回原のドリルは天を貫く   作:のりしー

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ジークアクス終わってしまった……

二度とあんなトンデモナイ作品を平日深夜にやらないでくれ……(最上級の褒め言葉)

やっぱプロはスゴイですね。
あんな究極の二次創作みたいな作品が作れるんだから……やっぱプロはスゴイ……


いざ文化祭へ!

インターン活動が無事終了し、しばらく経った頃の教室。

「よし、今日のホームルームでは10月に行われる文化祭の出し物について話し合ってもらう」

 

ブラキン先生の口から出た文化祭というキーワードに、クラスの連中は、

 

「おお!!何か普通の高校っぽい!!」

「そう言えば雄英高校と言えば体育祭だけど、文化祭もあったよな!!」

「個性使っても良いんだろ?楽しそうじゃん!!」

 

と一気に盛り上がる。

いーねー!中学と違って高校の文化祭って楽しそうだもんな!

 

「後はクラス委員長に任せるから、皆で相談して決めるように」

 

ブラキン先生と入れ替わりで委員長の拳藤が皆の前に出る。

 

「よーし!!じゃ、とりあえずどんな出し物がいいか黒板に書き出してみようか。レイ子ごめん。書記頼んで良い?」

 

「もちろんよ」

 

「ありがと。じゃあこんな出し物やりたい!って案がある人は挙手してね」

 

「はいはいはいはいはい!!!!!」

 

拳藤の言葉に、まず真っ先に反応し勢い良く手を挙げるのは……

 

「……峰田かぁ……」

 

「な!何だよ何だよ!!ヒデェじゃんかよ拳藤!!まだオイラ何も言ってねえじゃんかよぉ!!!」

 

トップバッターは峰田。

正直、この時点で何となくオチがわかっちゃうからなぁ……

 

拳藤は、とりあえず大きくため息をつき、

「……はいはいわかったからとりあえず案だけ出してみ」

 

「な!なげやりだ!!なげやり過ぎだぞ拳藤!!棒読みじゃんか!!」

 

「日頃の行いだよなあ」

「ん」

 

ほれさっさと言いなさいと再度促された峰田は、

 

「クソー!!耳かっぽじって聞けよ皆!!この出し物なら文化祭で大反響間違い無しだぜ!!」

 

「峰田氏の案は、本当に実行したら色々と大反響間違いないんでしょうなあ」

「やったらね」

 

クラスメイト達も毎度毎度の峰田のお約束なので手慣れたものである。

 

そんなクラスメイト達の反応を気にもせず、峰田は声高らかにその出し物の案を披露する。

 

「オイラがやりたい出し物はズバリ!!『水着ガールズ喫茶』だ!!」

 

「はいありがとー……じゃあ、他に何か案がある人はー?」

 

「スルー!?スルーって!?酷すぎる!!せめて何か反応してくれよ!!」

 

「……露出狂って、女の子がキャーキャー騒ぐのを見るのが楽しくってやってるらしいわよ峰田」

 

「しかも露出狂と同列に扱われた!!」

 

「……しかし良くもまあ思いつくもんだなぁ、そこだけは感心するぜ」

 

「ああ……普通こーいう場で案を出すにしても精々メイド喫茶くらいだもんなぁ」

 

「ある意味で流石峰田氏ですな」

女の子にメイド服でなく水着を着せて接客させようとは恐れ入る。流石は峰田の発想力である。

 

いつものように峰田が無事処理され、他に案がある人が順次挙手し発言していく。

 

「小森はキノコをメインにしたメルヘン風喫茶……っと。この辺で大体アイデアは出揃ったのかな?」

 

手の上がらなくなった教室を見回し、拳藤が確認の問いを投げた。

一旦はこの辺で出し物の案は出揃ったようだ。

 

「たこ焼き、お好み焼き、クレープって感じのお祭り定番の食べ物から、お化け屋敷に腕相撲大会みたいなのもあるね……喫茶店とかは案に出てる食べ物とまとめたりも出来そうだね」

 

「後は……大掛かりなものとしては演劇かしら?確か発案は吹出ね。普通の演劇を雄英高校の文化祭でやっても面白くないでしょうし、何かネタはあるのかしら?」

 

柳の質問に、吹出が「待ってました」とばかりに立ち上がる。

 

「うん!実は僕中学の時、二次創作の小説投稿サイトに色々と作品を投稿してたんだよね!結構高い評価もらえたのもあるから、それを演劇風にアレンジしてやってみたら面白いんじゃないかな!」

 

「へえ!そりゃスゴイな吹出!」

「どんな作品投稿してたんだ?」

「中学生の二次創作……ふっ……濃厚な闇が味わえそうだな」

「ニジソーサクって!人気のアニメとかコミック題材にした創作デスヨネ!楽しみデス!」

 

このクラスはマンガやアニメ好きな連中が多い。

だから皆、二次創作の作品がどんなものなのかと結構興味津々だった。

 

「一番評価良かったのはアレかな?ロミオとジュリエットをベースとし、ハリー・ポッターとかロード・オブ・ザ・リングとかスター・ウォーズをクロスオーバーさせた作品でさ!!」

 

「何じゃそのウルトラごった煮作品は!!」

「まとまるのかよそれ!!」

「完結できんのかそんなの!?」

 

吹出の作品は……確かに上手くまとまればとても面白そうではあるが、凄まじいごった煮作品だった。それ完結出来るんか……

 

そんなクラスメイト達の反応に対し、

「まあ、その反応はごもっともだよね。でもさ、このごった煮ワールドですら完結出来そうな主人公がいてね。さっき上げた作品外の主人公何だけど、その主人公の力でなんとか強引に上手く完結出来たって感じかな」

 

と吹出が説明した。本当にまとまって終わったらしい。

 

「へえ……そりゃスゴイ主人公だな。ちなみにどんなキャラなの?」

 

俺の疑問に、吹出はとても楽しそうにその主人公の名前を告げる。

 

「うん。コブラって名前の宇宙海賊だよ。古い古いマンガの主人公なんだ」

 

「「「「「「よし吹出!ちょっと待て!!!!」」」」」」

 

とても楽しそうに主人公の名前を発表したコヤツに対し、俺含め数人が待ったをかけた。

 

「確かに面白そうだけどその組み合わせはダメだろ……」

 

「ロミオとジュリエットが入ってるのに絶対ジュリエット死ぬじゃん……」

 

「……つうか味方サイドの女性キャラも全員死ぬだろ……」

 

「何なら敵方女性キャラでもコブラと一瞬恋仲になってから死ぬ」

 

「……でも間違い無く物語は完結させるよな、なんせコブラだし……説得力はスゴイ……」

 

「愛。そして別れの死……ふっ……嫌いじゃない……」

「……黒色?」

「こ!小森!!いや!これは創作への評価であってだな!!」

 

黒色さんは小森さんに任せ、とりあえず皆で吹出をジト目で睨む。

 

吹出は、一体何が問題なの?みたいなキョトンとした様子で、

 

「……でも面白いよ?まとめれば尺も抑えられるし」

 

「問題はそこじゃないのよ……」

 

「平和な雄英高校の文化祭で、次々と女性キャラが死ぬ様な演劇は流石にちょっと良くないだろ……何か、他に無いのか?いや、吹出、確かにオマエの作品は面白そうなんだが……もっとこう……他のテイストというか……」

 

流石骨抜。柔軟な投げかけだ。

吹出を決して全否定する事は無く、上手く新しい案を引き出そうとしていた。

 

「……うーん、そうだねえ……他の案だと……構想はあったけど発表はしてないのがもう1パターンあるんだよね。さっきのでコブラを出さないパターンなんだけど」

 

「「「「そうそうそういうので!!!」」」」

 

俺達の心が吹出に通じたのか?

彼はとても穏やかな声で、

 

「ロミオとジュリエットをベースとし、ハリー・ポッターやらロード・オブ・ザ・リングやらスター・ウォーズを混ぜる所までは同じなんだけどね」

 

「「「「「うんうんうんうん」」」」」

 

「物語を上手くまとめるために、虚淵玄の作風と解釈を加えて再構成する」

 

「「「「「いやだからちょっと待てって言ってるだろうがあぁぁぁ!!!!」」」」」

 

……ダメだ……全然!俺達の心通じてねえわ!!

穏やかな声でコイツまじ何言ってんだ!!

 

「こら吹出……オマエなんで平和な文化祭で精神的テロ演劇を行おうとしてるんだ……」

 

「頼むから穏便な方向でまとめてくれよ……」

 

「ロミオがめっちゃループしてそう……ロミオ絶対曇ってるだろ……曇りまくってるだろコレ……」

 

「虚淵玄って名前が出た時点で、穏便なストーリーが想像つかねえ……」

 

俺達の懇願するような声を聞き、はて何が問題なのか?と全くわかっていない様子で吹出が、

 

「……でも面白いよ?」

 

とても不思議そうにそう言った。

ああそうでしょうね!!そうでしょうともね!!

 

「わかってんだよ!!普通に聞いててちょっと面白そう!って思っちゃったよ!!」

 

「でも文化祭では辞めとこうぜ!って話だろうが!!」

 

「あはー♪」

 

「あ……ダメだ……シンプルにダメなやつだこれ……」

 

「これだからクリエーターってヤツは……」

 

「……まあ、でも演劇ってのは良いかもしれないね」

 

「物間?」

 

この男には珍しく、これまで静かだった物間が口を開く。

 

「今3年の先輩に聞いてたんだけど、過去2年間文化祭で演劇をやったクラスは無いらしい。まあ準備も大変だろうし、恥ずかしいとか色々あるんだろうしね。だから多分今年もやるクラスは無いだろう、ってさ」

 

「へえ……」

 

なんとも珍しく静かだなあと思えば、そんな事を調べてたのか物間は。

 

物間は続けて、

 

「つまり比較対象が全然無いから、もし演劇が失敗しても『まあこんなもんか』で済むし、もし大成功すれば『B組スゴイ最高!!』ってなる訳だ。リスクとリターン考えれば良いんじゃないかい?何より楽しそうだしね!!」

 

なるほどなあ……

 

「それに……それに、何だかんだで皆、吹出の原作面白そうと思って、そして気になってるんだろう?」

 

「そりゃ……」

「まあ……」

「ねえ……」

 

と顔を見合わせる皆。

そうなんだよね。

ツッコミは入れたものの、何だかんだで楽しそうなのだ吹出の作品は!!

これ文化祭でやったら楽しそう!!

と、思わず皆が思ってしまうくらいに。

 

そんな皆の様子を、クラス委員長の拳藤が確認し、

 

「……ふう、何となくもう決まっちゃった気もするけど、一応多数決取ろうか。じゃあ、文化祭で演劇やりたいと思った人は挙手!!」

 

その拳藤の声に、クラスの大半の奴が手を挙げた。

 

「……こりゃ数えるまでもなさそうだね。よし!じゃB組の文化祭の出し物は演劇で決定って事でよろしく!!!」

 

……こうして、俺達の文化祭の出し物が決まった。

 

問題は……脚本どうするか何だけど……

 

じっ……という皆の視線が、クラス委員長ではなく骨抜に集中する。

 

骨抜は、決してその視線から逃げるような事はせず、やれやれと言った感じで、

 

「……わかったよ。シナリオのまとめとかは俺が吹出と打ち合わせして何とか調整してみせる」

 

そう言ってくれた。

 

ドッ!!とそれにクラスの皆が沸く!!

 

「流石骨抜!!B組1柔軟な男!!」

「こういう調整とかさせたら右に出る方はいないですな!!」

 

「……まあ、自分でやるって言ったから良いけどよ……皆、俺の事便利に使い過ぎじゃないか?」

調子の良い皆の声を聞き、ぐったり疲れた様子で骨抜がそんな事を言った。

 

「正直スマン骨抜!!」

 

「でもこういう時に頼れる男!!流石!!」

 

「荒事は回原。まとめ役は一佳。搦め手は物間。そして柔軟な対応の時はやっぱ骨抜ノコ!!」

 

「だっーーー!!!そんな事言われたらやっぱ断れねえだろが!!よし吹出!!早速脚本の打ち合わせするぞ!!」

 

「よしやろう骨抜!!でも僕自分がつまらないと思った改変には絶対妥協しないからね!!」

 

「がー!!!俺へのハードルが高過ぎる!!」

 

「骨抜骨抜!!ヒロインのシャワーシーンは絶対!絶対だかんな!!」

 

「ふざけろ峰田!!吹出原作でそれだとヒロイン絶対死ぬやつだろうが!!」

 

 

こんな感じで話をしながらも、皆笑っていた。

いいクラス何だよねB組って。

 

こうして俺達の文化祭での出し物が決まった。

 

 

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