東方キャラとオリキャラでイナズマイレブンする話   作:みかづき椛

101 / 124
 百  一話 努力家の巫女

 コチヤーズメンバーが集まる紅魔館内の広い部屋でサバミは置かれてあるホワイトボードに黒いマジックペンで『三日月晴奈』と書いた。

「読みは『みかづきはれな』だぜ」

「な……なにが?」

 カサゴは首をかしげて姉のサバミに尋ねた時、射命丸文が右手を挙げる。

「もしかして……名前ですか?」

「あぁ」

「はれなって言うのか……さすがに黒幕子は本名じゃないか」

 ラックはそう呟くと、サバミは『北海道→異世界転生→封印→幻想郷』と書いた。

「北海道で死ぬ前、当時十八歳の晴奈は何をしていたと思う? ちなみに今は十九歳だぜ。十九歳で不老不死の魔法を受けたからな」

「どうでもいいから早く説明しなさい」

「は……は〜い……」

 アシカに急かされたサバミは渋々ホワイトボードに『巫女』と書いた。

「そうか……黒幕子は巫女だったのか……霊夢はどう思う?」

 魔理沙は周りを見渡すも、霊夢の姿はない。

「……って、いなかったな」

「巫女として過ごしていた晴奈だったが……自身がかかった疫病が原因で住んでいた村が大変な目に遭い、晴奈を恨む人は増え始めていったんだ……」

 百年程前、豪雨の中で人里離れた山の中にある大きな袋から、一人の黒髪おかっぱの白い巫女装束を着ている当時十八歳の晴奈が出てきた。

「こ……ここはどこ……? 寒い……」

 袋から出てきた晴奈は顔が真っ青で全身が震えていた。晴奈の背後には40代くらいの男性が立っていた。

「お前さえいなければ……儂の家族は……」

 晴奈は振り返るとそのおじさんは右手に斧を持っていた。

「お……おじさん……」

「お前のせいで……俺の妻……娘……息子が死んだ……そして儂も……すぐに死ぬ」

「や……やめてください……!」

「……死ね」

 男は斧を振り下ろすと、晴奈の首の左側に斧が食い込んだ。

「うっ……えっ……!! い……いたい……」

「ハァ……ハァ……一回で切れなかった……!」

「助け……て……」

 かすれ声で助けを求めるその晴奈の首から血が垂れ始める。

「う……うわぁぁぁぁ!!」

 晴奈の首に斧を食い込ませた男は、腰を抜かして、悲鳴を上げてその場から立ち去った。

「う……う……」

 異世界転生した首に三日月形の傷跡がある晴奈は巫女服を着用しながら最初の町を数ヶ月過ごしていった。そしてある日、晴奈は町の出入り口を睨むように見つめてた。

「君、前に来た時もここで外を見てたな!」

 晴奈は振り返ると、笑顔の黒髪ショートの20代前半位の男が目の前で立っていた。

「俺の名前はクロマグロ! 君の名前は?」 

「三日月……晴奈」

「転生してきた人か……いったいここでなにしてるんだい?」

 一時間後、晴奈は自分の生前の人生と、斧で自分を殺した男が異世界に転生してくるのを待っていることをクロマグロに話し終えた。

「その首に傷を着けた人を待っているのか……きっとそいつは死んでもどうせ地獄に落ちるぜ」

「地獄……?」

「死んでも異世界転生するだけじゃないしな〜」

 クロマグロは右手を晴奈に差し出す。

「俺たちのパーティーに入らないか?」

「……はい」

 晴奈は優しく微笑み、クロマグロの手を取り合った。

 紅魔館内の広い部屋にいるサバミは晴奈の人生を大まかなに話していた。

「そして異世界を冒険しまくったクロマグロは勇者と呼ばれ、晴奈は異世界最強の巫女と呼ばれるようになったんだ」

「勇者クロマグロの右腕三日月晴奈……まさか黒幕子の正体が彼女だったなんて……」

 リードシクティスは首をかしげながらそう呟くとサバミはホワイトボードを思いっきり叩いた。

「晴奈はな……当時の最強格であったラックの先祖たちに勝ったんだ! それはクロマグロですら出来なかったことだ!」

「おい! 我の先祖が負けたの確定ではないか!」

 ラックはそう怒鳴ると、射命丸文が右手を挙げる。

「勇者クロマグロの右腕だった時の晴奈には特別な力を受けていたいなかったのですか?」

「受けてなかったな。つまり自分の力だけで私の先祖を倒したんだ……なまら研究熱心で努力家の巫女とも言われてたぜ」

「研究熱心の巫女とか霊夢と真逆だな」

 魔理沙は静かにそう呟くと、サバミは再びホワイトボードを掌で叩いた。

「悲惨に死に、異世界で第二の人生を明るく歩めたかと思いきや……死んだ異世界の神様になれと言われた」

「そして失敗して晴奈自身が暴走し、封印されて仲間と離れ離れになってしまったと……」

 メモを取りながら射命丸文はそう発言すると、ラックは振り向いて射命丸文と目を合わせる。

「なんで別世界に住む文が前のめりなんだ」

「つい新聞記者としての性が出ちゃいました……」

「幻想郷でその記事出しても意味ないのにな」

 ラックはそう呟くと、早苗は右手を挙げた。

「じゃあ私から質問いいですか? サバミさんは晴奈にどんな記憶改ざんをしたんです?」

「それは……晴奈を殺した男が実は天国にいったと言う話を聞き、メンタルが崩れたタイミングで悪魔の力を注ぎ込まれて暴走した……って感じだな。実は悪魔は悪くなかったってパターン」

「なるほど……」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告