東方キャラとオリキャラでイナズマイレブンする話   作:みかづき椛

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 百  二話 無意識特訓

 ある日の朝頃、箒に乗って空を飛んでいる魔理沙が博麗神社の鳥居の前に降り立った。その場には箒を持って地面を掃いている暗い表情の霊夢がいた。

「お〜い霊夢! なんか暗くないか?」

 魔理沙は大声で尋ねながら霊夢に近付くと、霊夢は一つため息をついた。

「私の独り言があいつに聞かれてね……レミリアは無事で済んだけど……」

「そうだったのか! それで晴奈がレミリアを襲いに向かったのか!」

「はれな?」

「黒幕子の本当の名前らしい。三日月晴奈……そうだ! 晴奈は生前、北海道で巫女やってたらしいぜ!」

 盛り上がり始めた魔理沙だったが、霊夢は暗く表情のままだった。

「やっぱり」

 魔理沙は驚愕の表情に変わった。

「や……やっぱり? まさか知ってたのか?」

「実は一度対戦したことがあってね、相手が普通の白装束から巫女服に変わり、お祓い棒も持ったのよ」

「お祓い棒を持っていたのか……霊夢みたいなのが異世界にいたとは……」

「最初は私のマネをしたのかと思ったけど……どうにも様になっててね。今、納得したわ」

 その後、博麗神社境内の建物の縁側に座る霊夢と魔理沙で会話の続きをしていた。

「……それで晴奈は幻想郷に来たってわけだ」

 話を聞き終えた霊夢は立ち上がり、晴れた青空を静かに見上げ始める。

「とりあえず辛い目に遭ったのは分かったわ……だけどね……」

「だけど?」

 魔理沙は首をかしげると、霊夢は大きく息を吸い込んだ。

「あうんさらわれたのは許せないのよー!」

「え……えー!? あうんさらわれたのかー!」

 霊夢の叫びにつられるように魔理沙は叫んだ。

「だから絶対にコチヤーズにはあうんを取り返してもらわないと……!」

「……そうだ。霊夢はもう試合に出ないのか?」

「あぁ? あぁー……」

 霊夢は曇った表情で歩き始める。

「永遠亭の時に霊夢が出場したとき、練習無しで大活躍だっだろ?」

「レミリアを危険に晒したきっかけを与えたのは私だし……次の試合に出るわ! もう勝ったも同然よ!」

「おっ頼もしいな。それじゃあ練習しに……」

「練習はしないから」

 魔理沙は一瞬ずっこけしそうになった。

「練習しないのか……頼りになるのかならないのか分からないぜ……」

「待ってなさい! 異世界最強の巫女!!」

 数時間後、幻想郷に浮かぶサッカースタジアム内のミーティングルームにコチヤーズメンバーが集まっていた。ホワイトボードの前にはサバミとこいしが並んで立ち、サバミが熱弁していた。

「今日! ふらっと来たこいしを見て思ったんだ! 時止めディフェンスへの特訓を!」

「じゃあみんなフィールドに行こ〜!」

 こいしは笑顔でガッツポーズをし、席に座るメンバーは立ち上がる。

 数十分後、スタジアムのメインコートでは足元にボールを置いているコチヤーズメンバーが二列に並んでいた。

「これから無意識のこいしが列の間を歩き、ボールを奪いに来る。みんなはなるべく奪われないように頑張ってくれ」

 サバミはそう言うとこいしはその場から姿を消した。

「私も並ぶか」

 列の最前列に立ったサバミはボールを足裏で押さえようとした瞬間、ボールが消えた。

「おわ〜!!」

 サバミはバランスを崩して前のめりに倒れた。

「なるほど……察知する能力に長けてるサバミでも気付かれないのは凄いな」

「へへへ〜そうでしょ〜」

 ラックの言葉で照れるように笑みを浮かべたこいしは再び姿を消した。

 その日の夕方、サッカースタジアム内の廊下ではサバミとこいしが椅子に座りながら話していた。

「いつかは走りながらこの無意識特訓をやろうと思ってるが……こいしが接触して危険を晒すかもしれん。付き合ってくれるか?」

「いいよ〜!」

「よし! 数日後には紅白戦をしながらこいしを乱入させよう!」

 数時間後の夜、サッカースタジアム内のシラウオの名札がある部屋にフナが入室した。部屋には真顔で窓の外を眺めているシラウオがいた。

「お姉ちゃ〜ん!!」

 フナは泣きべそをかきながら姉のシラウオに抱き着く。

「無事でよかった〜ー!!」

 シラウオは無表情でフナの頭を優しく撫でた。

「レミリアは?」

 レミリアの話題に変わった瞬間、フナはふくれっ面に変わってそっぽを向く。

「あぁ……紅魔館の主ならまだ目覚めてないけど……」

「どうしたの?」

「……私とお姉ちゃん戦いたかった! 」

 フナは振り向いてフグ並みに膨らませた頬を姉のシラウオに向けた。

「アキス見たいなことを……あれ……なにか……違和感を感じる」

 ふくれっ面を止めたフナはきょとんとした表情に変わる。

「何かって何?」

「それは分からない」

「でも凄いねお姉ちゃん! 私は何も感じてないのに!」

「フナ、違和感を感じてるだけで褒めないで」

 シラウオはフナに指摘すると、部屋にノック音が三回響く。

「ひゃー!」

 フナは怯えた様子でシラウオの背後に隠れた。

「黒幕子が出てくるわけないだろうし……何を怯えてるの?」

「話の流れ的に!」

 怒り気味にフナはそう言うと、シラウオは警戒することなく扉を開けた。その先には早苗が立っていた。

「なんだキャプテンか……」

 フナはホッとため息をつくと、早苗が慌てるように通路を指を差した。

「あっ……シラウオさんとフナちゃん! レミリアが目覚めましたよ!」

 早苗の言葉を聞いたシラウオは早苗が指を差した方向に向かって走り始めた。

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