グルメウマチューバー:ライスシャワー   作:ちいさな魔女

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ジブリ飯の一つ、『天空の城ラピュタ』でシータが作ったシチューになります。ダンプリングは付け合わせです。

ジブリ飯ってなんであんなに美味しそうな描写が上手いんでしょうか。夜中に見たら絶対寝られませんよ。


シータのシチューとダンプリング

あれから一ヶ月が経過した。季節は既に冬の季節。世間ではジャパンカップに出走予定のトウカイテイオーの話題や、12月後半に行われる年末最後の大舞台、有マ記念や東京大賞典で盛り上がりを見せている。

 

そんな中で、ライスも次の撮影に使う食材の買い出しに来ていた。今回作る料理は、寒い季節には食べたいシチューであり、ライスが前世で見た大好きな作品に登場する料理だ。

 

ライスはこの一ヶ月で、動画投稿も順調に続けており、後少しで金の盾が授与される。確定申告もずっと前に完了してるので、ライスの稼ぎは今後も安泰だ。

 

ライス「ビーフシチュー……牛肉を厚めにしても良いし、野菜も一口サイズにしたら……良いなぁ♡楽しみだなぁ♡」

 

ライスが来ているのは市場だ。下手なショッピングモールよりも、優しい人や面白い人の多い市場の方が性に合っているのだ。それに何より、美味しい物が多い。ライス個人の感想ではあるものの、市場でしか得られない特産物もあるのだ。

 

ライス「すみませーん。牛すね肉くださーい」

 

肉屋の女将「はいよーライスちゃん!いつもありがとね!」

 

肉屋の女将が牛肉を売り、ライスがお金を払う。

 

ライス「お野菜くださーい!」

 

八百屋の店主「はいよー!」

 

八百屋でビーフシチューに使う野菜を買うライス。

 

ライス「えっへへ〜。これなら大盛りの野菜が作れるかも!」

 

ライスはウキウキの気分で市場を抜けようとした、その時だった。

 

ライスは出っ張った煉瓦に足を躓かせ、その場で転倒してしまう。

 

ライス「キャッ!!」

 

ライスは前のめりに転倒してしまうが、更に悪い事が起きてしまう。袋に入れた人参やトマト缶が散乱し、トマト缶が転がってライスから離れてしまう。

 

ライス「ああっ!」

 

ライスは急いで袋に入った人参を拾うが、トマト缶だけが転がって行ってしまう。

 

すると、とあるウマ娘の足に当たってトマト缶が止まる。

 

???「ん?これは、トマト缶?」

 

そのウマ娘は、銀髪の芦毛のウルフカットのロングヘアで頭頂部だけが黒いウマ娘だ。淡い丸模様が描かれた白生地シャツにベージュ色の羽織、ライトブルーのジーンズを身にまとっており、田舎っぽい雰囲気の似合うファッションだ。更に寒さ対策として、差し色がブラウン黒のジャンパーを身に纏っていた。彼女はトマト缶を拾った後、転がって来た方向を見る。

 

???「君は……ライスシャワーか?」

 

ライス「えっ?あ、うん。貴女はもしかして、オグリキャップさん?」

 

オグリ「ああっ。これ、君のだろ?落としたぞ」

 

オグリはライスの元に歩み寄り、手にしたトマト缶を渡す。

 

ライス「あ、ありがとう。ライス、転んじゃってトマト缶とか転がしちゃって……」

 

オグリ「ああっ。実は私も、ウマ娘達と来てるんだ。私と共にトレセン学園に来た友達なんだ。それに、笠松のトレセン学園から遊びに来た友達も来るそう―――」

 

???「あっ、オグリちゃーん!もう、勝手に離れないでよー!」

 

オグリの隣に、小柄なウマ娘が駆け寄ってきた。オグリも彼女を見た時、ほんわかな目をした。

 

オグリ「すまないベルノ。美味そうな匂いがしてな」

 

ベルノ「もう、オグリちゃん。ん?貴女ってもしかして、料理配信してるグルメウマチューバーの、ライスシャワーちゃん!?」

 

ライス「う、うん」

 

ベルノ「すごーい!本物だ!私、ベルノライト!ライスちゃんの声や料理、大好きで何度も見てるんだ!トレセン学園でもオグリちゃんに作る料理が沢山出来て、すっごく参考になったんだよ!」

 

ベルノライトはライスの両手を握り、輝く目でライスを見つめる。

 

ライス「あ、ありがとう……」

 

オグリ「料理配信は私も見た。夜中に見てついお腹が空いてしまう。それで同室のタマにも迷惑を掛けてしまった」

 

ライス「それは知らないよ……でも、オグリさん達も見てくれて嬉しい!これから作る料理は大人数や大食いのウマ娘にも食べられる量だから、もし作る時には参考にしてほしいな」

 

オグリ「むぅ……ライスの料理は、是非食べてみたいな」

 

オグリが涎を垂らす。

 

ベルノ「もうオグリちゃんったら、長期の外泊届けは出したけど、今回は笠松の皆と久々に会ってお泊まり会する予定でしょ?」

 

オグリ「それは……だが……」

 

オグリのお腹から音がする。

 

ライス「あ、もし良かったら、ライスの所で泊まって行かない?お友達も連れてきて良いからね」

 

オグリ「い、良いのか?」

 

ベルノ「そ、それは悪いよ」

 

ライス「良いの。前にハイセイコーさん達やテイオーさん、マヤノさん達も泊めた事もあるし。何かゲームとかお菓子とかも持って、夜は楽しもうよ。ライスの施設、料理場だけじゃなくて、広い和室や客室もあるから。それに、オグリさんにも食べて欲しいからね」

 

オグリ「わ、分かった。君の好意に感謝する。ありがとう」

 

ベルノ「ありがとうライスちゃん!お菓子とかゲームとか、沢山持って来るからね!」

 

オグリ「ノルン達も呼ばないとな。皆もきっと来てくれる筈だ」

 

ライス「はい、これ。ライスの電話番号とメッセージアプリのアカウント。もし準備出来たら連絡してね。運転手さんやメイドさんが案内してくれるから」

 

オグリ「ああっ。宜しく頼む」

 

そして、ライスのメッセージアプリにオグリからメッセージが届き、運転手とメイドがオグリ達を迎えに行った。施設の大きさや内装の素晴らしさに驚くオグリ達と、勝負服を身に着けたライスの生の姿に、オグリ達が見惚れてしまう出来事が起きたのは、言うまでも無い。

 

因みにどんな状態か?

 

ライスの勝負服姿に頬を赤くするオグリ。目を輝かせてライスの両手を握るベルノ。鼻血を出して仰向けに倒れるミニーザレディ。白目を向いて気絶したルディレモーノ。「あーしはオグリが………ううう」と蹲るノルンエース。そしてフジマサマーチは「素晴らしい!」と素直に評価していた。

 

まあカオスかつ悲惨な状況だったのである。

 

―――――――――――――――――――――――

18:25

 

ー皆、待っててね…ー

 

(ささやかな祈り:オルゴールバージョン)

 

高速ステイヤー:ライスちゃんの配信、始まりますね

 

聖剣:今日は何を作るのかしら?

 

お祭り娘:楽しみだねダイヤちゃん!

 

願い叶える宝石:もうキタちゃん。配信で本名はNGだよ

 

3分後………。

 

ライスは『Yummy_Dreamy_Fairy』に着替えており、配信画面に姿を現した。

 

ライス『皆〜!こんライしゅだよ〜。グルメウマチューバーのライスシャワーでしゅ!』

 

ブロンズコレクター:こんライス〜

 

ターボエンジン:こんライスー!

 

大器晩成:こんライスですぞ〜

 

鉄の女:こんライスです

 

ライス『えへへ。ブロンズコレクターさん、ターボエンジンさん、大器晩成さん、鉄の女さん、いつも配信見に来てくれてありがと!四人とも、ライスの料理を見てくれていつも嬉しい♡ありがとね』

 

ブロンズコレクター:気にしなさんな〜。ライスの料理は参考になるしさ

 

ターボエンジン:ターボも料理始めたんだぞー!ご機嫌な朝食出来たぞー!

 

鉄の女:はい。それに、料理の作り方は参考になります。その上で、しっかりと管理して栄養が偏らないようアレンジもしております

 

大器晩成:実家でも採用してますので、今度ご招待します!ライスちゃん!私もありがとうございます!

 

ライス『えへへっ。それは嬉しいな。ライスをこんなに好きでいてくれる人達が居て……さて、今回の料理だけど、皆は寒い季節に食べたい物はあるかな?』

 

最強マイラー:やっぱり、ハンバーガーデスネ!

 

超大型ウマ娘:コーンスープとかもオススメだね!

 

白い稲妻:粉モンもええけど、やっぱシンプルに味噌汁が一番や!温まるでぇ!

 

漆黒の幻影:やはり……ホットコーヒーがオススメかと……あっ、飲み物ですが、色んな料理と合うんです……

 

最強咆哮娘:クレープとかどうよ?甘いし温かいし、スイーツも温かくて美味いしな

 

ライス『皆も色々温まる料理を知ってるんだね。今回ライスが作るのは、寒い季節にオススメな料理であり、ライスが大好きなジブリの作品に出て来たシチューだよ』

 

帝王:あっ!それってもしかして、ラピ◯タでシ◯タが作ってた奴だ!

 

変幻自在:あーあれかー!美味しそうだよねー!

 

ライス『もう分かったんだ!凄いね!ライスはこれから、美味しいシータのシチューを、ビーフシチューにアレンジして作っちゃうよ。それから、付け合わせのダンプリングも一緒に作るから、作り方はしっかり見ててね』

 

ライスは材料を用意して、配信画面に映した。

 

ライス『今日はお客様も沢山来てるんだよ。その一人が沢山食べるから、材料も多くなっちゃったんだ。じゃあ、先ずはビーフシチューから作ろっかな』

 

ライスは材料を用意すると、早速調理に取り掛かり始める。

 

ライス『先ずは野菜。ビーフシチューに使う野菜は人参、玉ねぎ、じゃがいも。これを一口サイズに切って、ゴロゴロ野菜に仕上げます。人参は乱切り、玉ねぎは1〜2cm幅にスライス。じゃがいもはしっかり水で洗った後に豪快に2等分にします。じゃがいもの芽はちゃんと取ってね。それから、今回のじゃがいもは皮の薄い方だけど、厚いなら2等分する前に切ってね』

 

ライスは野菜を一口サイズに切って、じゃがいもの芽を剥いた後にトレイに乗せる。

 

ライス『にんにくはみじん切りにします。初めてか苦手な人は、薄く切ってから縦横にスライスしてね。それから、マッシュルームも2等分にして切ります』

 

にんにくをみじん切りにした後、マッシュルームを2等分に切り分けたライス。

 

ライス『次に、牛すね肉を一口サイズに切ります。そしたら、塩胡椒を振り掛けて味付けします。この時、塩胡椒はお肉の量の1%位が丁度いいよ。まあ好みはあるから、好きにアレンジして大丈夫だよ』

 

ライスは牛すね肉を一口サイズに切り、塩胡椒を振り掛けて味付けをする。

 

コメント欄も、牛すね肉の見た目に唾を飲み込み始める。

 

ライス『それじゃ、野菜を炒めます。じゃがいも以外の野菜をフライパンで炒めますが、フライパンの上に大きめのバターを乗せて炒めます。バターを焦がしてしまったら、くっついちゃうからね』

 

ライスはフライパンをコンロに乗せると、バターを10gも乗せて加熱し始める。

 

ライス『それじゃ、野菜をソテーするよ!中火で全体がしんなりするまで炒めてね』

 

ライスはトングで野菜を動かし、焦げ付かないように炒めていく。

 

女帝:これは美味そうだな。学食にも採用するよう理事長に頼んでみるか

 

ライス『うん!それが良いと思う。それじゃ、野菜の表面に焼き色が付いてきたら、底の深い寸胴鍋にお引越し。元のアニメでは飛行船で作ってたね。ド◯ラさん曰く、空中海賊ド◯ラ一家は1日5回も食べるんだって。それなのに息子さん達はあんなに良い身体をしてたから、日々の鍛錬も忘れてないんだね。凄いよね。でもド◯ラさんは……まあ、不摂生が過ぎたかな』

 

帝王:なのにあんなに速く走れるんだよ?

 

変幻自在:それも、足場の悪い炭鉱で!凄いよねー!

 

ライス『ホントにそうだよね。ウマ娘でもあの炭鉱の中で全速力で走るのは厳しそうだよね。それも、体格の良い男の人達を抜き去ってるから』

 

ライスはトングで野菜を焼いた後、寸胴鍋にフライパンの野菜を投入していく。

 

ライス『それじゃあ、お肉を焼きます。先ず、さっきよりも大きめに切り取ったバターをフライパンに投入します。大体20g位と豪快にね。ある程度バターが溶けたら、みじん切りにしたにんにくをフライパンに入れて、香ばしいにんにくバターにしちゃいましょう。良い香りがするまで焼くんだよ』

 

ジュワアアアアアッ!

 

にんにくとバターの良い香りが漂い、ライスの表情も緩くなり始めた。

 

ライス『良い香りがしてきたから、此処でお肉を焼きます。表面こんがり焼き色が付くまでしっかりと焼いて、肉汁と旨味を閉じ込めます。此処で良いポイントは、肉の脂身と筋の部分は強く押し付けてしっかり焼く事。でも、あまり焼き過ぎると焦げちゃうからね』

 

女傑:焼き過ぎたら肉が硬くなる原因になるからね

 

影をも恐れぬ怪物:そうなのか?

 

ライス『うん。その通りだよ。勿論それが好きって人もいるかも知れないけど、やっぱりお肉は焼いた上で柔らかい方が美味しいとライスは思うな』

 

そして、ライスはワインボトルを取り出した。

 

ライス『ある程度焼けたら、赤ワインをたっぷり入れて煮ていくよ。お酒好きな海賊らしい味付けだよね。アルコールが飛ぶまでしっかり焼いて、味に深みを付けます』

 

フライパンで煮詰めた赤ワインとお肉。その光景に視聴者は虜になっていく。

 

ライス『お肉がワインと絡み合ったら、そのまま先程の寸胴鍋に丸ごと投入します』

 

フライパンの肉を、煮詰めた赤ワインやにんにくと共に投入し、フライパンに水を掛けて洗いながら次の食材の準備に入る。

 

ライス『じゃあ次は、粗越しトマト缶の中身を全部投入します。空中海賊である以上、保存の効く食材がある方が良いよね。だからトマト缶も貴重な食材だよ。そしたら、デミグラスソース缶の蓋も開けて、中身を全部投入します。デミグラスソースのコクと、トマトの旨味と甘味、堪らないよね♡』

 

ライスはトマト缶の蓋を開けて、中身を全て寸胴鍋に投入した。更に、缶切りを使ってデミグラスソース缶を開けて、中のデミグラスソースを投入した。

 

ライス『そしたら寸胴鍋に蓋をして、弱火で30分から1時間加熱して煮込んでいきます』

 

ライスは寸胴鍋に蓋をする。

 

ターフの演出家:これは良いね。私も作れるかな

 

小さな天才少女:赤ワインは流石に手に入りませんが……

 

ライス『そうだね。本来なら未成年のライスも買えないんだけど、お手伝いさん達が取り寄せてくれたんだよ。それより、煮込んでる間にダンプリングを作っていくよ。イギリスのシチューでは、小麦粉を丸めて作ったダンプリングっていう料理もあるから。それじゃあ、早速作っていくよ』

 

ライスは材料を準備して、料理に入り始める。

 

ライス『薄力粉、ケンネ脂っていう牛の脂、タイム、ベーキングパウダー、水をボウルに少しずつ入れてこねます。ある程度固まるまでこねたら、広いスペースかまな板の上で少しこねます。パンを作るみたいだよね』

 

ライスはダンプリングの元をラップして寝かせた。鍋の様子も確認しつつ、ダンプリングの様子を見る。

 

ライス『これにラップしてある程度寝かせたら、麺棒でしっかりと伸ばします。伸ばしたら、四角の形になるよう形を整えましょう。あっ、これはライスの独り言なんだけど、ラピ◯タの舞台はイギリスみたいだし、付け合わせでダンプリングが合うと思ったんだ。それに、小麦粉をしっかり練ればダンプリングになるからね。日本のすいとんも同じだよ』

 

大器の英雄:ナンみたいですね

 

ライス『あれはパンかな…』

 

コメント欄:wwwww

 

コメント欄が爆笑に包まれた。

 

ライス『それじゃあ、包丁で縦向きの3等分に切るよ。今日は人数も多いから、あらかじめ寝かせておいたダンプリングの元を沢山使うね』

 

ライスはダンプリングの元を縦向きに切り、3等分にする。その後、細かく切って一口サイズにする。

 

名優:この前もそうでしたけれど、ライスさん本当に手際が宜しいですわ!

 

万能オタク娘:料理してるライスしゃん!なんと尊くて美しいでしゅ〜♡

 

ライス『ありがとう。それじゃあ、キッチンペーパーを被せたトレイに細かく切り取ったダンプリングを乗せて、200℃のオーブンで20〜30分間焼きます。その間にシチューを確認するよ』

 

ライスはトレイにダンプリングを乗せる。4つのトレイにそれぞれ多めに乗せたダンプリングは、焼いて膨らんだ時にそれぞれがくっつかないよう距離を空けている。

 

そして、4つのトレイをオーブンに入れて、30分に設定した後にスイッチを入れた。加熱が始まり、ダンプリングが完成するまでの間にシチューの確認を行うライス。

 

ライス『シチューは………おおっ!良い香り!』

 

ライスは寸胴鍋の蓋を開ける。中から出てくるシチューの香りに、ライスは舌鼓を打った。

 

ライス『さて、後は盛り付けるだけ』

 

ライスはシチュー用の皿を用意した後に、皿にシチューを盛り付けていく。

 

ライス『おおっ、良いね♡』

 

麗しの三冠ウマ娘:素晴らしいねポニーちゃん。この寒い時期には欲しいシチューだよ

 

ライス『ポニーちゃんって………なんか照れ臭いよ……』

 

漆黒の幻影:照れているライスさん、可愛いです

 

岩手の純朴美人:どんでしたな〜。ライスさん可愛い♡

 

ライス『うう………そ、それより、ビーフシチューが完成したよ』

 

ライスは皿に盛り付けたビーフシチューを見せる。

 

ライス『うーん……ダンプリング完成までまだ時間があるし、皆と雑談しよっかな。何か話したい事ってある?』

 

ライスは30分間、コメント欄の皆と雑談を続ける。レースの事や学園での生活、私生活や好きなアニメ、ゲームに映画等を話していた。

 

ピピピピッ!ピピピピッ!

 

ライス『あっ、ダンプリングが焼き上がったみたい』

 

ライスはオーブン用の手袋を身に着けて、オーブンからトレイを取り出した。

 

ライス『うわ、凄い匂いが……牛の脂使ってたからかな』

 

ライスは皿に盛り付けていく。

 

ライス『皆知ってる?昔のイギリスって、牛肉が高かったから、このダンプリングをお肉の代わりにしてたんだよ』

 

破天荒:確かにダンプリングって肉みてぇだよな

 

聖剣:身体がポカポカするのよね。シチューにも合うからオススメよ

 

ライス『そうだね。よし………これで、完成!!』

 

こうして、ビーフシチューとダンプリングの料理が完成した。

 

赤いシチューから香るトマトの香りと、ダンプリングの香りが絶妙にマッチしていた。

 

ライス『それじゃあ、今日のお客様をテーブルに招待したいと思います』

 

ライスはビーフシチュー入りの寸胴鍋を、キッチンの隣にあるテーブルに移動させる。その後にダンプリングも持ってテーブルに乗せる。

 

白い稲妻:お客さんはどんな奴や?

 

ライス『これから分かるよ。皆お待たせしました!どうぞお入りください!』

 

ライスが呼んだ瞬間、食堂の扉が開いて複数人のウマ娘が入って来た。

 

オグリ『済まないな。私達までご馳走になってもらって』

 

ベルノ『ライスちゃんの料理、楽しみだねー!』

 

ノルン『おっ、良い匂いじゃん〜。えっ?これ生配信してんの!?』

 

ミニー『おおー良いね〜!見てもらおうよ!』

 

ルディ『まっ、別に良いけどよ』

 

マーチ『是非頂こう』

 

それはオグリキャップを初めとした、カサマツトレセン学園のメンバーであった。

 

高速ステイヤー:オグリちゃんにベルノちゃん!?

 

白い稲妻:ハァァァ!?オグリ何しとんねん!?珍しく外泊届け出して来た思うたら、ライスのとこに行っとんのかい!

 

オグリ『な、なんだ?この白い稲妻というアカウントは?私を知ってるのか?』

 

ベルノ『良いからオグリちゃん。シチュー食べよ』

 

オグリ『ああっ、早く食べたいな』

 

ライス達は席に付く。因みに畳式の食堂なので、全員正座か胡座で座っている。

 

それぞれライスが盛り付けて配り、食べ始める。

 

ライス『頂きます』

 

ライスはスプーンでシチューを掬う。肉や人参がスプーンにハマり、スプーンの下からシチューが垂れ落ちる。

 

ライスは口にする。

 

ライス『美味しい〜♡お肉が柔らかいし、人参もトマトと合わさってなんとも言えない♡ド◯ラ一家ががっつくはずだよ♡』

 

ノルン『チュプ……じゃがいもも大きいけど食べるのに苦労しない……トマトのシチューがさっぱりして口の中に広がる……美味い♡』

 

オグリ『美味い……』

 

そして、ライスはダンプリングを一つ摘むと、シチューに浸け始める。

 

ミニー『ん?それって……浸してんの?』

 

ライス『ダンプリングはさっきも言ったけど、お肉の代わりとして食べられてたからね。シチューに合うよ』

 

ルディ『んじゃ、早速……』

 

ノルン達もダンプリングを摘むと、シチューに浸した後にスプーンで掬い、食べ始める。

 

ルディ『ムグムグ……うぁっ!?こりゃ美味ぇなおい!』

 

ノルン『なんだこれ!?パンなのに肉みたいじゃん!シチューと絡み合って風味が増してる!』

 

ミニー『やるじゃんライス!こんなビーフシチュー初めて!』

 

ベルノ『ホントにボリュームがあって美味しい……お代わり!』

 

ライス『はーい』

 

オグリ『私も、お代わりだ!』

 

ノルン『お代わり!』

 

ミニー『お代わり!』

 

ルディ『お代わり!』

 

マーチ『私もだ』

 

帝王:凄い!あの名シーンが再現されてる!

 

変幻自在:この目で見られるなんて、マヤ感動しちゃった!

 

シチューのお代わりと同時に、お互いにシチューを食べる速度が豪快になっていく。コメント欄と話しながら食べて、お代わりを繰り返す内に、あっという間にシチューとダンプリングが無くなっていった。

 

ライス『ふぅ………まだ、食べ足りない?』

 

オグリ『ああっ、まだ足りない気がする』

 

ノルン『あーしも……まだ行ける気がするよ』

 

ベルノ『私も!』

 

ライス『そう言うと思って、お手伝いさん達にお代わりシチューを作ってもらったよ。シチューお代わり!』パンパン

 

ライスが手を叩く。すると、食堂にメイドが入って来た。

 

メイド『お嬢様。本格ビーフシチューで御座います。よりボリュームあるビーフシチューをご堪能ください』

 

ミニー『いや、今のなに!?』

 

ルディ『さっすが金持ちは違うなぁ……』

 

ライス『まだ食べられるでしょ?雑談しながら食べようね』

 

オグリ『ああっ、楽しみだ』

 

こうして、2度目のビーフシチューも堪能し、雑談でお互いの事を話しつつビーフシチューを食べていく。

 

しかし、ウマ娘の食欲は人間を遥かに超えており、30分もしない内に寸胴鍋は空っぽになった。

 

ライス『ふぅ〜、ごちそうさまでした♡』

 

白い稲妻:お粗末様や!

 

高速ステイヤー:お粗末様です〜

 

大井から来た天下人:お粗末様でい!

 

オグリ『ご馳走様。美味かったぞライス』

 

ノルン『いや〜最高!こんなに食べたの久し振りだよ』

 

ベルノ『ライスちゃん、ご馳走してくれてありがとう!』

 

ライス『うん。それじゃあ、ライス達の配信はこれまで。今日のお客様はオグリキャップさんと、オグリさんのお友達でした。次回も美味しい料理をお届けします。それでは皆さん、おちゅライス〜』

 

ミニー『プフッ!』

 

ルディ『やべっ、可愛い♡』

 

ノルン『フッ……やっぱ可愛いじゃん』

 

マーチ『そうだな』

 

ライス『ヒャウッ』

 

ーありがとうございます……ー

 

(BGM:ささやかな祈り・オルゴールバージョン)

 

―――――――――――――――――――――――

 

料理配信を終えて、ライス達は入浴してお互いに背中を洗い合ったりした。後片付けはメイド達が引き受けた為、親睦を深める為にライス達はお風呂に入りに来た。

 

銭湯のような風呂場にオグリ達は驚くものの、広いお風呂や多種多様な風呂を全員で堪能するのだった。

 

ライス「ノルンさん、お胸が大きいね……」

 

ノルン「んー?ライスだってそれなりにあるじゃん。将来期待出来るねこりゃ〜」

 

ライス「ライス、胸が大きくなるか不安なの……オグリさん達も大きそうだし……」

 

ノルン「でもさ。あーしからすりゃ、ライスのサイズが理想的だよ。こんなの大きいと視線がウザいし、重くて肩が凝るし、ブラも時々買わなきゃなんないから面倒くさいんだよ。だからさ、自分のスタイルに自信持ちなよ。綺麗だよライスは」

 

ライス「あ、ありがとう、ノルンさん」

 

他愛のない会話をしながら、ライス達は入浴を終える。来客用兼全力で遊ぶ広い客間に入り、布団の上で雑談を始めるライス達。

 

オグリ「ライスもジ◯リが好きなのか。どんな話が好きなんだ?」

 

ライス「今日の料理のテーマにもなった、『天空の城ラピ◯タ』だよ。オグリさん達は、ジブリとか観る?」

 

オグリ「ああっ。『千と千◯の神隠し』が好きだ。美味しい物が沢山出てくるからな」

 

ノルン「あのブヨブヨの謎飯?止めときなよ。あれ、罠らしいから。あっ、あーしは『◯の豚』が好きだよ。主人公がカッコいいんだよね〜」

 

ミニー「ホントにカッコいいよね〜。私はジブリは偶にしか観ないけど、『と◯りのト◯ロ』は小さい頃観てたねぇ」

 

ルディ「私は『◯ののけ姫』が好きだったな。今は観てねぇけど」

 

ベルノ「ジ◯リかぁ………私はジ◯リは見てないけど、新◯誠さんの映画は見てたなぁ。あの人の映画に出てくる料理、美味しそうだったなぁ♡」

 

ライス「新◯誠さんかぁ……あっ、今度は其処から採用してみようかな」

 

ミニー「おー良いじゃーん!今度また作って欲しいですなぁ」

 

ルディ「お前喰いたいだけだろ?」

 

オグリ「私も食べてみたい」

 

ノルン「全くオグリったら。まっ、あーしもだけどさ」

 

ライス「じゃあ、そろそろゲームしようよ。ライスも色々買ってるから、何やろっか」

 

ライスが持って来たゲームは色々あるが、どれも対戦に向いたゲームであり、友達と遊ぶには最適であった。前世では中々勇気が出なくて出来なかった事を堪能出来る事に、ライスは嬉しさを感じる。

 

これから始まるゲーム祭りは騒がしくなる。幸いにも部屋は騒音対策はバッチリしており、ウマ娘が暴れても他の部屋に音や衝撃等が響かないようにしており、耐久性もバッチリだ。完全にウマ娘が全力で遊ぶ為のスペースとなっており、ライスが今後友達を連れてきた時の為に両親が用意したのだ。

 

『大乱闘スマッシュシスターズ』

 

ノルン「おら!くらえ!!ゼルダの横スマ!」

 

オグリ「ぬおっ!?ならば吸い込んでコピーしてやる!」

 

ミニー「ぎゃああ!ファルコンパンチでふっ飛ばされたああ!」

 

ルディ「くそ!サムスの癖に逃げ回んじゃねぇライス!」

 

ライス「やだ!デデデの攻撃力高いもん!」

 

ベルノ「ピーチ姫の強さを舐めるなぎゃあ!?油断したああああ!!」

 

マーチ「なんだ?どうやってうごかせばいい?」

 

『マリオレーサー』

 

ライス「きゃああ!バナナに滑って場外に落ちたああ!」

 

ノルン「おいオグリ!!アンタあーしにばっかり赤甲羅投げるなぁ!!」

 

オグリ「す、すまない。何故か君にばかり向かって行くんだ」

 

ベルノ「やったぁ!このまま一着だぎゃあ!?青甲羅に邪魔されたぁ!?」

 

ルディ「行かせねぇぞベルノ!」

 

マーチ「ミニー、何をしているんだ?」

 

ミニー「裏道通ったら逆に最下位になっちゃった……」

 

『マリオゲーム』

 

ライス「スター取ったぁ!」

 

オグリ「む?私はオグリだし、マリオは私だぞクッパ」

 

ノルン「ブハハハッ!自分を選んで自分から不利になってるしwwww」

 

ベルノ「滝に落ちろー!」

 

ミニー「ぎゃあああっ!」

 

ルディ「クソ、スターが取れねぇ!」

 

マーチ「ふっ。1位は私の物だ」

 

『カービィのエアレーサー』

 

ライス「ついてく……ついてく……」

 

オグリ「な、なんだ!?ライスのマシンが振り切れない!?ライスのマシンはライトスターなのに!?」

 

ルディ「ぎゃああっ!マグマのドラゴンに当たったぁ!」

 

ベルノ「マイクくらぇぇ!!」

 

ミニー&ノルン「「ギャァァァ!!」」

 

マーチ「なに!?と、止まらん!?どうなっているんだ!?」

 

そして、シティトライアルは地獄となった。

 

ライス「壊す……壊す……壊す……」バン!!バン!!バン!!

 

ベルノ「いやああああっ!!折角ハイドラ手に入ったのにライスちゃんに大砲連発で壊されたぁ!!」

 

ノルン「落ちろオグリィ!アイテム貰ったぁ!」

 

オグリ「何ッ!?ならばこの鳥の羽根を貰おう!」

 

ルディ「ダニィ!?それはドラグーンのパーツじゃねぇか!寄越しやがれ!!」

 

マーチ「灰色のアイテムは取ってはダメなのか…」

 

ミニー「もう友情破壊ゲームじゃんこれ……」

 

ゲームを堪能するライス達。勿論、ゲームだけで終わらない。

 

ライス「それー!」ピュー!

 

オグリ「んぶっ!?」バフ!

 

ノルン「二つ投げじゃあ!」ビュオッ!

 

ミニー「枕突進じゃあ!」ダッ!

 

ルディ「負けねぇぞ!!」シュバッ!

 

ベルノ「うぎゃっ!?」ボン!

 

マーチ「やるな!だが負けてられるか!」ビュ!

 

枕投げを行うライス達。

 

ライス『『『アハハハハハハハハハハハッ!!』』』

 

お互いに枕を投げ合い、突撃したり、プロレスごっこをしたりと、青春真っ盛りかつ競争本能の強いウマ娘同士の遊びに、ライス達はその場で仰向けに倒れながら笑った。

 

そろそろ疲れも溜まり始めたので、就寝時間に入る。

 

ライス「そろそろ寝よっか。もう疲れた……」

 

ノルン「いや〜もうスッキリしたぁ〜。こんなに楽しんだのは久々だよ……」

 

ライス「じゃあ、明日は走る?此処、グラウンドもあるから、好きに走ってみようよ。疲れるまで」

 

ミニー「おっ?良いじゃーん。やろやろ!」

 

ルディ「中央様に勝てると思えねぇけど、まっ、偶にはいっか」

 

ベルノ「うん!私もそうしたい!」

 

オグリ「分かった。ライスも走るのか?」

 

ライス「うん。オグリさんには勝てないかもしれないけど、順位関係なく走りたいんだ。順位を競うとかじゃなくて、好きなように走りたいから」

 

ノルン「ハハ………まっ、走るのは好きだしさ。あーしも賛成だよ」

 

マーチ「ならば全力でやらせてもらおう。明日は勝負だ。ライスシャワー」

 

ライス「じゃあ、布団敷いてあるし、電気消すよ。お休み」

 

オグリ達『『………』』

 

ライス「どうしたの?」

 

ノルン「なんかライスの……絵本読み聞かせして欲しいんだけど……」

 

ライス「良いけど、どうしたの?」

 

ベルノ「ライスちゃんの声、聞いてるだけでも幸せな気分になるから」

 

オグリ「私も、構わないか?」

 

ライス「……うん、良いよ。それじゃあ、ライスが子供の頃から好きな絵本を読み聞かせしてあげる。『幸福の王子様』と、『しあわせの青いバラ』」

 

ライスは机の上に置いていた絵本を手に取り、読み聞かせを行った。

 

読み聞かせをしていく内に全員眠くなり、朝まで安眠し続けた事は、言うまでも無かった。

 

そして、ライス達は朝食を済ませた後にそれぞれのジャージに着替えて、施設のグラウンドで疲れ切るまで走り続けたのであった。




料理名

・シータのシチューとダンプリング
元ネタ:『天空の城ラピュタ』に登場するヒロインシータが、空中海賊ドーラ一家の飛行船で作っていたシチュー。ドーラ一家が1日5回も食べる大食漢故に、作者の予想だが、大盛りに作ったと思われる。残ったら温めて食べる事も想定していた模様。後書きに書いた材料はYouTubeで見た通りだが、今回の配信では材料より多く使ってます。何より相手が相手ですし………。
尚、シチューは別のYouTubeチャンネルの材料を採用してます。いつも参考にしてるシェフのチャンネルだけでなく、偶には別のチャンネルも参考にしようという、まあ気まぐれです。尚、付け合わせのダンプリングはカタカタシェフチャンネルを採用しました。

『家庭用ビーフシチュー』
・バター:10〜20g
・ゴロゴロ野菜:人参、玉ねぎ、じゃがいも
・にんにく:1片
・牛すね肉:400g
・赤ワイン:500g
・トマト缶:一缶
・デミグラスソース:一缶

『本格ビーフシチュー』
・牛肉7cm角:4kg
・赤ワイン:1500ml
・エールビール:1500ml
・メークイン:皮剥いて1/2カット・30個
・にんじん4cm:7本
・ベーコン1.2cm角×4cm:500g
・トマトホール:4000g
・白いんげん豆:800g
・ブーケガルニ
・カレー粉SB:少々
・エメンタールチーズ:100g
・リーベリンソース、塩、胡椒
・水:1L

『バターソテー(本格ビーフシチュー用)』
・にんにくみじん切り:10g
・玉ねぎみじん切り:1.2kg
・にんじんみじん切り:800g
・セロリみじん切り:500g
・マッシュルーム1/2カット:30個

『ダンプリング』
・薄力粉:400g
・ベーキングパウダー:小さじ4
・タイム
・ケンネ脂:200g
・水:120g

ゲームのタイトルは、元のゲームのタイトルを若干変更してますが、内容はほぼ同じです。
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