回原のドリルは天を貫く   作:のりしー

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さーてついにジークアクスの最終話ですね。

あの、二次創作の極致みたいなガンダムをプロが本気出して公共の電波で流すとかヤバすぎでしょ?プロスゲエ!!!
って、いうアニメでしたね。
ちなみに、自分として最上級の誉め言葉です。

明日のX荒れてそうだなあ(白目)



変わりゆく未来へ

『アホかデク!3人がバラバラと別々に病室に見舞いなんて行ったら、相手も都度対応しなくちゃいけなくて迷惑だろうが!3人で揃って行くぞ!』

 

というトンガリの至極ご尤もなご意見を賜り、明けて翌日3人揃って病院へと御見舞に向かった。

 

ケガの酷かった切島やファットさんもリカバリーガールさんの個性のおかげで回復し、無事今日退院出来るとの事。良かった良かった。

 

相澤先生やらロックロックさんなどはヴィランに刺されていたので心配していたのだが、こちらもまあ無事で何事も無く何よりである。

 

3人で病室を順番に御見舞で回る。

ちなみにハイライトは、

 

「あ!しんぷのおにいさん!!」

 

「…………(ぐぎぎぎぎ)」

 

純粋なエリちゃんの言葉に、反論したいけど、でもあんなに辛い目にあってきた小さな子にキツく反論するのもなあ……と、本気でどうしたもんかと困るトンガリ。

 

「…………(何か悟りを開いたかのような穏やかな顔)」

 

そしてそんなトンガリを、何だか良くわからんが穏やかな表情で眺める緑谷。この2人も何だか変な関係よね。

 

 

俺?俺はまあ武士の情けとでも言うべきか……流石にこの状況でトンガリを煽るような事は言いませんよ。

後で弄るけど。

 

そうして順番に見舞いをしていき、最後の病室へ。

そこは……

 

「ふむ……3人で見舞いに来てくれたのか。ありがとう」

 

サー・ナイトアイさん。その病室だった。

目立った負傷は無いが……

 

「まだ退院の準備をしてないということは、もう1泊するご予定ですか?」

 

他に入院していた人達と違い、ナイトアイさんにはこれから退院しようという様子がまるで無かった。

 

「ああ。私は1泊……もしかするともう数日入院する事になりそうだ。個性を失った事の影響を調べる為にね」

 

「あ……」

 

緑谷の口から悲痛な声が漏れる。

 

ナイトアイさんは、そんな緑谷に笑いかけながら。

 

「気にするな……と言っても難しいかもしれないが、あまり気にするな緑谷。私としてはこの結末に……今回の事件の結末がこういう終わり方を迎えた事に満足しているのだから」

 

そう、穏やかな声で緑谷に言葉をかけた。

 

あの事件の最後の最後。エリちゃんを庇う緑谷を庇い、ナイトアイさんは銃弾をその身で受け止めた。

 

……個性を消滅させる、銃弾を。

 

それはつまり……

 

「天喰のケースと違い、丸1日経過したがまるで個性が復活する兆候が無い……やはり、完成品の弾丸は、撃たれた者の個性を完全に消滅させる事が可能なようだな」

 

「………」

 

責任を感じ、今にも泣き出しそうな緑谷。

個性社会において、個性を失うという事は大きな意味を持つ。

 

当然全てが緑谷の責任という訳ではないが、庇われた緑谷が責任を感じるのは尤もな話だった。

 

「……だから、そんな顔をするな緑谷。先程も言っただろう?私はこの結末に満足していると。私の予知では本来ミリオが個性を失い……そして、言わなかったが私は個性を失うどころか、この命そのものを失っているはずだったのだから」

 

「……え。命ですって……」

 

「……それは初耳だぜ、クソが……」

 

俺とトンガリはナイトアイさんを睨む。

無理も無いだろ。予知の事全部話してくれたと思っていたら、まさかこんな隠し玉があったのかよ!!

 

しかしナイトアイさんは、そんな俺とトンガリの視線をどこ吹く風とばかりに、

 

「君達は私に命を預けてくれたのだろう?その中で誰かが死ぬ可能性は0では無かった。私が見た予知ではそれが私だったというだけだ。そして、私は私に命を預けてくれた君達に自分の命を預けた。ただそれだけの事だ」

 

「しれっと言いますね……全く」

 

俺の言葉に、まるで会議の時の意趣返しとばかりに、彼はふっと笑い。

 

「君達がミリオを助けられれば、その後の予知の内容が……未来が変わるに決まっている。私の育てたミリオが個性を失わなければ、その後私が死ぬ未来なんて来る筈がないだろう?」

 

「……かもしれねえが、結果論だぜ!全くよ!」

 

トンガリの言葉に対し、ナイトアイさんは、それがとてつもなく大きな笑いのツボに入ったかのように笑う!

 

「はっはっは!!全くだ!全くだよ爆豪!!そうだな!君の言う通りだ!!予知なんて!!未来だなんて!!フタを開けてみればただの結果論でしか無かったな!!だいそれた自分の思い込みで、あんなにも悩んでしまっていたのが恥ずかしい!!」

 

「おいおい……笑い過ぎだろ……」

 

今も大笑いするナイトアイさんの様子に、俺達3人は戸惑う。

 

「くっくっく……ああ、すまないな。勝手に1人で笑ってしまって。まあそんな訳だ。本来死ぬ筈だった私が、個性を失っただけで済んだのだ。私がこの結末に満足しているという事は伝わったかな?」

 

「……はい……いや、でも!!それでも!」

 

まだ食い下がる緑谷。それに、

 

「大人が子供を守る事に、何か理由がいるのか緑谷?」

 

「あ、えっ……それは……でも……」

 

優しく諭すようにナイトアイさんが続ける。

 

「今回は私だった。というだけだ。私はあの行動に何一つ悔いは無い。それは、あの場にいたのが君であろうが、君でなかろうがな。何も変わらないよ。そしてまだ私は個性を失っただけだ。元々個性の使用をかなりセーブしていたしな。今までも、そしてこれからもさして変わりはしないさ」

 

「ヒーロー続けるんですかナイトアイさん?」

 

俺の問いかけに、ナイトアイさんは、

 

「個性が無くなった以上ヒーロー継続は難しい。事務所の代表はセンチーピーダーに譲り、私はその補佐に入るつもりだ」

 

「……そうですか」

 

「そして、ヒーロー事務所所属の人間として、ヒーローに協力する形でヒーロー活動は続けていく……だから、そんなに落ち込むな緑谷。本当にな」

 

個性を失っても。ヒーローでなくなっても。それでもヒーローの活動を継続する。

 

その誇り高い姿に、緑谷は……その姿をとてもとても眩しそうに……本当に眩しそうに見ていた。

 

「サー・ナイトアイ……もし……もし僕が貴方に……個性を……」

 

「……ストップだ緑谷。断言する。私にそのつもりはない。そしてもし今後どんな事があろうとも、この决意は変わらないと断言する……だから、2度と君はそんな事を口にするな。私は……私は、そんなつもりで君を庇った訳ではない。それだけは覚えておけ」

 

「…………」

 

「ちっ……」

 

俺にはわからない何かを2人が話しているのを聞いた。この様子だとトンガリも知ってそうだけど。

……でも、きっとこれは俺が踏み込んではいけない領域の話なんだろう、きっと……

だから、俺は何も聞かない。

 

「……そういや、あの弾丸で治崎の野郎撃っただろ?何か責任取らされたりしたのかよ?」

 

無理矢理に話題を変えようとトンガリがそんな事を言った。

 

……確かに気になる所だ。

過剰防衛の可能性はあるとグラントリノさんも言ってたくらいだし。

 

「1年間の一部給与の自主返納と、1ヶ月のボランティアへの協力くらいだ。処罰は下されたが、そこまで厳しすぎる処罰でも無かったな」

 

「……思ってたより処罰が軽くてホッとしましたが……正直罰としては軽過ぎな気もします。今のヒーロー社会では中々受け入れられるか微妙な行動だったと思いますが……」

 

ヒーローは、ヴィランを倒す。 

だがやり過ぎてはいけない。

過剰防衛や、もし万が一ヴィランを殺してなどしまった場合、そのヒーローはトコトン叩かれるというのが、今の歪んだヒーロー社会だ。

 

相手の個性を永遠に消滅させる銃弾を撃ち込む、だなんて行動がそう簡単に受け入れられるとは思い難いんだけど……

 

「あの事件の後、警察が残った弾丸を回収していた……つまり、今後その程度の罰を覚悟したヒーローなら、凶悪ヴィランにならこの弾丸使ってもいいですよ……って事かよ、クソが……」

 

「……ああ、そういう事かよ」

 

「……察しが早い子供達だな、全く……そこは上手く濁すつもりだったが………」

 

……確かに、凶悪ヴィランの個性を消滅させる方法があるならめちゃくちゃ有効である。

特にオールマイトの引退後、悪化していく治安を考えれば一定の抑止力にはなるだろうが……

 

 

エリちゃんの顔を思い浮かべる。

……これ以上あの子が利用されるような事にならなければいいが……

 

俺のその懸念を感じたのか、ナイトアイさんが、

 

「今後の事だが、エリちゃんは雄英高校に預けられる事になる。強固な防衛能力。個性を制御する訓練などを考えればこれが最適解だろう。これからは、あの子をお前たち皆で守ってやるんだ」

 

「「はい!!」」「おう!」

 

即答した俺達3人を、とても頼もしそうに見ながらナイトアイさんは、

 

「ニュースで見ているだろうが、捕まえたヴィラン連合の2人は逃走した。これからも過酷な戦いは続く事だろう」

 

「………」

 

「……だが、君達なら……いや、私も含めてだな。私達であれば、例え今進んでいる道の先に『最悪な未来』が待ち構えていたとしても、その『最悪の未来』を全員の力で『良い未来』に変えていける筈だ。少なくとも私はそう信じているし、君達のおかげでそう思えるようになった」

 

「ナイトアイさん……」

 

彼はとても穏やかな笑顔で、

 

「緑谷、私はここを退院したら、オールマイトに会いに行こうと思ってるんだ」

 

「サー・ナイトアイ……」

 

「……こう思えるようになったのも、君たち皆のおかげだ。だから顔を上げろ緑谷。私は私のこれからの場所で。君は君の場所で。それぞれこれからも頑張っていこう」

 

「……はい…はい!」

 

その言葉は、全てではないけれど……緑谷の心の闇を晴らしたように見えた。

 

それをしっかりと確認し、ナイトアイさんは、

 

「そして……いや、だから、というべきかな。だからこれからも全員で頑張っていこう。協力を頼む」

 

「「はい!!」」「おう!」

 

こうして御見舞は終わった。

 

この後は当初の予定通り、病院近くの中華料理屋で3人で飯を食った。

 

熱いと言うか痛いと言うか!なんだこの麻婆は!!

って言う激辛麻婆豆腐を3人で仲良く食ってから帰りました……

 

緑谷なんて麻婆以外頼んでたのに、何故か麻婆食ってたしな……

 

痛辛いんだけど、美味くて美味くて手が止まらない不思議な不思議な麻婆豆腐でした……

 

旨さが理解出来るようになるまでがツライ……

 

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