東方キャラとオリキャラでイナズマイレブンする話   作:みかづき椛

28 / 124
  二十八話 最強のイレブン

 昼の太陽が照らすサッカースタジアムのメインコートを、霊夢と華扇が上空から眺めていた。

「霊夢、ちょうど手が痺れているから、試合に出てみても良かったんじゃない?」

「なんでそんなに乗せようとするの華扇……それにあんたはどうなの?」

「ごめん! 試合当日、予定があって」

 霊夢はため息をついた。

「サバミには一応感謝はしてる。巻き込まれた側だけど……だからちょっとだけ試合に出てもいいかなぁ……とは思ってるけどね……」

 華扇の顔がパッと明るくなった。

「ついに正直になったのね!」

「なんで!?」

「じゃあ、練習するためにスタジアムへ戻りましょう!」

 華扇が興奮気味にスタジアムを指差すも、霊夢は反対の方向へ飛び始めた。

「帰るわ。練習は面倒くさそうだし」

「え!? 練習はした方がいいって!」

 華扇は慌てるように霊夢の後を追いかける。

「それより境内の掃除どうしよう……あ、ちょうどここにいる華扇がやって。やんないと試合出ないから」

(認めたと思ったら、実は私に掃除をやらせようとする狙いが……? でも……やる気になったならそれで良しとしましょう!)

 その日の夜、月明かりに照らされているコチヤーズのミーティングルームの部屋の中央に立つ黒幕子は無言で机の上に紙を置いた。その紙には『次の試合当日、永遠亭で待っている』と墨で書いてあった。

「あの造形神……私が頼んだ通り造ってくれた……これで少しはマシになる」

 同じ頃、ベッドで布団にくるまり、静かに寝息を立てるサバミの脳内に女の声が響く。

「あなたにとって最強イレブンは?」

 サバミは夢の中で目を閉じたまま答えた。

「最強のイレブン……? パッと思いついたのは時空最強イレブンかな……最強入ってるし……」

「では、時空最強イレブンの特徴を教えてください」

「え? えっと……」

 サバミの意識の中で、イメージが文字となって浮かんだ。

 一の力:人を見抜き大局を見抜く 静と動を合わせ持つ 真実のゲームメーカー

 二の力:仲間の勇気を奮いたたせ 鉄壁の守りに変えるカリスマDF

 三の力:未来をも見通す状況推理能力で敵の急所をつく 正確無比のMF

 四の力:大国を治める力 強靭な行動力と実行力を持つ 鉄壁のキーパー

 五の力:海のように広い心で 攻守を繋ぐ架け橋となる スーパートリッキーMF

 六の力:稲妻のように 素早く切り込む速さ 電光石火のスピードストライカー

 七の力:自由自在に 空間を生かす 空を制する フライングDF

 八の力:太古の力を宿し その牙は海を割る ダイナミックMF

 九の力:野獣の獰猛さと 賢者の頭脳を持つ ファンタジックリベロ

 十の力:絶対的な勇気と 揺るぎない実行力で大地をも味方にする キングオブMF

 十一の力:灼熱の熱風と 激震する雷鳴の力で 全てを貫くオールラウンドプレイヤー

 翌朝、太陽の光がサバミの部屋の窓から差し込む。扉が勢いよく開き、髪と同じ黄色いジャージを着たカサゴが飛び込んできた。

「お姉ちゃーーん! 早く起きてーー! 紙がーー!」

 サバミの左眉がピクッと動き、紺色のパジャマ姿でゆっくり上体を起こした。

「うるさいな……トイレの紙がなかったのか……?」

「違う! ミーティングルームに黒幕子からの手紙があったんだよ!」

「……はえあ?」

 コチヤーズのミーティングルームに、サバミとカサゴが引き戸を開けて入ると、ホワイトボードに貼られた紙の周りにメンバーが集まり、緊張感が漂っていた。

「ホワイトボードに例の紙が貼ってあるのか」

 サバミはメンバーに割り込み、墨で書かれた『次の試合当日、永遠亭で待っている』という文字を確認した。

「永遠亭……? どっかの居酒屋の名前か?」

 サバミの発言に、付近の黄色いジャージ姿の魔理沙がツッコミを入れる。

「違う。鯢呑亭ならあるけどな」

「お姉ちゃん……居酒屋のことは頭から離して……」

「そうか……で、永遠亭ってなんだ?」

「行けば分かる。それより……なぜ黒幕子は『永遠亭で待っている』だなんてメッセージを送ったんだ? あそこには月の頭脳、永琳はいるが……」

 サバミは視線を窓に移し、内心で思考を巡らせる。

(月の頭脳……? 頭脳……といえば九の力だよな……まさか時空最強イレブンを幻想郷最強イレブンに置き換えろ……という意味で見た夢なのか……?)

 人里から少し離れた静かな場所で朝ごろ、サバミは一人タバコを吸って思考を巡らせていた。

(FWになったアキスは秋が好きな高速剣士だ……足も速いし、アキスと誰かでミキシマックスしてスピードストライカーを作れと……色んな魔法がある私たちの世界だが、タイムマシンはない……ここでミキシマックスの相手を見つけるのも良いかもな……)

 真剣な表情のサバミの前に、空からピンク色のポニーテールに黄色いリボンをつけた少女が降りてきた。赤い服とスカートをまとう綿月依姫だった。

「あなた、上空に浮く施設から出てきましたね」

「うわっ!」サバミが驚き、面食らった表情で依姫を見た。「な……!? 誰ですかーあんたはー!?」

「お初にお目にかかります。名前は綿月依姫です。簡単に言えば、月の都でリーダーをやっています」

(月の都のリーダー……? あいつが宇宙への封印が解け、月って場所に飛んだって話は聞いたが……)

「攫われた私の姉様と部下の兎が超次元サッカーなる競技に参加させられている可能性があると……」

 依姫の言葉にサバミの顔がハッと明るくなった。

「あんたも出る!? 姉様と部下を救おうぜ!」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告