回原のドリルは天を貫く   作:のりしー

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愛にすべてを

「回原くん!!このまま真っすぐ!!一直線なんだよね!!」

「おっしゃぁぁぁぁぁ!!!」

 

オールマイトさんのパチモンであるパチマイトの築いた虚構の城。

その城壁からひょっこりと半身を伸ばす通形先輩の誘導に従い、俺は唯との個性合体で強化したギガドリルブレイクの全力全開をぶち込んだ!!

 

外壁の破壊音が耳に届くよりも早く!!

音を置き去りにする程の超スピードで俺は城の外壁を突き破り内部へ突入する!!

 

城の内部はまるでゲームに出てきそうな地下ダンジョン?地下神殿?まあともかくそんな感じの石造りの空間が広がっていた。

 

パチモンの主に相応しい虚構の空間。

そんな薄ら寒い空間を見た位では、俺の今の燃えたぎる心には何も響かない。

 

 

なんせ

 

 

 

 

『行けぇぇぇ回原少年!!君のドリルで天を貫け!!』

 

 

 

 

そう、なんせ俺は!!あの人にそう期待してもらったのだから!!

 

「いっっっくぜぇぇぇぇぇ!!!!」

 

 

個性合体により俺の心身と一体となったドリルとブースター!!

両足から放つ竜巻!!

 

「おおおおぉぉぉぉぉ!!!!」

 

その全てを更に更に更に加速!!全開!!フルスロットルでぶん回す!!

 

そして真正面の壁にギガドリルブレイク!!

一瞬たりとも減速なんてしてやらねえ!!むしろ加速!!加速!!加速だ!!

 

目の前の壁をぶち破り!!更にその先にある壁も!!その先の壁も!!壁も!!進行方向に立ち塞がる全ての壁を俺のドリルでぶち破り突き進んでいく!!

 

 

 

 

『後ろの心配は必要無いよ!!ちゃんと全員まとめて旋の後に続いてみせる!!だから旋!!アンタは前だけを見て!!そして前へ前へと貫き進め!!』

 

 

 

作戦会議で一佳はそう俺に約束した。

だから俺は後続の心配を全くしていない。

一佳はいつも俺の隣に並び立とうとしてくれる。

だから、どうせすぐにB組の皆を引き連れて俺に追いついてくるに決まってる!!

 

「だから!!」

 

俺のやるべき事は!!俺の前に立ち塞がる全ての壁を最大最速でぶち貫き続ける事だ!!

 

 

そしてまた新たな壁を一個ぶち貫き、

 

「こ!!こんなの反則!!反則だ!!ギャァァァ!!!」

「……ん?誰か轢いたか今?」

 

……何か進路上にいた悪の魔法使いルックの誰かを余波で吹っ飛ばした気がする。まあいいか。どうせあのパチマイトの仲間だろーし。

 

 

そして幾らかの壁を貫いた後に、

 

 

「……ここか!!」

通形先輩の言っていた空間!!

 

中世ヨーロッパの街並みぽいイミテーションが連なる空間!!

 

城の外から一直線に壁を貫き続け!!そして俺はようやくここに辿り着いた!!

 

ギガドリルブレイクを止めて、俺は空から街並みを見渡す。

すると。

 

「けっ!!遅えぞドリル!!」

「回原くん!!」

「……来たなスパイラル」

 

噴水のある広場の辺りに見覚えのあるメンバーが集まっていた。

 

トンガリ、緑谷、エンデヴァーさん……そして1年A組の皆だ!!

 

A組20人+エンデヴァーさん……と、なんか見覚えのある執事服を着た人。

 

 

あの人だあれ……?とは思ったものの、まあ皆と一緒に行動してるんだし悪い人ではないんだろう。

とりあえずでそんなガバ判定をかまし、俺は皆の元に降り立つ。

 

 

「ご苦労スパイラル。他のメンバーは?」

 

一人で先駆けした俺へのエンデヴァーさんの疑問。

 

「大丈夫です。心配ご無用ですよエンデヴァーさん」

 

それに俺は笑って答える。

 

「後続を率いているのは拳藤一佳です。大丈夫です。すぐに来ますよ」

 

「……ふっ、そうか」

 

俺の返答を聞きエンデヴァーさんは楽しそうに笑いそう言った。

 

そんな俺達の様子を見て、

 

 

 

「……ツタ女もあっちにはいるんだぞ。んなトロトロしてる訳ねえだろが。大人なら大人らしくドンと構えてろやクソが」

 

「……なあ爆豪?それはあまりにも回原への対応と違い過ぎないか?お前は最大最速でここまで来た回原に『遅い』と言い。まだここにいない塩崎には『トロトロしてる訳ねえ』と言った。ちょっと回原にヒドイんじゃないか今の言葉は?」

 

「うっせーわ!!いーんだよコレはコレで間違ってねえからあんま野暮言わせんなや半分野郎!!俺とドリルなんていっつもこんなもんだろうが!!」

 

「……そうなのか?だが……?」

 

「あわわ……あ!!と、轟くん!!み、見てよ!!そんな事言ってる間に!!アソコ!!」

 

じゃれ合うトンガリと轟の間に立っていた緑谷。困りきって助けを求めるようにして周囲を見回したその先に、

 

「……ね。言ったでしょう?」

「ふ」

 

俺のドリルが作った穴から、一佳を先頭に通形先輩が、唯が、ねじれ先輩が、天喰先輩が、そしてB組の皆が続々とこの空間へと飛び込んで来た!!

先導したのは多分黒色。そして索敵に優れた取蔭が俺達を見つけるまでさほど時間はかからない。

一糸乱れぬ統率の元、一佳を先頭に皆が俺達の元に辿り着いた!!

 

そして!!

 

「1年B組生徒+雄英高校BIG3!!補給物資を持ち只今到着しました!!これより先行していた皆に合流します!!」

 

 

クラス委員長として皆を代表して一佳がエンデヴァーさんに報告をする。

 

エンデヴァーさんが頷き、

 

「ご苦労。迅速な補給物資の援助と戦力の派遣に感謝する」

 

年長者としてこの場を代表し一佳の報告を受ける。

そして。

 

「……先行したA組総員、しばしの休息だ。水分、栄養補給を行うように。B組のメンバーはすまんがその間の周囲の警戒を頼む。そしてそれぞれ休息・警戒をしたままで構わん。構わんので俺の話を聞いておくように。今追加で届いたヴィランの情報を元に、今後の作戦について話していく」

 

 

そしてエンデヴァーさんが今後の作戦について説明していく。

 

 

「必ず達成すべき目標はあのオールマイトもどきの打倒だ。それを前提として作戦を組み立てる。先行して偵察してくれたルミリオンの情報。そして今外部から届いた情報。それを組み合わせ策とする……するのだが……どうにも俺には理解出来んのだが……良くわからんヒロイズムやらナルシズムなのかこれは?とりあえずヴィランの……コイツら本当に……本当に、人が真面目にやってる最終局面でナニしに来たんだコイツらは……ああ、すまんな。とりあえず作戦の説明をする」

 

 

 

 

「「「「「大人として言わなかったけど!!!何か物凄い葛藤があったな今!!!!」」」」」

 

 

 

「……説明するぞ」

 

そしてエンデヴァーさんから作戦が説明される。

敵の首魁であるパチマイトはおそらくこの城の天守閣とも言える最上階にいるだろう、との事。

 

その最上階まで続く道に、まるでアニメやゲームやマンガに出てくる中ボスよろしく、自らの部下を配置し俺達の迎撃をさせようとしている事。

 

 

「「「「「……………………」」」」」

 

 

……それを聞き、流石に俺達も脳がフリーズする。

マジで……何しに来たんだコイツラ?

ゲームに出てくる魔王ごっこでもしに来たのか?ってレベル。

 

 

 

「……これが事実かブラフかはさておき……とりあえず我々ヒーローは、これが事実だった時に最大効率を。ブラフだった時にそれを上手くしのぎ次に続くような策を立てる」

 

 

「……なあ親父……ブラフの心配……いるか?これ?」

 

「………」

 

珍しく轟の言葉に何も答えず無言を貫くエンデヴァーさん。

心中、察するにあれですわ……

 

……そんなこんなでエンデヴァーさんから作戦の説明がされる。

 

敵の狙い通りに、戦力を結集し敵のお望みのコースを辿りパチマイトを目指すメンバー。

そして、

 

「スパイラル。まだ個性合体には1枠空きがあるな?」

「はい。唯の個性で大きくしたサポートアイテムと個性合体する場合、1サポートアイテムが1個性合体枠扱いになるみたいですので」

 

今のとこ俺の個性合体は最大で3枠。

唯の個性で巨大化したドリルで1。ブースター付きのボティアーマーが2。つまり後一枠余ってる。

 

俺の返答を聞きエンデヴァーさんは頷くと。

 

「よし。ならばスパイラルとデクがペアだ。2人のチームで天井の壁を全て貫き。天守閣まで一直線。あのオールマイトもどきをブチのめしてこい!!」

 

「……僕!?僕ですかエンデヴァー!?」

 

突然のエンデヴァーの指名に戸惑う緑谷。

だが、

 

「当然の組み合わせだろう?敵との一対一だけを考えるのならば、シンプルにワン・フォー・オールとスパイラルを組み合わせる以上の個性合体の組み合わせはない。それに万一不測の事態があったとしても、いくらでも一次撤退が出来るだろう2人ならば?」

 

まあ確かに。

シンプルにワン・フォー・オールはヤバい。フルカウル100%はホントにヤバすぎ。 

それを前提として行動出来るならリスクは最小に出来る。

 

納得する俺……そして少し遅れて頷く緑谷。

「……よし。頼むぞ2人とも」

 

「「はい!!」」

 

そして揃って力強く頷く。

 

「……は!!テメエら2人がチンタラチンタラしてっと!!さっさと追いついて俺があのパチマイトぶち殺すからよぉ!!ちゃんと気張れよテメエらぁ!!」

 

「……この駄犬……ホントに激励がわかりにくいんですから全くもう……」

 

方針が決まり気が昂るトンガリとそれを宥める塩崎。

 

「ダイナマイト。そして焦凍。お前たち2人には少々厄介な敵を相手してもらうことになるだろう」

 

「……この空間内の時間をスローモーションにするやつか?」

 

「いや違う。この手のタイプは接近戦以外ならどうとでもなる。周囲の空間をスローモーションにしても呼吸が出来ている。空気の流れはあるのだろう。ならばシーメイジで詰みだ。肺攻めスエヒロダケをバラマキ続け、逃げ道をコミックマンやウェルダー他の個性で防ぎつつ敵の限界を待てばいい」

 

「……力や身体能力が高いタイプじゃねえからな……逃げ道塞いで鬼畜キノコ女攻めは最大効率で効くだろうな」

 

 

 

 

「ノコ!!ノコォォ!!なんか滅茶苦茶言われてるノコォォ!!」

 

「小森!!落ち着け小森!!わかってる!!わかってるからな俺は!!」

 

 

 

鬼畜とラブビームの双方が漂うカオス空間。

 

「……じゃあ、俺はどいつを相手にすりゃいいんだよ」

「うむ」

 

 

そしてエンデヴァーさんがトンガリと轟に対応するよう指示したのは、短距離ワープ能力を持つヴィランと、そいつとコンビを組むヴィランの対処だった。

  

 

「実力の高低を問わず。ワープ持ちの相手は厄介だ……お前たち2人で対応出来ないと言うのならば、俺とルミリオンとサンイーターの3人で時間稼ぎを行うが……どうする?」

 

 

そんなエンデヴァーさんの挑発的な言葉。

それに、

 

「は!!」

「……」

 

この2人が燃えない訳もなく。

 

「……ふ、ならば頼むぞ。真面目に厄介な敵だ。これを上手く抑えられるがどうかが戦局に大きく影響するからな」

 

……そんな2人の顔を見て、満足そうなエンデヴァーさんが笑う。

 

「……安い挑発だが……乗せられてやる。乗せられてやるせクソが……」

「……ああ……やってやるぜ親父……」

 

そしてわかっていてもその挑発にのって燃える2人がいた。

 

「……敵の個性を消失させる力を持っていたヤツはここに来るまでに俺達が倒した。後厄介そうなのは怪物を召喚する能力者か」

 

「ああ!!それなら回原くんがここに来る途中で吹っ飛ばしてたから気にしないでいいんだよね!!」

 

「ウチの峰田の個性で動けないよう拘束済みです」

 

「……そうか。わかった」

 

通形先輩、そして一佳の言葉を聞きエンデヴァーさんが頷く。

 

「後は催眠・洗脳らしき個性を使う女ヴィランだが……相手に気付かれない遠方から俺が狙撃で倒す。ルミリオンは俺が敵の個性に捕まった時の備えとして側面か後方から接近。敵に気づかれないよう不意打ちで倒せ。視覚外から制圧するぞ。ベンタブラック。オマエもルミリオンのサポートに入れ」

 

「了解なんだよね!!」

「……闇、そして影こそ我が領分……やってやる!!」

 

通形先輩、そして黒色がそれぞれのやり方でモチベーションを高める。

 

「……よし、ならば後は普通にやれば問題ないだろう。心配なのはヴィラン連合の取る行動だが……この正直良くわからん状況で敵対すべき相手を見誤る程愚かではないだろう。ただし、総員警戒だけはしておくように……これで作戦の説明は終わりだ。休息が終わり次第作戦を開始す……」

 

「待ってください!!」

 

「ジュリオさん……」

 

そして状況を整理し終え、作戦会議の終了を宣言したエンデヴァーさん。そのエンデヴァーさんに、唯一この場にいるヒーロー以外の人物が叫ぶ。

 

緑谷がジュリオと呼んだ、その執事服姿の人物。

 

「そこのガキ様とガキ様のチーム……天守閣を一直線に目指すチームに私も加えてください!!」

 

おいおい!!まじかいな!!

 

ヒーローでも無いのにこんな危険な場所に自ら飛び込んできた人だ。何かしらのっぴきならない事情でもあるのだろうと推測はしてたけど……まさか直接敵の首魁を狙う俺達のチームへの合流を希望してくるとは!!

 

必死さの伝わってくるその叫びを聞き、エンデヴァーさんは、

 

「手柄欲しさや功名心に煽られての軽い気持ちでは無さそうだな」

「当然です!!」

 

そう言葉を発し、それを食い気味に当然!!と答えるジュリオさんの目をじっと見て。

 

「……ならば、まずはキサマの事情を話せ。2人のチームに加えるかどうかを決めるのはその後だ」

 

「……わかりました」

 

 

しばしの逡巡……そして、ジュリオさんはゆっくりと話し出した。

 

 

 

スラムの孤児であった自分を拾い上げてくれた恩人の話。

その恩人の娘さんの話。

彼と彼女の個性の話。

失われた右腕の話。

 

 

……そして『私が私でいられる内に殺して』という、悲しい約束の話。

 

 

 

「……アンナ様は今もあのゴリーニの……貴方達がパチマイトと呼ぶ男の手元にいるでしょう。だから私は行かなければならない!!アンナ様との約束を果たす為に!!私は彼女の近くに行かなければいけないのです!!」

 

「「「「「「…………………………………」」」」」」

 

その悲痛な……そして決死の願い。

 

……それを聞いて、この2人を救ってやろうと思えないようだったら、俺達はヒーローなんてやってない!!

 

チラッとエンデヴァーさんを見る。彼も俺を、俺と緑谷を見ていた。そしてコクンと頷く。

 

(やれ!!お前達の力で2人とも救ってみせろ!!)

 

その無言の後押し。それを受けて

 

「緑谷」

 

「うん!!回原くん!!」

 

俺と緑谷が一歩前に出る!!

 

「一緒に行きましょうジュリオさん!!そしてあのパチマイトを倒してアンナさんを助け出しましょう!!」

 

そう、俺達2人、ジュリオさんへと手を伸ばした。

 

「ヒーローのガキ様方……」

 

ジュリオさんは俺達の手を眩しそうに見て、

 

「ありがとう……ございます……しかし、アンナお嬢様は……」

 

手を取り……そして、下を向く。その先は右の義手。

同行を許されたという希望。

……しかし、やはりお嬢様は救えないという絶望。

 

そんな複雑な心境なのだろう……だけど、

 

 

「……けっ。おいコラ、チンピラ眼帯執事野郎。テメエのお嬢様の個性の問題……諦めるのはまだ早えぜ」

「……チンピラのガキ様?」

「誰がチンピラだゴラァ!!」

 

 

……だけど、そんな絶望も覆して見せるのがヒーローだ!!

 

 

「クソが……おいコラよく聞けよ執事野郎。このドリルは他人の個性と自分の個性を合体させる個性合体ってのが出来る。そしてデク……更にコイツがその個性合体に加わると、自分の個性のパワーをドリル経由で他人に回し、他の合体メンバーの個性を強化する事が出来る……右手が個性の起点だったってのなら、個性の出力を上げれば肘でも肩でもどっかしらで個性を発現出来る可能性もあるんじゃねえのか?他にも……」

 

「そうですよジュリオさん!!希望を捨てないでください!!アンナさんを助ける方法は絶対にあります!!僕達も一緒に探しますから諦めないでください!!」

 

「……ガキ様方」

 

トンガリの説明。それに緑谷が呼応する。

2人の言葉に。そしてそれを全力でサポートするぞ!!という周囲の皆の顔を見て、ジュリオさんが救いを得たような顔になった。

 

「……このデクは……人が話してる途中でよ……ったく」

 

割り込まれた感じのトンガリは少しふてくされた感じ。

 

「まあいいんじゃねえの。理路整然とした説明はおまえのが上手いだろうけど、ああいうのオマエ苦手だろ?」

 

「……けっ」

 

ジュリオさんと真正面から見つめ合い、本気の本気で誠実にジュリオさんを励ます緑谷の姿。その本気に向き合い、心に火が灯っていくジュリオさん。

……ほんと、こーゆーとこヒーローの鑑なんだよなアイツ。

 

 

「……『愛は忍耐強い。愛は情け深い。ねたまない。愛は自慢せず、高ぶらない。礼を失せず、自分の利益を求めず、いらだたず、恨みを抱かない。不義を喜ばず、真実を喜ぶ。すべてを忍び、すべてを信じ、すべてを望み、すべてに耐える』……愛が全てを救うってな……はっ!!俺達ゃ愛の手紙の配達人って訳だ!!おいドリル!!あの前座パチマイトの野郎を!!コリント人の手紙でしっかり渡し殺して来やがれよ!!」

 

 

 

「おいおいメッチャ愛愛ラブラブ連呼するやん。何?何々?ついにラブに目覚めちゃった感じ?いーじゃん!!この機にヒーロー名も改名しちまえば?『大爆()神』あらため『大爆()神ラブラブダイナマイト』とかメッチャいいと思うぜ俺!!」

 

 

 

 

「「「「「大爆愛神!!!!!」」」」」

 

「「「「「ラブラブ!!!!!」」」」」

 

「「「「「ダイナマイトォォ!?!?!?」」」」」

 

 

「ぶはっ!!!」

「ひぃーー!!腹いてぇ!!」

「無理だろ!!こんなん笑うしかねえよ!!」

 

 

ギャーハッハッハ!!

笑い転げる男連中。

 

「ぷ……くすくす……ダメですわ……私も限界です……」

「けろ……けろ……」

口元を押さえて笑う女性陣。

 

「………(ピクピク)」

 

そして不動の表情ながらも口元がピクピクしてるエンデヴァーさん。マジエンデヴァーさん流石である。笑いをこらえてら。

 

 

「ドリルテメエ………」

 

「はは!!まあ皆笑顔になったしいいだろ?」

 

「……これ終わったら覚えとけよクソが!!おいコラァァァ!!改名の予定はねえよ!!だから何時までも笑ってんじゃねえよテメエらぁぁぁ!!!」

 

 

「「「「大爆愛神様のお怒りだぁぁぁ!!!!」」」」

「アアン!!!」

 

周囲の男子メンバーの煽りを受けて、一旦落ち着いたトンガリが再度吠える!!

 

「……全く貴方達ガキ様方は……頼りになるのかふざけているのか……一体、どちらの貴方達を信じればいいのですかね?」

 

「あははは……」

 

そして男子をしばきに離れていくトンガリの代わりに、緑谷とジュリオさんが俺のそばに来る。

 

「まあ、どちらの俺達も俺達ですから」

 

「……と、言うと?」

 

そんなジュリオさんの呆れたようなセリフ……それに俺は答える。

 

 

「絶望的な状況かもしれないですけど、それでも諦めずに前へ前へと進んでいけば案外何とかなるもんですよ。だからジュリオさん。俺達を頼りにして下さい。俺達は笑いながら前へ前へ進んで、全ての絶望をぶち抜いて貫き進んで見せますから」

 

 

「オールマイトもいつも笑ってました!!笑ってる人が一番強いって!!だからジュリオさんも笑って!!そしてアンナさんを助けに行きましょう!!」

 

俺が答え、そして緑谷の重ねた言葉。

 

それを聞いて、

 

「……ふっ、ふふふ……」

 

「ジュリオさん」

 

「全く……ホントにしょうがねえクソガキ様達だよなアンタらはさ!!」

 

 

……ジュリオさんが笑った。

 

それは取り繕った執事の笑顔ではなく。

……おそらく、この人の本来の笑顔で。

 

 

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