エロいのは……馬師父……ああ……(白目)
これも時代なのでせうか……辛い……
「炎の竜巻はよく凌いだじゃねえか!!」
「だが!!コイツはどうかなぁ!!」
個性合体で繋がる俺達。
俺、緑谷、轟、そしてトンガリ。
雄英高校の広大な敷地内。
燃え続ける体育館。
俺達の平和な学び舎が刻一刻と地獄へと変わっていく。
「「死ねぇ!!!!」」
荼毘達の叫び。
その叫びとともに天と地を繋ぐ幾条もの巨大な稲妻が俺達の世界を覆う!!
「デク!!ドリル!!」
「わかってるよかっちゃん!!行くよ回原くん!!フルカウル100%!!」
「任せろ!!舌噛むなよテメエらぁ!!」
視界の全てを稲妻で埋め尽くされた、まるで世界の全てが滅ぶ瞬間のような。そんな悪夢のような景色。
「「「「おおおおおおぉぉぉ!!!!」」」」
そんな黙示録にでも出てきそうな絵面。
緑谷のワン・フォー・オールで超強化された俺の身体能力によって、俺達はそんな稲妻の嵐に埋め尽くされた世界を駆け抜ける!!
緑谷の個性「浮遊」で皆を軽く浮かせ!!
緑谷の個性「黒鞭」で皆を連結!!
そして身体能力を超強化された俺が3人を引っ張り!!雷の雨が振り注ぐ地獄の嵐の中を駆け抜けていた!!
「「「「おおおおおおぉぉぉ!!!!」」」」
一撃!!ただの一撃でも食らえば一発で戦闘不能になりかねない!!
そんな最凶の雷!!それを無数に降らせる気象操作というチート個性!!
昨日までは平和……そう、平和だった雄英高校の敷地内を埋め尽くす地獄の稲妻。
時にジグザグに、時に緩急をつけてそれらの一撃必死の雷を全て避け!!俺達はついに荼毘達を射程に捉えた!!
「トンガリ!!」
「行け!!かっちゃん!!」
「あたぼうだわ!!今度は俺だ!!よこせデク!!死ねぇ!!フルカウル25%!!APショットォォォォォォォ!!」
超強化されたトンガリの必殺技が1人の荼毘を直撃する!!
「がぁぁぁぁ!!!!」
その超強化された必殺技!!それをマトモに喰らい荼毘が1人消滅する!!
残るのは!!
「……はっ!!魔王がこの程度でホントに終わるとでも思ってんのかよ!!」
そう叫ぶ『もう一人の魔王・荼毘』
その魔王の隣に、あの泥ワープによりゲートが開き……
「……ようクソガキ共。おかわりだぜ。嬉しいだろぉ?おかわりだよ、お・か・わ・り!!」
……新しい魔王・荼毘が……その泥ワープで開いたゲートから姿を現す!!
今さっき一体の魔王・荼毘を倒したばかりなのに!!また新しく魔王が産まれ!!そして!!俺達の前に、まるで戦闘開始直後みたいな顔をしてまた『2人の魔王・荼毘』が並び立つ!!
(……なるほどなぁ!!)
事前に物間から。
『今の状況で考えられる最悪のパターンがコレだよ』
と、説明を受けていた、まさに最悪のパターンにハマった訳だ俺達は!!
つまりこれは!!
「考えるのは後だボケェ!!とりあえず目の前の敵をブチのめしとけやドリル!!デク!!」
「……だね!!行こう!!回原くん!!」
「……だな、頼むぜ緑谷!!」
「「フルカウル100%!!」」
「「は!!無駄だぁ!!無駄だぜクソガキ共がぁ!!」」
防御態勢を取る2人の荼毘!!それに!!
「「フルカウル100%!!スパイラル・スマッシュ!!」」
「「ぐわぁぁぁぁぁ!!!!」」
並び立つ2人の荼毘をまとめて薙ぎ払う俺の渾身+緑谷のワン・フォー・オール全開パワーがのった後ろ回し蹴り!!
それが2人の荼毘をまとめてチリへと還す!!
ああ!!やったぜ!!これで魔王を倒した!!一件落着!!
……だ、なんて……甘い話は当然なくて………
「……皆!!危機感知に6時の方向に反応!!」
「……そーかよ報告ごくろーさんだぜクソが……危機感知とかイラんわ……10時の方向に泥ワープが見えるぜ」
「……間違いなく物間が言ってた最悪のパターンだなこれは」
「ああ……」
緑谷とトンガリの言った6時と10時の方向。
……そこに、泥ワープの反応がそれぞれあり。
そしてそこから……また全く新しい……でも見慣れた、見慣れたくなどない2つなんだけど全く同じ一つの姿が現れ出る。
「ああ、ご苦労さんだなクソガキ共」
魔王・荼毘!!
「さあて……ここから第2ラウンドだ」
魔王・荼毘!!
先程倒した魔王・荼毘!!
それと全く同じ姿と能力を持った魔王が!!新しく泥ワープの中から現れて俺達に改まって宣戦布告をした!!
『今回の決戦で考えられる最悪最低のパターンはコレだよ。本体である魔王・荼毘は何処かに隠れて……トゥワイスの個性で複製した複製魔王だけを泥ワープで無限に雄英高校内へと放ち続け!!そして破壊の限りを尽くさせる!!それが!!それこそが最悪最凶の作戦だ!!』
ヴィラン連合に所属するトゥワイス。
今はもう遥か昔の出来事のように思えてくる泥花市の決戦。
……その時に最もホークスさんが警戒していたヴィラン……それがトゥワイスだ。
その個性によって複製され続ける魔王・荼毘という最悪のコンボ。
『増殖するラスボスという悪夢』
倒しても倒しても増え続ける魔王。
そんな最悪のヴィランが、俺達の敵だった。
「「ヒヤッーハッハッハッハッハッハ!!!」」
そんな最悪な状況に俺達が気づいた事を察し、荼毘達が狂笑をあげる。
禍々しいその笑い。
それを燃料としたかのように荼毘達は再び凶悪な炎の竜巻を生み出し、さらにその火勢と風速を高めていく!!
前後から俺達を挟むようにした荼毘達。
その高めた炎の竜巻に自らの肉体が耐えられないのか?人肉が焼ける嫌な匂いが風に乗って俺達の方にも届く。
「……テメエの炎でテメエを焼き尽くしてはい終わり……みてえなマヌケをさらすタイプじゃねえよな流石に……」
不快な匂いに顔を顰めたそんなトンガリの言葉。それに、
「は!!たりめえだろが!!」
「こんなに楽しい楽しいパーティーだぜえ!!」
「「そんなもんで終わる訳ねーだろがぁ!!」」
「な……」
……そして、俺達はそれを見た。
炎の竜巻……その熱に耐えきれず自らの肉体までも焼く圧倒的な熱……焼けたその肉体のその部分。そこから『ボコ!!』と新しくピンク色の肉体が増殖し!!更にその真新しい肉体が焼け!!その焼ける勢いよりも更に早く!!『ボコッ!ボコッ!!』とまた更に新しい肉が生み出され!!焼けた肉体を覆い隠すようにしてどんどんどんどん大きく!!大きく!!その肉体を巨大化させていく!!
「……まるで血狂いマスキュラーみたいだ……いや、それよりも更に力強くて……もっともっと醜悪な……一体何なんだあの個性は!?あんな個性聞いたことないよ!!」
あまりにも非常識な光景を目にしての緑谷の叫び。
それに応えるようにして、
「……はっ、そりゃそうだろ……これは単純単一な個性だけで出来る現象でもねえからな」
「何だって!?」
前門の魔王・後門の魔王。
俺達を挟み、凶悪な炎の竜巻を維持しながら自らも巨大化していく、そんな魔王・荼毘。
「気象操作により死んでいく細胞」
「細胞活性の個性が見つかれば理想的だったが見つからなかった」
「だから活性でなく『細胞増殖』の個性で補うことにした。死んでいく細胞……その死んでいくスピードを上回る程のスピードで細胞を生み出し、死を先送りにする……はっ!!脳筋だぁ!!」
「自らの肉体すら耐えられない程の温度に達する地獄の炎」
「自らの肉体が焼けていくスピードよりも更に早く!!『肉体再生』の個性で皮膚を再生させ続ける!!はっはー!!脳筋だなぁ!!脳筋だろぉ!なぁ!!おい!!」
「「俺達は死柄木弔とは違ぇ!!あの本来のマスターピースとは違うんだ!!俺は!!俺達は!!俺達のやり方で終末を超える!!個性限界点を超える!!世界を滅ぼす程の力への適応!!泥臭くて無様だろうが!!これが俺達荼毘だぁ!!」」
細胞が死滅し、肉体が焼け続けながらも自らの細胞・肉体を増殖・再生し巨大化し続けていく荼毘達。
「おしゃべりはここまでだ!!死ねぇ!!」
「ひゃっはー!!テメエらの大好きなこの雄英高校ごと滅んじまえよぉ!!」
そして!!前門の荼毘がこの膨れ上がった凶悪にして醜悪な腕に炎の竜巻を纏い!!自らの肉体を焼きながら狂気のままに薙ぎ払う!!
そして!!背後の荼毘が炎の竜巻を俺達に向けて放ち!!その左右をカバーするように稲妻の雨嵐を降らせてくる!!
前後左右を凶悪な攻撃で挟まれた俺達!!
それから逃れる為には……上!!
「回原くん!!」
「任せろ!!マジで全力全開機動だ!!ホントに舌噛むなよ!!気を失うなよテメエら!!」
「「フルカウル100%!!」」
そして!!ワン・フォー・オールにより超強化された俺が引っ張るようにして!!俺達4人は上空へと飛び上がる!!
「おおおお!!!!」
超強化された俺の脚力によるジャンプ!!
それで一気に上空へと飛び上がる!!が!!
「読んでたぜ!!死ねぇ!!」
前後の荼毘から襲いかかってくるビーム攻撃の雨嵐!!
「空中三角蹴り!!」
その凶悪なビームの群れを宙を蹴った反動でジグザグに動き回避する!!
「緑谷!!俺達にも力を回せ!!」
「背後の牽制は俺達がする!!圧が弱まればテメエなら行けんだろドリル!!」
「かっちゃん!!轟くん!!」
「後ろは任せたぜ二人とも!!」
「「おうよ!!」」
「フルカウル10%!!もう一つ10%だ!!」
俺へと向かって流れてくる緑谷からの力が2割ほど体感で削れ、そして!!
「死ねやぁ!!」
「燈矢兄ぃ!!」
緑谷のワン・フォー・オールで強化された爆発と氷の強力な壁が背後にいる荼毘へと襲いかかる!!
「ちぃぃぃぃ!!!」
攻撃を辞めてそれを防ぐ防壁を作る背後の荼毘!!
背後からの攻撃の圧が!!その瞬間!!弱まる!!
「おおお!!!!」
「クソガキ!!」
その瞬間!!宙を力強く蹴り飛ばし!!俺は前方の荼毘へと飛び込む!!
「死ねやぁ!!」
「回原くん!!」
極悪な炎の竜巻を纏い!!不快な匂いを放ちながら俺へと薙ぎ払われるその巨腕!!
「フルカウル80%!!螺旋・白刃流し!!」
「……!!なっ!!」
それを!!超強化パワー+武術の技で受け流す!!
「正面からぶつかり合うばかりが武術じゃねえぞ!!」
俺の身に宿った超パワーで炎の竜巻ごと凶悪な巨腕の攻撃を受け流し!!そして!!
「うらぁ!!」
「ぐほぉ!!」
受け流す勢いそのままに荼毘の懐に飛び込み!!一撃をお見舞いする!!
その攻撃で顎を砕かれた複製魔王が消滅していく。
そして……
「……けっ……ムカつくが……ムカつくが、やっぱテメエ相手に近接挑むのは無理ゲーだなクソガキ……」
「……まぁた生えてきやがったか……」
……そして、一体の魔王を倒した瞬間……また新たなる魔王・荼毘が泥ワープから現れて……
「……回原くん……」
「……わかってた事だろ、緑谷……」
「だが……回原……このままでは……」
懸命に一人を倒した瞬間、何事も無かったかのように復活するという、悪夢のようなこの光景。
増殖する魔王。
そんな絶望的な戦場にいながら、
「……けっ……わかってた事だろが……今更あたふたすんじゃねえよボケ共が」
「かっちゃん」
トンガリが不敵に笑った。
「ここでヤツラを倒しまくるのが俺達4人の役割だ」
そして、
「荼毘の本体を見つけ出してしばくのはアイツラの、性格サイテーなモノマネ野郎共の役割だろ。なあドリル」
「……はっ、そうだなトンガリ」
そんな事をとびきり獰猛な笑顔で言ったトンガリに、俺もおそらくは同種の笑みを返した。
side物間
「さて、ご指名入りましたー!!……ってやつだね、これはさ」
今まさに地上で繰り広げられている怪獣大決戦を映し出す巨大なモニター。
そう言って僕はモニターから目を離し背後を振り返る、
「「「「「「「………………」」」」」」」
そこには拳藤が、小大が、波動先輩に天喰先輩……通形先輩にその他雄英高校ヒーロー科の生徒達全員が強い意志を秘めた目で僕を見て、そして立っていた。
「あの駄犬が私より先に貴方の名前を呼んだのは少々が納得いきませんが……」
「……今のって名前呼ばれてたかな僕は?……まあ、その辺はこの戦いが無事に終わってから個別に頼むよ塩崎」
「……そうですね、失礼しました」
猛る戦意を押し隠し下がってくれる塩崎。頼むよ。ホントに、終わってから個別に2人でやってくれないかなマジで。
まあ、とりあえず……
「言わなくても、僕達のやる事はわかってるよね皆?」
そんな僕の言葉に、皆がそれぞれのやり方で力強く頷く。
「ワン・フォー・オール……まさにワン・フォー・オールだね。『一人は皆の為に』ってね。さあ、やろうか皆。僕達の役割は、あの4人が魔王達を食い止めている間に、この近くに潜んでいる筈の魔王本体を見つけ出す事だ。そうすれば後は何とでもしてみせる。卒業式に備えて雄英高校の近くに潜んでいたヒーロー達も続々こちらへと集まってきている。さあ!!僕らは僕らに出来る事をやろうじゃないか!!」
そして!!僕は叫ぶ!!
「索敵能力の高い生徒を中心にチーム分けはしてある!!探せ!!この災害の中心である荼毘を見つけ出すんだ!!怪獣大決戦に参加するだけがヒーローの役割じゃないだろう!!さあ!!僕達は僕達の出来る事でヒーローを完遂する!!」
その僕の言葉に皆が動き出す。
そう、最前線で戦うだけがヒーローの役割じゃないんだ。
「僕はフィクサーとして誓ったんだ。誓っているんだ」
……そう、完全無欠のヒーローの勝利を。
「……だから、君も頑張れよ回原。緑谷、爆豪に轟」
僕達は僕達に出来る事をやるよ。
だから、君たちも君たちに出来る事をやってくれ。
一人は皆の為に。
そう、ワン・フォー・オールの旗の下に。
「皆で勝つんだ。絶対にね」
事前の検証で、泥ワープの範囲にはある程度距離の制限があるだろうと推測がついている。
……だから、この戦闘中に日本全国を調べ尽くす……みたいな無茶苦茶な事はしないでも良さそうだ。
……とはいえ、当然、楽ではないだろうけど。
潜伏する魔王本体を見つける……間違い無く難題だ。
「……でも、やってやるさエース」
そう、それが僕の役割だ。
「……だから、君もその時になったらしっかりと決めてみせろよ回原」
エースに勝ち筋を作るのが僕の役割だ。
だから、その時になったらしっかりと決めてみせろよ。なあ、頼むよエース……