お前がブリュンヒルデになるんだよ!   作:シシカバブP

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新章といいつつ、やっぱり前章での伏線回収です。


>もしかして陽炎って、実性能は第三世代相当?
実性能も第2世代です。なぜなら意図的に性能を落としてあるから。
『オリジナル自体が、モンキーモデル……ってコト!?』
簡易最適化機能もあくまで『最適化した専用機っぽく動けるようになる』だけです。
例えると『Lv30以下の場合、装備中はLv30と同等のステータスになる』みたいな。
なので一夏みたいな素人には、いい感じに下駄を履かせてくれます。
(逆に中級者以上には要らない子になる)

代表決定戦で一夏がセシリアに勝てたのは
①簡易最適化機能の恩恵
②マヤマヤの指導
③セシリアの油断
④一夏の隠れた才能(笑)
の合わせ技によるものです。
ちーちゃんの指摘通り、①②が欠けた一夏は原作準拠になって、セシリアに負けていたでしょう。


学年別トーナメント
第16話 お前らが簪に勝てるわけないだルルォ!!


 クラス対抗戦があった週が明け、デュノアさんやボーデヴィッヒさん達がやって来るまで時間に余裕が――

 

「いいわねっ、絶対あいつらに負けるんじゃないわよっ!!」

 

 ――あると思ったんだけどなぁ……

 

 事の起こりは昨日の放課後、校内放送で生徒指導室に呼ばれたことだった。

 

ーーーーーーーーー

 

 前世でも度々生徒指導室に呼ばれてたけど、今世ではまだ何もしてないんだけど……

 

「いや、十分やらかしてるからな?」

 

 口に出していないのに、私の向かい側に座っている織斑先生にツッコまれた。解せぬ。

 

「それで、簪を呼び出したのは例の"あれ"ですか?」

 

「そういうことだ」

 

 陸に聞かれた織斑先生が頷くと、隣に座る凰さんに視線が移る。

 

「あ、アタシが悪いわけじゃないのよ!? 役人連中に『代表候補生があれほど簡単に倒されるとはどういうことだ?』とか嫌味ったらしく言われたから……」

 

 あ、うん。次に何を言うか大体分かった。

 

「『アタシが弱いわけじゃない! 更識がおかしいのよ! 嘘だと思うなら他の候補生達と更識を戦わせてみなさいよ! アタシの言ってることが正しいって分かるんだから!』って……」

 

「ああ、はい……」

 

 ほぼほぼ、前に陸が言ってたことと同じだった。

 

「この調子だと、学園側も了承したんですよね」

 

「ああ。明日中国の代表候補生が3人、学園に来ることになっている」

 

「あ、明日ですか?」

 

 お姉ちゃんからは来週って……あっ、あの日から週跨いでた。いやいやっ、それにしても早すぎない?

 

「中国側としても、この模擬戦の結果次第で凰の処遇を決めるらしいからな。早い方がいいんだろう」

 

「へっ!?」

 

 そこは聞いてなかったのか、凰さんが目を見開いて織斑先生の方を見た。陸はと言えば『ああ、やっぱそうなるか』みたいな感じ。

 

「なんだ、お前が言ったことだろう。これで更識妹が他の候補生に負けた場合、お前が単純に弱いということだからな。場合によっては候補生資格剥奪もあるだろう」

 

「そんなぁ……っ!」

 

 それを聞いた凰さんが、パイプ椅子から崩れ落ちた。

 

ーーーーーーーーー

 

 ってことがあったから、今もアリーナでISを展開している私に対して、凰さんの叫び声が飛んできているわけなんだけど。

 

「う~ん……」

 

 凰さんの声を意図的に無視して、正面に立つ3機のISとパイロットを見る。名前は聞いてないけど、ISスーツの色は赤、黒、白で綺麗に分かれてるから見分けはつくだろう。

 ISに関しては、見た目は凰さんの甲龍と同じだけど、一部マイナーチェンジしたような感じかな? あの人口過剰な中国で選抜された代表候補生なんだから、弱いはずはないと思うんだけど……

 

『雑魚だね』

 

『珍しくシャーリィと意見があったな』

 

『ふ、2人とも……』

 

 レッド・スコルピオのISコア(ランディさんとシャーリィ)の感想は辛辣だった。

 

『コアとの同調率が低い低い。あれなら白式の坊主の方がまだマシだ』

 

『えー、あっちもあっちで雑魚雑魚でしょー。まあでも、今後に期待は出来そうだったけどね。こっちの3人はここらが限界だと思うし』

 

 ウチのコア人格、言いたい放題である。戦う前からこんなにボロクソに言われて、対戦相手なのに同情しそうになった。

 そんなことを考えていたら、審判役の織斑先生が私達の間に立った。

 

「それぞれが聞いていると思うが、改めて確認する。今回中国政府からの要請により、中国代表候補生3名と、如月重工のテストパイロットである更識との模擬戦を行う」

 

 目の前にいる3人の内、赤スーツの人と目が合う。あ~……その目、よく知ってる。『こんなやつと戦うの?』って相手を舐め切ってる目だ。

 前世ではこんな視線、いつも向けられてたなぁ。主にお姉ちゃんをよいしょするために、私をダシにしようとしてた分家の人達が……って、自分から過去のトラウマを引っ張り出さない!

 

「対戦方式は1vs1を3回行う。更識、試合間の休憩時間は20分でいいか?」

 

「別に要りません」

 

「「「はっ?」」」

 

 あっ、やっちゃった。面倒過ぎて早く終わらせたいと思ってたら、つい……陸っ、本音と一緒に観客席で笑い転げないで!

 チラッと前を見たら……ああうん、あんなこと言われたら怒るよね……

 

「いいわ。その舐め腐った考え、試合で矯正してあげる」

 

「後から泣いても許さないんだから」

 

「覚悟しておくことね」

 

 たっぷりヘイトを稼いじゃった……尸解仙になってから、どうも口が軽くなってる気がする。というより、気が大きくなってるのかなぁ……? 反省。

 

「ん、んんっ! それではさっそく、第1試合を始める。両者前へ!」

 

 咳払いで睨み合い(実際は私が睨まれてるだけ)をスルーした織斑先生が宣言した。

 私は最初から開始位置に立っているから、中国側が2人後ろに下がる。最初に戦うのは、白スーツの人みたい。

 

(えっと、陸に言われたのは……)

 

 夢現を構えながら、ピットで陸に言われたことを思い出す。

 

『ここまで目立っておいて今更だが、全力は出さないように。一応こっちでも、GNドライヴは使用不可設定にしておいた。メメントモリも無しだ』

 

『つまり、大元の打鉄弐式の装備だけで戦えってこと?』

 

『そういうことだ。まあ、凰以上に強い奴がいなければ問題ないだろ』

 

 ……うん、問題ないね。

 

「それでは……始め!」

 

 織斑先生の合図で、開幕瞬時加速を掛ける。まずは夢現で牽制を――

 

――バキィィィ!

 

「きゃあっ!」

 

「へっ?」

 

 牽制のつもりで放った袈裟切りが、ものの見事にヒットした。そして相手選手は瞬時加速の運動エネルギーもモロに食らったのか、そのままアリーナの端まで吹っ飛んでいった。

 

「そ、そこまで!」

 

「あの、もうおしまいですか?」

 

 織斑先生に確認したら、呆れたというか『お前本気で言ってるのか?』って目で見られた。解せぬ。

 

「いやお前、どう見ても再開不能だろ……」

 

 そう言われて指さされた方を見たら、土煙の中から白スーツのパイロットが出てき……あっ、倒れた。

 えっ、本当にこれで終わり? 今の一撃でSE全部持ってかれるって、どれだけ紙装甲なの!?

 

「なによ、あんな奴に倒されるなんて」

 

「しかも一撃でしょ? だっさー」

 

 いやいや貴女達、もっと言うことあるよね? 節穴eye? それともminimum脳ミソなの?

 

「あー……第2回戦を始める。両者前へ」

 

「え、ちょっ、織斑先生? 本当に続けちゃうんですか?」

 

「なんだ更識、休憩は要らないと言ったのはお前だろう。というか私もさっさと終わらせたい」

 

「本音が出たぁ!」

 

――かんちゃんな~に~?――

 

(いやいや、呼んでない呼んでない)

 

 今の私は混乱している。本音の幻聴が聞こえてくるぐらいには。

 

「次は私が相手よ」

 

 そう言って出てきたのは黒スーツの人。ああはい、私も出ればいいんですね。

 

「それでは、始め!」

 

「スピードは大したものだけど、私は簡単には――」

 

「春雷ドーン」

 

「ぎゃあああああ!」

 

「第3試合を始める。前へ!」

 

「どうやら少しだけ過小評価していたようね。けど、私はあの2人とは違う!」

 

「始め!」

 

「またまた春雷ドーン」

 

「うひゃああああああ!」

 

 なんというか、ほぼ流れ作業的に試合が消化されていった。気のせいか、途中から織斑先生の目がチベットスナギツネになってたような……

 それにしてもこの人達、対抗戦の試合映像とか見てないの? 夢現も春雷も、凰さんや織斑君にバンバン使ってたから、対策の一つぐらい出来るはずなんだけど。

 

『簪、観客席にいる中国のお偉いさん、頭抱えたままヘッドバンギングを始めたぞw』

 

 陸、プライベート・チャネルで教えてくれたその情報、いる?

 でも、そうなるのも分かる。自国の代表候補生が、アリーナの中央で死屍累々になってるから。

 

「更識、よくやったわ!」

 

「え~……それ口にしちゃって大丈夫なの?」

 

 自国が負けて喜ぶって、すごく心証悪くなりそうなんだけど。

 

「何言ってるのよ、これでアタシが弱いんじゃなくて、アンタがおかしいだけって証明されたのよ? もうアタシの候補生資格を奪おうなんて考えたりしないでしょ!」

 

「……」

 

「な、何よ? 右手を開いたり閉じたりして……」

 

「おかしい奴扱いされて、イラっときた」

 

「ややややっ! アタシIS展開してない! 生身相手にそれ(メメントモリ)使おうとすんじゃないわよぉ!」

 

 わざと仏頂面して右手を向けたら、ギョッとした顔になった凰さん。さらにその後半泣きになって逃げだした。うん、私おかしくないもん。

 

「織斑先生、今回も模擬戦はこれで終了ですよね?」

 

「あ、ああそうだ。これで――」

 

「まだよっ!」

 

 その時、不思議――でもないことが起こった。

 声の方を向くと、さっき戦った(蹂躙? 解せぬ)3人が再度ISを展開していた。あれ、SEまだあったの?

 

「こんなこともあろうかと、試作段階中の携帯用SE回復パックをくすねてきて正解だったわ!」

 

 3機のISがこちらに向かってきた! お、織斑先生!?

 

「馬鹿者ぉ! 模擬戦はすでに終わって――」

 

「こんな負け方して、おめおめと本国に帰れるわけないじゃない!」

 

「私達のキャリアのため、墜ちなさい!」

 

 うぇぇぇ!? なんなのこの人達! 蛮族? 蛮族なの!? こ、こうなったら……!

 

「山嵐ドーン」

 

――ドゴゴゴゴゴゴッ!!

 

「「「ぐひぃぃぃぃぃぃ!?」」」

 

 96発のマイクロミサイル、1人32発ずつ平等に叩き込んだ。

 爆煙が晴れると、今度こそISがSE切れになって強制解除された3人が、潰れたカエルみたいに突っ伏していた。

 

「……織斑先生」

「言うな」

 

 これどうするのと視線を向けたら、こっちの世界でもなのか腹部を押さえて苦悶の顔をしていた。今回は(も)私、悪くないですから。

 

「代表候補生が模擬戦後、対戦相手を不意討ち。しかも複数人で。……更識、私は一体どんな報告書を書けばいいんだろうな……?」

 

「知らんがな」

 

「おまっ!」

 

 それを聞く相手は私じゃなく、山田先生だと思います。

 

ーーーーーーーーー

 

 いや~、今日の簪の模擬戦、トンデモナイ試合結果だったな。

 まさか代表候補生ともあろう連中が、一般生徒(笑)に闇討ち紛いのことをするなんて。

 

「それで、中国の連中は?」

 

「気絶してただけで特に外傷も無いから、今日の便で強制送還になったわ」

 

 夕暮れの生徒会室、虚さんが用意してくれたケーキをバクバク食べるのほほんをよそに、刀奈にその後を聞いていた。

 

「日本側も中国側も、これ以上学園に置いておきたくないか。それで首尾は?」

 

「中国のお偉いさんから、口止め料込みで賠償金をガッポリと♪」

 

 たぶん今の俺と刀奈は、すげぇ"いい顔"してるんだろうなぁ。クケケッ

 織斑先生が報告書に今回の件をどう書くか悩んでた? 知らんな。

 

「疲れた……」

 

「ご苦労さん」

 

 そんで、俺の膝の上には脱力した簪が。ああはいはい、頭撫でろって?

 

「り~く君、私も♪」

 

「仕方ねぇなぁ……」

 

「❤」

 

 そう言いつつ、空いてる手で隣に座る刀奈の頭も撫ぜてやる。俺、いつケーキ食えるんだ?

 

「それにしても、SE回復パックなんて初めて聞いたわ」

 

「中国らしいとも言えるな。甲龍とか、燃費向上に重点を置いてるんだろ?」

 

「ええ、第3世代機は燃費が悪いって言われてるから」

 

「なら、その場でSEを回復する手段をって考えるのも分かる」

 

 俺としては、回復パックの存在を知れたのが収穫だったな。GNドライヴが使えなくなった用とかで欲しいし、今度如月の工場戻った時、こっちでも作れないか相談してみるか。

 

「さて、陸君の頭撫ぜ撫ぜタイムが終わるのは惜しいけど、本題に入りましょうか」

 

「む~、仕方ない」

 

「ぐ~……」

 

 のほほん、お前さっきから静かだと思ったらケーキ食い終わって寝てんのかよ……いや、いいけどよ。俺もケーキ食お。

 

「さっそく、フランスとドイツから編入生の書類が来たわ」

 

「デュノアさんとボーデヴィッヒさん?」

 

「正解」

 

 テーブルの上に広げられた2枚の書類。顔写真付きのそれには、確かに見知った顔があった。

 ボーデヴィッヒは良しとして、デュノアは今回も男性操縦者シャルルと偽った状態か。

 

「ラウラちゃんはいいとして、シャルロットちゃんはどうしましょう」

 

「どうしましょうって?」

 

「前回は陸君が篠ノ之博士と取引して情報を入手、それを織斑先生に渡して解決したのよね」

 

「そんなこともあったなぁ」

 

 ニヤニヤ顔の刀奈に軽くチョップを入れながら、前の外史でデュノア本人の口から聞いた内容を思い返す。

 

 デュノアは父親であるデュノア社長と愛人の間に出来た子で、母親が亡くなった2年前にデュノアに引き取られ、IS適性が分かってから会社の非公式テストパイロットになった。

 その頃デュノア社は第3世代機開発の遅れが原因で、経営不振に陥っていた。だから一夏と専用機のデータを盗むため、一夏と接触しやすいように男装して学園へ送り込まれた。

 あん時は確か太陽光発電の設計図のお礼だったかで、束にデュノア社の情報を調べさせたんだよな。

 

「つまりお姉ちゃんは、篠ノ之博士の代わりにウチ(更識)が情報を手に入れるべきだと?」

 

「それもアリね。後は今の段階から、陸君がデュノア社にリィン・カーネーション(デュノア社の第3世代機)の情報を売却する案かしら」

 

「確かにそれもアリだな。そうすればデュノア社は第3世代機開発に着手できるから、デュノアが男装して一夏に近付く必要もなくなる」

 

 幸いデュノア社とは面識があるから、話も通しやすい。

 どうして面識があるかって? 以前日仏が研究目的やらでお互いの第2世代機を輸入し合ったことがあって、ウチの陽炎を納品したんだよ。その時に、な。

 あっ、そこでも倉持のレイモンドが地団太踏んでたな。呼ばれてないのにわざわざ納品現場にやって来たと思ったら『我が倉持の素晴らしい機体を選ばずに如月なんぞの鉄屑を輸入するなんて、フランス人は節穴ばかりかぁぁぁ!』とか叫んで、当のフランス人達をドン引きさせてた。

 とはいえ、どっちもやるとしたら今から準備だからなぁ。転校から数日は男装しててもらうことになるだろうな。さてはて、どっちにしたもんか……




大方の予想通りフルボッコ。そしてタイトル回収。
結局3人の名前は出てきませんでしたが、今回限りのやられ役だからいいよね?
そしてちーちゃんのポンポンペイン、いいよね(愉悦

中国、オリ主にSE回復パックの情報が漏れる大失態。
知られた時点でアウトです。どう足掻いても先に完成される未来しかない。(無惨

デュノア社どうしましょ。
どちらにせよ、シャルは最初男装状態で一夏と同室になる予定です。
更識が動くと前作と同じルートになりそうですが、第3世代機の情報売却だと一夏の『俺が守る!』宣言より先に解決しちゃう気ががが……



そして最後にシシカバブから、皆さんに一言。

刀奈の水着は、原作通り三角ビキニが一番だと思います!

たっちゃんの出番なんだけど……

  • もっと多い方がいい
  • 今と同じぐらいでいい
  • もっと少なくてもいい
  • 会長の水着を見せろー!
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