な動き!!

 

先ほどまでの戦いで俺達に向けられていた竜巻攻撃とは明らかに様子が違う!!

コントロールしきれてないんじゃねえかやっぱコレ!?

 

 

「燈矢ぁ!!もうやめろ!!もうやめるんだ燈矢ぁぁ!!」

 

 

少し離れた所で俺達の戦いを見ながら、援護のタイミングを計っていたエンデヴァーさんの叫びが悲しく響く。

 

本当に辛そうな顔で叫ぶエンデヴァーさん。

当然だ。

以前に聞いた話からすると、この光景は本当に辛い。

 

エンデヴァーさんが息子を失ったと思ってしまった、あの日の山火事を思い出させるような、そんな地獄のような光景。

 

「……燈矢ぁぁあ!!!」

 

……その心中は、俺みたいな子供にはとても想像出来ない。出来るようなモノでは決してない。

しかし、その悲しい叫びを聞くだけで、その一端に触れるだけでもその悲しみが伝わってくる……そんなエンデヴァーさんの叫びであった。

 

 

……そして、荼毘は、

 

「……は」

 

……一瞬、エンデヴァーさんと荼毘の視線が交差した、そんな気がした。

 

「……知るかよ、クソ親父……」

 

「燈矢ぁぁぁぁ!!!!」

 

 

そして!!その暴走した炎の竜巻がエンデヴァーさんのいる方角へと放たれた!!

 

 

ヘルフレイム+気象操作!!

 

 

「緑谷ぁぁ!!!」

 

「フルカウル100%!!行こう回原くん!!」

 

こんなもんやらせるわけにはいかねえよ!!!

 

完全に意識のシンクロした俺達は全力全開で駆け、エンデヴァーさんを庇うようにしてその炎の竜巻の前に立ち!!

 

 

 

「「スパイラル・スマッシュ!!!!」」

 

 

 

天まで届く程高い炎の竜巻 VS 俺と緑谷の個性合体(OFAスパイラル)!!

 

 

 

「「うおおおおお!!!!!連発だぁ!!!!!」」

 

全開のスマッシュをアッパーのように連打する!!連打しまくる!!

 

俺の拳が空を裂き、天を貫くような猛烈な衝撃波を生み出す!!

 

それが炎の竜巻にぶつかり!!その竜巻を空へと!!宇宙へと弾き飛ばすようにして少しづつ少しづつかち上げていく!!

 

 

「「うおおおおお!!!!」」

 

連打!!連打!!

 

「「うおおおおお!!!!!」」

 

連打連打連打連打連打連打連打連打連打!!!!!

 

「「うおおおおお!!!!!!」」

 

俺の渾身の連打!!

それが炎の竜巻と対抗する衝撃波の竜巻を生み出した!!

 

 

炎の竜巻を天高くまでかち上げる強力な衝撃波の竜巻!!

緑谷から俺へと流れ込む圧倒的な超絶パワー!!

その力を思いっきり振るい!!生み出した衝撃波の竜巻で炎の竜巻を何とか地表から高く遠くへ、人や建物へと被害を与えない場所へと弾き飛ばす!!

 

 

荼毘の制御から離れた炎の竜巻は、宇宙へと届くほど高く打ち上げられ、そして徐々に徐々にその炎の勢いを、風を弱め、やがて空へと溶けるようにして消えていった。

 

 

「……やったか」

「……うん、やったね回原くん」

 

それを確かめ、俺と緑谷はほっと一息ついた。

 

……そして、荼毘の方へと目を向けると、

 

「……何だかヤバそうだから俺だけ戻ってきて正解だったな」

 

「死柄木弔!!」

 

そこには、衰弱した荼毘を支えるようにして立つ死柄木弔の姿があった!!しかもその2人の体を泥が包み、そして包み終わるような、そんな転移一歩手前の最悪なタイミング!!

くそ!!コレじゃいくら今の俺達のスピードでも転移を止められねえ!!

 

 

「……とりあえず今日はここまでだな……お互い痛み分けって所か?こっちの被害のが大きい気もするが……まあ仕方ねえ。またなヒーロー共」

 

「待て!!」

 

「待つかよばーか」

 

そしてそんな捨て台詞とともに、死柄木弔と荼毘の全身が泥の中に隠され、やがて消えていった。泥のワープで転移したのだろう。

 

 

「「……………」」

 

 

そして、沈黙。

敵を追い返した達成感と、その恐るべき敵を逃してしまったという失望……

 

 

その二律相反する複雑な思いが俺と緑谷の心中を占めていた。

そして、

 

「……すまん。助かったぞスパイラル。そしてデク」

 

「エンデヴァーさん」

 

……そして、そんな俺達の背中にエンデヴァーさんが声をかけてきた。

俺達は振り返り、そしてエンデヴァーさんの顔を見た。

気持ち、少し青ざめたようなその顔……無理も無い、トラウマになっててもおかしくないような光景が、息子の放つ攻撃として自分に迫って来ていたのだ。

……しかし、それでも極力それを表情に出さず、エンデヴァーさんはその場にしっかりと立っていた。

これこそ、これこそがエンデヴァーさんだ。

 

そのエンデヴァーさんが口を開く。

 

「見事な個性合体だったぞ2人とも……しかし、正直言って信じられないような凄まじい力だ……一体、何なのだあの力は?」

 

「……あ」

 

緑谷が下を向く。

無理も無い反応だ。

 

「……言い難い事だとは重々承知している。しかし、実際にあの凄まじい力を見せ……そしてそれを燈矢が……個性を奪う力を持つヴィランに狙われた……話せる事を、話してもらえないだろうかデクよ。もちろん、秘するべき事は他所に漏らさないと約束しよう。誓約書を書いてもいい。頼む、デク……」

 

「あ……う……」

 

そのエンデヴァーさんの真摯な言葉に悩む緑谷。

わかるよ。言いたいんだよな本当は。

でも、それはお前一人で決められないんだろ多分?

当然だ。

オールマイトさんの力を受け継いだという重要機密。

それを誰に話すかを、おそらく緑谷一人では判断出来ないのだ。無理も無い。

 

そんな困る緑谷。

真摯にその様子を見るエンデヴァーさん。

沈黙を守る俺。

 

そんな所に……

 

『……待ってくれないかエンデヴァー』

『……この声は……オールマイトか?』

 

 

インカムから、オールマイトさんの声が聞こえて来た。

 

『緑谷少年では話し難いのさ。だから今こそ私が全てを話そう』

 

『そう』……と、そこで一呼吸置いて、

 

『今こそ皆に話そう……いや、話さなければならない。私から緑谷少年へと受け継がれた大いなる力……OFA(ワン・フォー・オール)の全てについて……』

 

…………

 

本来なら厳かな気持ちで聞くべきその言葉。

 

……なのだが、若干『イラッ』と来たのは俺が悪いのであろうか?

 

でもそらないでしょうよオールマイトさん……

 

いや、極秘にすべき機密事項って事は当然わかるよ?

 

まあ、俺に伝えてないのは理解する。当然だ。

まだ学生だし。

 

しかし……

 

『……えー……突入チームのリーダーやってたホークスです』

 

『ああ……ホークス……君にも聞いてほしい』

 

……まず、口火を切ったのはホークスさん。

突入チームのリーダー。

 

『当然聞きますが……それよりも、何故こんな一大決戦の前に事前に教えてもらえなかったんですかねえ……突入チームとしては、エリちゃんが人質に取られている以上、人質交換交渉もあると想定して事前に想定問答集とか詰めて色々と準備もしてたんですが……いやぁ!!全部台無しになりましたよ!!ねえ!!オールマイトさん!?何なんですかねワン・フォー・オールって!?』

 

『あ……いや、その……』

 

『《情報の共有》って知ってます?ねえオールマイトさん?』

 

『ジョウホウノ……キョウユウ………』

 

あ、これわかってねえな?

インカム越しにもホークスさんが若干キレたのがわかった。

 

まあでもそんもんなのかオールマイトさん的には?

想像だけど、オールマイトさんにとっての情報の共有は。

 

《周りの人がオールマイトさんが知るべき情報を事前に教えてくれる(オールマイトさんは特に共有しない)》

 

『……病院周辺での住民避難チームの指揮をしていたベストジーニストだ……』

 

『……お、おお、ベストジーニスト!!君にもぜひ知って……』

 

『言える範囲だけでもいい、何故事前にデクが狙われる可能性があると教えてくれなかったのだ?』

 

『……え?』

 

あれま珍しい!!

人が話してる時に、無理にその言葉を遮るような事は決してしないベストジーニストさん!!まさかの食い気味にオールマイトさんの言葉を遮って言葉を続ける!!

 

『デクが狙われる可能性がわずかでもあると事前に知っていれば……私は自分の直属の班にデクを所属させてフォローも出来たのだ……オールマイト?貴方は《適切な人員配置》という事を考えたりはしなかったのかね?』

 

『テキセツナ……ジンインハイチ……』

 

……あ、ベストジーニストさんも静かにキレてらっしゃる!!

 

まあでもオールマイトさんにとっての適切な人員配置ってきっと。《周りの人がオールマイトさんが自由に動けるように配慮して人員を配置する(オールマイトさんは何もしない)》

 

……だったんだろうなぁ……正直、インカム越しの声があんまりピンと来てる感じがしない。

 

そして……この人も。

 

『群訝山荘でやらかした俺があまり偉そうに言うのもあれだが……貴様、せめてホークスとベストジーニストくらいには事前に相談とかしなかったのか?』

 

『……エンデヴァー……あの、その……』

 

……エンデヴァーさんも、静かに怒気を見せながら、

 

『……貴様……仮にも社会人だろう?言えない事もあるのは十分に承知している。だが、その上でせめて言える内容だけでも責任者達に相談するのが筋ではないのか?何故貴様程の男が《報連相(ホウレンソウ)》を怠ったのだ?』

 

『……ホウ……レン……』

 

あ、やっぱピンと来てないぞこれ……

 

……何かヤバそうな気がするけど、大丈夫そ?

 

しかし……やっぱ結論大丈夫そ、じゃなくて……

 

『……(ソウ)?』

 

 

 

………ブチィ!!!!!!

 

 

 

『『『ふざけているのか(ですか)!!!こっちは真面目にやってるんだ(ですよ)!!!こんな時に草を生やすな草をぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!』』』

 

 

 

『ぎゃぁぁぁ!!!!』

 

 

……俺の尊敬する立派な社会人3人(トップヒーロー達)がマジでキレた。

 

いやでもきっとオールマイトさんにとっての報連相って以下略で、きっとオールマイトさんは相談される側で相談とかしてこなかったんだろうなあ……多分マジで悪気ゼロ。

 

……まあ、それでいい訳はないのだけれど。

 

一人で全ては出来ないからこそ、皆で協力しながら戦ってきた。そしてその先頭に立っていた3人。

 

オールマイトさん引退後の平和を、何とか皆で協力しながら維持してきた、その先陣を切っていた3人。

 

その3人の、魂からの叫びであった。

 

……まあでも俺でも思うもん。

俺に言わないのはいいよ、当然だ。

 

……でもせめてエンデヴァーさんとホークスさんとベストジーニストさんくらいには言っときなさいよ事前に……

 

特に今回なんてたまたま上手くいったから良かったけど、場合によってはマジでトンデモナイ惨劇になっていた可能性もあるのだ。

 

緑谷の活躍が無ければマジで危ない所だった……

 

事前に緑谷が狙われるなんて誰も考えてなかったからこそ、本当に誰もその準備が出来ていなかった。ホークスさんとベストジーニストさんが知ってさえいればもう少し上手く事を運べただろうけど……本当に運が良かったのだ。かなりギリギリだったと思う。

 

なのに……そんなトンデモナイ秘密を隠しておいて……

 

……バレてからテヘペロ!!ババーン!!今明かされる衝撃の事実!!!

 

……は大人としてやっぱダメですってばよオールマイトさん……

 

 

 




という訳でようやくデクが活躍したかと思えばまさかのオールマイト説教回という……

まあでもオールマイトアンチのつもりもないので、笑えるテイストいれつつサクッと弄って進んでいく予定です。
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