代星-我らが母国はいかにして勝利したか、あるいは我らの祖国はいかにして滅びたか-   作:ライト鯖

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第二十六話 告白

 

始めは、仲間集めの為についた嘘が始まりだった。

極小規模なローカル組織ではなく、幾つかの地域に支部を保持している強力な組織である方が信用されやすいだろうし、参加してくれる可能性も高くなる。

そう考えて、組織を巨大にしていくために付いた、見栄っ張りな嘘が始まりだった。

実際、それなりの規模であるにも関わらず当局の弾圧から逃れている、と信用し、加入した者はかかりいる。

 

しかし、本当に組織が、鷹鸇(ようせん)が巨大になっていくにつれて、その見栄は必要不可欠な嘘へと変化していってしまった。

メンバーが増えれば、情報が漏れる危険性も生まれる上、スパイも紛れ込む可能性がある。

故に、ボスの正体を秘匿し、組織の全体像をボヤけさせることに大きな合理性が生まれたのだ。

 

その為に勝敏は、自身の正体を秘密にし続けて来たのであった。

 

基之にボスなのではないか?と尋ねられていた勝敏は、静かに息を吐く。

基之に今回の作戦を実行する前、ウィリアムズのことをどう説明するか、を相談してしまった時点で、彼はこうなることをある程度予想はしていた。

 

今思えば、脇田に来てもらうべきだったかもな。

そんなことを思いながら、勝敏は同時に、正直に答えるべきか否かを考える。

 

「勝敏さん。責め立てたい訳ではないんです。…ただ」

 

基之がその先を言うより早く、勝敏は手で彼の発言を制した。

 

「…すまないが、まだ答えることは出来ない。まだ、その時ではないからだ。基之を信用していないわけではない。だが、打ち明けるなら、皆に言えるタイミングで話したい。他にも幾つか理由はあるが、組織にウィリアムズの様な人間がいない、とはまだ言い切れないしな」

 

イエス、とは言わない。

しかし、それは殆ど肯定であった。

基之も、勝敏の言葉に理解を示し、それ以上の追求を止める。

 

「…ただ、一つ代わりに言っておくとするなら、基之。仲間に嘘はつかないようにな。隠し事も避けれるモノなら避けた方が良い…自分も辛くなるが、きっと、信頼を酷く裏切っているだろうから」

「肝に命じておきます。…でも、勝敏さん。俺は貴方に感謝していますよ。隠し事をされてようと、嘘をつかれていようと、貴方のおかげで、今、ここに立っていますから」

 

勝敏は、ありがとう。と小さく笑うのだった。

 

 

翌日 

 

新たな支部、実際は本部ではあるが、には雅緂ゲットーの支部のみならず、ゲットー内の基地メンバーも全員が移転してきている。

既にゲットー内では大規模なレジスタンス狩りが行われ始めており、鷹鸇関係者はどうにか逃亡したが、他の小規模グループ等は既に壊滅状態であると言う。

その為、雅緂ゲットーでの活動を諦め、基地を放棄したのであった。

 

そんなゲットーでのレジスタンス狩り、弾圧を報じるニュースの後に流れる中で、ウィリアムズについても触れられる。

 

曰く、ウィリアムズ支部長は病気療養中であったが、襲撃を受け、激しい暴行を加えられた後、殺害された。ということだった。

売国行為のバの字も報じられず、むしろ、"復讐派"としての側面が強調され、それがために叛徒の怒りを買い、結果、暴行を受けたのではないか、という形で、全てが覆い隠されていた。

遺族もインタビューを受け、悲劇性が強調される。

しかし、死亡による特進も、生前の彼を讃える声明も発表されなかったことから、事情通であれば、公式発表の通りでないことははっきりと分かる報道でもあった。

つまるところ、ウィリアムズの狙い通り、というわけだ。

彼は内々に書類上の処罰を受け、家族に塁は及ばずに終わったのだろう。

 

その後、ウィリアムズについては大して触れられることはなく、主犯である鷹鸇の追跡報道へと移るのだった。

 

「奴等、余程不祥事を隠したいみたいですね」

「ああ、そうみたいだな」

「何でも人のせいにしやがって!起源国め!」

 

勝敏は、部下の論評に曖昧に頷く。

まさか頼まれたとは言え、本当に死体を傷付けたとは言えない。

こうして彼の隠し事はまた一つ、増えるのであった。

 

 

 

それから、少しだけ時間が流れ、両陣営に取っての小康状態と言える状況下が訪れていた。

鷹鸇の捜査は行き詰まりを見せたが、鷹鸇の側も秘匿されているものの、支部ではなく実際は本部が移転した為、態勢を整えることに時間を要した為だ。

そんな中、基之の目標とも言える彼の下でも、基之や鷹鸇、第三星系総督府での変化に比べれば、実に些細な変化が起きようとしていた。

 

 

統一暦242年(西暦2692年)11月中旬

第三星系総統府 起源国軍 光川(こうせん)基地

 

第三群州にある光川市付近のこの基地は、青木祐輔の所属する第十一師団の駐屯地である。

祐輔は、数カ月ぶりの一日半与えられた休暇中であった。

定期的なモノではない。

つい先日、研究所襲撃を受けた際、学生や研究員退避に尽力し、敵戦闘員2名を排除。

果ては、情報を叛徒に流した裏切り者を特定することに貢献した、とされ、少尉に昇進したことから降って湧いた休暇であった。

祐輔の心当たりは前者二つでしかなく、最後の功績はまた、"平等派"が自らの目的の為に自分へ功績を押し付けたのだろう、と彼は考えていた。 

 

まあ、それでも階級が上がれば給与も増えるし、休暇も貰えるなら悪くはないか。

そんな風にし、自らのモノでない功績を特段気にすることもなく、無視していた。

 

しかし、祐輔は休暇といっても街に出る用事もなく、軍人とは言え"名誉"として良くも悪くも有名になってしまっているため、下手に街へ行くと不快な想い、直接的に言えば暴言や差別的な扱いを受けることがある。

ブラブラ散歩、という気にもなれないのだ。

 

その為、基地の休憩スペースで最早見飽きた窓外の景色を背景に、適当に見繕った本を読んでいる。

暫くの間、ペラペラとページをめくり、文章を眺めていた祐輔だったが、背後に気配を感じ、それを中断して後ろを振り返った。

 

「あら…すみません、突然。青木祐輔さんですよね?」

 

祐輔に声をかけたのは、後ろで髪を小さく束ねている若い女性兵士であった。

 

「そうですが…私に何かご要件でしょうか?」

 

今までの経験から祐輔はつい顔を顰めてしまう。

今度は一体何を言われるのか、或いはされるのか、と過ってしまったのだ。

 

「覚えておられませんか?…まあ、無理もないですよね。あんな状況じゃあ、顔なんて記憶に残らないでしょうし」

 

どうやら、女性の方は祐輔のことを知っているようであった。

祐輔も、思い出そうと記憶の引き出しをひっくり返すが、確かに、見覚えがある、という所で止まってしまう。

 

「申し訳ありません。…何処でお会いしましたっけ?」

「研究所ですよ。青木祐輔少尉。あの時、助けて頂いた学生の一人です」

 

言われてやっと祐輔は思い出した。

確かにあの時、士官学校の生徒達を保護し、一時、共に行動をしていた。

そして、その中にいたポニーテールの女性、確か、樱花という名で呼ばれていた娘の存在を。

 

「…確か、樱花さん、でしたっけ?」

「!…名前、覚えて下さっていたのですね!」

 

心無しか嬉しそうに言う樱花。

祐輔はしかし、すみません。と頭を下げた。

階級的には祐輔が上であろうが、立場は、名誉出の彼より、士官学校生、つまり起源民である彼女の方が上であるからだ。

 

「今、思い出しました。…言い訳がましいですが、あの時とは雰囲気も違われたもので…」

「雰囲気…あ、髪ですか。そうですね。随分短くしましたし。それに、謝って頂く必要はありません!思い出して頂けただけでも嬉しいです!」

「痛み入ります」

「その話し方も…」

「いえ、しかし…」

「階級は同じなんですから、改まり過ぎないで欲しいです。先輩は青木少尉ですし」

「承知…分かりました…では…本日はどのような用件でしょう?樱花さん」

 

樱花に気圧された形で祐輔は口調を僅かに砕けさせ、そう尋ねた。

 

「先日のお礼をさせて頂きたく、参上致しました。青木少尉の上官という方から基地内にいると聞いたので、探していたのです」

「…わざわざお礼を頂くようなことはしていません。私は起源軍人として当然のことをしたまでですから」

「ええ、存じています。ですが私も、一介の学生、だった者として当然のことであると想い、ここにいるのです。…心から感謝しております。命の恩人です、少尉殿は」

 

深々と頭を下げられ、祐輔の方が恐縮してしまい、そして誰かに見られていないか、と僅かに焦りも覚えていた。

もし、名誉出が起源民に頭を下げられている所など見られれば、何を噂されるか分かったものではない。

 

「すみません。突然。困らせてしまったみたいですね」

 

申し訳なさそうに樱花に言われ、祐輔は頭を振った。

 

「いや、そういう訳ではないんです。…ただ」

 

付近を人が通り過ぎ、それに気が付いた祐輔は瞬時に口を噤む。

 

「…分かりました。では、少しよろしいですか?人のいない場所に行きましょう」

 

祐輔の様子から察した樱花は、そう提案した。

祐輔としては礼はもう聞いたので解放してくれると思っていただけに、少々驚く提案だった。

だが、断るのも不味い、と不承不承ながら、それを表には出さないが、彼女に従い、後をついていくのだった。

 

そして、人気のない、基地の備蓄食料、その原材料を生産する小規模自動人工光型作物プラント、へと通じる通路、その更に奥まった一角へと二人はやって来た。

 

「…その、お礼は受け取ったけれど、まだ何か?」

 

そこそこ歩かされることになった祐輔は、若干の苛立ちもあり、先程は遠慮から聞けなかったことをぶちまけた。

 

「すみません。でも、貴方とお話したかったんです。…とはいっても、私からお話したいことは一つだけでして。

ごめんなさい。こんなところまでお付き合いしていただいたのに。

…その、実は私卒業しまして、この基地に配属となりました。ですのでそのご挨拶もかねて、伺ったんです」

「ああ、それで…」

 

基地の内部を知っている様子でここまで来たことを不思議に思っていたところであった祐輔は、腑に落ちた、と頷く。

そして、此方こそ、と彼女に謝罪した。

 

「多分、気を使ってくれたんですよね。私の表情を見て」

「いえ、突然訪ねたのは私ですから」

 

暫しの沈黙。

そして祐輔は、あっと気が付いた、とばかりに顔を上げ、言った。

 

「卒業されたんですね。おめでとうございます」

「あはは。ありがとうございます」

「でも、時期は、なんというか変わってますね」

 

言われ、樱花も苦笑する。

 

「お察しの通りと思いますよ。…とはいっても、卒業単位が足りなかったのは私じゃないんですけどね」

 

妙な言い方が気になり、祐輔は素面で尋ねてしまう。

 

「と、言うと?」

「もう一人、女の子がいましたよね?あの時」

「ああ…確か…ルーシーさん、でしたか?」

「ええ。ルーシー。そうです。彼女の単位が足りなかったので、彼女が単位を充足させるまで、私も付き合っていたんですよ。

あの研究所にいたのも最後のレポートのためだったんです」

「…樱花さん自身は問題ないのに、残るなんてことが出来るんですね?他の人達もそうだったんですか?」

 

樱花は、どう答えたものか、と思案顔を僅かに見せてから、微笑んだ。

 

「いえ、他の人達は同じ教官の講義を受講してただけです。…私に関しては、ちょっと色々特殊な事情がありまして」

 

そう言う彼女の顔は、聞きたいですか?と祐輔に尋ねているようだった。

祐輔とて、好奇心はある。人間なのだから。

ここまで聞いて結構です。と、会話を打ち切れる人間もそういないだろう。

それも相手は別段話したがらない、という訳でもないのだ。

 

そんな祐輔の様相を察してか、樱花は話を続けた。

 

「私、あの娘の、ルーシーの護衛みたいなモノだったんです」

「友達じゃなかったんですね」

 

祐輔の記憶では、随分通じ合っているように見えていた。

だが、護衛だった、というのもすんなりと受け入れられていた。

あの時、樱花は実弾入りの銃を、士官学校生は訓練外での銃器所持が禁じられているにもが関わらず所持していた。

そして、ルーシーの方は、テーザー銃のようなモノを。

護衛対象の護身用と、護衛が持つ武器、あの瞬間は非常時で大して気にはしていなかったが、その状況の説明が付けられるモノであったからだ。

 

「向こうはどう思ってたかは知りません。私としては、情がない訳ではないですが、あくまで護衛対象でした」

「でも、ならどうしてあなたも軍人に?ルーシーさんは一緒じゃないようだし…」

「卒業で御役御免だった、というだけですよ」

「…それは…」

「ああ、ごめんなさい。気遣って頂かなくて大丈夫ですよ。そもそも望んでやってたわけじゃないですしね。親に言われて仕方なく、ってだけだったので」

 

何でもないことのようにサラリと放たれた樱花の言葉に祐輔は眉を潜める。

 

「親に…?」

「ええ。親が媚を売りたいお偉いさんには、ルーシーしか子供がいないらしくて、息子に自分の地位と権力を上手く譲り渡したい、って欲望を叶える手段がなく、仕方なく女子のルーシーを士官学校に入れることにしたらしいんですよね」

 

それで、と樱花は溜息を付いた。

 

「親は、私が娘なことを利用したわけです。

女性一人、というのは不安でしょう。話し相手となり、護衛となり、御息女の安寧を守る存在は如何ですか?って」

 

バカバカしそうに語る樱花。

祐輔は、身勝手極まりなかった唾棄すべき自分の父親と重なる部分もあり、見たこともない樱花の親に強い憤りを覚えていた。

 

「そんな娘をモノみたいに…」

「困っちゃいますよね。だから、せいせいしてますよ。ルーシーは卒業して直ぐに後方行きです。親御さんが引退なさるまでどこぞでぬくぬくしていればいいんですから。

で、私の方は、反抗期って奴ですよ。

親は私を次の利用場所に配置したかったみたいですが、私にも伝手はあります。

親が勝手する前に辞令を書いてもらったんです」

「…じゃあ、ここには志願して?」

「ええ。そうですよ」

 

樱花はそう言って、年相応と思われる爛漫な表情で祐輔を見た。

 

「どうしてまたこんな微妙な場所に…」

 

首府からも中枢都市からも離れている、中規模都市の基地。

そう大きな事件は起きないだろうが、細かいいざこざは多い。

面倒極まりない赴任地だ。

わざわざ選ぶ理由など。

 

「貴方がいると聞いたから」

 

聞き間違いかと祐輔は耳を疑った。

そして、祐輔の視線は反射的に、彼をまっすぐ見つめる樱花へと収束する。

 

「え…?」

「貴方のお話は沢山伺っています。だから、どんな方か気になっていたんです。

そして、実際に助けられてしまいました。

聞いていた話から優しそうな方だと思っていましたが、想像以上だった、と今、感じています」

 

まあ、要するに、と首を傾けた彼女に、祐輔の胸は彼の意志を超越し、一度、高く跳ねた。

 

「一目惚れ、って奴です」

 

悪戯っぽく笑う樱花に、祐輔は目を合わせていられなかった。

 

「な、何を急に…!」

「あははっ。すみません。困らせるつもりじゃなかったんです。半分は冗談ですよ」

 

じゃあもう半分は、などとは聞き返せる状況に祐輔はなかった。

 

「でも、気になってたのは本当です。

優しそうな人だと思ったことも」

「優しそうって…何処でそんな。報道での私のイメージは、私自身が畏怖を覚えるような書き方ですよ…?」

 

照れつつ、困った様に言う祐輔。

樱花は、ああ。と頷き、頭を振った。

 

「報道じゃありませんよ。親から話を聞いたんです」

「さっき言ってた親御さんから…?」

「あ!そっか!私、まだ名乗ってなかったですね!ごめんなさい」

 

親御さん。

自分の、青木祐輔の話を聞いた。

樱花。中国系。

 

祐輔は、2秒前まで感じていた動悸とは別の、上気した顔によるものとは異なる質感の、動悸と、体温の変化を感じていた。

 

そんな、まさか。

偶然だろう。

 

「私の名前は李 樱花。李 強中佐の娘です」

 

ゾクリ、と祐輔の背を、説明不能な感覚が走り抜ける。

 

まさか、本当に?

李強。同姓同名?

いや、階級も同じで、俺のことを詳しく知っているのは。

やはり!

 

ぐるぐると思考が混乱と共に回り出す。

だが、樱花はそんな祐輔の状態に気付いていないのか、先程の爛漫な笑顔で片手を差し出していた。

 

「改めてよろしくお願いします。青木祐輔少尉」

 

混乱する思考の中、祐輔の脳髄は一つの可能性に至る。

 

話を聞く限り、溺愛されているというわけではなさそうだ。

しかし、政治の道具として利用しているということは、最低限その価値はこの娘に感じているということ。

なら、手に入るのか?

例え弱くとも、奴に、李 強にただただ屈従させられるだけの状況で。

唯一、切れるかもしれない手札が。

奴を牽制し得る、可能性が?

奴の罠か?いや、あり得ない。家族を人質に取っている以上、こんな真似をする意味はない。

ならばやはり、ここは。

 

李 強という男に苦渋を味合わされ続けてきたこの時の祐輔は、彼という男に対抗しうる、少なくとも多少の意味は持つだろうカードを前に、彼らしさを失い、ただ目の前の少女を利用価値でのみ見てしまっていた。

 

「青木少尉?」

 

暫しの硬直があった為、樱花が心配したように覗き込んで来ていた。

ハッ、と気付いた祐輔は、慌てて手を伸ばし、彼女と握手を交わすのだった。

 

親しく、少しでも親しくならねば。

 

「祐輔で良いですよ。よろしくお願いします。"李 樱花"少尉」 

 

 





Tips 鷹鸇
鷹鸇の立ち上げメンバーは勝敏と烏である。
政府機関に勤めていた下級官吏であった勝敏と、軍属として軍に多少なりとも関わっていた烏は昔からの友人だった。
二人は知識も人脈も大したことはなかったが、しかし、その職と、職務が服する国家、ハヤブサ連邦に強い忠誠を抱いていた。
故に反乱軍となり戦うことを決めたのだが、軍の将校が立ち上げたハヤブサ奪還政府等とは違い、無名であり、武器も何もかも無かった。
だからこそ、巨大な組織であるかのように喧伝し、人を集めたのだ。
そうして集まったのが鷹鸇の中核メンバーであり、組織が拡大するにつれ、本当にボスの正体を秘匿せざるを得なくなった。
そうした事由から勝敏は幹部にも殆ど自らの正体を明かすことが出来ていなかったのである。

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