回原のドリルは天を貫く   作:のりしー

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林間合宿2日目

林間合宿2日目の朝。

皆より少し早めに起き、身支度を整える。

そして外に出て軽く森の中をランニングする。

普段と違う環境で走るのは楽しいものだ。空気も良いしね。

 

集合は5時半だ。

あまりダラダラ走っているとすぐ時間になってしまう。しっかりと体へ負荷をかけながら走るペースを上げていくとしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

集合場所に5時半の5分前くらいに到着すると、ちょうどクラスメイト達が眠そうな様子で集まりつつあった。

「皆おはよ!」

おはよー、はよー……みたいな感じでそれぞれ挨拶を返してくれる。小森とか特に眠そうだなあ。今もふらっとした所を拳藤に支えてもらっている。

 

全員揃った事を確認し、ブラキン先生先導で森の中を歩く。

 

森の中を歩きながら先生がこの後の個性伸ばし訓練の説明を行う。

 

酷使し壊れた筋繊維が、修復する時により強く太い筋繊維になるように。

個性も同種の性質を持つ、と。

 

つまり………

 

「限界突破だ!!」

 

A組生徒が先に訓練をしている広場に到着し、先生はそう言った。

そこではA組の生徒達が必死決死といった顔で過酷な訓練に懸命に取り組んでいた。

それを見てドン引きするクラスメイト達。

でも俺はこういうの大好物!!

 

いいじゃんいいじゃん!!

こういう事を経験したくて、俺は雄英入ったんだもんな!!

 

 

そこからは4人揃ったワイプシの皆様のお力を借り、生徒達は個別に別れての個性伸ばし訓練となった。

 

凡戸や鱗のようなタイプは、放出速度や放出量、距離を伸ばす為に延々と個性を使用し続ける。

 

小大はある物を出来るだけ大きく、そしてある物は出来るだけ小さく、しかもそれをなるべく早く延々と行うような訓練を。

 

柳は個性で操れるものの重さの上限アップと、数を増やす為に延々と物を個性で操り続ける。

角取と取陰も似たようなトレーニング。

 

円場は肺活量アップと、発生させた空気壁の強度アップ!!

鉄哲は自分の体を鋼鉄化させ、円場の空気の壁に体当たりを続ける事で、強度と持続時間をアップを狙う。

 

拳藤は拳の更なる巨大化や、指だけ、爪だけ、といった手でも更に部位事に分けたサイズ調整を行う訓練。時にはわざと小さくなどもしていた。

 

骨抜は個性の範囲拡大の為、延々と個性を使い続けていた。

吹出も同様だ。

小森もそれに近い。

 

こんな感じで皆それぞれの個性に合わせたメニューをこなしていく。んで俺は。

 

「回原は増強型ではなく発動型としての訓練を行う」

「はい」

 

そう、俺は発動型としてこの個性伸ばし訓練に臨む。

 

「体育祭の件でお前が3人分の体重を抱えて飛べる事はわかっている……とりあえず倍の6人分からでいいか。渡した重りを身につけて空を飛んでみろ」

 

「はい!」

 

「両足からの竜巻で空を飛びながら、両手からの竜巻はピクシーボブが作ってくれたこの岩山にぶつけ続けろ。離れた所から竜巻で岩山に風穴を空けるつもりでやれ」

 

「はい!」

 

え?何その課題めっちゃ楽しそう。

流石ブラキン先生!!俺の性格をよくわかってる!!

さあ楽しい楽しい訓練のスタートだ!!

 

 

合間合間に個性合体の訓練も行った。

こちらもちゃんと伸ばすように、との事。

 

 

「……回原……君なんでそんな楽しそうなのさ?」

物間が俺の個性をコピーしながらそう言った。

物間は皆の個性をコピーし使いこなす訓練と、コピーの時間やキープ出来る個性の数を増やす訓練だ。

よって個性をコピーしまくり使いまくり状態。

疲労困憊の青白い顔で聞いてくる物間に、

 

「いやまあ実際楽しいからなあ。スラムダンクで花道がシュート練習楽しそうにやってた気持ちがよくわかるわ」

 

基礎練習ばかりやってたから、シュート練習楽しかったんだよな花道って確か。

基礎練習を武術に置き換えると、俺も全く同じ。

武術ばかりやってたから個性伸ばし訓練が楽しいのなんのって。

 

そのような事を物間に伝えると、

 

「……全く……ホント大したヤツだよ君はさ」

 

そう言って物間は笑い、俺の隣で俺の個性・旋回を使い始めた。

 

「……前にコピーさせてもらった時もそうだったけど、僕ではこの個性で竜巻を起こす事が出来ない」

 

「みたいだな」

 

「だから、それが出来る君を僕は尊敬してるんだよ回原。ただ恵まれた個性を持ってるだけではなく、基礎の領域を超えて使いこなしている君をね」

 

「お前にそこまで褒めてもらえると素直に嬉しいな」

 

ふっ……物間は笑いながら、

 

「……まあでも僕には僕のスタイルがある。僕にいい所を全部、最後の最後に攫われないように気をつけなよエース」

 

「そうかい。気を付けておくぜフィクサー」

 

器用な男だ。

多種多様な個性を必要に応じて使い分けるその応用力と頭脳。

本来自分の物ではない個性を扱うセンスと深い考察。

それは俺には無いものだ。

 

だから俺は物間を高く評価しているし、頼りにしている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本日の訓練が終了し合宿所に戻ると、ピクシーボブさんとラグドールさんが大量の食材を用意し待っていた。

世話をするのは昨日まで。

今日からは食事の支度は自分達でするように、との事。

まあ内弟子やってる自分からすると当たり前。

訓練させてもらってるんだ。飯くらい自分らで作らないとね。お世話になりっぱなしは申し訳ない。

 

「んじゃちゃっちゃっと作りますか」

そう言って俺が前に出ると、

「ああ!!何テメエが仕切ってんだボケ!!」

後ろから最初にトンガリが反応。俺の横に並んで歩く。

 

「別に仕切ってるつもりはねえけどよ、自分らで作れってんなら作らねえと飯抜きだろ?」

 

「知っとるわそんなん!!!」

 

「じゃあ何にキレてんだよオマエ……とりあえず手を洗って料理に取り掛かろうぜ」

 

「洗うわ!洗いまくるわ!!ヨルダン川東岸のベタニアで洗礼し殺すぞこの野郎!!!」

 

ビシィ!!!

そんなトンガリの頭を塩崎のツルが叩く。

「痛ってぇな!!何しやがるツル女!!」

 

「……神の子が洗礼を受けたキリスト教の一大聖地をネタにするなんて不敬が過ぎますよそこの駄犬」

 

「「「「「「塩崎解説助かる!!!!!」」」」」」

 

「知るか!!誰の影響だと思ってやがる!!」

 

「強いて言うなら主の影響、御心でしょうが……素直に影響を受けずに捻くれた方向に向かう辺りが駄犬オブ駄犬といった所ですね」

 

「うっせーわ!!!」

 

そんな事を話ながらトンガリと塩崎が俺を置いて2人で水場に歩いて行く。

 

……置いてかれちゃったわん。

 

「……と、とにかく!!皆で協力して美味しいカレーを作ろう!!」的な飯田の言葉で皆も動き出し、皆でカレーを作る事になった。

 

 

「回原はやっぱ手慣れてるよなあ。流石普段から料理してるだけの事はあるね!」

「ん」

「唯も1人暮らしだもんね!やっぱ1人暮らしすると家事スキル上がるなあ!!私も千葉から通うの大変だし、1人暮らし親に相談してみようかな?」

 

料理では俺は小大・拳藤と食材を切る班になった。

キャンプみたいに焚き火で料理するんなら火加減とかは拘れない。それならドンドン食材切ってくれとのこと。

 

他のクラスメイトも手分けして火を起こしたり米を炊く準備をしたりと忙しなく動いている。

 

小森のキノコをカレーに入れたら美味いんじゃね?的な話が出たが、

「もう勘弁して欲しいノコ……」

 

疲れ果てた小森のNGでキノコトッピングは無しとなる、ちょっと残念。黒色も残念でした。

 

そしてカレーが出来上がり、屋外で皆で食べた。

林間合宿。

屋外。

皆で作ったカレー。

「「「「「こんなん美味いに決まってる!!!!!」」」」」

 

 

皆でガツガツと楽しく食べた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おーっす!遊び来たぜ切島!!!」

「おー!!よく来たな鉄哲!!」

 

風呂が終わり、A組の切島と約束しているという鉄哲に連れられ有志何人かでA組男子の部屋にお邪魔する。

まあせっかくの機会だし。

こういう機会でもないと中々話す事のない奴もいるしね。

 

「回原も来たのか」

 

「よ轟!」

 

「何しに来やがったクソドリル!!」

 

「遊びに来たんだよ。何だと思ってんだ」

 

「まあそういうなよ爆豪。菓子持ってきたぜ。機嫌直せよ」

 

「「「「流石骨抜!!出来る男!!」」」」

 

「アアン!!施しばかりは受けねえよ!!茶の用意すっから寛いでけやボケ!!」

 

「「「「そして爆豪!!律儀か!!!!」」」」

 

 

まあ何だかんだ歓迎はしてくれるらしい。

 

「ちくしょうちくしょう!!なんでせっかくの男女で来てる合宿なのに男部屋に集まってるんだよオマエら!!こういうのは女子部屋に突撃したり女子を男子部屋に呼ぶもんじゃねえのかよ!!」

 

布団で簀巻きにして持ってきた峰田がそう言う。

今の発言もそうだけど、コイツは強制的に連れてこないと何するか分からんからなあ。

 

 

まあ仕方無い。

 

ちなみに物間は不参加。

声はかけたけどA組と馴れ合う気はないとの事。

 

まあ徹底している。

物間らしい。

 

「はいどうぞ回原くん!」

「ありがとうな緑谷」

 

トンガリの手伝いをして皆に茶を配っていた緑谷からお茶を受け取る。

 

「どーよ個性の制御?あれ以来成長したか?」

 

俺の問いかけに緑谷は少し考えて……

 

「うーん……まだまだこれからかな?僕の場合個性の制御それ自体も大切なんだけど、同時に自分の肉体の強化も必要なんだ。つまり筋力の増幅割合が大きい個性を肉体の上限を見極めながら制御しているという状態で、全力を100%として今の自分の肉体の許容上限を見極めてその上限の%を維持するっていうね。肉体を鍛え続けて、更に個性を1%単位で細かく制御する訓練がブツブツブツブツブツブツ……………」

 

「………そっか。つまりお互いこれからも訓練頑張ろうってことだな」

 

「……うん!!そうだね!!」

 

「「「「「こっちは意外とガバガバ・理屈屋コンビで気が合ってる!!!!」」」」」

 

そんなこんなで色々とA組B組男子皆で色々話した。

意外?でもないけど意外と高評価なのは俺のバイクの話。

ヒーロー科に来る男の子ならバイクを嫌いな訳はないのよね。

 

そのうちA組B組皆でバイクとかで出かけられたら楽しそうだなあ。そんな事を思った。

 

 

男同士なら色々と話す。

途中塩崎関連をイジられてトンガリがキレるなどした。 

お可愛い事。

でも部屋を出ていかないってことは、コイツはコイツで楽しんでるのかな?

 

 

んで女子がここにいないって事は、女子は女子で楽しく話してるのかな?

 

 

女子会ってやつかな?

 

怖くて何話してるか聞きたくないけど。

 

 

途中、昨日の風呂での一発芸大会の話も出る。

結局俺が持っていったという話。

 

「個性オッケーで一発芸大会は楽しそうだよな確かに!!」

そんな切島の声。

 

「おい爆豪!!オマエ回原に対抗して何かやってみろよ!!A組代表だ!!」

 

「舐めんなや!!やるわ!!このボケドリルに負けるかクソが!!」

 

「……いや、爆豪……マジで言うが辞めとけ……辞めときなさい………」

 

「善意で言うが……多分男だけで一発芸大会やったら回原に勝てる奴いねーよマジで……」

 

「出来るわ!!やるわ!!クソドリルのやる事なす事全部俺も同レベルにやってやるわ!!!負けてられるかクソボケナスどもが!!!」

 

「「「「「いや、マジでやるな!!!」」」」」

 

「ああ???!!!」

 

「ホントのホントに同じ事はやるな!!!!」

 

「ああああんん!!???」

 

エキサイティングする爆豪に、骨抜が昨日の風呂での一発芸大会の事を説明する。

 

んで、それを聞いた後トンガリは……

 

 

「ふざけろ!!テメエ!!何やってやがる!!!」

 

俺に向けて座布団を投げてきた!!!

 

「アアン!!テメエ爆豪!!ウチの宴会部長に何してやがる!!」

 

それを体で受け止めた鉄哲が座布団を爆豪に投げ返す!!

 

「鉄哲!!熱いぜ!!」

 

それを切島が体で受け止めた!!

 

「き!!君達!!落ち着きたまえ!!ぐふ!!」

 

「「「飯田が討死したー!!!」」」

 

座布団を顔に受け止め飯田が倒れる。

 

「クカカカカ!!油断大敵だな飯田!!」

 

「「「「流石骨抜!!抜け目ない!!!」」」」

 

「委員長がやられたぞ!!やり返せ!!!」

 

「最初に仕掛けたのそっちからだろ!!」

 

「クソドリル!!テメエとの決着はここでつけるぜ!!」

 

「爆豪に便乗するのはあれだが、せっかくだし乗らせてもらう」

 

「はっはー!!!やってみろやトンガリに轟!!!」

 

んでA組B組対抗での座布団投げ大会となった。

 

人数はこちらが少ないのだが、

 

「流水制空圏だと!!!???」

「正気かな回原くん!!!」

「それ座布団投げで使っていい技なのか!!!???」

「ふざけろ!!死ねえ!!」

 

 

俺の活躍もあり戦況は膠着状態となる。

 

「はっはっはーー!!!」

 

結局この座布団投げ戦争はブラキン先生がストップに入るまで楽しく楽しく楽しく続いた。

 

いいなあ雄英高校。

ホント入学出来て良かった。

 

楽しい。楽しい。楽しい。

 

………こんな日が、いつまでも続けばいいのに。

 

 

 

 

 

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