東方キャラとオリキャラでイナズマイレブンする話   作:みかづき椛

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序章 超次元サッカーに挑戦
    一話 封印から逃れた女の子


 地球の衛星である月から少し離れた何もない空間にほんの少しヒビが入り、ガラスが割れるような音を立てながら割れ、ヒビの中にある空間から上下白い和装の着物を身にまとった黒髪おかっぱの女の子が出てきた。見た目の年齢は大人になったばかりで、その女の子の首の左側に刃物による三日月の形をしている10cm程の傷跡があった。

「ようやく出られた。これで……」

 女の子の頬を涙が伝っていき、数秒間の安堵の表情から怒りに満ちた表情に変わる。女の子は両手で握るように細めな黒い剣を作った。

「世界を管理する者になれなかった私を閉じ込めた神……あなたと、あなたが管理する世界を滅ぼすことができる……!」

 女の子の脳内に老け込んだおじいさんの言葉が再生され始める。

「異世界を管理するための力を注ぎすぎた結果、心が乱れて暴走したのか……解決策を考えるまで封印せねば……」

 その言葉を思い出した女の子は歯を食いしばり、ワープするかのように一瞬でその場から姿を消した。

 上下白い和装の女の子が月面にある街中に降り立つ、そこは文明進んだ巨大な都市があった。降り立った女の子の近くにいる人間の様な体で兎耳がある玉兎の数名が振り返り、目の前にいる白の和装の服を身に着けている女の子を視界に捉える。

「誰だ!?」

「侵入者だ!」

 その場は騒然となり、女の子を取り囲むようにライフル銃のような武器を構える玉兎によって陣が組まれた。囲まれた彼女は真っ黒な刀を両手に握って前方にいる玉兎たちを鋭い目つきで睨んだ。

「兎さんたちも私と同じく、首を切られて異世界転生したいのですか?」

「異世界転生!?」

「私の首の傷跡は地球で殺された時につけられた傷……でもそんなことはどうでもいいのです……」

 女の子の問いかけに周りの玉兎は黙ったまま警戒するだけだった。女の子は体が突風のように低空飛行で数名の玉兎に迫り、一振りで数匹の兎が吹き飛んで地面に倒れた。

「速い……!!」

 玉兎たちは怯えるように体を震わせながら後退りをし始める。

「おっ、おい! お前は何者なんだ!?」

 焦りの表情の玉兎一人は女の子に震えた声で問いかけた。

「名前……名前は黒幕子(くろまくこ)。今からそう名乗る」

「目的はなんだ!?」

「私がかつて普通の人として生きた、100年経った異世界を滅ぼすこと」

 黒幕子と名乗る女の子は高速で剣を玉兎にぶつけていき、一撃で玉兎を倒していった。

 数十分後、黒幕子の周りには何十人もの玉兎が負傷した様子で倒れていた。倒れている玉兎には剣によってできた大きなあざができていた。

「つ、強い……! 我ら月の民を圧倒するなんて!」

 一人の倒れている玉兎が上空を見上げて笑顔に変わり、上空を指差した。

「あっ!! 依姫様!!」

 黒幕子は上空を見るとピンク色のポニーテールに黄色のリボンを付けて赤い服を着用している少女――既に抜刀している綿月依姫がいた。依姫はゆっくりと静かに着地して黒幕子を睨みつける。

「あなたは何者? なぜ月に仇を成すのです?」

 慌てる玉兎と違い、冷静な質問を投げかける依姫。黒幕子は数秒間答えずにただうつむいたその後、顔を上げて依姫に視線を向ける。

「私は黒幕子。ここは月なのですね」

「ここが月だと知らなない……?」

 黒幕子は依姫の質問には答えず、依姫に一気に距離を詰めた。

「くっ!」

 剣と刀が何度も激しく火花を散らしながらぶつかり始める、黒幕子は表情に焦りが生まれ始めた。

「神は……どこにいるのです! 異世界の神は!!」

「会いたいのなら見せて上げましょう。八百万(やおよろず)の神に!」

 依姫は刀を振り上げるも、近くに立つ玉兎が一斉に振り返って飛び始めた。

「依姫様が神を降ろして戦う。ここは離れた方が良いな」

 数十分が経ち、黒幕子と依姫との戦いは激しさが増す一方だった。黒幕子からは剣・火・光線など、あらゆる攻撃を用いていくが、依姫は様々な神霊を降ろして黒幕子の攻撃を斬って凌いだり、黒幕子に斬撃を当てたりしていた。しかし、黒幕子には傷は付いてもすぐに治る、不死のような体であった。

(この娘……神霊による攻撃に耐えている……一体何者……?)

「……感じられない」

 そう呟いた黒幕子は依姫から視線を横に逸らす。

「何がだ……?」

 疑問を感じた依姫が質問した瞬間、黒幕子はその場から瞬間移動するように姿を消した。

「消えた!? 逃げた……?」

 遥か遠くの空中から依姫の様子を見ていた玉兎の一人は片手でガッツポーズをした。

「やったーー!! 依姫様が追い払ったーー!!」

 玉兎は喜びの叫びを上げ、その叫びに釣られるように他の玉兎も歓喜を上げ始めた。

「喜ぶのはまだ早いです! まだどこかに潜んでいる可能性があるので見つけたら手を出さずに私に報告してください!」

 玉兎に大声で呼びかけた依姫は周りを見渡し始めた。

(それにしても何者なんだ……只者ではないのは間違いない。即刻仕留めなければ)

 内心呟く依姫は緊迫感の圧がある表情のまま、どこかへと飛んでいった。




黒幕子は十九歳の不老不死。
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