シンデレラグレイ~転生者を添えて~ 作:キャップちゃん
どうしたものか、あの日は柴崎が酔いつぶれてどうしようもなくなってしまったのでお開きとなったがそのせいで碌に対策を話し合えなかった。
オグリキャップ側は北原にまかせっきりだったが自分も一緒になって進めていく事に、オグリキャップが授業中のこの間にまず北原に話すか。
「北原君、オグリキャップの事なんだが………」
「オグリですか、やはりマーチとの関係をどうにかしないとダメですね」
やや草臥れた顔で話す北原は何処か哀愁を漂わせていた。
「フジマサマーチはどういう感じなんだ?」
「………オグリから聞いた話でしか分かりませんがどうもオグリの事を嫌っているみたいなんです」
「その割にはこの前のレース後に抱き着いていたが、それは?」
「その、憶測にはなるんですが愛と憎しみは紙一重って言葉あるじゃないです、多分そんな感じなんですよね」
うーむ、なかなか難しい話になって来たぞ、所謂アンビバレンス現象だな、ウマ娘である前に一人の思春期真っ只中の少女でもあるからこういう事もあるだろう。
「そうか、フジマサマーチの方は判った、っでオグリキャップの心情はどうなんだ?」
「どう受けたらいいか判らないって感じですね、オグリなりにどうにかしようとはしているみたいなんですが相手の情緒が不安定でどうにもこうにも」
「わかった、とりあえずオグリキャップからも話を聞いてみる、その後フジマサマーチとも話し合ってどうするか皆で決めよう」
心の問題なのでデリケートだ、しかしどうにかしないと共倒れして最悪の事態になってしまう、そっち方面の知り合いなんて自分にはいないのでどうにかしないと。
さて授業が終わり皆が練習を始める頃オグリキャップと話す事に、やはり表情は良くない。
「オグリキャップ、フジマサマーチとはどうだ?」
「わからない、どうすればいいか解らないんだ………、マーチに悪い事したのは自分だから東海ダービーの事を謝ったんだがその返事もわからないんだ」
「わからないとはどんな事を言われたんだ?」
「おめでとうって、東海ダービー一緒に走ろうねって、北原達と中央に行くって言ってもマーチは嘘言わないで!って、オグリキャップはそんな事言うはずないって………、わからないんだ」
う~む、ここまでの話を纏めるとフジマサマーチはオグリキャップに負けるまで負けなしの努力家で負けてからは多分オグリキャップの事を徹底的に調べたんだろう、その結果オグリキャップの事に執着し初めた、それでそのオグリキャップとの約束である東海ダービーが叶わなくなった事と中央へ行く事で離れ離れになる事が一気に精神的負荷になって一時的にこんな情緒になってしまったと、どうしたらいいのか自分もわからないな。
「オグリキャップとしてはどうしたいんだ?」
「出来れば仲直りがしたい、どうにかできないだろうか」
どうにかするのが大人の務め、どうなるかわからんがどうにかしよう。
練習が終わり皆が帰る頃柴崎に無理言ってフジマサマーチと話す時間を作ってもらった、指定した空き教室で待っていると柴崎とフジマサマーチが入ってきた。
「失礼します、お待たせしました先輩」
「………」
「いやいや急に呼んでしまってすまない、フジマサマーチも時間を作ってもらってありがとう」
「………」
二人に座ってもらい話す事に、しかしフジマサマーチは一言も話さないしなんなら自分の事を睨みつけてくる。
「すまないフジマサマーチ、オグリキャップとの事なんだがどう思っているか話してくれないだろうか?」
「………」
「マーチ、やっぱり話せないのかい?」
「………お前が」ボソッ
今まで無言で睨んでいたフジマサマーチが口を開いたかと思うと勢いよく立ち上がった。
「お前がオグリキャップを奪ったんだ!! オグリキャップは私と一緒に東海ダービーに出るんだ!!! そこで………、そこでケリを付けるんだ!! お前が居なければ!!! お前なんか!!!!」
そう叫んだかと思った瞬間目の前が真っ暗になった、一瞬の事で何が起きたのかわからない。
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目を覚ますとそこは見慣れた空間に見慣れた人物? が居た、あぁ今回はこんな終わり方なんだ。
「やぁ、いらっしゃい。 どうだった今回は」
「いやぁバランス取るのって難しいなと」
神様っぽい存在は寝ころびながら聞いて来る、毎度毎度だらけてるなと思う。
「そりゃそうだよ、僕だって未だにちょうどいい具合に世界を作れた事なんてないからね」
「はぁ………、次からはもう少し慎重に動く事にしますよ」
そういうと自分も寝ころぶ、相手が何も言わないのでいつもこんな感じでだらけている。
「次ね、その次なんだけどさ………、実はまだないんだ」
「え?」
「ほら結構前にもあったでしょ? たしかサイレンススズカになった時に秋の天皇賞でなったあれだよ」
そこで思い出す、あの時はたしか………、そうやって思い出すとまたもや目の前が真っ暗になっていくのだった。
「行っちゃったか、このままだとアレだしちょっと悪戯しようかな」
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「知らない天井だ」
こういう状況ではこれを言わないといけないと心が叫んでいる気がする、そんな事はどうでもよく周りを見渡すと病院だと判る、多分だが殴られたか蹴られたんだろう。
今何時かと思い体を起こそうとした時胸に痛みが走る、気になり患者衣をめくり胸を見ると包帯でぐるぐる巻きにされていた。
このままだと何もできないのでとりあえずナースコールをする事に、学校ではどうなってるんだろうか、今の自分ではどうにも出来ないし流れに身を任せるか。
※「ここからいなくなれー!!」ウェイブライダードーン!