グルメウマチューバー:ライスシャワー   作:ちいさな魔女

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マックイーンやトレーナー達との決着の話・前編です。タイトル通りの料理を出します。次回は銀の匙のスカイツリー豚丼。一回動画で見ましたけど、あれはヤバいですよね。スタミナは付くかもしれませんが、あれは若くても普通に胃もたれしそう……。だから、私なりのアレンジもしますが。


ウェルカム・バック・トゥ・ホグワーツプレート

ライスは朝起きた後、歯磨き後に朝食を済ませ、学園に行く準備を整える。休日も朝起きてから歯磨きと洗顔を済ませて、朝食を食べるのだ。

 

美容師「Good Morning!おはようございマース!」

 

掃除婦「おはようございます。今日もよろしくお願いしますね」

 

ライス「うん。仕事以外は好きに過ごして良いからね」

 

勤務に来たスタッフに挨拶を済ませ、ライスは私服に着替える。これから新作のゲームを買い、映画の新作も観にに行くのだ。転生し、ライスに憑依してから、お金には殆ど困っていない。貯金もしてるし、税理士や会計士にも管理を任せている。病気や怪我の心配は無いが、お金は多くあって損はない。小遣いも貯めているので、欲しいゲームや本も買える。本は絵本だけでなく、漫画もきちんと買っている。小説はあまり読む気になれない。これも前世の影響だろう。電子書籍も便利ではあるが、やはり紙の本は其処にある安心感がある。

 

しかし、今回はいつもと違っていた。

 

メイド「おはようございますお嬢様。早速ですが、メジロ家からリムジンが来たんですが、メイドの方々から招待状を渡されました」

 

ライス「メジロ家から?見せてくれる?」

 

出かけようとした時、玄関から来たメイドが手紙を渡してきた。

 

ライス「なんだろう?またコラボ撮影かな?」

 

ライスは封を開けて、中の紙を取り出して確認する。

 

その内容はライスを驚かせた。

 

此処からは、手紙の内容を出来る限り要約したものだ。

 

1:メジロ家に来て欲しい

 

2:マックイーンがライスを待っている

 

3:詳しい事はメジロ家に来てから話す

 

4:詳しい事は省くが、ライスシャワーがかつて出走した菊花賞、天皇賞・春、宝塚記念の事が書かれている

 

5:貴女の友達も待っている

 

6:この手紙はメジロ家に来るまで、一切公表しない事。そして、こちらで処分するのと事

 

要約するとこの様な内容だ。実際は丁寧な言葉で書かれている。

 

ライス「………そうか。マックイーンさんもなんだ」

 

ライスは手紙の内容から、事実を大方察した。マックイーンも思い出したのだ。なので事実上、マックイーンもブルボン同様二周目の記憶持ちになる。

 

しかし、友達も待っているとはどういう事だ?自分の通ってる学園のクラスメイト?確かにクッキングラットは友達だ。彼女も来てるのだろうか?しかし、含みのある言い方だ。

 

まさか、他にも前世の記憶を思い出し、ライスに会いたがっているウマ娘が居る、とでも言うのだろうか。

 

シャワーやブルボンから全て聞いた時は、あまりにも救われない最後に哀しくなった。ライスシャワーに罪はないのに、何故彼女は其処まで辛い人生を歩ませるのか。三女神が本当に居るならば、残酷な運命を歩ませた彼女達に文句が言いたい。そして、取り返しのつかない事になってやっと動いた、トレセン学園自体にも怒りが込み上げてくる。シャワーはいくらアスリートでも、彼女は未成年の学生なのだ。心が歪んでも可笑しくない。

 

ライス「せめて何か支援位してあげたら良いのに……」

 

やはり自分はライスシャワー本人とは違う。こんな時ならライスは、自分が悪いと言える聖人君子だ。しかし、自分は違う。逆恨みと分かってても、やはり三女神やトレセン学園に対して怒りが湧いてくる。

 

ライス(ああっ、ダメだ。しっかりしろライスシャワー!)

 

ライスは自分の両頬を素手で叩く。

 

パチーンッ!という音に、スタッフ達は驚く。

 

メイド「お嬢様!?」

 

整備士「ちょっ!?大丈夫!?どうしたのよ!?」

 

ライス「………ううん。大丈夫。モヤモヤが取れたよ」

 

ライスは頬が赤くなったまま、外に出た。扉を開けて外に出ると、夏日の日光と蒸し暑さがライスを襲う。麦わら帽子を被り、外に出たライスを待っていたのは、黒いリムジンと隣に立つ初老の執事服を身に着けた男性であった。

 

爺や「お久しぶりですライスシャワー様。おや、その頬は?」

 

ライス「執事さん。お久しぶりです。大丈夫だよ。これはモヤモヤした気持ちを吹き飛ばす為に自分で叩いただけだから」

 

爺や「そうでございましたか……では、御屋敷までご案内致しますので、ご乗車ください」

 

ライス「ありがとう」

 

こうして、執事の案内で後部座席に乗ったライス。執事と共に後部座席に乗ると、リムジンが動き出した。

 

メジロ家の屋敷に向かって進むリムジンの中で、ライスと執事は会話する。

 

ライス「執事さんは、何か知ってますか?」

 

爺や「はい。私も全て覚えております。マックイーンお嬢様は後悔されております。天皇賞・春にて誹謗中傷を受け、クラスメイトからも嫌がらせを受けていたにも関わらず、何も出来なかった事を。そして、宝塚記念で転倒して二度と走れなくなって絶望した貴女が………いえ、この先は………」

 

ライス「大丈夫。もうその話は知ってるから。夢の中で出会った、もう一人のライスシャワーと、ブルボンさんから全部聞いたよ」

 

爺や「ッ!!そうでしたか………」

 

ライス「哀しんでくれたのは嬉しいよ。でも、もう引き摺ってほしくないよ。だから、マックイーンさん達にもきちんと言わないと」

 

爺や「ホッホッホッ。それは頼もしいですな」

 

執事は安心した。会話の中で違和感を感じたものの、ライスシャワーが語った引き摺ってほしくないという思いは、彼もずっと抱いていた思いだった。

 

執事「でしたら、今日は素晴らしい日になるかと」

 

ライス「うん。そうだね」

 

こうして、二人の会話をBGMに、リムジンは走り続けた。

 

ライス「あっ、屋敷の前に市場に寄ってください。食材を色々買いたいんですけど」

 

爺や「おや、何かご馳走を作るのですか?」

 

ライス「はい」

 

――――――――――――――――――――――

 

リムジンは屋敷の前に辿り着き、二人は扉を開けて降りた。

 

ライス「久し振りに来るなぁ」

 

あの時は高校1年だった気がする。それから2年も経過したのだ。

 

門を潜り、広い中庭に入った後にメイド達が「ようこそお越しくださいました。マックイーンお嬢様がお待ちです」と挨拶をした後、屋敷まで案内してくれた。

 

メイド達も何処か哀しげな雰囲気だ。

 

ライス「……メイドさん。もし前世の事なら、ライスは気にしてないよ。今が幸せだから」

 

メイド「ッ!そうでしたか……そのお言葉、お嬢様方にも聞かせてあげてください」

 

ライス「やっぱり……メジロ家全員が思い出したのかな」

 

メイド達も思い出していたのは予想外だ。

 

そして、屋敷に着いた後にメイド達が扉を開ける。

 

そして、メイドや執事に促されたライスは扉を潜る。

 

ライス「お邪魔しま――」

 

ウララ「ライスちゃーん!!!」

 

ライスが扉を開けて玄関に入った瞬間、突然一人のウマ娘が自分に抱き着いてきた。その勢いに押される、事は無かったものの、身体が後ろへ傾いた。

 

ライス「わっ!?な、何ッ!?」

 

ライスは後ろへ片足を出す事で倒れずに済んだが、抱き着いてきたのは誰なのか、確認する。すると、そのウマ娘の正体に驚愕する。

 

ライス「ウララちゃん?」

 

それは、交流会で出会ったウマ娘であり、前世の記憶でも元気ハツラツで皆に愛される存在、ハルウララであったからだ。そして、ウマ娘プリティーダービーでは、ライスの親友でもあった。

 

この世界では少し話した程度でしかなかったにも関わらず、何故か此処にウララが居た。

 

ウララ「ごめんなさい!!ごめんなさい!!ライスちゃんが苦しんでたのに励ますだけしかしてあげられなくてごめんなさい!!転んで走れなくなった時、もっと側に居てあげられなくてごめんなさい!!一緒に居てあげられなくて、ごめんなさい!!もうライスちゃんと離れたくない!!ライスちゃん居なくなってほしくない!!何もしてあげられなくてごめんなさい!!ごめんなさい!!ごめんなさい!!ごめんなさい!!」

 

ライス「……もしかして、ウララちゃんも思い出したの?」

 

ライスの問いにウララは答えない。ただ泣きながら「ごめんなさい!ごめんなさい!」と謝罪を続けるだけだ。

 

ライス「ウララちゃん。ライスは大丈夫だよ。だから……涙が枯れたら、ライスをマックイーンさんの所まで案内してくれる?」

 

ウララは泣き続けたが、暫くすると泣き止んだ。涙が枯れたのか、目元が赤くなっている。

 

ウララ「ライスちゃん。また会えて良かった……思い出した時、ライスちゃんにもう会えないと思ったから」

 

ライス「大丈夫だよ。また会えたし、これからも永遠に別れる訳じゃないよ。これからもライス達は友達だよ」

 

ウララ「………うん!」

 

ウララは元気を取り戻した。

 

爺や「安心しました。ライス様とウララ様に何も無くて」

 

メイド長「ええっ。ではお二人共、マックイーンお嬢様の元へ案内しましょう」

 

ライス「うん。それに、これから作る料理もご馳走したいし、また厨房を借りて良いかな?」

 

メイド「ありがとうございます」

 

ウララ「こっちだよ、ライスちゃん」

 

ウララも交えて、全員に案内を受けるライス。その時、ライスはウララと手を繋いで歩く。広い廊下を通り、軈て大きな扉の前に立つ。

 

爺や「お嬢様方。ライス様をお連れしました」コンコンコン

 

マックイーン『どうぞ』

 

執事とメイドが扉を開ける。ライスはウララと手を繋いだまま、部屋に入る。

 

すると、その中央にあるテーブルにある多数の椅子に座っていたウマ娘達が、ライス達を向いた。

 

マックイーン「ようこそライスさん。いえ、こう言うべきでしょう。お久しぶりですわ、ライスさん」

 

奥の椅子に座るマックイーン。表情は哀しげな雰囲気だが、真剣な眼差しをこちらに向けている。

 

パーマー「や、やあライス……久し振りだね……」

 

ドーベル「そうね………ウララが飛び出したのは予想外だけど……」

 

ライアン「ライス……取り敢えず、座って休もう」

 

ライアンが席に座るよう促す。周りを見ると、アルダン、ブライト、ラモーヌ、そして当主の姿もある。更に、ブルボンだけでなくゼンノロブロイ、マルゼンスキー、キングヘイロー、に加えて二人の人間の男女の姿もあった。

 

テーブルの席には他にも招待客が居る。トレセン学園でも有名なチームスピカ、カノープス、リギルの面々も居た。彼等は何がなんだか分からない様子だった。彼等のトレーナーも含めて。しかし、ゴールドシップやキングヘイローは何かを知っているのか、ライスを見て気まずそうにしている。ゼンノロブロイやマルゼンスキーも同じだ。

 

ライス「うん」

 

ライスは下座側の椅子に座る。ウララは隣に座った。

 

お祖母様「さて……先ずは単刀直入にお願いしたい事を。貴女を招待したのは他でもありません。ライスシャワーさん。マックイーンと走ってください」

 

当主が口を開く。メジロ家の面々やゴルシ、キングにウララ、ロブロイやマルゼン、そしてブルボンを除いて全員が驚愕する。マックイーンがウマ娘とはいえ一般校の生徒と走る等、無謀どころではなかったからだ。例えるなら、走りが苦手な上に50メートル走もマトモに出来ない茶道部が、陸上選手に挑むようなものである。

 

確かにライスは過去に、無敗の三冠ウマ娘であるブルボンに勝った。しかし、マックイーンは次元が違う。いくら脚に爆弾を抱えていても、マックイーンは長距離走においてトレセン学園内でもほぼ無敵の実力だ。そうでなければ、最長距離の天皇賞・春を三連覇等、成し遂げられるはずが無い。ましてやライスは、レースは全くのド素人だ。本番のレースを走ったことは無い。この様な言い方は失礼だが、ライスの学園にはジムはあってもトレーナーは居ない。ジムを使うかは生徒の自由。スピカの練習法とよく似ているが、トレーナーが居るか居ないかの違いは明白だ。ただ鍛えるのと、トレーナーの指導で鍛えるのとでは、月とスッポンである。

 

ライス「良いよ。公式レースでないなら」

 

前世の記憶持ち以外『『ええええっ/何ッ!?』』

 

前世の記憶持ち以外が驚愕する。

 

お祖母様「………失礼を承知で尋ねますが、意外でした。もし断られたら、貴女の意見を尊重するつもりでしたが……」

 

当主もライスの最後を知っているようだった。初めて会った頃はそんな雰囲気は無かったが、今は思い出して気まずそうにしている。

 

ライス「その理由を話したいけど…………その前に……ブルボンさん。話して良いかな?」

 

ブルボン「……勿論です。私も覚えてる限り、二人きりの時に話した事を説明します」

 

ライス「ありがとう、ブルボンさん。皆、よく聞いてほしいの。ライスはね、皆の知るライスシャワーとは少し違うんだ」

 

マックイーン「えっ?どういうことですの?」

 

マックイーンは、ライスから出た言葉に驚く。確かに自分の知るライスとは違う点がよく見られる上に、通う学園も違う。それは確かに謎であった。

 

お祖母様「マックイーン。落ち着きなさい」

 

マックイーン「大丈夫ですわ、お祖母様。ライスさんの話、総て聞きますわよ」

 

お祖母様「なら宜しい。ライスさん、なるべく詳しく説明してください」

 

ライス「はい」

 

ライスはその後、この場に居る全員に、全ての真実を明かした。神様によって料理の知識や一生健康体を授かった上での転生、未来の自分が受けるバッシングやレースで負ける宿命に耐えられないと怖がって一般校に通った事、夢の中で本来のライスシャワーことシャワーと出会って友達になった事も全て話した。そしてブルボンと再会して、二周目の記憶持ちであった事に驚いた事も。そしてブルボンにも、自分の事を全て説明した事。

 

説明を聞いた時、マックイーンもウララも、ブルボンもメジロ家全員も、驚きと哀しみに満ちた顔を浮かべ始めた。自分達のせいでライスがそうなったと思い込んだからだ。

 

二周目の記憶持ちではないチームスピカ、カノープス、リギルも話を聞く内に哀しげな顔を浮かべ始めた。未来を経験したのは未だに信じられないが、それでもライス達が嘘をついてるようには思えなかったのだ。

 

ゴルシ、キング、マルゼン、ロブロイ、ブルボンも泣きそうな顔を浮かべていた。マックイーンやウララと同じ気持ちであるからだ。

 

ライス「………以上だよ。ライスはもう一人のライスシャワー、シャワーちゃんは前世の事を思い出したけど、自分が皆の幸せの青い薔薇になれなかった事を、そして皆に迷惑を掛けた事を、後悔してたよ。自分を責めてたんだ………でも、シャワーちゃんはライスに身体を譲った事を後悔してなかった。だからライスは、シャワーちゃんに出来なかった事を、そしてシャワーちゃんとは違うやり方で皆を幸せにしようとしたんだ。皆、黙っててごめんね。それと、シャワーちゃんの………本当のライスシャワーと会いたかったのに……ごめんなさい」

 

ウララ「ううん!謝るのは私だよ!だってライスちゃん何も悪くないじゃん!もっとしてあげたら良かったのに!私、ライスちゃんに何されても良いよ!何言われても、殴られても、全部受け入れる!」

 

マックイーン「ええっ!わたくしは貴女に何もしてあげられませんでした!申し訳ありません!わたくしは貴女に何を言われても、どんな暴力を受けても、それを自分の罰として甘んじて受けますわ!」

 

ライス「やめて」

 

ライスは二人の償いの提案を断った。

 

ライス「そんな事したくないし、シャワーちゃんも望んでない。仮にそうしたら、私は後で死にたくなるし、シャワーちゃんももっと自分を塞ぎ込むかもしれない。だからマックイーンさん。貴女との勝負、受けて立ちます」

 

ライスは当主の提案を受ける。

 

ライス「ライスがもし勝ったら、もうその事を引き摺らない事。そんな風に惨めな気持ちでウジウジしてる皆は嫌いだよ」

 

勝てるかどうかは分からない。でもやるしかない。公式レースではないが、全力でやる。

 

マックイーン「………そうですわね。何時までもウジウジしてはいられませんわ!ライスさんの条件、受けて立ちますわ!その代わりわたくしが勝ったら、ライスさんはトレセン学園に転入……とは言いませんが、学園卒業までの間はチームスピカのサポーターとして付いて頂きますわ!勿論配信活動は止めさせませんし、わたくしの方でもサポートしますわ。この方が、お互いに盛り上がるでしょう?」

 

ライス「良いよ。ライス、負けないからね」

 

マックイーンはハンカチで涙を拭った後、凛々しい顔付きに戻った。

 

負けてもライスは今の学園を辞める事になる訳では無いが、チームスピカにサポーターとして所属したら調理師免許取得まで時間が掛かってしまう。マックイーンなら上手く交渉してくれるだろうが、やはり自分の力で取得したいし、今の部活は卒業まで辞めたくない。

 

パーマー「アハハ………私達、完全に蚊帳の外だね」

 

アルダン「ですが、ライスさんやマックイーンが元気になられたのなら、私達も何時までも引き摺る訳には行きませんね」

 

ライアン「うん!元気が一番だね!」

 

ブルボン「はい。私ももう引きずりたくないのです。ライスが幸せなら、私はライスの意志を尊重します」

 

そして、他の者達も反応を見せた。

 

沖野「話は聞いてたけどよ。マックイーンなら負けないって信じてるぜ。なにせ俺達スピカの、代表ウマ娘だからな!」

 

スペ「はい!マックイーンさんの勝利を信じています!」

 

テイオー「ライスが強いのは知ってるし、ボクも走ってみたいよ。もしマックイーンの後でまだ走れたら、ボクもライスと走ってみたい」

 

ハナ「話は未だに信じられんが、見届けさせてもらうぞ」

 

ルドルフ「私も、あの日に見たライスシャワーの実力に興味ある。勿論、君がトレセン学園にそれでも行かないなら、君の意志を尊重しよう」

 

グルーヴ「会長の言う通りだ。貴様が決めるんだぞ」

 

ヒシアマ「まっ、気楽になりなよ」

 

ライス「皆さん……ありがとうございます。お昼ご飯、もし良ければライスが作ります。レース後も、ライスがご馳走しますね。丁度作るための材料も買い揃えましたし」

 

ライスは鞄の中から食材を取り出し、中身を確認する。

 

ライス「お昼ご飯、楽しみにしててね」

 

ライスは執事の案内で厨房へ通してもらい、其処で料理を開始する。足りない分は分けてもらいながら、料理を作り上げた。

 

―――――――――――――――――――――――

 

ライス「お待たせしました!本日のメニュー、『ウェルカム・バック・トゥ・ホグワーツ!プレート』です!」

 

昼飯の時間帯に、ライスは執事やメイド達と共に料理を運んで来た。皿に乗る料理は、ローストビーフ、ミニ糖蜜タルト、大鍋のようなカップのスープといった、正に魔法の世界の料理であった。

 

マックイーン「まあ!これ、『ハニー・ポッター』エリアのお料理ですわね!」

 

スカーレット「凄い!ライスさん本当にお料理上手ですね!」

 

ヒシアマ「にしてもまさか、有名な『ハニー・ポッター』から料理を編み出すなんてな!参っちまうよ!ライスの料理は配信でも見たけど、やっぱ敵わないねぇ!」

 

ライス「あ、ありがとうございます……」

 

席に座ったライスは、顔が熱くなるのを感じた。

 

ライス「じゃあ、食べましょう!せーの……」

 

全員『『いただきまーす!』』

 

料理を食べ始める。

 

グラス「ズズ……まあ、このスープ!ポロネギとポテトの味わいに加えて、ハーブも入って素晴らしい味わいです♡ミントも飾られて、見た目も素晴らしいです♡」

 

フジ「アムッ……ムグムグ……このローストビーフ、筋っぽさが無い!食べやすくて噛み応えもある!美味しいよライス♡」

 

スズカ「まあ♡可愛いタルトね。タルトの上にトッピングとして、レモンクリームに苺、ブルーベリーとチョコレートプレートのホグワーツ紋章が乗ってるのね♡」

 

ネイチャ「モグモグ……美味しい♡こんなタルト、食べた事無い♡」

 

タンホイザ「フルーツの甘みと食感が、小さな糖蜜タルトとバランス良くあいますぞ!小さい分より楽しめます!」

 

南坂「ライスさん、素晴らしい腕前です。動画もよく見ますが、多くのウマ娘が虜になる筈です」

 

ライス「ありがとうございます。ライス、作った甲斐があるよ♡ハムッ……ナポッ……んん♡美味しい♡」

 

ライスは照れながらも、ローストビーフを口にする。

 

この日のメニューは全員を満足させ、レース前の腹ごしらえとして充分であった。

 

―――――――――――――――――――――――

 

14:40

 

いよいよ始まる、ライスとマックイーンの対決。

 

ライスは更衣室にて、私服から体操着に着替えようとした、その時だった。

 

ドーベル「ライス、入って良いかしら?」

 

ドーベルが扉越しに話してくる。

 

ライス「良いよ。どうしたの?」

 

ドーベル「失礼するわ」

 

扉を開けると、箱を持ったドーベルだけでなく、パーマーも入って来た。それも、パーマーは勝負服を身に着けた姿で。

 

ライス「ドーベルさんにパーマーさん?」

 

パーマー「ウェーイ!アタシも走るよ!やっぱりライスと走ってみたかったしさ!それに、ライスもアタシにリベンジ出来るじゃん」

 

ライスの記憶が確かなら、ライスシャワーは確かにメジロパーマーに何回か負けていた。そのリベンジを自分がやるというのも、なんだかエモい気がしてきた。

 

ライス「それは良いけど、どうして勝負服なの?公式レースじゃないのに」

 

パーマー「分からない?君と全力で走れるんだよ。気合いを入れる為に、わざわざ勝負服を引っ張って来たんだ。それに、メジロ家から君に、あるプレゼントもあるよ」

 

ドーベル「ほら。これよ」

 

ドーベルは箱を開けて、中にある衣類を取り出した。

 

ライス「えっ!?それって………」

 

ライスは、ドーベルが取り出した衣類、もとい衣装に驚愕した。何故ならそれは、ライスシャワーの本来の勝負服だからだ。

 

『青地、茶襷、赤袖』がモデルとして、紺色を基調にした、ウエディングドレスを思わせるデザイン。肩が露出しているオフショルダータイプで袖の色はワインレッド。所々に黒いレースが施されており、胸元にはアクセントとして青薔薇が、腰の後ろには巨大な黒いリボンがついており、腰には短剣が付いたホルダー付きのベルトを着けている。足元は薄手の茶色のニーソックスで、靴はヒール付きの婦人靴。そして、本来ライスシャワーが頭に被っていた帽子、『オリィザ』であった。ライスシャワーに転生してから被る事は無く、頭に時々被る程度でしかなかった。それをなんと、メジロ家が用意してくれたのだ。

 

ライス「『ローゼスドリーム』………まさか、こんな形で再会するなんて」

 

パーマー「ライスにはやっぱり、これが一番似合うよ。あのエプロンドレスも綺麗だけど、ライスはやっぱりこれでないとね」

 

ライス「………ありがとう。ローゼスドリームさん、オリィザさん………もう一度ライス達に、力を貸して!」

 

ライスはローゼスドリームを受け取ると、早速着替え始めた。ドーベルやパーマーに手伝ってもらいながら、なんとか勝負服を着込んだライス。

 

そしていよいよ、マックイーンとのレースに向けて、ライスは歩き出す。場所はメジロ家所有の芝レース場。お互い全力を出せるよう良バ場である

 

ローゼスドリームを着たライスは、ドーベルやパーマーと共に、マックイーンの待つレース場に向かうのだった。

 

――――――――――――――――――――――

 

レース場に着いた。マックイーンもかつての勝負服を身に着けている。エンド・オブ・スカイではなく、本来の勝負服であるエレガンス・ラインであった。ゴシックな印象の黒いコートドレスが大量のフリルで丸みのあるシルエットを形作っており、清楚な印象に反して大きく露出した両脚とのコントラストが目を引く勝負服である。

 

マックイーン「お待ちしておりましたわ。ライスさんはやはり、その勝負服が一番似合いますわ」

 

ライス「うん。でもなんか、パーマーさんまで参加するなんて思わなかったよ」

 

パーマー「アタシはマックイーンと久々に走れるし、ライスとまた走れるからね。気合いを入れる為に、全力を出させてもらうよ。勿論、アタシが勝ってもマックイーンと同じ条件だからね」

 

マックイーン「距離は天皇賞・春と同じ、3200m。リベンジとライスさんゲットを賭けて、勝負ですわ」

 

ライス「大丈夫。ライスは負けないよ」

 

3人はスタートラインに並ぶ。ゲートに入り、開閉の時を待つ。

 

ライス「…………」

 

マックイーン「…………」

 

パーマー「…………」

 

3人が静まりながら、走り出す構えを取る。

 

ガコンッ!!

 

ゲートが勢い良く開き、3人が一斉に走り出した。

 

ライスはマックイーンに勝つ為と、パーマーへのリベンジの為。マックイーンは二度とライスから離れない為。パーマーもメジロ家の誇りに掛けて。3人は再びぶつかり合うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブルボン「私も走りたかったです………」

 

黒沼「完治してないからな。併走はまた今度頼め」




料理名

・ウェルカム・バック・トゥ・ホグワーツ!プレート
原作:『ハリー・ポッター』シリーズを模したUSJのハリー・ポッターエリアに登場する、メインディッシュのローストビーフに魔法薬学のような鍋にはポロネギとポテトのスープ、小さな糖蜜タルトと温野菜が付いたセットメニュー。再現動画も見たけど文章で表現出来る自信が無かったので、今回は料理を出し、味の感想を述べるだけにしました。
尚、この世界ではハリー・ポッターではなく、某スレに登場した『ハニー・ポッター』となっております。まあ原作寄りではありますが、ハニーの性格はハニー側ですし、救いのある展開も多いです。但しヴォルデモート。テメェはダメだ。

不死身の血族が面白いそうですし、ルパン三世VS複製人間もリメイクすんのかな。
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