東方キャラとオリキャラでイナズマイレブンする話   作:みかづき椛

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 百  三話 復活のレミリア

 ある日の夜、サッカースタジアム、早苗・シラウオ・フナの三人は部屋の出入り口に立ち、シラウオがノックを三回して扉を開ける。部屋には赤色のパジャマ姿のレミリアが仰向けで静かな吐息で眠りについていた。

「あれ? 起きたって聞いたけど……二度寝したのかな?」

 小声でフナはそう言うと、早苗はレミリアの羽を見つめ始める。

「その羽……寝る時、邪魔そうですね……」

「二人とも、部屋から出ましょう」

 シラウオの申し出で三人は静かに部屋を出て、無言で廊下を歩き始める。

「レミリアに謝りたかった……結果、命は失われなかったけど体には何度も傷が……」

「多分、そのことについては気にしてないと思うので大丈夫だと思いますよ。傷も回復魔法で全快しましたし」

 早苗はうなだれながら歩くシラウオの肩をさすりながらそう声をかける。

「お姉ちゃん! 晴奈から4時間耐えたんだから誇ってよ!」

「はれな……?」

「黒幕子の本当の名前らしいよ! 三日月晴奈!」

 シラウオは数秒間黙り込み、ほんの僅かに目が見開く。

「その名前聞いたことがある……百年前の最強の火属性、無駄のない最低限の動きと魔力で敵を倒す巫女服姿の者……」

「お姉ちゃん知ってたの?」

「私の理想。彼女みたいな無駄がない人になりたいと思っているから」

「えぇ!? まさかの憧れだったー!?」

 フナの叫びの後、シラウオは右手で妹フナの口を防ぐ。

「うるさい」

「シラウオさん……なおさら負けられませんね」

 早苗はそう言うとシラウオは静かに頷いた。

「あ、そう言えば試合は満月の夜になったから昼夜逆転しないといけませんね……」

「期間が延びたんですか?」

「なんかの謝罪ってことで晴奈からの提案です」

 

 フナは口を塞ぐ姉のシラウオの手を振り払った。

「あんまり延びてないけどね!」

「そう言えば……フナちゃんはよく声を出してるけど忍者ではないとか?」

「さすがにそうです……お姉ちゃんとは正反対で私は不器用です……」

 早苗は両手を強く合わせる。

「キャプテンとして、お二人姉妹のことをもっと話をしたいので色々教えてくれませんか?」

「前にも言ったっけ、二回目かもしれないけど私たち姉妹には先祖代々から受け継いだ不死の体と無属性の魔法が使えるんだ!」

 早苗は突然、ハッとした表情に変わる。

「じゃあシラウオさんはこの命に代えてもレミリアを守る! じゃなくて、命に代えなくても守るだったんですね!」

「はい……」

「それにしても……フナちゃんは無感情な姉の反動でも出たせいかよく声が出てますね」

「お姉ちゃんのせいなんです。お姉ちゃんが全然構ってくれないから……」

 フナは寂しそうな表情でそう言うと、早苗は苦笑いを浮かべる。

(リードさんはブラコンでフナちゃんはシスコンだなぁ……)

 次の日の夜、コチヤーズはサッカースタジアム内で埴輪を交えて紅白戦を行っていた。ドリブルで走る早苗の足元にあるボールが一瞬にして消えた。

「あれ?」

 早苗は立ち止まって振り向くと、ボールを足の裏で抑えているこいしが手を振っていた。

「やっほ〜」

「難しすぎません……?」

 ふくれっ面に変わった早苗に文が近付く。

「ちょっとでもボールが変に動いたら即反応した方がいいですね」

「文さんも奪われまくってるじゃないですか」

「……恐らく咲夜さんはもっと手強いはずです。頑張りましょう!」

「逃げた……ってあれ?」

 早苗は何かに気付き、斜め上を指差すと、普段着のレミリアがコート外上空で練習風景を見下ろしていた。

「レミリアさん!?」

 射命丸文はそう叫ぶと、レミリアは静かにフィールドのライン際に降り立った。レミリアにコチヤーズメンバーが集まる。

「おっ、もしかして練習に参加したいとか?」

 サバミは質問に対し、レミリアは首を横に振った。

「するわけがないでしょう」

 レミリアの返しに、サバミの表情が沈み、うつむいた。

「うぅ……」

「実は……あなた」

 レミリアは右手の人差し指をシラウオに向けた。

「シラウオが私と一つになる運命を見て……取りあえず来てみたわ」

 サバミは勢いよく顔を上げ、気合に満ちた表情に変わった。

「ぬおー! それってミキシマックスってことかー! 紅白戦を一旦中止しよう!」

「え……?」

 レミリアがきょとんとした顔に変わると、サバミは走り始めてフィールドから抜け出した。

 数十分後、サバミはフィールドでは背中に赤いリュックのようなものを背負いながら、コードで繋がれているマイナスの刻印がある銃とプラスの刻印がある銃から黄色い光線を発射してレミリアとシラウオにぶつけた。二つの刻印が点滅し始め、シラウオは白髪ショートから薄青紫色のショートに変わった。

「運命で見たやつってこれだろ?」

「まぁ……そんな感じよ」

 真剣な表情のレミリアは変化したシラウオに近付く。

「私のパワーとスピードを使って負けたら許さないから。覚悟しておくことね」

「分かりました」

「よし! 紅白戦再開するぜ!」

 その後、紅白戦再開して間もなくシラウオにボールが渡る。

(……来た)

 ドリブル中のボールが消えた瞬間、シラウオはすぐさま振り向き、ボールの姿を確認していないこいしから奪った。

「遂にこいしからボールを奪ったーー!! さすがお姉ちゃん!!」

 興奮気味にフナはそう叫ぶと、シラウオの周りに数羽のコウモリが群がって飛び始め、ボールに赤色エネルギーがまとわりつく。

「ヴァンパイアロード」

 シラウオは右足でボールを蹴り飛ばし、コウモリと共にゴールを襲わせる。ゴール前に立つ橙が右手を挙げるとやや骨組みの黄色い手が出現した。

「ゴッドフィンガーズ!」

 橙は右手を払うような動きをすると、ゴール前に橙色のエネルギーで出来た線が五本出現し、ボールと激突して五本で挟み込むも、威力を止められずゴールを許した。

「さすが過ぎるお姉ちゃん! これで白組リード!」

 はしゃぐようにフナはそう言うと、ベンチに座るレミリアはしょんぼりとした表情に変わる。

「えぇ……紅組じゃないの……」

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