お前がブリュンヒルデになるんだよ!   作:シシカバブP

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執筆活動とは、突発的なインスピレーションによって成されるものである!
(要約:勢いで書いたんで、粗があったらゴメンチャイ)

というわけで、学園祭一夏編です。


第40話 学園祭開幕~織斑一夏の場合~

『それではこれよりIS学園、学園祭の開催を宣言しちゃいま~す!』

 

 

「「「「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」」」」

 

 

 生徒会長の宣言に、女子生徒達が荒々しい声を上げるのってどうなんだよ?

 なんて疑問に思う暇もなく、

 

「いらっしゃいませ、こちらへどうぞ」

 

「はーい、こちら2時間待ちでーす」

 

 1年1組の『ご奉仕喫茶』は大盛況で、開会宣言からこっち、俺を含め全員が動き回っている。というか、俺引っ張りだこ状態なんだが?

 

「織斑く~ん、『執事にご褒美セット』入ったよ~」

 

「急いで急いで~!」

 

「だーっ! 今更だけどなんだよそのメニューは!」

 

 『執事にご褒美セット』。アイスハーブティーと冷やしたポッキーのセット(しめて300円なり)という、ここだけ聞けばそれなりに普通のメニューだ。けどこのメニュー、それだけじゃなくて……

 

「お待たせしま……鈴?」

 

 金属のトレイにお茶とポッキーを乗せて注文席に行ってみれば、そこにはチャイナドレス姿の鈴が座っていた。マジかよ……

 

「鈴お前、何だよその格好。というか、自分のクラスはいいのかよ?」

 

「ウチは中華喫茶だからこの格好なのよ、文句ある? それと隣のクラス(アンタ達)が盛況すぎて、こっちは暇なのよ!」

 

「お、おう……スマン?」

 

「謝んな!」

 

 やべっ、逆効果だったか。と、とりあえずトレイのものをテーブルに置いて、そそくさと退散……

 

――ガシッ

 

「え?」

 

「ちょっと、何戻ろうとしてるのよ?」

 

 しようとしてたところで、鈴に肩を掴まれた。

 

「さあ、そこに座りなさい。『執事』さん?(ニヤリ)」

 

「……おう」

 

 観念して、鈴の正面に座る。1つのテーブルに、燕尾服とチャイナドレス。どんな組み合わせだよ……

 俺が座ったのを確認した鈴が、氷の入ったグラスからポッキーを1本取り出す。

 

「それじゃあ一夏、あ~ん……」

 

 これが『執事"に"ご褒美セット』なんだよ……! ラウラめ、なんて恐ろしいメニューを考案したんだ! ……ホントにラウラが出したんだよな、このメニュー……

 

「あ、あーん……」

 

 ニヤニヤ顔の鈴が向けてくるポッキーに顔を近付ける。注文を受けた以上、断ることも出来ないしな……覚悟を決めるか。(この前にすでに4回もやってるが)

 先端を口に含み、パキッと折ろうと――

 

「ふふっ、あむっ♪」

 

「んんっ!?」

 

 おまっ、鈴!? 何反対側を口に咥えてるんだよ!? しかもポリポリと食べ進めて、おいっ!?

 

「んん~♪」

 

「んんっ、ん~っ!」

 

 このままじゃマズいと思って顔を背けようとしたら、鈴の奴が両手で抑えつけて、おいやめっ、唇がっ、唇が近付いて――!

 

――スパンッ!

 

「んぶっ!」

 

 間一髪、視界外から伸びてきた手が鈴の後頭部を叩いたおかげで拘束が解けるとともに、ポッキーも俺と鈴の間でパッキリ折れた。

 

「いったぁ…‥誰よ! ふざけた、マネ、を……」

 

 一方、後頭部を叩かれた拍子におでこをテーブルにぶるけた鈴が振り向くと、

 

「え……」

 

「山田先、生?」

 

 箒達接客班(別名コスプレ班)と同じメイド服姿の真耶さんが笑っていた。ただし、目は全然笑っていないが。

 

「お客様、当店ではそのようなサービスは行っておりません」

 

「な、何よっ、そんな顔しても怖くなんて――」

 

「ご理解いただけないようなので、ご退店願いますね♪」

 

 忠告を無視しようとした鈴に、真耶さんの手が伸びる。

 

――ムギュッ!

 

「んぐっ!? むぐぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」

 

「は~い、暴れないでくださいね~」

 

 ま、真耶さんの、その、胸に、顔面を押し付けられた鈴がジタバタと藻掻く。けど、よほどガッシリホールドしているのかびくともしない。その間にも、鈴の動きが徐々に小さくなって……

 

「きゅ~……」

 

「はい、対処完了です。それじゃあ織斑君、別テーブルの対応をお願いしますね♪」

 

「は、はい……」

 

 酸欠でぐったりしている鈴の首を、まるで猫のように掴むと、真耶さんは教室を出て行った。……だ、大丈夫だよな? 鈴だし。

 

 さて、一度調理班のスペースに戻って、次の注文があるか確認するか。

 

「ねえ誰か、シャルロットさんに客引き切り上げるように伝えてくれないー?」

 

「あっ、それなら俺が行くよ」

 

「え? 織斑君は――」

 

 鷹月さんが何か言いたそうだったけど、シャルを呼んですぐに戻れば問題ないだろ。

 

「おーいシャル、客引きは必要なさそうだって鷹月さんが……ってどうしたんだよ!?」

 

 教室から出ると、ちょうどよく目の前にメイド服姿のシャルが――

 

「織斑君、ちょうどいいところに。あとはよろしく」

 

「はっ? 一体どういう――」

 

 突然横から肩を叩かれたと思ったら更識さんだった。よろしくって何が? おい陸、『えっ、マジで?』みたいな顔してないで、お前が説明してくれよ。

 

「グッドラック」

 

「えっ、ちょっと更識さん!?」

 

 何の説明もしてもらえず、2人は一目散に走り去ってしまった。

 何だったんだ?……なんて思う間もなく

 

「うわぁぁぁぁんっ! 一夏ぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

 突然シャルに泣きつかれ、

 

「あっ! 織斑君だ!」

 

「織斑君! 出ちゃダメって言ったでしょ!」

 

「混乱具合が増すから!」

 

 列に並んでたお客さん達や、整理スタッフ役のクラスメイト達に揉みくちゃにされるのだった。

 

 ちくしょぉぉ! 2人とも覚えてろよぉぉぉぉぉ!

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 その後も客足が途絶えることなく、昼休憩の時間まで働き詰めだった。まあその分、他のメンバーより少し長めに休めるんだが。

 

「とはいえ、午後からはエキシビジョンもありますから、白式の最終調整も含めると同じぐらいになりますね」

 

「ですね」

 

 執事服の上着を脱いだ俺の隣には、メイド服からいつもの格好に戻った真耶さんが。一緒に回ろうと前々から話していて、別々に休憩を取って途中合流したのだ。ちなみに提案者は真耶さん。

 

「別に、最初から一緒に休憩取ればよかったのでは? 外ならともかく、学園内なら生徒と副担任が一緒にいてもおかしくないですし」

 

「ダメです♪ 篠ノ之さん達に見つかったら、絶対尾行されちゃいますから

 

「?」

 

 後半聴き取れなかったけど、まあ真耶さんが言うならいいか。

 

「それで、どこに行きましょう?」

 

「そうですねぇ……」

 

「おい、お前達」

 

「へ?」「はい?」

 

 突然声を掛けられて、真耶さんと一緒に振り向いたら

 

「千冬姉?」「先輩?」

 

 マイシスターが、相も変わらずスーツ姿で仁王立ちしていた。心なしか、青筋が立ってるように見えるのは俺の気のせいか……?

 そんな千冬姉が腕組みを解くと

 

――スパパパァァァァンッ!!

 

「いでぇ!」「あうっ!」

 

 ちょっと待てぇ! どこから出て来たんだよその出席簿!

 

「お前達……まさかそれで学園祭を回るつもりだったのか……?」

 

「それって……」

 

 何のことだか理解出来ず、千冬姉が指さす方を見ると

 

 

 ――俺と真耶さん、手、繋いでた。

 

 

「「っ!///」」

 

「無意識でやってたのか……馬鹿共が」

 

 指摘されて初めて気づいた俺達が慌てて手を離すと、千冬姉からクソデカ溜め息が送られた。うわぁ、恥ずかしい……そして最初に出会ったのが千冬姉で良かったぁ……

 

「まったく、お前達ときたら……んっ?」

 

「? 千冬姉、どうかしたのか?」

 

 注意しようとしていた千冬姉の視線が俺達から外れたようで、俺と真耶さんもその視線の先を追う。

 

「あの布仏の隣を歩いている男子、お前の友人じゃなかったか?」

 

「……はっ?」

 

 その先には――

 

 

 

「へ~、かずっちの本名、数馬なんだ~。そのまんまだね~」

 

「あはは、そうだね。ネトゲで知り合った人と、リアルで会うとは思わなかったから……けど、リアルでも同じあだ名ののほほんさんも大概だと思うな」

 

「え~、そうかな~?」

 

 

 

「のほほんさんと、あれは数馬、か?」

 

 中学時代のダチの姿を見つけて、思わず声が出ちまった。

 数馬の奴、のほほんさんと知り合いだったのか? マジで? モテたい一心で弾と一緒に『楽器を弾けるようになりたい同好会』(メンバー全2名)を作ったあいつが?

 

「……織斑君」

 

「あっ、はい」

 

 真耶さんの声で我に返った。思わぬ光景に、つい現実逃避しかけてた。

 

「手、繋ぎましょう」

 

「えっ、あの、それは」

 

 何言い出すんだ、今さっき千冬姉に止められたばっかじゃないですか。

 

「おい真耶」

 

「布仏さん達を見て、ちょっと悔しかったので」

 

「おいぃぃ!」

 

 ま、真耶さん? 悔しいって……あっ、のほほんさんと数馬、手繋いでる。

 

「さあ織斑く……いえ、一夏君♪」

 

「えっえっ、ちょっとぉぉぉぉ!?」

 

「お前ら自重しろぉぉ!」

 

 俺は真耶さんと手を繋いで……というよりは真耶さんに引っ張られる形で、激おこな千冬姉から逃げ出した。

 

「たまには、こういうのもいいですね!」

 

「そう、ですね」

 

 これ絶対、後で千冬姉に説教されるんだろうなぁ……真耶さんが楽しそうだからいいか。

 

「それじゃあ、人目の少ないところから回りましょうか」

 

「そうしましょうか」

 

 

 そうして最初に見て回ったのが

 

「織斑君と山田先生、ラブラブ」

 

「あっ、あぅぅ……///」

 

「女子側のピットのシャワー室、ほとんど使う人いないから貸し切りにしてもいいぞ?」

 

「うるせぇ!///」

 

 なんでよりによって、陸と更識さんの4組が出し物してるアリーナなんだよぉ……

 

 

ーーーーーーーーー

 

 あの馬鹿共(一夏と真耶)に逃げられ、仕方なく1組の教室の前を通ったところ

 

「おい、一夏がいないぞ!?」

 

「休憩に入った? どうして教えてくれなかったんですの!?」

 

「ちょっとぉ! 一夏見なかった!?」

 

「あれ、山田先生もいない……?」

 

「くっ、急いで探さなければ……!」

 

 別の馬鹿共(専用機持ち達)が、目を血走らせながら右往左往していた。大方、真耶に出し抜かれたのか。

 

(こいつら、一夏と真耶が手を繋いでるところを見かけたら暴れるんだろうな……無許可でISを展開して)

 

 1学期の時点で、篠ノ之以外は前科ありだからな。その篠ノ之も専用機(紅椿)を手に入れた以上、あいつの性格的に暴れる可能性が濃厚だ。……実際入学初日、寮内で木刀を振り回していた前科があるし。

 

「はぁ……うっ!」

 

 お腹、お腹痛い……くそぉ、真耶が教師じゃなかったら、一夏との仲を公表してあの馬鹿共にトドメを刺してやるのにぃ……いたたた




鈴、ポッキーキス失敗。
原作でも『執事に"食べさせてもらう"』のはダメだから、自分から食べにいけばいいじゃない、というお話。別の作者様、書いて?(ニッコリ首を傾けて)

数馬&のほほん。
弾×虚がありなら、これもありだと思ってやってみた。

ちーちゃん、ポンポンペインのお時間。
同じ枠に刀奈がいない上に真耶も色ボケしている学園祭中は、ちーちゃんに胃痛が集中。


次回はエキシビジョン回になるかと。
一応、一夏が悪者にならないシナリオに……出来たらいいなぁ。
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