回原のドリルは天を貫く   作:のりしー

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調整もあり短め。


戦いの後に

A組対B組の戦闘訓練は俺たちB組の勝利に終わった。

 

「まずは全員お疲れさん。今回の対戦結果だが、A組は確保0。B組は確保10。切島と鉄哲のダブルノックアウトが1という結果に終わった。大きく差が開いてしまった訳だが……こういう結果になったのは、両クラスがこの対戦に臨むにあたっての気構え・準備の差が大きく影響したと思う。何も特別な準備をせず、ただただ真っ正直に対戦に臨んだA組。A組対策をしっかりと練り作戦として実行したB組。その姿勢の差が大きく結果として現れたな」

 

「初戦の小森の件もそうだが、真っ正直に正面から戦う事が悪い訳ではない。しかしより治安が悪化しヴィランの活動が活発化している今、正攻法だけでなく策を弄してくる相手への対応能力を高める事は必要だ。自分が今後戦うかもしれないヴィランが、自分の嫌がる事を、長所を封じる様にして戦いを挑んで来る事もあるだろう。常にそういうイメージを持って今後の訓練に臨んで欲しい」

 

相澤先生とブラキン先生の総評。

そして心操がおそらく2年からヒーロー科に編入になるという話。

 

そういった話で締め括り、A組対B組の戦闘訓練は終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おいデク!!例のブツはちゃんと準備出来てるんだろうなぁ!!」

 

「うん!もちろんだよかっちゃん!!泰山印の特製豆板醤ほか各種調味料!!全てちゃんと準備してあるよ!!」

 

「よし!ドリル!!」

 

「おうまかせろ!!レシピは完璧だ!!作るぞ!!俺たちの手であの泰山の麻婆豆腐を!!!」

 

 

「「「「「ぎゃあああ!!!やめろ!!『ヤア!ボクジゴクマーボーコンゴトモヨロシク!!』みたいな極悪刺激物を寮内で作るんじゃねえ!!!!!」」」」」

 

 

んで夜。

A組の寮に俺達B組のメンバーがお邪魔しての交流会。

物間みたいに来たくない奴は来なかったけど、まあ結構な人数のB組メンバーがA組の寮にお邪魔していた。

 

訓練中芦戸にセクハラしたらしい峰田がまあまあハード目の折檻を受けていたりするが、まあ全体的に楽しそうに交流している。

 

んで、トンガリのリクエストもあり、実はあれ以来A組B組双方の寮で試行錯誤して試作していた泰山の麻婆豆腐を作る事になった。コイツこうでもしないと交流会に顔出さないだろうしなあ。

 

『皿から立ち昇る湯気で目が痛くなる』

 

等とどちらの寮でも好評だった為、既にある程度皆この麻婆豆腐については知っていたりする。うん好評だよね。うんきっと。

 

「……ん」

 

「……けろけろ。小大ちゃん……私、思った事は何でもすぐに言っちゃうの。いくらなんでも今あそこには近づかない方がいいと思うのよ。あそこは危険よ。あれは魔界への入り口なのだから」

 

「ん」

 

「……そうですね。やめておきなさい唯。あれは悪しき食べ物です。何であんなモノの存在を主は許容されるのでしょう……」

 

「けろ。知っているのね塩崎ちゃん」

 

「……はい。あの駄犬が珍しく私を食事に誘ったかと思えば……連れて行かれた先があの噂の泰山でしたから……」

 

「「「「…………」」」」

 

塩崎のその、苦虫を噛み潰したような渋い顔。

……それを見た葉隠が、どこからともなくホイッスルを取り出し『ピッ!!』と強く短く吹く。いやホントどこから出したんだ不思議だわ。

 

「A組B組女子全員!!集合!!これより審議に入ります!!」

 

その葉隠の呼びかけにA組B組女子全員がぞろぞろと集まり……トンガリを見ながらひそひそと何かを話し出す。

 

「……けっ!」

 

それを見て舌打ちするトンガリ。

 

「……えー、A組B組女子全員による厳正なる審議の結果をお伝えします『自分の好きな食べ物を相手にも気に入ってもらいたい、という気持ちは爆豪くんにしてはとても可愛いのだけど、泰山の麻婆豆腐だけはダメ』という結論となりました。罰として爆豪くんは来週スイーツを塩崎さんにご馳走するように」

 

「外野がうっせーわ!!んなの知るかぁ!!」

 

女子連中の冷ややかな視線と言葉にぎゃーすか吠えるトンガリ。

 

(ねえ梅雨ちゃん!今爆豪くん『外野』って言ってたよね!!)

(けろけろ……間違いなく言ってたわねお茶子ちゃん。意識してるのかしてないのかはわからないけれど)

 

その姦しさを傍目に俺と緑谷は特製麻婆豆腐を仕上げていく。

 

「……なんか、もうすっかり大丈夫そうだな緑谷は」

 

料理を手伝ってくれてる緑谷にそう声をかけると緑谷は、

 

「……うん。なんか皆に迷惑とか心配とか色々かけちゃったけど……もう大丈夫だよ回原くん」

 

「「「「ぎゃあああ!!アイツラ!!注目が爆豪に集まってる間にしれっと料理続けてやがった!!!」」」」

 

食欲をかき立てる刺激的な香辛料の香りが広がり、皆の注目を広く集める。

そんな欲しがんなよ。もう少しで出来るからさ。

 

「……回原、緑谷……俺も一皿もらっていいか?」

 

「轟か」

「轟くん」

 

そしてその匂いに誘われて轟がこちらに来た。

 

「俺は……皆に比べて色々遅れている。だから……だから、俺は少しでも皆に、お前達に追いつきてえんだ」

 

「「「「違え!!違えよ轟!!!」」」」

 

「「「「そこは追いつかなくていいんだよ!!」」」」

 

その轟の様子を見て「へっ!」とトンガリが不敵に笑い、

 

「よお半分野郎……テメエも……食うんか?」

 

それに轟が笑い、

 

「ああ……俺も食うぞ!!そして!そしてお前達に追いついてみせる!!」

 

「「「「ぎゃあああ!!!!やめとけって轟ぃ!!!!」」」」

 

「「「「それ別に強者への入り口とかじゃねえんだよぉ!!!!」」」」

 

「ああ!!食べよう轟くん!!この特製麻婆豆腐を!!」

 

「よっしゃ!!出来たぞぉ!!食うぞ轟!!」

 

「ああ!!食うぞ回原!緑谷!爆豪!!ここが俺の!俺達のヒーローアカデミアだ!!!」

 

「「「勝手に皆を混ぜるなぁ!!」」」

「「「てか絶対それ言いたいだけだろ轟ぃ!!!」」」

 

「けろけろ……そのフレーズ、気に入ったのね轟ちゃん」

 

「ん」

 

「……辞めときな唯。それに好物のトマト持っててもお守りにもならないよ多分……あの辛さはマジでヤバイ……」

 

「うひゃー拳藤さんもチャレンジしたんやねぇ。私もデクくんにちょっとだけもらったけど無理やった……」

 

「気持ちわかるよ麗日。あれ素人の食べるもんじゃないだろ絶対……食べるのに免許いるみたいな特別な何かだよ」

 

「同意します一佳。あれは真っ当な人間の食べるものではありません……お行儀の悪い話ですが……口に入れた瞬間、思わず駄犬に向けて吹き出してしまいました……」

 

「けろけろ……私、思った事はすぐに何でも言っちゃうの。塩崎ちゃん。それはある意味爆豪ちゃんにとってはご褒美なのではないかしら?」

 

「……そう、なのでしょうか?……その後駄犬らしくマジギレしてましたが……」

 

そんな感じで楽しく交流会の時間が過ぎていった。

色々な所で色々な楽しい交流が行われていた。

個別で飯食ったりはあるけど、こういう感じでやるのは初めてかもしれないもんなあ。

 

……いや、あの苦々しい記憶である夏の林間合宿もそうだったかな?あん時も女子はいなかったけど楽しく交流会みたいなのした気がする。

 

「何だ!!何なんだこの辛さは!!ヤベェ!!痛ぇ!!だが!!だが口元に麻婆を運ぶレンゲが止まらねえ!!」

 

「いいじゃねえか!!わかってきたな半分野郎!!」

 

「そうだよ轟くん!!これが!!これが良いんだよ!!最初の辛さを乗り越えた後のその感じ!!僕たちはこれに魅了されているんだ!!」

 

「来たな轟!!まだまだおかわりもあるぜ!!さあ!!食おうや!!」

 

「おう!!」

 

「「「「ぎゃあああ!!轟も地獄の麻婆豆腐にはまりやがったぁ!!!」」」」

 

楽しい……とても楽しい時間だった。

 

……こんな楽しい時間が、これからも何時までも続けばいいのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side物間

 

「はいわかりました……こちらでも泥花市の調査を継続します。お話を聞く限りもう完全にクロでいいと思いますが……え、そんなのわかってる?はいすみません……後は情報の深度やら精度。後は可能なら中堅くらいにスパイでも仕込めですって?相変わらず無茶な……もう総督の方では仕込みは終わってるんですよね?何故僕まで……いえすみませんこれもまた修行って事ですね。わかりました。やってみます。ではまたご報告の時に。失礼します」

 




同級生とアオハルアオハル出来るのが嬉しくて例のフレーズ連呼しちゃう轟くん!!いいと思います!!
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