東方キャラとオリキャラでイナズマイレブンする話 作:みかづき椛
魔法の森で人形が投げつけられた毒キノコをかわした頃、アリスは息を乱していた。
「な……何!?」
「へぇ〜……人形使いか……私のライバルにはならなそう」
アキスがあくびをしながらそう言うと、アリスはアキスを睨んだ。
「失礼ね……あなたたち……一体何なの?」
「あ、私はアキス。こっちのキノコ投げたのは私のお姉ちゃん。異世界から来たんだ」
「キクラゲって呼んで〜!」
「空き巣? 物騒な名前ね……ちなみに私の名前はアリス・マーガトロイドだけど」
「アリス? なんだ、一文字違いじゃん!」
アキスが軽く笑うも、アリスは真剣な表情で二人を見ていた。
「とにかく……私が森から出してあげるわ。というか、さっさと出てって」
「え〜、せっかく面白そうなキノコがありそうだったのに〜……」
キクラゲが不満そうに言うと、アリスが興味深そうに尋ねた。
「そんなこと言うあなたはキノコ使いなの?」
「そうだよ〜! は〜い!」
キクラゲはアリスに向かってキノコを投げつけた。アリスはギリギリでよけた。
(危なっ……それにしてもキノコを使う人……? 人かどうかさておき、魔理沙に会わせたらどんな反応するかしら……)
その時、空からリードシクティスが飛んできた。
「キクラゲさん! アキスさん! 見つけました!」
「来た! 神様! 早く私を敵の所に連れてって!」
リードシクティスはアリスに向かって深々とお辞儀をした。
「この姉妹が何か迷惑をおかけしていたら、どうもすみませんでした!」
「え……えぇ……」
アリスは呆気に取られていると、アキス、キクラゲ、リードシクティスの三人は飛行し始めた。
「じゃあね〜」
キクラゲは笑みを浮かべながらアリスに手を振った。
(な……なんだったのかしら……)
アリスが疑問に思いながら飛んでいく三人を見送った。
「……おい!」
リードシクティス・アキス・キクラゲは誰かの呼び止める声が聞こえて振り返った。三人に向けて声をかけたのはロングの金髪で魔女の格好をして、箒にまたがって空を飛んでいる霧雨魔理沙だった。
飛行中のアキスが魔理沙に注目し、ワクワクした表情で腰から二本の刀を抜いた。
「へぇ〜……なんか強そう! あなた名前は?」
「私の名前は霧雨魔理沙! 普通の魔法使いだぜ!」
魔理沙は自己紹介を終えると、アキスの表情が暗くなった。
(普通の魔法使い……? 弱いってこと……?)
「戦う時間はありません! 行きますよ! キクラゲさん! アキスさん!」
三人は一斉に空へ飛び上がり、高速で進み始めた。
「はぁ……面白そうだったのに……」
アキスの両手に握った刀が宙で軽く揺れていた。
「どうしたのリードちゃん? そんなに切羽詰まって」
「実は……サバミさんとカサゴさん、それと他の二人……異世界転移した時に会った巫女さんともう一人の方が、ターゲットの毒にやられてしまって……キクラゲさんなら何とかできるんじゃないかと思いまして」
「ふ〜ん……まぁ、やれるだけやってみるよ〜」
気楽に応じたキクラゲはアキスの両手に握られている刀に視線を移した。
「アキス〜、それしまわないと落としちゃうかもよ〜」
「え? 敵を前にして?」
アキスのその言葉で、キクラゲとリードシクティスは飛ぶ方向の逆を向くと、箒にまたがる魔理沙が迫ってきていた。
「え〜? あの魔女さん、追ってきてた〜」
「もっと速く飛んだ方が良いですね」
「いや、いいよ私を置いて。どうせ何もできないだろうし」
アキスがそう言った時、キクラゲがキノコ一個を右手に握り、魔理沙に向かって軽く放った。
「キノコか!?」
魔理沙が空中で急停止し、落ちていくキノコを追いかけ始めた。その隙に三人は魔理沙から遠ざかっていった。
「しまった……逃げられた……!」
◆
リードシクティス・キクラゲ・アキスの三人がサバミ達がいた場所に到着すると、サバミ・カサゴ・山如の三人がすでに立ち上がり、地面に横たわるのは霊夢ただ一人という状況だった。
「え……!? 三人とも元気になったんですか!?」
「あぁ……シクティスさん、イヨカがヒントをくれたんだ」
「ヒント……ですか?」
「イヨカの回復魔法で逆に苦しんだ……それがこの毒の正体に気付いたってわけだ」
その時、キクラゲが倒れている霊夢に気付き、霊夢の青ざめた顔をじっと見つめた。
「この巫女さんが喰らってる毒……生きてるね〜」
キクラゲの声は軽い調子であったが、その言葉にリードシクティスがハッとした。
「なるほど! 生き物の毒だから、イヨカさんの回復魔法でその毒が元気になってしまった……ということですか!?」
「そうだ。それに気付いた私とカサゴは、冥王の力で自分にかかった毒の魂を一気に抜いた。姐さんは自身の能力を利用して、精神を操作する煙を自分で吸いまくって毒を死なせて、元気を取り戻したってわけだ」
リードシクティスは山如に目を向けた。山如の顔色はまだ優れずにいた。
「私はすぐに全ての毒を消すことは出来なかったが……恐らくあと百回くらい吸い続けたら、完全に毒が消えるだろう」
山如は龍型の煙管を手に持ったまま、笑みをこぼした。
「治ったと思っても、一度私が確認します……! 魂を確認するんで!」
サバミが念を押すと、山如は頷いた。
「分かった……とにかく私は一人で帰って寝るとするよ。幻想郷の住人は察知しづらいらしいからね」
「姐さん……気を付けて……!」
「あぁ、博麗の巫女を頼んだよ」
山如は静かにその場を離れ、夜の闇に消えていった。
「……おい! なんだあれ!?」
ラックは叫び、紫色の歪んだ空間を指差していた。それはまるで空が裂けたかのような物で、八雲紫が操るスキマと呼ばれるものだった。
「真空魔!? 真空魔だ!!」
サバミが興奮気味に叫ぶと、周囲がキョトンとした。