東方キャラとオリキャラでイナズマイレブンする話   作:みかづき椛

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フォーメーション

 クリアナイト(黒幕子のチーム)
      黒幕子
  玉兎 玉兎 玉兎 玉兎
  玉兎 玉兎 玉兎 玉兎
     天子 衣玖

    リード  魔理沙
  シラウオ フナ  キクラゲ カサゴ
  文  妖夢  早苗 アキス
      ラック
 コチヤーズ(早苗のチーム)


   十八話 第二試合、キックオフ

 開幕戦から十日後の昼過ぎ。天候は晴れだった。幻想郷の上空に浮かぶサッカースタジアムのメインコート付近にあるベンチには、コチヤーズの十二人のメンバーが集まっていた。

「必ず勝ちましょう! 皆さん!」

 早苗は力強く右手を前に差し出した。メンバーたちは次々とその手に自分の手を重ねた。数秒間重ねた後、空から萃香がゆっくりと降りてきた。カサゴが明るく声をかけ、笑顔で手を振った。

「あ! 萃香さん!」

 カサゴに目を合わせた萃香の表情は暗かった。

「監督にふさわしい優秀な人材と交渉しに行ったが、失敗に終わってな……」

(萃香はいつの間にスカウトマンになったんだ……)

 魔理沙は内心そう呟いた時、妖夢はキョトンとした表情で萃香に一言申す。

「いますけど監督……」

 萃香は残無との交渉が失敗に終わったと思っていたが、ハッとしてベンチの方へ視線を移した。そこには残無が股を広げて座っていた。その隣には、濃い紫のロングヘアにラベンダー色のロベリア帽子を深くかぶり、チャイナドレスをしっかりと着こなした豫母都日狭美が立っていた。萃香は驚きの表情を隠せずにいた。

「残無……? 勝ったから監督やるんじゃなかったのか? それに地獄の案内人まで……」

「儂は監督ではない。監督は日狭美にやってもらう」

「萃香様、私が監督になったからには勝利は絶対に逃しませんわ! なんて」

 萃香は安堵したように微笑んだ。

(なるほど……どっちにしろか)

 萃香はホッとため息を吐き、残無の隣に腰を下ろした。

「共に見届けよう、スカウトマン萃香よ」

「スカウトマン萃香様!」

 残無と日狭美が微笑みながら、萃香をからかった。

「お前ら変な呼び方止めろ」

 萃香は呆れ顔でそう言った時、クリアナイトのベンチから十一人の選手が瞬間移動で姿を現した。

「残無様、来ましたわ!」

 日狭美が指差すクリアナイト側のベンチには、黒いユニフォームに白いキャプテンマークを着けた黒幕子、赤色のユニフォームを纏った八人の玉兎、そして――水色のロングヘアに桃の実を乗せた帽子を被る比那名居天子と、白に赤いひらひら付きの羽衣に赤いリボンの触角帽子を被る永江衣玖が姿を現していた。

「天子と衣玖、地震系の技に要注意です……」

 射命丸文の分析に、妖夢が緊張した声で続けた。

「しかも、今回は黒幕子がキーパースタート……点取れそうですか? 魔理沙さん」

「誰が相手でも新技で決めてやるぜ」

 そう宣言した魔理沙は自信満々な表情であった。

 幻想郷の上空に浮かぶサッカースタジアムの観客席には妖精達がパラパラと席に座っていた。そしてベンチとベンチの間に立つ右手にマイクを持つカナが叫びをあげた。

「さぁ、やってまいりました! コチヤーズとクリアナイト、フォーメーションは開幕戦と同じでもメンバーに動きがあります! コチヤーズは咲夜選手に代わり、カサゴ選手がスタメン! 対するクリアナイトは、キーパーに黒幕子選手、ツートップに天子選手と衣玖選手が入ります!」

 センターサークルに置かれたボールの前に、天子と衣玖が無表情ながら自信満々に立っていた。

「さぁ、クリアナイトのボールからキックオフです!」

 審判の長い笛の音が響き渡り、試合が始まった。天子が軽やかなタッチでボールを隣の衣玖にパスすると、黒幕子を除くクリアナイトの十人が一斉にコチヤーズのゴール目掛けて走り始めた。早苗が驚きの声をコートに響かせる。

「いきなり全員攻撃!?」

 クリアナイトの選手たちは短いパスを素早く繋ぎ、ボールは一気にゴール前に運び込まれた。天子と衣玖がゴール前で左右に並び、立ち位置を入れ替えた。天子が左足で、衣玖が右足で同時にボールを横に蹴り、ボールに激しい黄色いイナズマが巻きついた。

「イナズマ1号!」

 二人の声が重なり、雷鳴を轟かせながらボールはゴールを襲った。ラックは渾身の力でボールを両手で受けた。しかしボールの勢いはすさまじく、ラックをゴールネットごと吹き飛ばした。

「ゴール!! クリアナイト、前回は試合終了間際に1点でしたが、開始わずか1分で先制点をもぎ取ったー!」

 早苗は慌てるようにラックの元に駆け寄った。

「ラックさん! 大丈夫ですか!?」

 ラックは倒れたまま悔しげにうつむいたが、すぐに勢いよく立ち上がった。

「……バレたかもしれん。我のパワーが弱いってことに」

「パワーがなくても、決して諦めないでくださいね!」

「そうだな……よし!」

 早苗は闘気が戻ったラックの眼差しを確認し、急いで自陣のポジションに戻った。

(言えない……どんなに練習しても、不器用すぎて技の一つも覚えられなかったことを……)

 試合開始から4分後、コチヤーズはボールを奪おうと必死に動いていたが、クリアナイトの統率されたパスワークに翻弄され続けていた。ボールが上空に舞い上がり、衣玖が軽やかにジャンプした。

「天空サンダー!」

 衣玖が叫ぶと同時に、右足でボールを蹴り放った。ボールは一瞬黒い雷をまとい、すぐに黄色い雷へと変化。雷鳴と共に一直線にラックを襲い始める。ラックは両手でボールを受け止めたが衝撃に耐えきれず、再びゴールネットまで吹き飛ばされた。

「ゴール!! これで0−2!! クリアナイト、開始たった五分で2点リード!」

 観客席の妖精たちの歓声が高まった。射命丸文はゴール前で険しい表情を浮かべていた。

(ここで突き放されるのはまずい……なんとしても追加点を取らなければ……)

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