指サック→無しに変更。
コアドリル→有りに変更。
のみの変更となります。
個性把握テストの翌日。
午後のヒーロー基礎学の授業。
対人戦闘訓練を行う事になった。
2人1組でヒーロー側とヴィランに分かれての屋内戦闘訓練。
核を持ち建物内に立て籠もったヴィランを、ヒーロー達が攻略するという内容だ。
ヴィラン側が防衛で、ヒーロー側が攻めとなる。
「…って!私が普通に説明した!!!」
「うおーー!!!本物のオールマイトだ!」
「マジで教師やってくれてるんだ!!」
なんとNO1ヒーローのオールマイトの指導付き。
そら皆テンション爆上がりだった。
しかもヒーローコスチューム着ての授業。
色々サービス過剰だなあ。嬉しいけどさ。
申請していたコスチュームを受け取り、着る。
俺のコスチュームは白ベースに、一部ドリルの意匠をあしらったコスチュームである。
ホントはグレンラガンベースの衣装にしようかと思ったが、その辺は少し自重しました。
その代わりってほどではないが、親指サイズのドリルをあしらったコアドリル付きのペンダントを身に付ける事にした。
持ち手もあり、ドリルとしても使用可能。
壁壊したりで役立ちそう。
あまりゴリゴリリスペクト出し過ぎるのは好きじゃないのよね。
わかる人だけわかってくれればそれでいい。
なお、製作元から「ドリルの強化用に専用の指サック付けたらどうでしょう?」と言われて試したのだが結果不採用となっていた。
理由は俺が自前の指でドリルした方が強かったから。
なんでやねん。
「お、俺と組むのは小大か!よろしくな。頑張ろうぜ」
「ん」
んで演習場に移動する。
コンビを組む相手を決めるためくじ引き行った。
くじ引きの結果、小大と組むことになった。
小大はウルトラマン風の衣装。
実は好きなのかなウルトラマン?
続々とくじ引きが行われ、組が出来ていく。
そこから更にくじ引きをし、対戦相手が決まった。
さて、対人戦闘訓練の開始だ。
まずはヒーロー側の宍田・庄田コンビ。
対するはヴィラン側の骨抜・塩崎コンビ。
「いやいや…ダメだろあのコンビは」
「ん」
結論やっぱダメだった。
防衛側に骨抜と塩崎コンビはエグい。
骨抜が地面を柔らかくし、塩崎が茨で空間全体を牽制。
宍田と庄田も何とかしようとしたが、室内空間を制圧出来る2人相手には個性の分が悪過ぎる。
一戦目は骨抜と塩崎コンビに軍配が上がる。
「いい個性の活用だったぞ2人とも!ヒーローは自分の得手を敵に押し付け、完勝する事が大切だ。皆も今の試合を参考にするように!」
オールマイト直々のお褒めの言葉は普段冷静な骨抜でも流石に嬉しかったようで、珍しく舞い上がっていた。
塩崎もかなり嬉しそうだ。
ここで、残りのクラスメイト達にも更に火がついた。
『勝って、オールマイトに褒めてもらいたい!!!』
皆の気持ちが1つになった。
「宍田と庄田は残念だったな。だが、今のをしっかりと反省し課題とするように。自分達と相性の悪いヴィランに対し、どうやって自分の得意なフィールドに持ち込めるか?そこを常にヒーローは考え無ければいけないからな」
ブラキン先生のフォロー。
強面の割に面倒見が良い。
良い先生だと思う。
死ぬほどこちらを詰めてこないのが更に良い。
次はヒーロー側が泡瀬と取陰。
ヴィラン側が鉄哲と小森だ。
序盤はヴィラン側優勢。
全身を金属化させる個性で迎撃に出た鉄哲がヒーロー側を攻撃する。
当初苦戦していたヒーロー側。
が、これは取陰の作戦だった。
個性トカゲのしっぽ切りを使い上手く苦戦するフリで鉄哲を誘導すると、そこを泡瀬が溶接の個性で鉄哲を壁に固定した!
そして動きが止まった鉄哲を完璧に捕獲する。
「おーお見事。ヒーロー側の作戦勝ちかな」
「ん」
「そうだな、後は2人で小森を捕まえて核を抑えるだけだ」
「ん」
「ああ、小森もキノコで容赦なく攻撃してくればまだわからないか」
「ん」
そしてその通りになった。
毒キノコやら道を塞ぐキノコやらで小森はかなり頑張っていた。
が、最終的に2対1が響きヒーロー側の勝利となる。
「ヒーロー側の2人はお見事!いい作戦だったと思うよ!先行したヴィランを先に取り押さえ、残りのヴィランをゆっくり攻略する。それぞれの個性の使い方も非常に良かった!」
「鉄哲は少し先行し過ぎたな。小森と協力して戦う場所を選び、キノコでそこを要塞化。そこでヒーロー側を迎撃するなどの手も打てたはずだ。お互いが何を出来るか?何処まで出来るかの理解が足りないな。皆もそうだが、お互いの個性の長所や短所をしっかり把握しておくように」
オールマイトとブラキン先生のコメント。
狙ってやってるのかな?
さっきも勝った方をオールマイトが。
負けた側をブラキン先生が。
それぞれコメントしている。
差別化してる辺りニンジンなんだろうなあ。
オールマイトに褒められたいよね皆。
「…さて、次は俺達の番か。せっかくだしオールマイトに褒められたいよな。頑張ろうぜ小大」
「ん」
そうして俺達の番となる。
ヒーロー側は拳藤と黒色。
ヴィラン側が俺と小大。
2人でスタート地点へ移動する。
黒色の個性がかなり厄介である。
それに拳藤の頭脳があるからなあ。
まずは作戦会議兼セッティングタイムだ。
「…とりあえず黒色が黒い所から飛び出してくるのが厄介だな。まずは影とかがない所に核を移動させるか。小大、核を小さく出来る?」
「ん」
小大に核を小さくしてもらう。
俺の個性で天井をぶち壊し、屋上に核を移動させようと提案。
こうしないと影が多い室内では黒色のワンサイドゲームになる可能性があった。ブラキン先生が止めないという事はこのくらいはいいという事だろう。
「じゃあ俺天井壊すな」
「ん」
「え?大丈夫大丈夫素手で出来るから…何?このドリル大きくしてあげるからそれでやってみたらって?」
「ん」
「…うーん素手でも出来るけど、せっかくだし頼めるか?小大」
「ん!」
まあせっかくだし。
小大に親指サイズのコアドリルを渡す。
彼女がそれを個性で大きくしてくれた。
俺の頭の倍くらいのサイズになったドリルを受け取る。
とりあえず俺の腕ごと回してみる。
「おーけっこういい感じ…ん?なんだこれ?」
なんだろう?この不思議な感じ。
まるでドリルが俺の腕の延長のように感じる。
「ん」
「ああ、悪いなんか変な感じがしてな」
一旦回転を止める。
なんだろう今の感覚は?
さっきまでの普通の小さかったコアドリルの時には無かった感覚。
例えるなら、俺の個性…旋回の力が、そのまま伸びてドリルまでつながっていくような不思議な感覚。
とりあえず試しにその感覚に従ってみる。
腕を回す時の旋回の力を、そのままドリルまで伸ばしていくイメージ。
カッ!!と何故か光が溢れた。
「………!回原!!!」
珍しい小大の叫び声!!
「ん?どした小大…って!!!」
「ん!!!!!」
「なんじゃこらああああ!!!!!!!!」
光の発生源。つまり俺の手の辺り。
コアドリルと!!俺の腕が!!!!
なんと一体化している!!!!
俺の手のある部分がそのままドリル!!!!
「何で!ドリル何で!!!」
いやいやいやいや!!!
なんだこりゃ!!!
さっきまで普通に手でドリル持ってたのよ!
んで!今何で俺の手がドリルになってるのさ!!!!
『試験一旦中断!!!!回原!!!大丈夫か!!??』
ブラキン先生のストップが入る。
どうも映像で俺の手を確認したらしい。
そら止めるよな。
『回原!一体どうしたその手は!!!大丈夫なのか?』
「とりあえず大丈夫です。すぐすぐ命の危険とかあるような感じではありません」
声で伝わるのか?
小型無線が向こうにも繋がってるのかな?
それなら話せるな。
ブラキン先生に言われるまでもなく、色々自分なりに調べて見る。
ドリルは、まるで自分の体の一部みたいに馴染んでいた。
元々最初からそうだったみたいに。
そこで、俺は個性の力をまだドリルに繋ぎっぱなしだった事に気づいた。
試しに、その力を止める。
「……元の手に戻った…」
「ん」
すると、俺の手は元の手とドリルに分かれていた。
自然な状態である。
『回原。こちらでも状況は確認した。大丈夫か?身体に異常はないか?』
「大丈夫です」
『一度訓練を中止するか?』
「いえ大丈夫そうです。体調に問題はないです」
『…わかった。何かあったらすぐ中断するからな。後、そのドリルはこの対戦では使用禁止だ。離れた所に置いておくように』
「わかりました」
『よし!それでは訓練再開!!』
「ん」
「ああ、心配ない。とりあえず作戦だけど…」
先ほどの打ち合わせ通り。
素手で天井を破壊し、小さくした核を屋上に運ぶ。
屋上の入り口から離れたところに核を設置する。
小大は核の近くで待機。
俺が同じ屋上の入り口近くでヒーロー組を迎え討つ方針だ。
特殊な動きが出来る黒色を小大が警戒。
拳藤は普通に階段登って上がってくるだろうから、それは俺が対処する。
後は軽い打ち合わせを行う。
俺が拳藤を落とし、残った黒色を捕まえる。
「…それでは!対人戦闘訓練スタート!」
オールマイトの声で、訓練が始まった。
しばらくは待機。
やがて…
「なんかよくわからないけど、大丈夫なんだね回原?」
しばらくすると、拳藤が階段を昇り上がってきた。
少しこちらを心配そうに見ている。
周囲に黒色は見えない。
が、間違いなく何処かに潜んでいるだろう。
「ああ悪い。心配かけたな。でも大丈夫だから遠慮しなくていいぞ」
「そう…なら!遠慮なく!」
拳藤がこちらに走ってくる。
俺との一対一がお望みらしい。
個性 大拳
手を大きくするという、シンプルだが強力な個性。
その大きくした手で俺に突きを放つ。
同時に!
「黒色!今だ!」
拳藤の影から黒色が飛び出した!
個性 黒
影等の黒い物に溶け込める強力な個性!!
俺を迂回するルートで核へと向かう!
拳藤が俺を足止めし、黒色が核に向かう作戦のようだ。
小大は黒色と相性が悪い。
物を大きくすると影も当然大きくなるからだ。
影に潜める黒色は、小大の天敵。
一対一なら黒色が勝つという拳藤の判断だろう。
だから、後は拳藤が俺さえ抑えればヒーロー組の勝ちとなる。
…甘いな拳藤一佳。
そう簡単に俺を抑えられると思うなよ!
拳藤の突きを躱しながら、体の内側に入り腕を取る。
俺は、女性は殴らない。
敬愛する師の主義を、俺も受け継いでいる。
なので、もっぱら対女性では投げ技を多用する。
背負い投げ
ただし、このままだと拳藤を地面に叩きつける事になる。
ので、拳藤を背負いで担いだ瞬間全力で跳躍する!!
「きゃっ!」
「おおお!!!」
背負いの勢いを更に加速!!
そのまま空中で一回転!!
「そおおおいいい!!!!」
真下でなく真上。
真上に拳藤を空中回転一本背負い投げでぶん投げる!!
「からのドリルハリケーン!!!」
「きゃあああああ!!!!」
案外可愛い悲鳴あげるんだな拳藤も。
空中の拳藤を更に竜巻で上空に飛ばす。
「拳藤!くっ!!」
「ん」
後は黒色だ。
拳藤はしばらく降りてこない。
小大が投げる石、それも個性で途中で大きくなる石を個性で影に潜り掻い潜り核に近づいていた黒色。
黒色が、後少しで、核に手が届く!!!
「ん」
「な!?」
そこで小大だ。
核を小さくし、それを手に取ると俺の方に走って避難してくる!
「しまっ!」
黒色が気付いたが、もう遅い。
核の周りはあらかじめ、黒色が影に潜らないように影が無いようにしている。
その黒色に高速で背後から近づき手刀で気絶させる。
「小大、黒色捕まえといてくれ。俺は拳藤回収してくる」
「ん」
黒色を小大に任せ、まだ空中の拳藤を助けに俺は両足から竜巻を起こし飛び上がる。
拳藤は空中でくるくる周りながら周囲の様子を観察し、無事に降りる方法を考えているようだった。
「回原!!」
「じっとしてろ、動くな」
そう言って拳藤の動きを制すると、ピタッと動きを止めた拳藤を
「きゃっ!」
「よっと」
またまた可愛い悲鳴。
そんな拳藤をお姫様抱っこする。
「…私が悪いから仕方ないけど恥ずかしいなあこりゃ…私の柄でもないし」
拳藤が顔を赤くし、恥ずかしそうにそう言う。
「そうか?さっきの悲鳴も可愛かったし、こういう可愛いのもいいと思うぞ俺は」
「回原…アンタからかってるだろ」
「軽くな。でも可愛いのも似合うってのはウソじゃないぞ」
はあ………
拳藤は軽くため息をつくと
「…もういいから早く降りよ。降りたら一発殴るけど」
「役得だしな。まあそんくらいは仕方ないか…」
プイっと拳藤は俺から顔を逸らしてそう言う。
耳がまだ赤いのでどうやら照れてる様子。
そんな拳藤を抱きながら、俺はゆっくり下に降りた。
見ると黒色を拘束した小大がこちらを軽く睨んでいた。
なんでやねん。
勝ったんだぞ俺達さ。
そんな睨まないでくれよ…
そうして、この勝負は俺達の勝利で終わった。
でもさっきの謎の現象。
俺の手とドリルが一体化していた。
あれは一体、何だったのだろう…
そんな謎を残し。