回原のドリルは天を貫く   作:のりしー

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その『次』さえも超えていこうとする君たちへ

「おぉ!!その格好!!君たちはヒーローだね!!随分と若いなぁ!!」

 

品の無い感じでケバケバしく光りながら宙に浮かぶ巨大な船。

 

その船上から俺達を見回し、巨躯の男の呑気な声が戦場に響く。

 

「……オールマイト?いや……違う。当然だがな」

 

そう、この戦場に突如として乱入して来た男……その男の顔の顔は何故かオールマイトさんにそっくりだったのだ。

整形?だとしても一体何のために?

 

 

「……あの顔はオールマイトへの冒涜が過ぎる整形だろうけどクオリティが低すぎてありえないそもそも何なんだあのシワはありえないだろうていうか無いよ無いんだよあんなシワは一体いつの時代のオールマイトのシワを再現したつもりなんだあのクオリティと設定のガバ過ぎる低レベルなシワはありえないありえないよ顔面の再現度が低すぎるどう考えても浅いよ浅すぎるよ知識もこだわりも何もかもが浅すぎる浅すぎるんだよせっかくオールマイトと同じ顔に整形するにしても知識もこだわりも浅すぎるまるでにわかファンがその場のノリと勢いだけであまり深く考えもせずに知りもせずに知識不足で整形に踏み切ったとしか思えないブツブツブツブツブツブツ………」

 

 

「……え……何これ……怖……」

 

俺の真後ろから突然呪言のように垂れ流される緑谷の言葉の波……そう言えばオールマイトガチ勢でしたね緑谷さん……え……怖……

 

 

今もブツブツと長えよ怖いんだって!!な緑谷の言葉を聞きながら、

 

「……クソが……俺だってキレてぇのに一周回って冷静になっちまっただろうがボケ……オラ!!いい加減落ち着けやデク!!」

 

ポコッ!と軽く緑谷の頭をしばくトンガリ。まあその通りで何か俺もちょっと冷静になっちまったわ……

「……え、あ……!!ご、ごめん皆!!つい!!」

 

「チッ……たく」

「ごめんかっちゃん」

 

ようやく納まったらしい緑谷。

そんな俺達を他所に、この場の主導権はすでに他所に移っていた。まあ無理も無いけど。

 

 

「……流石はファントムシーフ。仕事が早い……司令部から情報が入った。確認するが、貴様らはヨーロッパで活動しているゴリーニファミリーで相違ないな」

 

 

本部の物間から情報を得たらしいエンデヴァーさん。そのエンデヴァーさんがこの謎のオールマイトさん顔をした怪人物に問いを向ける。

 

「……うぅ~ん?……おや、誰かと思えば!!はは!!まさか君はエンデヴァー?エンデヴァーなのかい!?いやぁ!!これは驚いた!!元日本No.1ヒーローにして!!平和の象徴の後継になりきれなかったエンデヴァーじゃないかぁ!!いやぁ!!素晴らしい!!素晴らしいよ!!まさか君がここに!!この場にいるとはね!!これぞまさに神の思し召しってやつだぁぁ!!」

 

 

「……こちらの質問に対し妄言で返すな……マトモに対話も出来んのか貴様は?」

 

「……つうか気軽に神の名前を利用してんじゃねえよクソが……」

 

「か!!かっちゃん!?今度は君が落ち着いてよかっちゃん!?」

 

 

後ろの夫婦漫才は無視しつつ、

 

「……何が何だか知らねぇ……関係もねえ……」

「荼毘」

 

 

……ここまでの茶番の中でも、決して警戒だけは緩めなかったヤツが口を開き乱入してくる。

荼毘だ。

その複数持つ個性の一つで死柄木弔を支えつつ宙に浮かぶ荼毘。

その荼毘が口を開くいた。

 

 

「テメエがオールマイトだが何だろうが関係ねえよ……焼死体が一個増えるだけだろうがコラァ!!ああ!!アイツからは何も感じない!!感じないんだよ!!だから続きを!!続きをしようよ与一ぃぃ!!!」

 

「……落ち着け荼毘……状況が混乱しすぎてる……トゥワイスやコンプレス達の事も忘れるなよ。その上で行動しろ」

 

「…………ふん」

 

 

……ヴィラン連合のスタンスはそういう方向か。

 

頭の片隅にそれを意識しつつ、改めて俺はオールマイトさんのファン?ゴリーニファミリー?の誰かへと視線を戻す。

 

そして。

 

「……フッフッフ……まあ落ち着き給えよ皆……」

「「「「「「「は?」」」」」」」

 

 

……もしや轟以上に空気読めねえのかコイツ?

 

俺達が胸に抱える感情やら危機感。

そういった全て。

その全てに正面から砂をかけるようにしてこの男は。

 

 

「……ああ……よく来てくれたねアンナ」

「……はい、オジサマ」

「お嬢様ぁぁぁ!!」

 

背後から部下らしき男に浮かされて隣に来た美女。その肩を抱き引き寄せる顔面オールマイト。そしてそれを見て叫んだらしき誰か。情報量が多い!!

 

「フッフッフ……はは!!はーはっはっ!!」

 

 

「……人質……ではなさそうだ。ではあの光?これは……個性の強化?いや、まさか?」

「親父?」

「気にするな。あくまで俺の推論で確証は無い。お前はお前だ。集中しろ焦凍」

「ああ……」

 

 

親子の会話にしては殺伐しすぎなのだが……

 

そんな俺達の気持ちなど何も知らぬと、眼前の男が金貨?あれは金貨かな?何処かから取り出した金貨。それも大量の金貨を地面に落としていく。それは投げるではなく、落とす。こぼれ落ちていく。それも大量に。そんな動きだった。 

 

そして!!

 

その金貨?が落ちた地面!!

そこから怪しくも美しい光が立ち昇る!!

そこから集音マイクと高性能カメラも備えた無数のドローンが生み出され!!

 

「これは!?」

「あの光!?」

 

そして更に!!それとは別で今回の決戦で破壊し尽くされた雄英高校敷地内の建物の瓦礫やら土やら木々!!その全ての物質を取り込みながら更に広がり拡散していく極彩色の怪しい光!!

 

俺は全力で飛びさらに高く移動!!とりあえずあの光から逃れる!!そして横を見るとエンデヴァーさん!!同じようにあの光から逃れる為に空へと移動していた!!

 

 

「……うん、マイクカメラ共に繋がったかな?良し!!では始めようか!!」

 

 

その怪しい光に自分が立っている船を!!そして自分の仲間も吸い込ませながら、空を飛ぶドローンに囲まれ男が叫ぶ!!  

 

 

 

「やあ親愛なる日本の皆!!今まで心細かっただろう?オールマイトが引退し、その後を引き継いだエンデヴァーはこの有り様だ……本来は守られるべき平和の学び舎である雄英高校はこの有り様で……本当に『ああこのまま自分達は日本のヒーロー達を信じていても大丈夫なんだろうか?』だなんて、さぞかし心配だろう。心が休まらないだろう……ああ……その気持ち……その辛さ……ああ……想像するだけで胸が張り裂けそうになるよ……でも安心してほしい……もう大丈夫……何故って?」

 

 

そこで、自分へと向かっている全てのカメラとマイクを意識して男が叫んだ。

 

 

「俺が、来たぁぁ!!」

 

 

今世紀最高のドヤ顔!!そのままに男が叫ぶ!!

 

 

「カミノだったかな?ああ!!あそこで最後に貴方はこう言ったねオールマイト!!『次は君たちだ!!』と!!だから!!だからもう大丈夫だ!!『達』だなんて必要ない!!必要無いんだよ!!何故って!!」

 

「「「「…………はあぁぁ!?!?!?!?」」」」

 

 

そして、うるさい顔したオールマイトさん的な何かは叫んだ。

 

 

 

 

「次は!!俺だ!!」

 

「「「「はあぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?!?」」」」

 

 

『次は、君たちだ』

 

……それは、大切な言葉。

あの時ギリギリのギリだったオールマイトさんから俺達が受け継いだ、本当の本当に大切な、そんな言葉。

 

「俺が来たからにはもう大丈夫!!俺がオールマイトの代わりに平和の象徴としてこの日本に君臨しよう!!そして!!その俺の力と!!その威光で!!失われたオールマイトの代わりとしてこの国にいてあげようじゃあないかぁああ!!」

 

それを!!

コイツはぁぁ!!  

 

 

 

 

「落ち着けぇぇぇ!!!」

 

ビビクゥウゥ!!!!

 

「……え、エンデヴァー……さん?」

「落ち着けスパイラル……どうも、そういう状況でもない」

 

「え……あ!!」

 

「麗日さん!?皆!?」

「不味い!!あの光に包まれた辺りにはA組の皆が!!」

「よし!!今すぐ救助に!!」

 

確かに!!轟の言う通りだ!!この急速に広がってく怪しい光!!その光にA組の連中が次々と飲み込まれてしまっている!!

 

「……落ち着けテメエら!!」

「ダイナマイトの言う通りだ」

 

慌てて救助に向かおうとする俺達をトンガリとエンデヴァーさんが止める!!

 

「何故止める親父!?爆豪!?」

 

当然とも言える轟の叫び。

それに。

 

「だから落ち着け……確かにクラスの連中はあの光に飲み込まれてるが……だからって、あの光が人体に危険なものと考えんのは早計だろうが。実際、光を生み出した自分も、その仲間達もあの光に飲み込ませてやがる」

 

「……確かに……かっちゃんの言う通りだ」

確かに……あの光が危険なモノだとしたら、自分や仲間をあの光に飲み込ませたりはしないだろう。俺の危機感知も反応していない。トンガリの言う通りで、あの光自体は危険かものでは無いのかもしれないな。

 

 

「……この状況で良く冷静に判断したなダイナマイト……誇れ。その判断力は素晴らしい。トップヒーローになる上でお前を支えるであろう優れた長所だ。大切にしろ」

 

「……けっ」

 

 

エンデヴァーさんからの素直な称賛に頭をガシガシとかき照れを隠すトンガリ。ズリいなあ。俺も褒められてえ。

 

 

 

「安心しなよ!!この光を使って不意討ちだなんて!!そんな無粋な真似はしないさ!!」

 

「……だったら、この光で何をしたいと言うのだ貴様は……?」

 

俺達のやり取りが聞こえていたのか?オールマイトさん顔の男が俺達に向けて語りかけてくる。

 

 

 

 

 

「城だよ」

 

 

 

 

 

「「「「「……………は?????」」」」」

「「……は??」」

 

 

 

……そして、その口から飛び出したあまりにもあまりというか……更に訳のわからない言葉に、俺達からも、ヴィラン連合の2人からも思わずという感じで間抜けな反応がこぼれ落ちてしまう。

 

……だが、そんな俺達の様子を意にも介さず。

 

 

 

「わからないかなあ!!城だ!!城だよ!!古来から権力やら地位やら力を持つ者ってのは!!その権威の象徴として城を建てるものだろう!!だから俺はココに来た!!オールマイトの母校であるこの雄英高校こそが!!俺の!!平和の象徴が住む城を建てるのに相応しい!!そう!!ここに俺は俺の城を築き!!オールマイトの代わりとして平和の象徴となる事を誓う!!」

 

 

「「「「マジでそんな目的の為だけにココに来やがったのかテメエェェェ!!!!!」」」」

 

 

「はーはっはっはっはっはっは!!!!!!」

 

 

そう笑いながら自らの生み出した極光の中に飲み込まれていくオールマイトさん顔のアタオカ怪人……

 

ウソだろ……ウソだろ……

 

こんなヤツの……ちょっとどころでないレベルに意味わからんお気持ちの所為で……この血戦に水を差されたのか俺達……

 

 

「はーはっはっはっはっはっは!!!」

 

高笑いがやがて消え……そして、眼前には今もなお広がり続ける謎の光だけが残る……

 

「「「「「「「………………」」」」」」」

 

 

後に残るのは広がり続ける光。そして、俺達の沈黙………

 

だけど……

 

「……行くぞ、荼毘」

「死柄木……」

 

まず、死柄木弔が口を開いた。

 

「この作戦を実行する上で俺が一番重視したのは仲間達の安全だ……そして、この光の広がり方を見るとトゥワイスもコンプレスもトガも光に飲み込まれていると見て間違いねえ……今すぐに命の危険は無いんだろうが……まずは合流を優先するぞ、荼毘」

 

「……ちっ」

 

ヴィラン連合にはヴィラン連合のチームワークがあるのだろう。死柄木弔の言葉に荼毘は毒づいた。しかし……

 

「……行くぞ」

「おう。頼む」

 

……そして、荼毘の個性で2人、宙を移動して目の前の光へと飛び込んでいった。

 

 

その2人の後ろ姿を見送り、そして俺達も……

 

 

「……貴様はダメだぞスパイラル……」

「……あれぇ!?!?」

 

え?ウソ!!今俺を先頭にして俺達もこの光に飛び込む流れだったじゃあないですかあ!!!

 

盛り上がる俺に冷水を浴びせるエンデヴァーさん。

 

そんな俺に。

 

「ホークス達ヒーローが今ここにいない以上……この雄英高校内の最大戦力はお前たち4人だ。まずはその自覚を持て」

 

エンデヴァーさんの冷静な声が続けて響く。

 

「で、ある以上……この4人を同時にこの怪しい光に突入させる訳にはいかん……おそらくは安全、というのは推測であって確信ではない……リスク管理上当然だろう?」

 

「……はい」

 

「……で、結局どうすんだ親父?」

 

淡々とこの状況を整理するエンデヴァーさん。

それを俺達が聞くという構図。

 

 

「焦凍、デク、ダイナマイト……そして俺の4人で先行しこの光に飛び込む。そして内部に囚われたA組生徒達と合流し一箇所にまとめておく。スパイラル……お前は一旦下がり外の戦力を結集しろ。そして水や食糧といった補給物資を゙掻き集め、先行した俺達に合流するのだ……ルミリオンと一緒に、この光が落ち着いた先を確かめてから俺達に合流してこい」

 

「……へっ、まあそういうこった……先行すっから後からメシ抱えて追いかけて来いやボケドリル。あんま遅いと俺達だけで決めちまうからな!!」

 

理路整然としたエンデヴァーさんの指示。反論の余地がまるでない。まるでないそれを聞き俺達は。

 

「うん!!」

「回原、頼んだ」

「おう!!任せろ!!」

 

 

それぞれ頷き!!そして行動を起こした!!

 

エンデヴァーさんを先頭に、トンガリ、轟、緑谷が今も広がり続ける光へと飛び込む!!

 

そしてそれを見送り、下がる俺。

俺……一人。

 

『……回原……聞こえているかな回原?』

「ああ……聞こえてるよ物間」

 

耳につけたインカムから聞こえる物間の声。

 

『……内部に吸い込まれたA組のメンバーへの補給は今すぐ用意させる……だから、君は少し下がって休め。少しでもいい。出来るだけ休んでおくんだ。細かな準備は僕が整えておく』

 

「……ああ、細かい所は頼むぜフィクサー」

 

『ああ……任せろ』

 

 

そうして俺は広がる光を見下ろしながら後方に下がる。

 

 

 

それからしばらく広がり続けた光。

いつからからかそれは広がる事を辞めて……辞めて、光は蠢きやがて一つの『ナニか』を形づくる。

 

……そう、それは城。

まさに城だった。

 

天守閣にオールマイトさん?

……ではなく、おそらくは整形した自分自身の像を飾った何というかチープというか虚栄心だけで生み出されたような空虚な城、

 

 

……そんな城が、俺の、俺達の大好きな雄英高校にそびえ立ってしまったのだ。

 

「……許せねぇ……」

 

そう、許せる訳がねえよ!!

 

 

光は拡大を終え、やがて空虚で巨大な城となった。

 

そして俺はその城を見ながら……瓦礫の山となっている地面に降り立つ。

そして、しばしの休息を取る。

 

それは失われた力を少しでも取り戻そうとする……そう獣の休息。

僅かな時間だけでも出来るだけ休み……力を蓄え、そしてその掻き集めた力を敵の喉笛に叩き込もうとするような……そんな獣の休息だった。

 

 

「許さねえ……ちょいとだけ待ってろよ……クソが……」

 

 

……そして、いくらかの時間が経過し……

 

 

 

 

 

  

 

 

sideオールマイト

 

 

「オールマイト!!目の前の建造物からオールマイト宛に通信が入りました!!」

 

ここは雄英高校の作戦司令部。

緑谷少年達の突入から幾らかの時間が経った頃。

目の前の城?城かなぁ?とにかく謎の建造物の内部から私宛に通信が届いた。

 

「……わかった。つないでくれ」

「つなぎます」

 

 

司令部のサポートとして入ってくれた印照少女は極めて優秀で、そんな彼女がそつなく通信をつないでくれる。

 

 

「やあ!!これはどうもどうも!!こうして直接お会いするのは初めてですねえ!!お会いできて光栄ですよオールマイト!!いや!先代?とお呼びした方がよろしいか?」

 

「…………」

 

目の前の巨大なモニター。 

そこに映し出されるのは私……私と同じ顔をした誰か。

顔だけが同じな、誰か。

そこには本人が語った通りの城……その城の内部に相応しい感じの豪華絢爛な空間が広がっており。

そして。

 

 

「……そんなガイコツのような見苦しい姿になりながらも平和の象徴として活動する貴方には敬意を評します……しかし、そろそろ本当の本当に引退してもいいのでは?」

 

 

「…………」

 

 

虚栄心と虚飾にまみれた空虚な部屋。そこから届くあまりにも浅い言葉。

 

そんな空間で踊る道化……そんな自分の滑稽さにまるで思いが至る事はないのだろう。

 

 

「もういいでしょうオールマイト……何故なら俺が来た!!」

 

 

そんな自らの道化性に欠片も気づく事はなく、男は吠える。

 

「次は俺だ!!」

 

空虚に、軽薄に、何一つ魂の奥底から来るような重みも無く。

 

「貴方が築いた平和の象徴!!その象徴としての立ち位置!!それをこの俺が受け継ぐ!!そして!!」

 

 

 

 

「……やかましい。ちょっと黙ってくれないかなパチマイト(・・・・・)

 

 

『…………は?』

 

 

 

……ああ、回原少年。

 

「聞こえなかったかい?やかましいって言ったのさ、パチモンの僕」

 

『……え?……は?』

 

巨大なモニターに映る虚栄の影。

……そして、そのモニターよりもより大きな、別のモニターに映し出された彼の、そして彼の背後に続く少年少女達のその姿!!

 

 

回原少年。

さっきまでの激闘で身体も服装もボロボロの!!しかし!!腕組をしつつ強い眼光で目の前の虚構の城を睨むその少年!!

 

正面からの強い夕日。

そして強い風を受けて!!

ボロボロになったその服がマントのようにはためく!!

 

 

 

 

「回原少年は君をこう評したよ……『言ってる事もやってる事もあまりにも浅い……浅すぎる……あんな酷いオールマイトさんのニセモノとかあります?ありえますか?』ってね……」

 

 

『はあぁぁぁぁぁぁ!?!?!?!?』

 

「『酷すぎる……オールマイトさんのパチモンだとしても酷すぎる……パチマイト(・・・・・)って呼ぶのすらもったいない』……ってね!!はは!!口が悪すぎるのが少年の欠点だね!!だけど納得さ!!でもそのくらいで丁度いい!!ああ!!君は私のパチモン!!パチモンのオールマイト!!つまりパチマイトさ!!」

 

 

先頭に立ち眼前の城を睨む少年。その背後から小大少女が近づく。

 

『ん』

 

『……さんきゅ、唯』

 

そして!!自らの個性で巨大化させたドリルを回原少年に渡し!!そのドリルと回原少年が個性合体をする!!

 

『ん!!』『おう!!』

 

更に!!

 

発目少女の作ったサポートアイテム!!出力が高すぎて身体が崩壊する程のアホ出力のブースター付きのボティアーマー!!それを小大少女が巨大化させて!!

 

それと!!回原少年が!!個性合体する!!

 

 

 

「見たまえよパチマイト……」

『あ……う……あ?』

 

 

その手には巨大なドリル。背中に巨大ブースターをつけたアーマーを身体に纏った回原少年。

『……ん!!』

 

そしてその隣に立ち満足そうな笑顔の小大少女。

その背後に続く少年、少女少女少年!!ああ!!1年B組の生徒たち!!

 

 

 

 

 

「あれが『次』だ。あれこそが私が望んだ『次』だ」

 

 

 

 

ああ回原少年……

最初に会ったのは約1年前の4月だったね。

その頃から君は私の度肝を抜いていた。

 

『個性合体!!』

 

ああ!!なんて素晴らしい力だろう!!

小大少女が個性で巨大化させたドリル!!

それと合体した君!!

 

君と出会った最初の授業!!

あの時に私は!!私は!!思わずこれから君が繰り広げるであろう無限の英雄譚を思い浮かべてしまったよ!!

 

 

「彼は……回原少年は私を見ていない……正確にはね、見ているよ。見ているけれども……それでも彼は私を『通過点』としてしか見ていない。見ていないんだよ。そんな少年に……そんな少年の影響を受けて今も前に歩き続けている少年少女達に……たかが私を目指している、私の地位を奪いたいだけの君ごときが勝てる道理はないんだよ」

 

 

夕日を受けて腕組みする回原少年。

まるでマントのようにボロボロとなったヒーローコスチュームをボティアーマーの上から纏った少年!!

 

 

『……行くぜぇぇぇ!!皆ぁぁぁぁ!!』

『『『『『『おう!!!』』』』』』

 

その少年の叫びに!!

背後に続く皆が呼応する!!

 

 

「私なんかに憧れて!!その地位を奪おうとするだけの君が!!君ごときが!!回原少年に!!彼等彼女等に勝てる訳がないんだよ!!何故ならば彼等彼女等は私を!!平和の象徴に追いつき!!そして!!私という天井すら超えて!!更に更に更に高みへと昇ろうとしているのだ!!だから!!」

 

『オオオオォォォォルマイトォォォォ!!!!!』

 

「行け!!」

 

そう!!だから行け!!回原少年!!

 

「行け!!行け!!」

 

この!!私という平和の象徴すらも超えて!!

この決められた天を!!私という名の限界を!!

その天井すらも超えて!!

 

 

 

 

 

『ギガァァァドリィィイルウゥゥブレエェェイクゥ!!!』

 

 

 

 

天井すら超えて!!

天を貫き!!高みへと昇れ!!

 

 

「行けぇぇぇ回原少年!!君のドリルで天を貫け!!」

 

 

 

背中のブースターからの全開の加速!!

足元からは超竜巻!!

 

そして!!利き腕である右手には超巨大なドリル!!

 

ギガドリルブレイク。

 

個性合体した回原少年!!

その超必殺技が!!虚構の城へと突き刺さった!!

 

 

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