回原のドリルは天を貫く   作:のりしー

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卒業式血戦

3月のとある日。

空は青く晴れ渡っていた。

そして満開の桜が卒業式の会場である体育館へと続く道を祝福するようにして彩る。

 

まるで『卒業式とはかくあるべし』と誰もが考えるような理想的な日。

そんな3月のとある日。

天が祝福したような本当に素晴らしい日。

そんな素晴らしい1日に、雄英高校は卒業式を行う事となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

体育館に用意された椅子に座り、卒業式の始まりを待っている俺たち。万が一の事も考え、今回は親族含む関係者や来賓の参加も拒否った為、必然在校生と教職員のみとなる。

 

 

「……時間だ。そろそろだね」

 

「ん」

 

 

式が始まるまでそれぞれ近くの席の奴と雑談していた皆が、クラス委員長である一佳の一言で私語を辞めて前を向く。

 

そして、そのまさにホントにちょうどといったタイミングで体育館の照明が消え、館内が一気に暗くなる。

 

………………ズンズンズンズンズンズンズンズンズンズンズンズンズンズンズンズンズンズンズンズンズンズンズンズンズンズンズンズンズンズンズンズンズンズンズンズンズンズン………

 

 

……そしてその暗闇に、なんか音楽知識無い自分にはよくわかんないのだが……クラブミュージック?EDM?的な?体の奥底に、腹の奥底に響いて来るような?そんな重低音が響き出す。

 

「うへぇ……ねじれ先輩に聞いてはいたけど……ホントにやるんだねぇ……」

 

「……ん」

 

何というか、本来なら厳かな卒業式には相応しく無さそうな。そんな音楽。

暗闇に響く重低音。閉ざされた五感に唯一響くそれに何となく身を委ねていると、

 

カッ!!!!

 

「「「「「おおおおおお!!!!」」」」」

 

……何やらこの流れに耐性のありそうな2年生達の歓声。

そんな2年生達とともに、先程の『カッ!!!!』という効果音と同時に、スポットライトによって照らされた体育館の一スペースへと目を向ける。

 

「まじかよ……たかが、とは言わねえけどたかが卒業式だぜ……そんなたかが卒業式の為にそこまですんのかよ……」

 

戦慄する峰田。気持ちは本当によくわかる。

俺たち式参加者全員の向かう視線の先。

スポットライトで円形に照らされた体育館の床。

その床が『パカっ!!』っと左右に空き、そこから『ウィィィン』てな感じでせり上がってくる謎のDJブース!!

 

そこに立ち複数の機材を操作して先程からの『ズンズンズンズンズンズンズンズン………』という重低音を奏でていたんかな?DJブースええいもうこれでいい卒業式らしくないけどこれでいいな!!DJブースに立つプレゼントマイク先生!!

 

 

HELLO!!EVERYONE!!(ハッローエブリワン!!)雄英高校名物ぅ!!!卒業式によーーーこそだぜぇ!!!」

 

 

「「「「「YEAHHHHhhhh!!!!!!!!」」」」」

 

「「「「案外ノリノリかよ2年生!!!!」」」」

 

猛るプレゼントマイク先生と思ってたよか猛る2年生!!

 

「さぁて早速だが行くぜぇ!!どうせコイツらだろぉ!?待ってたんだろぉ!!早くコイツらが見たかったんだろぉ!!わかるぜぇ!!何せ今日の主役はコイツらだからなぁ!!」

 

「「「「「YEAHHHHHhhhh!!!!!」」」」」

 

「「「「マジでこの流れのまま行くのかよ卒業式!!!」」」」

 

 

そんな俺たち1年生の混乱など何のその!!

 

「まず最初は今日の主役達の入場だぜえ!!卒業生!!入っ!!場っ!!!」

 

 

そして更に激しくなる重低音!!

 

そしてスポットライトが体育館の入口を照らす!!

そしてその扉が開き!!

今年卒業する1人の3年生の姿を照らし出す!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ダメだ……死にたい隠れたい引きこもりたい帰りたい……こんな注目される卒業式で最初に入場してこんな注目されるだなんて俺には辛すぎるよミリオ……誰もジャガイモに見えない胃が痛い……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこにはなんかスポットライトに照らされて1人!!体育館の入口に心労に苦しみ弱そうに立つ天喰先輩がいました!!

 

 

「「「「まさかの開幕天喰先輩先頭という鬼畜の所業!!!」」」」

 

「「「「まあでも確かに天喰先輩は『あ』行!!!!」」」」

 

「「「「「卒業式入場ですでに出オチみたいになってないか!?大丈夫なんかコレェ!!!」」」」」

 

 

ざわざわと各々叫ぶ俺たち在校生!!

そんな俺たちのざわめきを他所に。

 

 

「はっはっは!!最初に入場するっていう大役!!良く頑張ったんだよね環!!掴みはオッケーなんだよね!!」

 

 

「絶対滑ったって今の……楽しんでるね?それも含めて俺で楽しんだねミリオ?」

 

「わー!!スゴイスゴイ不思議不思議!!ねえねえスゴイよね通形に天喰!?こんなに多くの人達が私達の卒業をお祝いする為に集まってくれたんだよ!?ねえコレスゴクない!?スゴイよね!?スゴすぎるよね!?ねえねえ不思議不思議!!」

 

そしてそんな天喰先輩を背後から堪能したのかな?後ろから続々と他の卒業する生徒達が入って来る。

 

ねじれ先輩や通形先輩だ。

 

そんな皆に暖かな言葉をかけられながら天喰も卒業式の列に戻り、そして先頭に立って歩き出した。

そう、自分達の席に向かって。

 

正直、まだ目立つのは嫌だ……って気持ちを隠せてはいないけれど。それでも天喰先輩は先頭に立ち、しっかりと3年生を先導して席へ辿り着いた。

 

「ヨッシャァァァ!!!続きましてぇ!!卒業証書授与だぜぇ!!YEAH!!!」

 

「「「「「いやだからノリと音楽!!!!」」」」」

 

『ちょっと意味わかんない』と戸惑う俺たちに『わかるぜ……わかるぜ、俺たちも去年はそうだったわ……』と温かい目を向ける2年生達。

 

そして卒業証書授与が始まる。

基本的にあんま面白くないイベントである。ぶっちゃけ。

知り合いおらんとただただ長い時間かかるだけのイベントだもんねコレ……

 

でも、そんなイベントでも盛り上がる所は確かにあって。

 

「そつぎょう」

 

ピョコン

 

「したっ」

 

 

「「「「「「「ねじれ先輩ぃぃぃぃ!!!」」」」」」」

 

ねじれ先輩の可愛さに在校生も卒業生も男も女も魅了されるなどの波乱もあった。まあでもあの人と俺の彼女なんで。もう一度言うけど俺の彼女なんでね。

 

 

そんな感じで卒業証書授与が終わり、なんか良くわかんねえのだが小噺やらコントやらラップバトルが始まり、黒色がラップに目覚めたりなどもする。まあ楽しいから良いか。

 

そして……

 

「卒業生代表の言葉は通形先輩か」

「ん」

「まあ妥当だね」

 

……そして、卒業生を代表し、通形先輩が壇上へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side荼毘

 

「そろそろ卒業式も盛り上がってる所だろうな」

「ああ……そこに『チョイ』っと俺たちで手を加えてやって……最高のフィナーレにしてやろうぜ」

 

雄英高校卒業式の日。式の開始時間である13時を少し過ぎた頃。

 

俺達は卒業式の会場である体育館を遠目に見れる小高い丘に立っていた。広い敷地を持つ雄英高校。こういう場所には困る事がない。

 

「さあ……やろうぜ、俺」

「ああ……やるか、俺」

 

 

トゥワイスの個性で増えた俺達。

その俺達が両の手を、4本の手を伸ばす。

その手の向かう先は、卒業式の会場である体育館!!

 

「ヘルフレイム」

   +

「気象操作」

 

俺の生み出した凶悪な炎!!

それを最悪な竜巻が吸収し!!

 

「「喰らい!!やがれ!!!」」

 

魔王が放つに相応しい威力を持った、魔性の炎の竜巻が体育館へと向かう!!!

 

「全員!!」

「死ねやぁ!!」

 

そして!!俺達の放った炎の竜巻が体育館へと直撃!!

暴風が!!圧倒的な熱が!!その二つの相乗効果が!!一気に体育館を破壊し焼き尽くし吹き飛ばした!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side物間

 

「……計画通りだ。さて、行こうか」

「おう」

「けっ」

「うん!!」

「任せろ」

 

 

……そうして、僕はヴィラン連合の黒霧からコピーしたワープゲートの個性を開く。

 

躊躇なく飛び込む4人。その4人を見送り。

 

 

「……事前に雨が降るってわかってたら傘を用意しておくのが人間の知恵ってもんだろう?内通者がいるってわかってればそれなりの対応をするさ。その内通者が誰かの特定までは出来なくってもね」

 

「……物間、それは?」

 

拳藤の問いかけ、それに、

 

「卒業式は『昨日の時点では』今日の13(・・)時スタートだった。今朝方急に『やっぱ卒業式10(・・)時からやるわ』って連絡したのは全てこの為さ。まあでも大学生とかなら着物着たりするから時間かかるけど、高校生の卒業式ならこのくらいの時間変更は何とかなるからこその策だけどね」

 

「………」

 

ここは雄英高校敷地内の地下に作られた特別なスペース。

荼毘の強襲に備える為に、校長が私財を投じて作った特別なスペースだ。

 

そこから僕達は『さっきまで卒業式が行われていた体育館』へ向けて炎の竜巻を放った荼毘達と、それを迎撃する為に僕のゲートで飛び出した回原・爆豪・緑谷・轟の姿をモニター越しに見ていた。

 

「ヴィラン連合が緑谷を狙っていて、かつターゲットになりやすそうな卒業式なんて格好のイベントがあったらとりあえず一発ハメとくよね!!実際の卒業式は10時からスタートで終わらせておいて!!『昨夜以前に』内通者経由で13時から始まる卒業式を聞いて襲撃しに来た荼毘を叩く作戦だ!!」

 

モニター越しに向かい合う回原達と荼毘達!!

 

回原を先頭にし、真後ろに立つ緑谷から黒鞭の個性か伸びる!!

 

『はっはー!!』

『……けっ!!』

『やるぞ、緑谷!!』

 

それは回原と緑谷を直接繋ぎ!!また別の黒鞭は緑谷から爆豪を経由し回原に繋がる!!同じく!!他の黒鞭が緑谷から轟を経由し回原に繋がる!!

 

そう!!これは回原と緑谷を中心とした!!

 

 

 

「雄英高校ヒーロー科1年最強の4人による個性合体だ!!さあ!!ぶちかませ!!ここで全てを終わらせてやれ!!」

 

 

 

 

『『焦凍ぉぉぉ!!!』』

 

 

荼毘達の放つ炎の竜巻!!

 

それを!!

 

『緑谷!!』

『任せるよ轟くん!!ワン・フォー・オール!!フルカウル10%!!』

 

それを!!

 

 

『フルカウル10%!!大氷海嘯!!』

 

 

個性合体によって超強化された轟の氷が正面から迎え撃った!!

 

 

 

「ヤバ過ぎんだろコレ……どう控えめに見ても怪獣大決戦じゃねえか……」

 

戦慄する峰田の声。

それがこの場の全員の気持ちを一切の誤植も無く代弁していた。

 

……そう、怪獣大決戦だ。

 

『『『『『『おおおおお!!!!!』』』』』』

 

卒業式の終わった雄英高校敷地内。

 

そこで、世紀の大決戦とでも言うべき大決戦が始まろうとしていた!!

 

 

 

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