回原のドリルは天を貫く   作:のりしー

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ヒーロー名決定などなど

体育祭の表彰式だが、最後にオールマイトが盛大にスベって終わるという予想外の形で幕を閉じた。

 

いやそこはお疲れ様でしたじゃないでしょうよ……

 

それ以外は良かったんだけどなあ…

 

表彰式で表彰されたのは同3位の轟と常闇。

2位のトンガリ。

そして優勝した俺。

 

それぞれに一言かけながらオールマイトがメダルを授与してくれた。

 

ここで誰か止めとけば良かったんや……

 

トンガリはめちゃくちゃ静かだった。

その顔は絶対見ない。何故なら俺だったら絶対見られたくないから。

本当に静かなトンガリ。

ただその内心まではどうかわからないけど。

コイツの事だ。

めちゃくちゃ悔しくて悔しくて仕方なくて、次俺とやる時どうやって勝つか考えまくってるんだろうなあ。

そうであって欲しいと思う。

 

 

オールマイトは優勝した俺に、

『優勝おめでとう回原少年!!選手宣誓での優勝宣言のフラグ回収実に見事だったぞ!!これで君は雄英高校1年の1位となり、今後皆から追われる立場となった!1位の座を守り続ける事は大変だがそれを楽しんでもらいたいし、君にはそれが出来ると思うよ!!これからも頑張ってくれたまえ!!』

 

そう言葉をかけてくれた。

 

1位になること。

1位を守り続けること。

それは大変だが、それを楽しめ、と。

 

オールマイトに言われると物凄い説得力がある。

それを実際にずっとやってる人だもんなあ。

 

ここまでは良かったんや。

この流れでお疲れ様でしたで締めるなんて誰も思わないでしょうよオールマイト………

 

 

 

 

 

 

静岡の家に帰ると師匠達が全員集まっており、盛大に優勝のお祝いをしてくれた。

そして障害物競走が2位だったことへの罰も下された。

 

必然的に、お祝いプラス罰でその日の修行はウルトラハードとなった……

あれ……今日さっきまで俺、体育祭フルでやり切った後なんですがそれは………

 

はい関係ないそうです。

知ってました。

結論、絶望した。

 

 

 

 

 

 

 

体育祭の振替休日が明けて登校。

教室のドアを開けると、

 

「おはよ」

「お!来たな回原!!」

 

俺の顔を見て、すでに教室にいたクラスメイト達が集まってくる。

 

「スゲェ人気だな回原!!ウチの近くの公園じゃ小さい子達が皆『りゅうすいせいくうけん〜』とかやりながら遊んでたぞ」

 

「アレか!アレすごかったもんなあ!!」

 

「私も武道かじってるけど、何をどうしてどうすりゃあんな事出来るか全くわからなかったもん!!スゴイ技だったね!!」

 

皆でワイワイ色々と話しかけてくれる。

 

「あ、回原さ私の地元の友達の何人かがアンタの連絡先教えろって煩いんだけど興味ある?皆結構可愛いと思うよ、全員ギャルだけど」

 

「と、取陰!!オイラには!!オイラには無いのか!!ギャル紹介してくれよう!!」

 

「峰田はないかなー。紹介はヤダし」

 

「クッソーー!!これが雄英体育祭優勝の力かー!!!」

 

「あ、物間は興味ある?アンタの連絡先も教えて欲しいって言われてたわ」

 

「顔かーー!!!結局顔かクソーーー!!!」

 

取陰の言葉に、思わず物間と顔を合わせ、

 

「うーん…俺連絡マメじゃないしなあ。会ったことない人とはそういうのちょっと」

 

「僕もだね。すまない取陰」

 

「そう?それなら合コンでもしてみる?アンタら2人来るなら男4女4の合コンくらいならソッコー組めそうだけど」

 

「「「「「ご、合コン!!!!」」」」」

 

クラスメイトの男達がザワッとする。

 

「アイヤー!!ワタシ前に日本の合コン聞いて行ってみたくて仕方なかったアルネー!!回原!!ワタシ合コン行きたいアルよ!!」

 

「あ!クソ!鱗の奴!!早速自分だけ濃いキャラ付して抜け駆けしようとしてやがるぞ!!」

 

「鱗!!お前のそれがエセって皆もう知ってるからな!!」

 

「な!何のことアルかー!!!!」

 

「回原!物間!オイラ達親友だよな!なっ!!」

 

「峰田氏は情に訴える作戦ですなムムム」

 

騒がしいクラスの男連中と、笑ってそれを見てる取陰。

シーンと冷めた目でそれを見てる女子連中。

 

ヤレヤレだなあ……

 

「うーん…取陰、悪いんだけど合コンも遠慮しとくわ」

 

「「「「「「「え!!!!!!」」」」」」」

 

「そう?別に気にしなくていいけど。でもあんま興味ないこういうの?硬派貫いてるってキャラでもないだろ?」

 

「別に硬派とか言うつもりも気取るつもりもないけどな。あんまそういう出会い方に今んところ興味ないだけかな」

 

そら俺だって彼女とか欲しいし出来たら良いとは思う。

 

でも何となく願望なのだけど、合コンみたいな不自然な出会い目的のイベントではなく、自然な出会いがいいのだ。

 

雄英高校だけでも3学年合わせるとかなりの人数になる。

 

どうせならそうした校内の女の子とかと自然な出会いで彼女とか出来たらいいなと思ってる。

 

てなことを伝えると取陰は、

 

「ふーん……ま、言いたいことは何となくわかるけどね」

 

「僕も悪いけど遠慮しとくよ」

 

「あら物間もか」

 

「僕は自分の性格が終わってるって自覚あるからね。無理して合コンとかで彼女出来ても長続きしない自信がある」

 

「……ああ、納得」

 

「自覚あるなら何とかしろよ……」

 

「それは無理かな?これはこれで楽しんでるしね」

 

「そっか…じゃ地元の子達にはそう伝えておくよ。連絡先交換とか合コンもダメでした、って」

 

「ええ!!!!!まさかの合コン無し!!??」

「そ!そこの2人抜きでの合コン何とかならないでしょうか取陰様!!」

「何とか頼むアルね!!合コン!!」

「た!確かにその2人無しでは飛車角落ちの合コンみたいなものかもしれないけどさ!!!」

 

「うーん…むしろ将棋に例えるんなら王将がない感じだからなあ」

 

「「「「「「「「「そもそもゲームとして不成立だった!!!!」」」」」」」」」

 

 

必死に縋る男子達を見て、呆れたように取陰がそう言った。

それを聞いてがっくしと肩を落とす男達。

それを見て呆れてため息をつく女子達。

 

そこにブラキン先生が教室に入ってきた。

 

「皆おはよう……どうした?まだ体育祭の疲れが抜けていないのか?」

 

いえ違います……

男の子って色々あるんです……

 

 

 

 

 

 

 

そして授業が普通に進み、とある授業となった。

ヒーロー情報学。

 

「これから皆には自分のコードネームを、ヒーロー名を決めてもらう」

 

皆の歓声!

ヒーロー科っぽい授業だ。

テンション上がるなあ。

 

続けて先生が説明する。

プロヒーローからのドラフト指名のこと。

指名が本格化するのは即戦力となる2年3年になってからということ。

1年の今のは興味段階。将来性に対する興味だ。

卒業までに興味が削がれると一方的にキャンセルとなる事も多い。

 

「そして現時点での指名の集計はこうだ」

 

回原……4112

塩崎……612

骨抜……298

鉄哲……60

拳藤……32

 

「回原すげえな!!」

「ダントツじゃねえか!!」

「くっそー次は俺も負けねえぞ!」

 

 

「今回は最終種目で目立った回原に指名が集中した。この結果を踏まえ指名の有無に関係なく、皆には職場体験に行ってもらう」

 

プロの活動を実体験してより実りのある訓練をしようという事らしい。

 

「ヒーロー名はある意味名刺のようなものだ。学生時代のものは仮だが、そのまま世に認知されプロヒーロー名になる事もある。あまり適当なものはつけないように。自分がどんなヒーローになりたいのか。自分はどんなヒーローなのか。それを伝えられるような名前を意識するといい」

 

 

そうしてヒーロー名を考える時間となった。

 

さてどうしたもんか?となるかと思っていたが、実は皆何となくは考えていたようだ。

 

そら幼い頃から個性を使えて、この雄英高校に入るような連中だ。

当然、自分がヒーローになった時のヒーロー名くらいは誰もが軽く考えていた。

 

泡瀬がまず1番に発表する。

 

「実は前から考えてました!!」

ヒーロー名 ウェルダー

溶接を意味する言葉。

「いいヒーロー名だと思うぞ。自分が何が出来るかというのを皆にしっかり知ってもらえるいい名前だな」

ブラキン先生に褒められてドヤ顔する泡瀬。

 

さっきまで情けない顔で合コン合コン連呼していた奴とはとても思えないドヤ顔であった。

 

泡瀬に続いてドンドン皆が発表していく。

 

物間のファントムシーフはカッコいいなあ。

小森のシーメイジはセンスを感じる。

鉄哲は鉄哲って感じ。

 

さて俺は…

まあ、実は決めていたりする。

 

「次は回原か」

「はい」

 

席を立ち皆の前で発表する。

 

「螺旋道ヒーロー スパイラル」

 

グレンラガンごりごりリスペクトではなく、ちょい匂わせくらい。作中ではアンチスパイラルやらスパイラルネメシスやらでネガティブな使われ方をしていたが、それをポジティブに変えるというのは俺らしいのではと思うのだ。

 

「いいヒーロー名だな。お前のドリルという要素がわかりやすく伝わってくる」

 

よし合格点。

 

こうして俺のヒーロー名が決まった。

 

 

指名のあった生徒は個別にリストを受け取り、その中から職場体験先を選ぶ。

 

リストをパラパラめくりながら、とあるヒーロー事務所の名前を見つける。

 

……どうせ行くなら1番の所だよなあ。

 

「ん」

「回原はどこに職場体験行くか決めた?」

 

小大と拳藤が話しかけて来た。

「ああ、たった今決めたぞ」

 

そう言って、2人にそのヒーロー事務所の名前を見せた。

 

「ん」

「……だね、回原らしいね」

 

エンデヴァーヒーロー事務所。

言わずと知れたNo.2ヒーローだ。

 

俺は天を貫くドリルだ。

 

オールマイトが教師をしている以上、どうせだったら選べる中で1番の所でやらないとな。

それこそが俺らしいって事だと思う。

 

 

 

 

 

 

 

なお後日それを伝えたねじれ先輩には超不評。

 

「えー何で何で!!リューキュウも指名出したって言ってたよ!!私ね!旋くんが職場体験に来たらいーなーってずっとずーっと楽しみにしてたのにー!!!!」

 

どうもねじれ先輩はリューキュウ事務所でインターンしているらしい。

 

「次は絶対絶対!!リューキュウ事務所だからね!!」

 

との事である。

 

リューキュウかあ……

ありかなしかで言ったらめちゃくちゃありである。

 

普段人型で必要な時にドラゴンに変身とか俺のロマン心にぶっ刺さりまくる。

飛行しながらのヒーロー活動も学べるだろうし、真剣にありだな。

 

「……わかりました。次の機会に指名してもらえたらリューキュウ事務所で職場体験させてもらいますね」

「絶対だよ絶対!!約束だからね!!」

 

ゆーびきーりげんまーん!!うーそつーいたらはーりせんぽーんのーます!!ゆーびきーーった!!

 

子供っぽいとは思うが、こういう可愛い所がねじれ先輩の良いところだよなあ。

俺はねじれ先輩と約束をした。

 

 

こうして職場体験先が決まり、俺の職場体験が始まる。

 

 

 

 

 

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