「受験生のリスナー!今日は俺のライブにようこそぉー!」
エブリィバディセイヘイ!!!
シーン!!!
そんな雄英高校の入学試験会場である。
色々師匠達見てるからわかるよ。
大変だよね、テンション上げるのって。
「コイツはシビィ!!!」
というプレゼントマイクの言葉で色々なものの説明が始まった。
お疲れ様でございます。
大変だよねこういうの演じ切るのもさ。
模擬市街地演習との事。
各自指定の演習会場に行くそうな。
わかりやすい試験ではある。
それぞれの個性を使い、演習場の仮想ヴィランを行動不能にするそうだ。ヒーローを育てる雄英高校らしい試験ではある。
その過程での色々な活動を試験ポイントとするのだろう。
それが実技試験。まあ正直俺向きではある。
「俺からは以上だ。最後にリスナーへ、我が校校訓をプレゼントしよう!!!」
かの英雄ナポレオン・ボナパルトは言った。
「真の英雄とは!人生の不幸を乗り越えてゆくものと!!」
更に、向こうへ
『Plus Ultra!!!』
それでは皆、良い受難を。
その言葉を最後に、俺達は各自指定された試験会場に移動した。
んで試験会場。
まあ人が多い事多い事。
雄英高校の試験倍率は正直異常である。
もう少し何とかすればいいのにと思う。
でも、それはそれで良いとも思うのだ。
それでも、ここでNo.1になりたい。
そんな奴がいるって事だろう?
それもたくさん。
そういう連中とNo.1を目指して競争する。
そういうのは正直嫌いじゃない。
さっきから周囲に威圧感を放っているあのトンガリ頭とかその筆頭だ。
何人たりとも自分の後塵を拝す事は許さない。
そういう気迫を感じる。
いいじゃないのいいじゃないの。
正直、嫌いじゃないよそういうの。
周囲が年上の達人ばかりに囲まれて、正直同年代の連中と競う事は今まで無かった。
今、あらためて雄英高校に合格したいと強く思う。
コイツと競い合うのは楽しそうだ、と。
あ、あれ爆豪じゃねヘドロの時の!
そんな声も聞こえた。
知らんがな。
お互い受かっていれば、いずれそんな話をすることもあるだろうよ。
大切なのは過去でなく、今これからなのだから。
過去の何かしらを考えるのは受かった後でいいだろう。
『はいスタートォオ!!!』
「お先!!」
「「「「「「「「…………え???????」」」」」」」」
ご丁寧に開始の挨拶してくれるなんてありがたい。
実戦では開始の合図なんて無いのだから、挨拶イコールスタートなんてなんと丁寧な試験なんだろう!
ウチの師匠達にもこうしてくれと伝えたい。
あ、だめだわ。
絶対その裏をかいてこちらを殺しに来るわ師匠達なら。
背筋が寒くなる。
が、とりあえずこの試験をクリアしてからだ。
会場に響いた声と同時に、俺は前方に飛び出した。
両足。そして両手。
全てで竜巻を発生させる。
計4つの竜巻を発生させ、俺は空を駆ける!
それは俺の最大スピード!!!
全速力で前方に飛び出した、
「…………………ああん!!!」
試験スタートに気づいたトンガリ頭が、少し遅れて飛び出した気配を感じる。
まあ早い方じゃない反応?
楽しもうぜ、せっかくのお祭りだ!!
とりあえず、出てきた変なロボットを倒して考えようぜ!!!
「オラァ!!!」
空を駆けた勢いそのまま、とりあえず手近なロボットをぶん殴る!!!
「あれ?思ったよりモロい?」
ロボットの首だけ吹っ飛ばすつもりで殴った。
でも、上半身ごと吹っ飛ばしていた。
「………まあ、いいか」
考えるのは後である。
思ってたより敵が弱かった。
それはそれで歓迎すればいいだけの事。
カッ!!と目を光らせる。
目の先にはロボットの群れ。
心なしか、心の無いはずのロボット達が後ずさった感じがする。
まあ、知らんけど。
「オラオラオラオラァ!!!!!!」
ロボットが声にならない悲鳴をあげた気がする。
知らんけど。
とりあえずロボットの群れに全速力で飛び込む!!!
まず一番近いロボットを突きでぶち壊す!
勢いにのり、上段回し蹴りで近くのロボット破壊する!
回転の勢いを使い、エルボーでさらに隣と隣のロボットを
破壊する!!!
んで、その勢いを利用し中段回し蹴りで更にロボットを破壊した!!
「テメエごらあ!!何俺の獲物横取りしてやがる!!!」
この辺りで、後方の連中の一部が俺に追いついてきた。
先頭は口の悪いトンガリ頭。
追いつくなり文句を言ってくる。
元気だなあ。
「ああ、そりゃ悪かった。次から自分の物にはちゃんと名前書いといてくれよ。下手すると冷蔵庫のプリン1つで街が滅ぶ殺し合いになるんだからよ」
「ああ!!何だそりゃ!!!治安悪すぎるだろゴラァ!!」
それはその通り。
反論の余地も無い。
あの達人達、下手すると自分のプリン勝手に食べたくらいで1つの街が崩壊するレベルのケンカするからなあ………
「…じゃ、俺次行くからよ。お前の獲物には先に自分の名前書いとけよ」
「死ねクソがあ!!!!!」
トンガリを残し、ロボットの気配を感じた方に飛ぶ!!
さあせっかく鍛えた武力を好き放題使っていいという機会だ。
これまでのストレス解消に暴れるとしよう。
いや何なのよあの理不尽な修業…
楽しんでもいるけどストレスも溜まるのよ正直さ…
目についたロボットを片っ端から破壊していく。
移動スピード。そして攻撃力。
多分俺はこの試験会場の中ではトップクラスなんだろうなあ…
そんな事を考える程度には余裕があった。
真面目な話、こんなにロボット破壊し過ぎたら他の試験受けてる連中に申し訳ないくらい点数は稼いでる自覚はある。
やり過ぎかなあ……
あのトンガリもかなりロボットは破壊しているようだけど。
アイツと俺で大半のロボット壊してないかなコレ…
そんな事を考えていた。
「……おん?」
突如、少し離れた所で大きな音がした。
「おお〜なんか今までとはサイズ感が違うなあ」
巻き上がる土埃。
動くだけでビルの窓ガラスを破壊する何か。
突如、試験会場にとてつもなくデカいロボットが出現した!!
「今までいなかったロボット…他と違うロボットか。倒しにくいけど、周囲のお邪魔をする圧倒的な驚異。つまりアレが0ポイントのターゲットってことかな?」
意地が悪いとは思った。
倒すの大変なのに、めちゃくちゃ邪魔なのに、倒しても0ポイントとは何事かと。
労力に見合わない敵という奴だ。
さてどうするか…
「まあ、決まってるけどね」
俺のドリルは、天を貫くドリルなのだから。
個性 旋回
俺は両足から竜巻を発生させ、その場から飛び出す!
当然!行く先はそこだ!
「早く!!こっちに逃げて!!!」
「ん」
今までの試験とまるでサイズの違う、巨大なロボット。
巨大な質量というのは、そのまま凶悪な暴力でもある。
それは、全ての人に死の恐怖を与えるに足るものだった。
その、巨大なロボットの前。
逃げ遅れた黒髪の可愛い女の子。
それを助けようとしている、オレンジ色のサイドテールの美少女。
俺は、その2人の女の子と、巨大なロボットの前に飛び込んだ。
巨大なロボットから2人を守るように。
「!!ちょっと!!危ないよそこ!!早くアンタも逃げな!!」
「ん!」
後ろから2人の少女が叫ぶ。
まあ当然である。
これは試験だ。
0ポイントのターゲットに対し、試験のライバルを背中に背負って向かい合う理由なんて何も無い。
だけど
「『0ポイントの敵が!0ポイントなのに倒しにくいってだけの敵が!自分に影響ないからって他の誰かに被害を与えるかもしれない敵が!』今そこにいるのにほったらかして逃げるってのは俺の主義じゃねえんだよ!!!!」
「いや!それはそうだけど!!」
「ん!」
後ろに背負った少女達が、叫ぶ。
だから、俺も叫ぶ。
「おうおうおうおう!!!なんだテメエは!体がデカけりゃ偉いってのかよ!ああん!!!」
叫ぶ。
背後に背負った少女。
2人が怖がる必要なんて、何もないって事を知らせる為に。
「俺は回原!回原旋だ!!!」
叫ぶ!
「東京生まれ!!梁山泊育ち!!強そうなヤツは大体師匠!!!」
右手を、巨大なロボットに突き出す。
「俺のドリルは!回原のドリルは天を貫くドリルだあ!!!」
全力全開!!
右手をドリルとし、全力全開で回転させる!!
「テメエがデカい面晒してて!たかだか0ポイントだからって!周囲に被害を与えるテメエを放置する訳ねえだろが!!!」
目の前にある全ての不条理。
空も次元も、世界すらも貫く。
そうして自分と、自分の大切な人達を守る!!
そんな、俺の憧れたヒーロー!!
そう、それこそが!
俺の!
今まで大切に俺を鍛えてくれた師匠達の!!
今での全て。
その結晶!
それこそが!!
「それこそが!俺の螺旋道だあああ!!!!!!」
両足をドリルとし、竜巻として加速させる!!!
足元から生み出した巨大なエネルギーが、俺を前方に弾き飛ばす!!
「ギガァ!!ドリルゥ!!ブレェイクゥゥ!!!」
俺は宙を駆けた。
空を駆けるドリルの閃光。
全てを貫く閃光。
その光が巨大なロボットの頭を捉え、一息の間も無く頭を破壊し貫通する!!
その勢いのまま、突き抜けたロボットの背後で反転!!
「おおおおおおお!!!!」
反転し、今俺が破壊したばかりの頭!
その頭上から、再度ギガドリルブレイクで突撃する!!
「ああああああ!!!!」
頭の無くなった頭から。
脚と脚の間の股間まで。
俺は、ギガドリルブレイクで一気に破壊しながらロボットを突き抜けた!!!