東方キャラとオリキャラでイナズマイレブンする話   作:みかづき椛

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一章 いきさつと第二試合
    十話 幻想郷に異世界転移


 時は遡り、闇夜の博麗神社の鳥居の前に、リードシクティス・シラウオ・フナ・キクラゲ・アキス・サバミ・カサゴ・ラック・イヨカが出現した。

「今、明かりを灯しますね」

 リードシクティスは自身の周りに放つ柔らかな光で周りを照らした。

「やはり……異世界転移の魔法はコントロールが難しいですね。封印されていた者のいる場所からかなり離れてしまいました。申し訳ありません」

 リードシクティスは深々と頭を下げ、サバミ達八人の仲間に向かって詫びた。

「気にすんなよ。まずはここの把握だ」

 気軽にそう言うサバミはそばの鳥居に目をやった。

「おお、神社か」

 リードシクティスは目を閉じて集中し始めた。

「……彼女は幻想郷内を飛び回っていますが、急に止まったりこちらに方向転換はしていません」

「そうか。その調子で探り続けてくれ」

「分かりました」

「な〜んか嫌な予感がするなぁ……まあ、考えたって仕方ない! さっさとターゲットの所へ飛ぼうぜ……いや、飛んだらバレるか」

「お姉ちゃん、歩くのは嫌だよ? さっき階段降りようとしたら長そうだったよ」

 カサゴが嫌そうに姉のサバミに話しかけた。サバミは階段を見下ろす。

「ほんとだ。長いなぁ」

 サバミはリードシクティスの顔に視線を移す。

「シクティスさん。ターゲット以外の気配ってどんな感じだ? この世界の住人のことだ」

「そうですね……調べてみます」

 リードシクティスが幻想郷内の気配を探るために目を閉じたその瞬間、三人の背後に巫女風の服を身にまとい、赤いリボンを後頭部に付け、手にお祓い棒を持つ巫女姿の少女――博麗霊夢が舞い降りた。

「ちょっとあんた達」

「うおっ!」

 背後からの突然の声に、サバミが飛び上がるほど驚いた。

「あ……あんた……どこから現れたんだよ……」

「それはこっちの台詞よ」

 霊夢は腕を組んで三人を怪しみながら見つめ始めた。

(恐らくここの巫女さん……)

「あ~? あんた達な〜んか怪しい……」

「わ、私達は怪しい者ではありませんよ……実は私達、異世界から来まして……この幻想郷のことはふんわりとしか理解できてなくて……」

「異世界? 外から来た人?」

「はい……ちなみに……お名前は……?」

「名前? 博麗霊夢よ」

 霊夢は名を尋ねたリードシクティスに向かって平然と答えた。

「はくれい……?」

「れいむ?」

 リードシクティスが苗字を、サバミが名前を奇妙なイントネーションで繰り返すと、霊夢は呆れたように溜息をついた。

「変な呼び方……」

「あの……! 私達の目的は異世界の住人だった者が幻想郷に侵入してしまいまして、私達はその者を追っていて……」

 リードシクティスが丁寧に説明すると、霊夢は面倒くさそうに手を振った。

「なるほどね。じゃあさっさと追ってくれない? ここで暴れたら騒がしくなるだろうから」

 霊夢はお祓い棒を持っていない方の手で境内を指差した。その先にはアキスが暇つぶしに剣を振り回し、それを嫌々シラウオが受け止めていた。さらにフナは居合斬りのフォームを何度も確認し、キクラゲは毒キノコでお手玉を始め、イヨカは泣きじゃくりながらラックにすがりついている。境内はまるで祭りのような雰囲気に包まれていた。

「も、申し訳ございません……すぐここからいなくなります……」

 リードシクティスは深々と頭を下げ、霊夢に詫びた。霊夢は冷ややかな視線をリードシクティスに向けていた。

「ちゃんと元の世界に連れ帰ってよ」

「勝手にお邪魔した上に騒がしくしてしまい、申し訳ございません!」

 霊夢は面倒くさそうに欠伸をこぼす。

「ふわぁ~……私、眠たいから」

「シクティスさん……もう一度、幻想郷中の気配を探ってくれ」

 焦りの表情のサバミの問いかけにリードシクティスは困惑の表情で首を振った。

「すみません……さっきから探っていますが、全く感じられなくて……多くの人の形をした存在は確認出来るのですが……」

「おい、巫女! この世界って普通に人がたくさんいるのか?」

「あー? いるけど、普通に」

 霊夢は鬼気迫る表情をしているサバミの質問に平然と答えた。

「え……? じゃあ……私達の世界の住人は、幻想郷の住人の気配を探れないってことですか……?」

「それはターゲットも同じだとすると、何も感じない場所に気配を持つ九人が急に現れたら、モロバレ確定ってことだ! なんでそのことを知らなかったんだ!」

 サバミの焦りを帯びた迫力ある表情に、リードシクティスは頭を下げた。

「すみません……! 幻想郷のことは調査したことなくて……あっ!」

 リードシクティスは何かに気付き、顔を青ざめていった。

「シクティスさん、さっき極限まで気配を減らすって言ってたよな……本当はゼロにしなきゃいけなかったんじゃ……シクティスさん……?」

 リードシクティス同様に青ざめていた。

「……ターゲットが」

「どうした……まさか……」

 サバミが息を呑むと、リードシクティスが震える声で続けた。

「こちら側に向かって猛スピードで飛行し始めました……」

「……なまらやべぇ!」

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