シンデレラグレイ~転生者を添えて~   作:キャップちゃん

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前回のあらすじ、そんな物はない。


1話

 

 何回目の転生なんだろう、毎回死んだら神様っぽい存在と前の人生の反省会をして新たに何かスキル的な物を貰ってを繰り返す。

 普通に暮らしても犯罪しても歴史的大偉業をなしてもこの無限ループからは逃れられない、しかし自分自身この生活はとても楽しいと思えている。

 毎回人に生まれ変わる訳ではなく反省会で次は何になるか決めるのだ。

 

 最初は確か………普通の世界だったと思う、もう随分と前だし記憶系のスキル貰う前だから朧気だがそんな感じだった気がする、唯一今でも鮮明に覚えてる事は死んで初めて神様っぽい存在と話した時に次に行く世界はウマ娘の世界だと聞かされてテンション上がった事だ。

 そこから別の世界に行く機会は無かった訳ではないがずっとこの世界で転生しているのだが時間軸だけはバラバラなのはどうしてだろう?次死んだら聞いてみるか、そろそろ次の番が来る、目を覚まさなければ………。

 

 

 

 

 

 この世に生まれ出て早50年、後半分ぐらいで次の転生だと思いながらぼーっと空を眺めていたら後ろから声を掛けられた。

 

 「先輩、今日もいい天気ですね」

 

 振り返り声の主を見る、ハンチング帽をかぶった男性で自分の後輩である北原穣、この人物の名前だけでわかる通り今の人生はウマ娘のトレーナーで尚且つ笠松で働いているのだ。

 

 「天気が良すぎて眠くなってくるよ、このまま家帰っていいかな?」

 

 「流石にそれは駄目ですよ先輩!」

 

 

 

 

 さて今回の人生では生まれは普通の人の男で容姿は普通だと思う、幼少期は特にイベントなど無く学生時代ではとあるウマ娘と知り合う、それがきっかけでトレーナーの道へ進んだ。

 トレーナーとなりそのウマ娘と共にレースの世界へ進んだのだがまぁこの子の才能は並で大きなイベントなど無く無事に卒業させよくある逆うまぴょいを経て結婚し平々凡々な家庭を持ち今に至る。

 

 確か襲われて結婚した辺りで中央から笠松に移動したんだった、地元で生活したいと嫁が言い出したからな。

 今までこの様な事は繰り返しの中で何回か経験してるので驚く事もないしなんだったらウマ娘として生きている時に自分自身もやっちゃってるし………、しかも複数回。仕方ないね。

 

 この笠松に移動してから最初は中央のトレーナーって事でもてはやされたしやっかみも受けたがもう20年以上ここで働いているし今在籍してるウマ娘達で自分の経歴を知ってる子はよほどトレーナーの事を研究している子ぐらいである、だから誰も知らないのだ。

 あの当時を知る者は一部の後輩と年配の職員ぐらいかな、その他は知らない。

 

 今現在担当してる子はなんとゼロである、自分自身が積極的にスカウトしてないのもあるがこの歳であるし後輩の育成に力を入れているのが原因だ。

 いつかこの笠松から中央へはばたく未来のスターを育てるのも楽しいのだ、しかし地方のトレーナーが中央へ行くには相当な努力がいるし自分みたいに中央から地方へなんて片手で数えるくらいしか事例はない、ウマ娘だったら中央の子が地方へなんて話はごまんとあるが教育者ならではだなと思う。

 

 たしかこの笠松から中央へ行くウマ娘………オグリキャップが居たはずだがまだ来ないのか?それとも元から中央に居るパターンか?いろいろな時間軸で転生しすぎてその辺が曖昧になってる、記憶系のスキルを持っていても使う人間が自分だからよく混乱する。

 

 「さっきから百面相してますが大丈夫ですか?」

 

 「あぁちょっと昔の事思い出そうとしてな、もう年かな?」

 

 「そんな事はないですよ、それより先輩は今日の新入生のゲート体験見にいきますか?」

 

 「………北原君が行くなら行こうかな」

 

 

 

 

 

 グラウンドを見渡せる位置に来た自分達は新入生が走るのを今か今かと双眼鏡片手に待っている、自分も新入生達を見渡していい子が居ないか探すが………、そうか今年だったのか。

 

 「今年の新入生はやはり………、フジマサマーチか」

 

 「え、それ俺のドラフト1位!」

 

 「えぇーあんた達も!? やめてよ! あたし入学前から目ぇつけてたんだから!」

 

 他のトレーナー達もワイワイと話しながら待っているとゲートが開いた、先ほど他のトレーナーが話していたフジマサマーチ、見事な走りだ、しかし中央では通用しないであろう。

 走り終わったのを見るや何人かのトレーナーがスカウトしようと駆けだした。

 

 「北原君は行かないのかい?」

 

 「いやぁどうもなぁ………、未来のスターがって先輩に言ってもですね」

 

 「未来のスターか、ならあの汚れたジャージを着ている子だな」

 

 そう言って指を指すと北原は驚いた顔をしてグラウンドに目を向ける。

 

 「先輩! あの子の事知ってるんですか?」

 

 「まぁな、向こうは知らないだろうが自分は知ってるよ」

 

 そう言ってる間に次の組が走りだした、オグリキャップもこの組なのだがゲートが開いた瞬間しゃがみ込み何かしている。靴紐を解かれたんだな、しかし早くも結びなおし走り出す、先に走り出した子達を抜かし一着でゴールを駆け抜けた。

 北原はグラウンドへ駆けてゆく、途中転んでしまいラチに顔をぶつけながらもオグリキャップのもとへ。

 そうか、今回はプリティダービーではなくシンデレラグレイか、どおりで中央の時六平さんが居た訳だ。

 

 「俺と一緒に天下を取らないか!? 東海ダービー………、夢じゃねぇ!!」

 

 この先の事を考えると自分が関わらないのは無理だよな、なら今回は北原のサポートに、オグリキャップのサポートに徹しようかな。

 

  

 

 

 




※先輩(転生者)の名前は決まってません。
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