回原のドリルは天を貫く   作:のりしー

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VS無敵

「わあ!何だか旋くん以外は皆久しぶりな感じ!!ね!ね!元気だった?峰田君はひょっとして髪伸びた?もっと伸びるとどうなるの?不思議不思議!黒色君は夏休みで日焼けとかしたの?そもそも日焼けするの?不思議不思議!宍田君の毛は夏と冬で生え変わったりするの?今はやっぱり夏毛なのかな?不思議不思議!!」

 

「ね、ねじれ先輩落ち着いて!」

 

二学期が始まり、普通の授業が開始された。

今は、今後俺達が行う事になるインターンについて、そのメリットなどを今現在インターン活動をしている3年の先輩から直接教えてもらう時間である。

 

さて3年の先輩って誰が来るのかな?とか考えていたら開幕突撃ねじれ先輩の巻である。

教室に入ってくるなりいきなりねじれワールド全開であった。

 

「……波動に関してはどうやら紹介は必要なさそうだな。通形と天喰、自己紹介を頼む」

やれやれ……と少し呆れた感じのブラキン先生に促され、

 

「…………」

ちょいと目つきの怖い感じの先輩が、

「天喰環……よろしく……」

 

「わあ天喰!!すごいね!午前中から成長したね!ちゃんと知らない人達の前で自己紹介出来たね!!不思議不思議!!」

 

「でももう無理……限界……」

そういう言うやいなやくるりと俺達に背中を向けると、背後の壁に向けてブツブツ話し始めた。

なかなか変わった先輩のようだ。

 

そしてもう1人……

「よし!やっぱトリは俺なんだよね!!」

つぶらな瞳をした、何故かヒーローコスチュームを来て教室に入って来たその先輩は、

 

「それじゃ皆!艱難(かんなん)〜」

「「「「「「え?は?」」」」」」

 

いきなり俺達に向けて艱難と言い、俺達の方に手を添えた耳を向けた。

 

「〜辛苦(しんく)!!なんつってね!!……よぉーし午前のA組に続いて午後も大スベリでスタートだ!!つかみはオッケーだね!!」

 

え……何どゆこと?

 

「俺は雄英高校3年の通形ミリオ!午前のA組でもやったんだけど!!とりあえず皆俺と戦ってみようか!!」

 

え……何、どゆこと?どゆこと?

 

「君達はインターンの有効性を知りたいんだろ?だったら言葉なんかじゃなくて、君達の身体に直接教えて上げた方がわかりやすいって事さ!」

 

「へえ……それはつまり?」

その挑発的な言葉に対し、カチッと頭の何処かでスイッチが入った。

ニヤリと笑って、通形と名乗った先輩をついつい見てしまう。

 

「あらやだ、この子ったら早速反応してるわ」

「相変わらず闘争の匂いへの反応が早すぎるんだよなあ」

 

俺のニヤリとした笑顔を見て、通形先輩もカウンターを返すようにニヤリと笑い、

 

「全員まとめて叩きのめして身体に教えてから、じっくりと言葉で説明してあげるよ!って事さ!!」

 

「それはそれはご親切にどうも……御指導御鞭撻のほど、何卒よろしくお願いしますよ通形先輩」

 

そうして俺達は、しばし獰猛な笑みをお互いに向け合った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side天喰

「……ミリオのヤツ、A組の時はあんな挑発するような真似はそこまでしなかったのに」

 

「ね。やっぱ通形も旋くんの流水制空圏に興味あるのかな?不思議不思議!」

 

あの後皆で訓練施設に移動した。

戦闘準備を行うミリオと1年B組の生徒達。

僕と波動さんは施設の端で2人でコソコソと話し合う。

 

「そう言えば波動さんは彼と仲が良いんだっけ?」

 

「うん!旋くんとは仲良しだよ!」

 

そして、B組生徒達全員とミリオの戦いが始まった。

午前のA組との戦い。それと同様の光景が繰り返される。

 

「正直難しいと思うけど……やっぱ彼に勝って欲しいのかな?」

 

その問いに波動さんはうーん……と上を向き唇に指を軽くあて少し考えながら、

 

「旋くんが通形に勝ったら嬉しいし、スゴイなあと思うよ。でも個性の事もあるから通形が負けるとは思えないよね。うん。それが普通だよね」

 

どんどんと地面に倒れていくB組生徒達。その中で彼……回原くんだけは微動だにせずじっと最前線で構えていた。

 

「まあそうだよね。聞いてる話だと彼は格闘特化って話だし」

 

「でもね」

 

「ん?」

 

「でも、通形も攻撃手段は打撃ばっかりだよね?正直、メインの攻撃手段が打撃だとしたら、旋くんが梁山泊のお師匠様達以外の相手に負けるイメージが湧かないんだよね。うん、不思議不思議!」

 

「波動さんの話は話半分に聞いてたけど……ホントにそんなスゴイの梁山泊って?」

 

「うん!!何度か『今日は馬師父いないから大丈夫かな』って旋くんが言ってくれた日にお邪魔して修行見させてもらったけどね!スゴイんだよ天喰!!ホントのホントにスゴイの!!不思議がいっぱいいっぱいなんだよ!!不思議不思議!!」

 

「うーん……正直色々聞いてきたけど、全部眉唾で現実の事とは思えないんだよね」

 

そして……ついに回原くんを残し、B組生徒達全員が地面に倒れた。

 

「うん!!だから今日!天喰も見てね!!」

 

そこで波動さんは、大切にしまっておいた、特別自分にとって大切で大切で大切でたまらない宝物を見せびらかすように、

 

「見てね!私の旋くんを!!」

とても綺麗で可愛い笑顔を浮かべ、嬉しそうにそう言った。

 

(……これは、あのネタのパロディなのかな……いや、でも波動さんだしなぁ……)

 

「やあ!待たせちゃったかな回原くん!!」

 

「露骨に俺だけ狙いから外してましたからね……まあ、そこそこ待ちましたよ、とだけ」

 

施設中心……から少し離れた場所には向かい合う2人。

地面に倒れた他の生徒達を巻き込まないように移動し、改めて向かい合う2人の男。

 

ミリオVS回原くん。

 

 

「さあ!!行くぜ!!」

仕切り直して、2人の戦いが始まった!!

 

ミリオが個性を発動し、地面に潜る!!

 

「……………」

 

回原くんは微動だにせず、それを見ていた。

 

……そして!!

 

回原くんの背後からミリオが飛び出す!!

そして飛び出した勢いを利用し、背後から回原くんに殴りかかる!!いつものミリオの必勝パターンだ!

 

……が!!!!

 

「ウソでしょ!!!」

 

「わあ!!スゴイスゴイ!流石旋くん!!ねぇねぇ知ってる天喰?あれは流水制空圏じゃなくて普通の制空圏だよ!旋くんくらいの静の気の使い手になると、自分の間合いに入って来た敵の攻撃を自動で迎撃するんだって!!でも後ろからの攻撃なんてどうやって察知してるのかな?不思議不思議!!」

 

「ちょっと何言ってるのか意味がわからない」

 

「だよねだよね!!不思議不思議!!今なんて後ろから来た通形の攻撃躱しながら、顔面に肘打ち入れてたもんね!!でも通形も流石!!個性で肘打ちすり抜けて躱したね!!」

 

今2人で話した内容通りの驚くべき光景が眼前で繰り広げられていた。

 

個性を使い、壁や地面に潜り攻撃をしかけるミリオ。

それを正面だろうと側面だろうと背後だろうと紙一重で躱し、なおかつ反撃までする回原くん。

 

ちょっと意味のわからない光景が繰り広げられていた。

 

「そうだよねそうだよね旋くん!!ちょっと相手が地面や壁に潜れるくらいで!それで四方八方から不意打ちを仕掛けられたくらいで!それだけなのに攻撃なんか食らっちゃったりしたら!不甲斐ない!!ってお師匠様たちの修行が厳しくなっちゃうもんね!!」

 

「ええぇ……」

なにそれ……梁山泊こわ……

 

「うわぁ!!スゴイスゴイ旋くん!!自分に打撃が当たる一瞬だけはその部分に当たり判定があるって気づいたのかな?ホントにギリギリまで通形を引きつけて攻撃躱して、その通形の拳を肘打ちと膝蹴りで上下から挟み攻撃して潰しにいったよ!!スゴイね!スゴイね!」

 

「うわぁぁぁぁ!!スゴイ音した!!大丈夫かミリオ!!あんなの食らったら拳が砕けちゃうよ!!え!ギリギリ躱した?嫌な予感したから攻撃辞めて透過したままにしといた?良かったぁ………」

 

「うーん……さっきから通形の動きが誘導されてる気がするなあ?あ!もしかして劣化・呼吸投げの応用なのかな?相手の予測とかを利用して、わざと隙を見せて通形の行動を誘導してるのかも?スゴイスゴイ!不思議不思議!!」

 

「ちょっと待って……本当に意味がわからない……」

 

「でも通形もスゴイね!その誘導された動きを逆手に取って、たまに裏をかいて旋くんに攻撃しかけようとしてる!!でも流石旋くん!!しっかり躱してカウンターしかけてる!!通形も攻撃した部位をすぐに再度素早く透過させてる!!スゴイスゴイ!2人ともスゴイね天喰!!」

 

「うん……正直、ちょっと予想外だった。スゴイね回原くんは。ミリオとあそこまで闘えるなんて」

 

その言葉に波動さんはとても嬉しそうに笑い、

 

「でしょ!!ね!!旋くんはスゴイでしょ!!」

と自分が褒められたみたいにとても嬉しそうに笑った。

 

「……2人ともそこまでだ。俺の一存でこの勝負は引き分けとする」

 

そこからしばらくして、そんなブラドキング先生の言葉で勝負は終了となった。

 

「……残念ですね、もう少しやりたかったけど」

 

「……だんだんこっちが攻撃した拳を再透過する前に反撃がかすり始めてたからね……ヒヤヒヤしたよね!」

 

ミリオと回原くんはそんな言葉を掛け合い、戦闘態勢を解いた。

 

こうしてミリオとB組生徒達の闘いは終わった。

 

 

その後はA組と同じ流れ。

ミリオから自分の個性の説明、そしてそれを強くした話。

その強くする過程の中でインターンの経験がとても重要だったという話がされた。

だから機会があれば皆、インターンには行くべきだ、と。

 

「旋くん旋くん!!インターンでもよろしくね!B組の皆もまたねー!!!」

 

そうして皆で挨拶を躱し、最後に波動さんが彼等に声をかけ、この授業は終わった。

 

 

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