sideトゥワイス
「なあトガ!!本当にお前はそれでいいのかよ!!ムカつく両親!!学校の連中!!テメエを否定してばかりで庇いすらしなかったこの腐った社会!!それに何の復讐もしねえままこの国から逃げ出していいのかよ!?」
「…………」
「ムカつく両親をブチのめして!!ああ!!実家焼いちまうとかいいんじゃねえか!?そのついでに学校もブッ壊してやろうぜ!!スカっとする!!絶対にスカってする!!最高の気分になる事間違い無しだ!!なのに!!そんな最高に美味しいエサが目の前にぶら下がってるのがわかっているのにお前はこのまま日本から逃げ出していいのかよ!!なあトガァァァ!!」
「…………」
(……黙ったままだなトガちゃん……でも……)
……あれは、決めたヤツの目だ。
今も叫び続ける荼毘。
そんな叫ぶ荼毘をとてもとても静かな目でトガちゃんは見ていて……だからこそ『もう決めたんだな』って事がハッキリとわかった。
「……チィ!!ならドクター!?アンタはどうなんだ!?AFOはまだ死んでねえ!!タルタロスに捕らえられたままだ!!そんな旧魔王を助けて再度仕切り直しだ!!アンタだって自分を否定した学会に思う所あんだろよ!!俺と旧魔王を揃えてそいつらに復讐行こうぜ!!超絶ザマァ展開かましてやろうや!!スカっとする!!最高にハイな気分になれるぜ!!なあドクター!?」
「…………」
トガちゃんはダメだとわかっちまったのか?次に荼毘はドクターに向けて叫ぶ。
「なあドクター!?ホントにアンタはこのまま日本から逃げ出していいのかよ!?学会への復讐は?盟友であるAFOがこのままタルタロス入ったままでいいのかよ!?なあ!!なあ!?ドクター!?」
「…………」
ドクターもまた無言。
……多分、俺達の中で一番複雑な感情処理をしているのがドクターだと思う。
俺達の中で一番長く生きていて、それだけにこの社会への色々な思いもたくさんあるだうし……その上で、AFOとの関係もある。
……それでも……
「……どの道、このまま日本で戦った所で勝ち目は薄いじゃろ……一度日本を脱出し、そして海外で再度力を蓄えて……ワシだけ日本へ再度チャレンジしてもいい……ワシは、死柄木弔のプランにのるぞい」
「………チィィィ!!!!」
それでも……ドクターも死柄木のアイデアにのった。
それはベストではなくベター。
消極的賛成というか消去法的賛成という決断に思えたが……それでもドクターは荼毘の手を取らなかった。
「じゃあオイ!!コンプレス!!テメエは………」
「………」
そして次に荼毘はコンプレスの方へ向き、そして、
「……テメエは……まあ、いいや……」
「何でだよ!!何か!?俺にも何かあんだろ!?何か言えよ!!言えよぉ!!俺にも言ってくれよぉ!!」
「あっくん?」
「あ、ハイ……人権無かったですね俺……出しゃばってすんません……ちょっと貝になってますね……」
「……チッ……このバカップルが……」
これまで同様コンプレスに荼毘が何かを言おうとし……何も言わずに辞めた荼毘にコンプレスがツッコミ入れてトガちゃんが宥めてコンプレスが黙る……そんな光景が俺の脳を焼いた。
「……チッ!!マジで調子狂っちまったが……次はオマエだ!!トゥワイス!!」
「……俺か!?」
「……俺え!?」
そして……次は俺に向けて荼毘が叫ぶ!!
「ホントにオマエもこのまま日本から出ていって良いのかよ!!まだこの国にムカつくヤツが!!復讐したいヤツがいるんじゃねえのかよ!!なあトゥワイス!!こうしてオマエがヴィランになっちまったその原因の連中!!ソイツらに何の落とし前もつけさせねえままで!!ホントにこのままでいいのかよ!!」
「…………」
荼毘のその叫びに……最近久しく思い出していなかった過去の記憶が浮かび上がってくる。
……俺が落ちぶれる原因となった……こうしてヴィランになっちまう原因を作ったヤツラ……
昔の職場の社長……そして、顔も見たことのねえ取引先のヤツラ……
「いるんだろぉ!!トゥワイス!!なあ!!オマエにだってそういうヤツらはいるんだろぉ!!復讐してやりたくねえのかよ!!ムカつくソイツの顔を思い切りぶん殴る!!そして地面に這いつくばらせるんだよ!!んで背中を思いっきり踏んづけた状態で髪があるなら髪を引っ張って上体だけ引き起こして!!暴力に怯えて歪んだソイツの顔を嘲笑いながらこう言ってやるんだ!!『よお!!あん時はよくもやってくれたな!!お礼参りに来てやったぜ!!』ってな!!なあどうだよトゥワイス!!最高に!!最高にハイな気分になるぜ!!俺と一緒に来れば!!オマエにはそんな最高の復讐を味あわせてやるよ!!」
「…………」
(マジかよ!!そりゃ最っ高だぜ荼毘!!)
「…………」
(でもよ!!でもホントに大丈夫なのかよ荼毘!!)
……心の中で、そんな2通りの言葉が踊る。
なんとなく、それを言葉として表に出してしまうと……最後の最後の何か後戻りのきかないソレの後押しをしてしまうような気がして……俺は、それを口に出す事が出来なかった。
確かに荼毘の言葉は甘美な誘惑に満ちていて……その言霊に俺の心は強く揺らされた。脳内では荼毘の語った事が実現した時のクオリティの高い再現ムービーが流れ、苦しむあの社長の顔は俺の心に暗い喜びをもたらしていた。
それは本当に甘い甘い誘惑に満ちていて……例え行く先に破滅が待っているとわかっていたとしても『まあそれはそれで悪くないか……』なんて、思わず思ってしまうほどの誘惑に満ちていたんだけど。
それでも……
「なあ、荼毘……」
……それ、でも、
「ここは一旦、死柄木の言う通り国外に脱出しようぜ!!」
「確かにオマエのアイデアは最高だぜ荼毘!!でもよ、まずはドクターの言う通り国外で態勢を整えようぜ!!」
「トゥワイス……テメエも!!」
……それでも、俺はそう言った。
俺はこのヴィラン連合の連中が好きだから。
皆死んで欲しくないし、出来れば皆で何時までも仲良くやっていきたいって……そう思ってるから。
「なあ!!荼毘!!」
「よお!!荼毘!!」
だから!!
「オマエも一緒に海外行こうぜ荼毘!!」
「………」
「ここまで一緒にやってきたんだ!!ここで別れるなんて寂しいじゃねえか!!」
「………」
だから!!俺は!!
「復讐は最高だけど後でも出来るぜ!!だから一緒に行こう荼毘!!」
「復讐よりも最高なもんがあるかもしれねえだろ!!だから一緒に行こうぜ荼毘!!」
俺は!!そう言った!!
確かに荼毘はヤベえよ!!それはそう!!確かにわかる!!
でも!!何だかんだでここまで一緒にやってきたんだ!!
だから!!これでお別れだなんて寂しいじゃねえか!!
一人だけでぽつんと世界に放り出されるだなんて!!
そんなの寂し過ぎるじゃねえか!!
だから俺はそう叫んだ!!
そして荼毘に向けて手を伸ばした!!
……だけど。
「……くっ………くく……け……けけけ……」
「……荼毘?」
「……荼毘?」
……だけど……その言葉は届かなくて………
「どいつもこいつも……クソだ……クソくらえだ……誰も彼も覚悟が決まってねえ……ビビリまくってる弱虫どもじゃねえか……クソ……クソが……クソクソクソクソが……クソがぁぁ!!」
荼毘が、悲しそうに吠えた。
「俺は
悲しそうで、でも揺るぎない強い意志が秘められた目で俺達全員を見て、荼毘は、
「……もう……いい……ここで終わりにしようぜ」
……決定的な言葉を、放った。
「ここでお別れだ……じゃあな、ヴィラン連合……」
「荼毘……」
「お主……」
死柄木と、ドクターの声。
それに、荼毘が驚くくらい静かな声で。
「全員、わかってんだろ。ここで終わりだ。俺は一人で行く……俺は……僕は……この心の奥にギトギトとへばりついてるコールタールみたいな暗い想いに整理がつけらんねえ……だから……ここで別れる……ここで、俺のヴィラン連合の物語は終わりだ」
「荼毘……」
「荼毘くん……」
コンプレスとトガちゃん。
その2人に「これからも仲良くやれよ」という声に出さない意志の籠もった視線をチラッと向け、そして、
「じゃあな……俺は行くぜ……グッ!!」
「おい大丈夫かよ荼毘!!」
「オマエなら大丈夫だ!!でも本当に大丈夫かよ荼毘!?」
そして、一人この場を去ろうとした荼毘……そんな荼毘が突然胸を掻きむしった!!
ぐ……が……と、突然呻きながら一人苦しむ荼毘……
「クソが……出てくるな……絶対に……絶対にまだ出てくるな……アンタがココで表に出てくると最悪な事に!!……ああ!!ああ!何てことだ!!ダメだ!!絶対に許さない!!認めなんてするものか!!ああ与一!!ああヴィラン連合!!全部!!全員僕のものだ!!ここから居なくなるだなんて認め!!認められるか!!認めるものかぁぁ!!……ブッ!!」
……ゴッ!!!!
「荼毘!?」
「何を!?」
荼毘が……荼毘の、自分の顔面を、思いっきり殴っていた……
「……荼毘……くん……?」
「………」
トガちゃんの言葉に沈黙を続ける荼毘……
沈黙を続けながら……
……ゴッ!!ゴッ!!ゴッ!!
「おい!!やめろ荼毘!!」
沈黙を続けながら……何度も何度も何度も……自分の顔面を全力で殴る荼毘。
室内に荼毘が荼毘自身を殴る鈍い音が響き続けて……そして、
「……ああ、わかっただろ……だから、終わりだ……じゃあな……皆……」
「………」
「………」
「………」
「………」
顔面を腫らし、鼻血が垂れた顔で……落ち着いたらしき荼毘はそう言うと……まるで、逃げるようにしてこの部屋から退出していく。
「……おい!!荼毘!!」
「大丈夫なのかよ!?」
「ついてくんじゃねえ!!」
ゴオッッ!!
「「「「「!!!!!!」」」」」
何かに怯えたような叫び……そして荼毘は室内にも関わらず牽制の為の炎を放った!!!
「…………」
「「「「「………………」」」」」
荼毘と、俺達の間を炎が区切る。
それは、ここに本当にどうしようもないレベルでの超えられない境界線があるのだと……そう示すようにして炎が俺達の間で燃えていた。
「………」
……そして、荼毘は今度こそ無言で俺達に背を向けて……そして、部屋かから静かに出ていった。
先程までの荒ぶっていた姿……その全てが幻だったかのように……ただ、静かに……
……その姿を見て、俺は……
(荼毘……)
俺は……本当に、このままでいいのかな?って……
俺達、このまま別れちまってもいいのかな?って……
……そう、思ったんだ。
しばらくして、
「……よし、何時までもこうしてても仕方ねえ。これからの事を相談しようか」
「……海外ですかー!!私!!ハワイ行きたいのです!!」
「……ヒミコちゃん……行く先決めるのも大事だけど……」
「まずは、どうやって国外に脱出するのか?その打ち合わせじゃな」
「……それについては、前々からある程度考えてはいたんだ。まずは俺の考えを話させてくれ」
荼毘が去ってからしばらくして……死柄木を中心として今後の打ち合わせが始まった。
……わかるぜ。間違いなく大切な話だよな。
理性では聞くべきだ、と。
そして理性が……俺がこれからやろうとしている事に警鐘を鳴らしていた。
でも、
「……なあ、皆……」
「トゥワイス?」
俺は、そう言っちまった。
「俺さ……やっぱ、荼毘と一緒に行くよ!!」
「仁君!?」
「正気か!?トゥワイス!?」
即反応するトガちゃんとコンプレス。
そしてじっと俺を見る死柄木とドクター。
「ふむ……何故じゃ?その先は真っ暗じゃと思うが……」
「……同情、か?トゥワイス……?」
厳しい2人の言葉に俺は、
「はは!!お先真っ暗!!同情!!確かにどっちもあるかもな!!」
「でもよ!!死柄木の言う通りにして海外行けば皆で薔薇色ハッピーエンドって訳でもないんじゃねぇか!?」
「……ま、確かにな……」
俺の言葉を冷静に受け止め、死柄木が、
「……オマエがそれでいいんなら止める理由は無いが……本当に、それでいいのかトゥワイス?」
心配してくれてるんだろな。
それが、本当によくわかった。
「仁君……」
トガちゃんも、コンプレスもだ。
ドクターは正直あんま興味なさそうだけど!!
ありがとう皆!!
ドクター除く俺を心配してくれる気持ち……それが滅茶苦茶嬉しい!!だから!!だからこそ!
「それでいいんだ。それでも……俺は荼毘と一緒に行こうと思う!!だってよ!!」
だって!!
「だってよ!!これでこのまま終わっちまったら!!アイツ!!荼毘のヤツ!!本当に1人になっちまう!!周囲の全てが!!世界の全てが敵になって!!アイツは世界で1人になっちまう!!そんなの悲しすぎるだろぉ!!そんなアイツを1人で置いてくだなんて俺は嫌なんだよ!!」
あの時の、社会から見放された時の、捨てられた時の自分。
その時の気持ちを思い出す。
……辛いんだよ。
辛すぎるんだよ。
嫌だなよな。悲しいよな。
だから、せめて俺くらいは……お前についていくよ荼毘……
死柄木はリーダーだ。仲間に責任がある。だからついていける訳がない。
トガちゃんとコンプレスは、今更もう離れられる訳が無い。
ドクターは……多分、利害で行動するだろう。
だから……せめて俺ぐらいは……荼毘について行ってやろう。じゃないと……悲しすぎる。
それに……
「あんま……そんな目で俺を見るなよ!!」
「……仁君……」
それに、荼毘の言ってた事……その中には実際、魅力的な事もあったのだ。
「俺……この国に滅茶苦茶ムカつくヤツがいるんだよ……だから、荼毘の気持ちもわかるし……ぶっちゃけ、アイツの言葉に惹かれた……だから、俺は荼毘と行くよ。アイツの行く先に、行ってみたいと思っちまったからさ」
「トゥワイス……」
俺には何も無い。守るものも背負うものも無い。
だから俺くらいは……荼毘の、甘美な復讐の、破滅の夢に付き合ってもいいんじゃないかって……そう、思ったんだ。
だってよ……こんなクソみてえな世界に、たった1人で捨てられるのは寂しいだろ?って。
……そんな、しょうもない事を、皆に話した。
「……お前、ちょっと良いヤツ過ぎるぞトゥワイス……」
「ヴィランなのになぁ……」
それぞれの言葉で皆俺を止めてくれた。何だかんだで皆良い奴何だよなヴィラン連合のメンバーは。だから、本当に良かった。
でも、俺はその心配の声を全て振り払って、
「仁君!!マジでどうしようもなくなったら!!ちゃんと私達の所に逃げて来てくださいね!!」
「それまでに俺達!!ちゃんとお前の居場所作っておくからな!!」
「トゥワイス……お前らも頑張れよ。俺は俺達の……このヴィラン連合の生きていける場所を海外で作ってみせる。だから、お前も頑張れ……んで、どうしようもなくなったら何とか頑張って俺達のトコまで逃げて来いよ」
「……まあ、ぶっちゃけワシはどっちでもいいんじゃが」
「「「「言うな!!!!台無しだよ!!!!」」」」
そんな寸劇をして……してから、俺は皆がいた部屋を出て、荼毘を追いかける。
荼毘を追いかけるのは簡単だ。
……ドゴ……グシャッ……
今も八つ当たりでモノに当たっている荼毘……その破壊音を追いかけるだけでいいんだから。
そして通路をいくらか走り、やがて荼毘に俺は追いついた。
そして。
「……来るな……来るなって言っただろ……ああ違う……違うよ……よく来てくれたねトゥワイス……分倍河原くん……」
「……あ」
《そして、俺は唐突に死を意識した》
蜘蛛の巣に捕らえられた羽虫のように。
「あ……は……」
荼毘の……魔王の……狂気に染まった目が俺を威圧し……
「あ……あ……」
俺を……その場に縫い止めた。
「よく来てくれたね……逃げ……逃げろ……トゥワイス……本当に弔はヒドイと思わないかい?あの理不尽枠のフルカウル100%流水制空圏を1人で何とかしろだなんて……ああ……あ……違う……違う……俺は……僕はそんなこと考えてない……逃げろ…逃げ……ないで……ここにいて……そして……」
……正直……俺も、ヴィラン連合も……皆考えが甘かったんだろう……だから……
「……あ」
恐怖で足を縛られた俺。そんな俺に狂気のアイアンクロー……荼毘?荼毘?荼毘なのか?……魔王が俺の顔を鷲掴む。
「ダメだ……ダメだダメだダメだ辞めろ辞めろ辞めろ……俺はこんな事望んでない……だから1人で死ぬつもりだったのに……そんな寂しい事!!僕が認められる訳ないだろう!!与一もいないのに!!皆僕のものだ!!無駄な努力だよ俺!!違う!!逃げろ…!!逃げ!!トゥワイス!!ああ!ああ!ごめん!!ごめん!!俺は!!僕は!!ああ!!」
「い!!ギャァァァ!!」
激痛が俺の顔面を襲う!!
俺を鷲掴みする掌から突然放たれた衝撃波!!
それが俺の覆面を!!皮膚を破き!!激痛が同時に!!!
「あ!!あ!!あ!!!」
「精神操作……トラウマの原因特定……精神のリミッター解除……ああ……逃げろ……俺は……俺は!!俺は!!こんな事!!こんな事したかった訳じゃ!!」
覆面が破け……俺が、外気に触れる……
……そして……心が、壊れる……
「ギャァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!」
抑えつけていたものが……あふれる……
「ギャァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!」
包んでいたものが……
「ギャァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!」
「何だ!!どうしたこの声は!!」
「仁君!!」
「おい!!トゥワイス!!」
……包めば 一つ
でも……
「はひ……は……ひひひ……一対一ならフルカウル100%流水制空圏は最強かもしれないけど……じゃあ……一対無限なら……ああ!トゥワイス!!トゥワイス!!ごめん!!すまん!!逃げ!!」
……もう、ダメ……だ……
「個性強制発動……」
「ダァァァァァァァァァビィィィィィィィィ!!!」
トガちゃんの叫び……まだ微かに……聞こえる……
「個性強制発動……『
そして……破滅の時計が動き出す……
俺が増える。
俺が増やした俺がさらに増える。
そしてそんな俺達がまた増えて……増えて増えて増えて……もう、俺には何が何だかわからなく……なる……
そして、世界を滅ぼす……俺が……俺なのか?何が?誰が俺?……でも……俺が無限増殖していく……
ああ…、哀れな……死の行進……
俺は俺が生み出した俺に埋もれながら……
「ごめん……逃げろ……ああ……本当に……巻き込むつもりは無かった……ダメだ……絶対許さない認めなんてしない……誰も離さない……なんで来たんだよ……トゥワイス……」
……そんな、悲しい声を……聞いた……
…ヒュッ……ピタ!!
「雄英高校決戦の時の発信機!!上手くつけられたぜ!!」
これは……コンプレス?俺なんか見てんなよ。トガちゃん泣かせるなよ……
「行かんぞ死柄木弔!!!一時撤退じゃ!!」
「トゥワイス!!諦らめんなよ!!発信機はつけた!!絶対に!!絶対に助けるからな!!だから!!最後まで諦らめんなよ!!トゥワイス!!」
意識が、視界が俺によって埋もれていく……そして……
……なにも、俺は考えられなく……なって……
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
そして……最終決戦は唐突に始まる。
サッドマンズデスパレードが発動した。
幸いなのはヴィラン連合のアジトが人里離れた山間にあったことで……直ぐには民間人の被害がでなかった事だろう。
最悪なのは、人里離れた山間でサッドマンズデスパレードが発動したために……ヒーロー達がそれに気づいた時には……すでにトゥワイスは増えすぎていた。
そもそもヴィラン連合はヴィランだ。ヤバいと思っても警察などに通報するなどの考えはない。
故に……ヒーロー達がそれに気づいた時には、どうしようもない程に無限にトゥワイスは増えすぎていた。
それを止める為に、雄英高校からスパイラル・デクを中心としたチームがファントムシーフの個性で現地へと派遣された。
『ワン・フォー・オール VS 国一つすら落とせる極めて危険な個性』
そんな悪夢のデスマッチが実現してしまった。そして。
そして……プロヒーロー達は……
「はは……もう……もうホントに終わりだ……どうしようもねえよ……最悪……最悪過ぎる……こうなった以上止まれねえ……最後まで突っ走るしかねえじゃねえか……他の道……完全に、なくなったじゃねえか……」
「荼毘……」
ホークスを中心としたプロヒーロー達は……壊れた魔王と戦う……
こうして、最終決戦が始まった……
ヒーローとヴィランの長い長い一日が……始まってしまった。
そんな訳で本作のピーチ姫はなんとトゥワイス!!
そんで姫を助けに向かうのはヴィラン連合!!
ウチのドリル含むヒーローチームよりもよっぽど生き死にかかってる上に滅茶苦茶主人公ムーブかましてんですよねえ……どうしてこうなった(白目)