世界に冠たる帝国よ永遠たれ   作:ちんすこー

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この話は今章最後の話になります。


新体制

《統一暦1928年3月2日 帝都ベルン サンスーシ宮殿》

 

重く垂れ込めた鉛色の雲が帝都ベルンを覆い尽くし、骨の髄まで凍りつくような冷たい霧がサンスーシ宮殿の尖塔を白く霞ませていたその朝。宮殿の最奥、厳重な近衛兵に守られた豪奢な寝室には、死の静寂と、むせ返るような薬品の匂いが充満していた。

 

天蓋付きの豪奢なベッドの中央に横たわっているのは、かつて帝国を強権でまとめ上げ、数々の戦争を指導してきた威厳ある老君主ではない。血の気を失い、呼吸器の規則的な音だけを頼りに辛うじて命の灯火を繋いでいる、一人のやせ細った老人であった。

 

帝国三代皇帝、フリードリヒ・ヴィルヘルト・ヴィクトール・アルベルト・フォン・プロシア。通称、ヴィルヘルト二世。

 

彼の健康状態は、昨年の春季から発動された東部戦線南翼での大攻勢――青(ブラウ)作戦の泥沼化と、それに伴うヨシフグラードでの大出血という未曾有の惨状を受けて以来、悪化の一途を辿っていた。連日連夜、参謀本部から届けられる絶望的な戦死者の報告。枯渇していく資源。そして何より、常軌を逸した工業力を誇る合州国の参戦による、覆しがたい国力差への恐怖。帝国を率いる皇帝という絶対的な重圧は、彼の心臓と神経を確実に、そして無慈悲に蝕み続けていたのだ。

 

「……陛下。ヴィルヘルト殿下がお見えになりました」

 

宮廷侍医の悲痛な囁きとともに、寝室の重厚なオーク材の扉が開かれた。軍服姿のまま駆け込んできたのは、皇太子ヴィルヘルト。そしてその後ろには、帝国の軍需と経済に多大な影響をもつ男、ジーク・マイヤー・アンドシェル・フォン・ローゼフシルト大将が、足音一つ立てずに静かに控えていた。

 

「……おお。ヴィルヘルト、か。……それに、ジークも」

 

皇帝は薄く目を開け、ひび割れた唇を微かに動かした。その声は酷く掠れ、もはやかつて全世界を睨みつけた帝王の面影はなかった。皇太子はベッドの傍らに膝をつき、父の冷え切った手を両手で強く握りしめた。

 

「父上! しゃべらないでください。今、最高の医師団が……」

「……よい。自分の寿命くらい、分かって、おる。……ヴィルヘルトよ。大任を、重き十字架を、お前に背負わせることを……許して、くれ」

 

皇帝の濁った瞳から、一筋の涙がこぼれ落ちた。それは、自らの代で始まった大戦争の果てに、帝国が未曾有の危機に瀕していることへの悔恨か。あるいは、その泥沼の玉座を愛息に譲らねばならないことへの親としての悲しみか。皇帝はゆっくりと視線を動かし、皇太子の背後に立つ男を捉えた。

 

「……ジーク、いるか」

「はっ。ここに、陛下」

 

ローゼフシルトが一歩前に出ると、皇帝は微かに口角を上げた。

 

「……ルーシーでの皇室救出から始まり……貴官には、世話になり通しであったな。……あのお調子者のヴィルヘルトの、唯一の親友となり、共にこの国を支えてくれたこと……心より、感謝する」

「もったいないお言葉です。私はただ、帝国の臣民として当然の義務を果たしたまでです」

「……頼む。息子を……若き帝国を、導いてやってくれ。……頼ん、だぞ……」

 

それが、帝国三代皇帝の最期の言葉であった。

午前6時47分。心電図の規則的な音が、長く、平坦な電子音へと変わる。宮廷侍医が静かに皇帝の首筋に指を当て、そして、深く頭を垂れた。

 

「……陛下、崩御あらせられました」

 

その瞬間、寝室にいた全ての者がその場に平伏し、あるいは敬礼を捧げた。ヴィルヘルト皇太子は父の手に額を押し当て、声を出さずに肩を震わせた。ローゼフシルトは直立不動のまま、その冷徹な瞳の奥で、すぐに始まるであろう次なる権力闘争の青写真を描き始めていた。

 

数十分後。帝都ベルンの大聖堂から、重々しく、そしてどこまでも悲痛な弔鐘が鳴り響いた。その音色は瞬く間に電信に乗って世界中へと打電され、一つの時代が完全に終わりを告げたことを、帝国臣民、そして敵国にすら知らしめることとなったのである。

 

皇帝崩御の報せは、世界中に一種の特異な波紋を広げた。

大戦争の真っ只中であり、連合国と帝国は互いの殲滅を掲げて血みどろの総力戦を繰り広げていた。特に合州国や連合王国の戦略爆撃機部隊は、連日連夜、帝国の工業地帯や都市部へ向けて無差別の死の雨を降らせることに躍起になっていた。だが、この時ばかりは違った。

崩御の報せを受けた連合王国の首相チャーブルは、異例とも言える声明を発表した。

 

『――一国の君主の死を悼み、その国葬と新皇帝の即位式が執り行われる一週間の間、連合国軍は帝国本土に対する一切の爆撃を全面中止する』

 

それは、大戦争以前の欧州に辛うじて残っていた貴族的な騎士道精神の最後の名残であったのか。あるいは、自国の世論に向けた「我々は文明人である」というプロパガンダの一環であったのかは定かではない。しかし事実として、この日から一週間の間、帝国の空からあの忌まわしい空襲警報のサイレンが消え、爆音の全くない、奇妙なほど静かで平和な夜が訪れたのである。

 

「……爆撃が、来ない? 連合国の連中は、狂犬病のワクチンでも打たれたのか?」

 

その報せを聞いたターニャ・フォン・デグレチャフ准将は、信じられないものを見るような目で空を見上げた。論理的思考を持つ彼女にとって、敵のトップが死んで国内が混乱している時こそが、総攻撃を仕掛ける最大のチャンスである。この一週間の休戦は、ターニャにとって全く理解不能な感傷に過ぎなかった。

 

一時の平和に涙を流す帝都市民たちとは対照的に、軍人たちはこの静寂を嵐の前の静けさと捉え、来たるべき次なる地獄への準備を黙々と進めていた。

 

そして3月7日。厳冬の寒さが和らぎ始めた大聖堂にて。

何万本もの白百合で飾られ、黒い布で覆われた祭壇の前で、新皇帝の即位式が荘厳に執り行われた。ステンドグラスから差し込む光が、大理石の床に七色のモザイクを描き出す中、パイプオルガンの重厚な響きが堂内に満ち溢れる。参列しているのは、黒の喪服に身を包んだ帝国の貴族、政府高官、そして胸に無数の勲章を輝かせた軍の首脳陣である。ゼートゥーア、ルーデルドルフといった面々の後ろには、急遽呼び出されたターニャの姿もあった。

 

「――神の恩寵と、血の誓いによりて。我、ここに帝国の玉座を継承す」

 

祭壇の前に立つヴィルヘルト皇太子は、亡き父の残した大元帥の軍服を身に纏い、帝国大主教から差し出されたライヒの帝冠を、自らの手でゆっくりと頭上に戴いた。

 

「我はヴィルヘルト三世。この剣と鉄十字にかけて、帝国の繁栄と臣民の護りをここに誓う!」

 

新皇帝ヴィルヘルト三世が、帝国の象徴たる黒鷲の紋章が刻まれた宝剣を高く掲げると、大聖堂は割れんばかりの万歳の歓呼に包まれた。かつて陸軍大学校でローゼフシルトに腕挫十字固を極められて白目を剥いていた、あの血気盛んな青年は、今や一億の臣民の命を背負う帝国の君主となったのである。

 

祭壇から振り返ったヴィルヘルト三世の視線が、ふと、最前列の特等席に立つローゼフシルトと交差した。皇帝の目は『これからも頼むぞ、親友』と語りかけていた。ローゼフシルトは恭しく、しかし微かに口角を上げて一礼を返した。

 

(……ええ。お任せください、陛下。貴方はその眩い玉座で、帝国の太陽として輝いていればいい。……その足元の影で這い回るドブネズミどもの首は、全て私が掻き切っておきますから)

 

ローゼフシルトの冷徹な眼差しは、すでに即位式の祝賀ムードなど見てはいなかった。大聖堂に鳴り響く賛美歌を背に、彼は静かに踵を返し――帝国の暗部へと足を踏み入れていった。

 

 

◇

 

 

帝都ベルンの地下深くに存在する、要塞化された巨大な防空壕。その一端に位置する、ごく一部の人間しか存在を知らない豪奢な執務室。

分厚いマホガニーの机越しに、ジーク・マイヤー・アンドシェル・フォン・ローゼフシルトは、最高級の革張りの椅子に優雅に深く腰掛けていた。

 

部屋の照明は薄暗く、デスクランプの光だけが、机の上に広げられた無数の機密書類と、銀製の灰皿から立ち上る紫煙を照らし出している。この薄暗い密室こそが、今や帝国の全てを裏で操る男の影の玉座であった。

 

ローゼフシルトは、手元のブランデーグラスをゆっくりと揺らしながら、自らがこれまでに構築してきた盤面を脳内で俯瞰していた。

 

帝国の巨大な軍事機構は、今や彼が提供する技術と生産に依存している。各種高度な計算機を始め、コンテナ輸送システム、次世代兵器の数々。前世の記憶を基にした通信機器やレーダー網。そして極秘裏に生産が進む原爆の心臓部たる超高純度黒鉛――。もはや帝国軍は、ローゼフシルト財閥の工業力と技術力がなければ、一週間たりとも今の戦力を維持することはできない。

 

さらに、軍部内部には確固たる人脈がある。優秀な軍事合理主義者であるゼートゥーアやルーデルドルフとは、互いの目的のために結ばれた強固な共犯関係にある。

政府内部でも自身の手足であるペルツルやシュパーヤが今までの功績から多大な影響力を確保している。

そして今、帝国の最高権力者たる玉座には、自らに絶対の信頼を寄せる親友、ヴィルヘルト三世が座った。

 

役者は全て揃った。あとは、帝国の内部に巣食う「自身による戦争指導の足枷」となる全ての障壁を排除し、国家の全機能を一つの目的のために統制するのみである。

 

「……始めろ、ハイドラー」

 

影の玉座から発せられたその静かな一言は、帝国という巨大な国家の血管に、極めて猛毒な劇薬を流し込む合図となった。

即位式の熱狂からわずか三日後。大聖堂に鳴り響いた祝砲の煙がまだ帝都の空に残る中、それは血を流さない、しかし極めて冷酷で暴力的なクーデターとして静かに幕を開けた。

 

帝都の闇夜を切り裂き、黒塗りの軍用車両が無数に行き交い始めた。彼らは正規の憲兵隊ではない。黒い革のコートに身を包み、冷酷な目で標的を狩る猟犬たち――ラインリヒ・ハイドラー率いる帝国国家保安警察である。法を超越した権限を与えられたこの組織は、周到に準備されたリストに基づき、深夜の帝都で一斉に牙を剥いた。

 

標的となったのは、ローゼフシルトが邪魔だと判断した将官たち、ローゼフシルト財閥の軍需独占に反対する政治家、そして円滑な指導を邪魔すると予想される官僚たちである。

 

深夜の高級住宅街。かつての栄光にしがみつき、ゼートゥーアとルーデルドルフを中心とした体制への反対を声高に叫んでいた陸軍大将の邸宅のドアが、無言で蹴破られた。

寝室に雪崩れ込んだ黒コートの男たちは、抵抗する間もなく大将をベッドに押さえつけると、一枚の写真と分厚い書類の束をその顔の前に突きつけた。そこには、彼が軍の補給物資を横流しして得た裏金の流れと、ベルン裏路地の高級娼婦との生々しい情事の証拠が、逃れようのない精度で記録されていた。

 

「閣下。陛下は、閣下の長年のご功労に対し名誉ある退役と、田舎の領地での静かな余生をご用意されました。……もちろん、この書類に今すぐ署名していただければ、ですが」

 

冷酷な声で囁く保安警察の職員。大将の顔から血の気が引き、震える手で退役届にサインをするしかなかった。

またある政治家は、朝の出勤途中に車ごと拉致され、窓のない地下室で数時間の「挨拶」を受けた後、突如として一身上の都合により議員を辞職した。さらに、ローゼフシルトの体制構築に強硬に反対していたある官僚は、自宅の書斎で「泥酔した上での拳銃暴発による不慮の事故」として処理され、翌朝の新聞の片隅に小さな訃報として載るのみであった。

 

暗殺、脅迫、スキャンダルの暴露、ハニートラップ、そして莫大な賄賂。

国家保安警察は、あらゆる卑劣な手段を駆使して邪魔な者たちを社会的に、あるいは物理的に消し去っていった。表向きは一発の銃弾も放たれず、軍の反乱も起きない『無血のクーデター』。しかしその裏側では、帝国の権力構造が根底から、そして強引に書き換えられていたのである。

 

この恐怖と静かなる粛清によって反対派を完全に沈黙させた上で、新皇帝ヴィルヘルト三世の名において、前代未聞の体制刷新を告げる勅令が発布された。

 

まず、政府の刷新である。

未だに権力闘争を大好物として、戦争指導を度々妨害してきた文官たちの内閣は総辞職を強要され、宣伝大臣としてプロパガンダの才を振るっていたアドルフ・ペルツルを首班とする『ペルツル内閣』が電撃的に発足した。ペルツルは、かつて牢獄に叩き込まれていた若き日よりローゼフシルトから莫大な資金援助を受けており、完全に彼の操り人形であった。ラジオや新聞、映画を通じた言論統制と大衆扇動の天才であるペルツルが首相の座に就いたことで、帝国の国民はより一層、総力戦への狂信状態へと叩き込まれることとなる。

 

次に、軍部の最高指導層の完全な入れ替えが行われた。

前参謀長をはじめとする新体制にとって邪魔だと判断された将官たちが半ばクーデター的にその座を追われた後、空いた玉座には、この大戦争において常に軍事合理性をもって帝国を支え続けてきた二人の天才が座った。

参謀長にルーデルドルフ。参謀次長にゼートゥーア。

さらに、これまでの多大な武功と、新たな要職に就くにあたっての絶対的な権威付けとして、新皇帝よりこの二人に最高位たる元帥の称号と元帥杖が授与された。元帥という軍隊における絶対的な階級を手に入れたことで、彼らは軍内部に残る全ての不満分子を沈黙させ、文字通りの全軍への絶対的命令権を確立したのである。

 

だが、体制刷新の最大の目玉は、これらではなかった。

ローゼフシルトの強烈な助言により、帝国の軍事指揮系統そのものが全く新しい、そして極めて効率的な形へと作り変えられたのだ。

 

帝国軍最高司令部(OKW)の設置である。

 

これまで、陸軍、海軍、空軍はそれぞれ独立した指揮系統を持ち、セクショナリズムによって作戦の連携がしばしば阻害されていた。そこでローゼフシルトは、これらを全て統合指揮する上位組織を新設させたのである。最高司令官は、形式上は皇帝ヴィルヘルト三世である。しかし、皇帝は軍事の専門家ではない。そのため、実質的な戦争指導の全権限は、最高司令部に座る将官たち――すなわち、最高司令部総長に就任したルーデルドルフ元帥と、次長に就任したゼートゥーア元帥の二人が握る形となった。

 

そして、戦争遂行において最も重要な兵站と生産を根底から変革するため、行政機関の巨大な統廃合が断行された。

陸軍省、海軍省、空軍省は解体・統合され、新たに国防省が設置された。この強大な権限を持つ国防大臣のポストには、ローゼフシルトとの共犯関係にあり、加えて極めて政治力に長けたゲーロング空軍元帥が座った。

さらに、最も重要であったのが経済省と軍需省の合併である。大戦争を勝ち抜くためには、民間の経済活動すらも全て軍需生産に直結させる必要があった。

 

この統合によって誕生した巨大な怪物機構、戦時経済省の頂点に座ったのは、天才的な建築家にして組織の合理化に異常な執念を燃やす男、アルバート・シュパーヤであった。

シュパーヤは、就任以前から帝国のあらゆる工場を規格化し、労働力を徹底的に搾取し、軍需生産を劇的に向上させるという恐るべき手腕を発揮してきた。そしてここに彼は帝国の兵站の要として絶大な権力を握ったように見えた。

だが、シュパーヤ自身が最もよく理解していた。自分がどれほど工場を合理化し、生産数を増やそうとも、その工場を動かすための工作機械、最先端の特許技術、そしてオーパーツとも呼べる兵器の設計図の全てが、ローゼフシルト財閥の金庫の中に握られているという事実を。

 

「……結局のところ、私はあの男の工場長に過ぎないのですね」

 

深夜の戦時経済省の大臣室で、シュパーヤは諦めた様子でそう呟き、ローゼフシルトから送られてきた新型歩兵銃の生産拡大要求書にサインをするしかなかった。

 

4月の初旬。

春の花が帝都ベルンに舞い始める頃には、この巨大な国家機構の大改造は全て完了していた。

 

国民を熱狂させるプロパガンダの天才が首相として政府を掌握し。

兵站の天才が帝国の全産業を軍需へと染め上げ。

冷酷なる二人の天才元帥と、野心家の元帥が最高司令部と国防省を掌握し。

そして、その全ての上に君臨する絶対君主、ヴィルヘルト三世。

 

誰もが、これが帝国の新しい「皇帝親政」であり、無敵の戦争指導体制であると信じて疑わなかった。彼らは、最高司令官である皇帝のために血を流し、帝国のために工場で汗を流すのだと熱狂した。

 

だが。

この巨大で完璧な国家という名のシステムには、一本の極めて太く、透明な糸が結びつけられていた。

 

皇帝ヴィルヘルト三世の無二の親友として絶大な信頼を受け、皇帝の決断を陰で誘導し。

ペルツル内閣の主要なポストに息のかかった者を配置し。

国家保安警察のハイドラーという猟犬を使って、意に沿わない者を暗闇から葬り去り。

最高司令部のゼートゥーアたちやシュパーヤに対し、次世代兵器の供給と兵站という軍の生命線を握ることで、対等以上の発言権を確保する。

 

表舞台に立つことなく。軍服の威光すら借りることなく。

世界のどこからでも、ブランデーグラスを傾けながら、葉巻を燻らせながら、経済と情報、そして強烈な政治的暴力という見えない力によって、巨大な帝国の政治、軍事、外交の全ての糸を操る男。

 

ジーク・マイヤー・アンドシェル・フォン・ローゼフシルト。

 

後の歴史家たちは、この1928年春に完成した、皇帝を神輿とした絶対的かつ冷酷無比な戦争指導体制のことを、恐怖と畏敬を込めてこう呼ぶこととなる。

 

『ローゼフシルト体制』。

または、完全なる『ローゼフシルト独裁』と。

 

大戦争の狂気は、一人の策謀家が世界最大の国家の全権力を完全に手中に収めたことにより、いよいよ誰も止めることのできない最終局面へと突入していくのであった。

ローゼフシルトの過去話いる?

  • 前世まで赤裸々に見せろ!おら!!
  • 転生してからの話あくしろ
  • 男に興味ねぇからさっさと話進めろや!
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