東方キャラとオリキャラでイナズマイレブンする話 作:みかづき椛
昼の太陽が照らすサッカースタジアムのメインコートを、霊夢と華扇が上空から眺めていた。
「霊夢、ちょうど手が痺れているから、試合に出てみても良かったんじゃない?」
「なんでそんなに乗せようとするの華扇……それにあんたはどうなの?」
「ごめん! 試合当日、予定があって」
霊夢はため息をついた。
「サバミには一応感謝はしてる。巻き込まれた側だけど……だからちょっとだけ試合に出てもいいかなぁ……とは思ってるけどね……」
華扇の顔がパッと明るくなった。
「ついに正直になったのね!」
「なんで!?」
「じゃあ、練習するためにスタジアムへ戻りましょう!」
華扇が興奮気味にスタジアムを指差すも、霊夢は反対の方向へ飛び始めた。
「帰るわ。練習は面倒くさそうだし」
「え!? 練習はした方がいいって!」
華扇は慌てるように霊夢の後を追いかける。
「それより境内の掃除どうしよう……あ、ちょうどここにいる華扇がやって。やんないと試合出ないから」
(認めたと思ったら、実は私に掃除をやらせようとする狙いが……? でも……やる気になったならそれで良しとしましょう!)
◆
その日の夜、月明かりに照らされているコチヤーズのミーティングルームの部屋の中央に立つ黒幕子は無言で机の上に紙を置いた。その紙には『次の試合当日、永遠亭で待っている』と墨で書いてあった。
「あの造形神……私が頼んだ通り造ってくれた……これで少しはマシになる」
◆
同じ頃、ベッドで布団にくるまり、静かに寝息を立てるサバミの脳内に女の声が響く。
「あなたにとって最強イレブンは?」
サバミは夢の中で目を閉じたまま答えた。
「最強のイレブン……? パッと思いついたのは時空最強イレブンかな……最強入ってるし……」
「では、時空最強イレブンの特徴を教えてください」
「え? えっと……」
サバミの意識の中で、イメージが文字となって浮かんだ。
一の力:人を見抜き大局を見抜く 静と動を合わせ持つ 真実のゲームメーカー
二の力:仲間の勇気を奮いたたせ 鉄壁の守りに変えるカリスマDF
三の力:未来をも見通す状況推理能力で敵の急所をつく 正確無比のMF
四の力:大国を治める力 強靭な行動力と実行力を持つ 鉄壁のキーパー
五の力:海のように広い心で 攻守を繋ぐ架け橋となる スーパートリッキーMF
六の力:稲妻のように 素早く切り込む速さ 電光石火のスピードストライカー
七の力:自由自在に 空間を生かす 空を制する フライングDF
八の力:太古の力を宿し その牙は海を割る ダイナミックMF
九の力:野獣の獰猛さと 賢者の頭脳を持つ ファンタジックリベロ
十の力:絶対的な勇気と 揺るぎない実行力で大地をも味方にする キングオブMF
十一の力:灼熱の熱風と 激震する雷鳴の力で 全てを貫くオールラウンドプレイヤー
◆
翌朝、太陽の光がサバミの部屋の窓から差し込む。扉が勢いよく開き、髪と同じ黄色いジャージを着たカサゴが飛び込んできた。
「お姉ちゃーーん! 早く起きてーー! 紙がーー!」
サバミの左眉がピクッと動き、紺色のパジャマ姿でゆっくり上体を起こした。
「うるさいな……トイレの紙がなかったのか……?」
「違う! ミーティングルームに黒幕子からの手紙があったんだよ!」
「……はえあ?」
◆
コチヤーズのミーティングルームに、サバミとカサゴが引き戸を開けて入ると、ホワイトボードに貼られた紙の周りにメンバーが集まり、緊張感が漂っていた。
「ホワイトボードに例の紙が貼ってあるのか」
サバミはメンバーに割り込み、墨で書かれた『次の試合当日、永遠亭で待っている』という文字を確認した。
「永遠亭……? どっかの居酒屋の名前か?」
サバミの発言に、付近の黄色いジャージ姿の魔理沙がツッコミを入れる。
「違う。鯢呑亭ならあるけどな」
「お姉ちゃん……居酒屋のことは頭から離して……」
「そうか……で、永遠亭ってなんだ?」
「行けば分かる。それより……なぜ黒幕子は『永遠亭で待っている』だなんてメッセージを送ったんだ? あそこには月の頭脳、永琳はいるが……」
サバミは視線を窓に移し、内心で思考を巡らせる。
(月の頭脳……? 頭脳……といえば九の力だよな……まさか時空最強イレブンを幻想郷最強イレブンに置き換えろ……という意味で見た夢なのか……?)
◆
人里から少し離れた静かな場所で朝ごろ、サバミは一人タバコを吸って思考を巡らせていた。
(FWになったアキスは秋が好きな高速剣士だ……足も速いし、アキスと誰かでミキシマックスしてスピードストライカーを作れと……色んな魔法がある私たちの世界だが、タイムマシンはない……ここでミキシマックスの相手を見つけるのも良いかもな……)
真剣な表情のサバミの前に、空からピンク色のポニーテールに黄色いリボンをつけた少女が降りてきた。赤い服とスカートをまとう綿月依姫だった。
「あなた、上空に浮く施設から出てきましたね」
「うわっ!」サバミが驚き、面食らった表情で依姫を見た。「な……!? 誰ですかーあんたはー!?」
「お初にお目にかかります。名前は綿月依姫です。簡単に言えば、月の都でリーダーをやっています」
(月の都のリーダー……? あいつが宇宙への封印が解け、月って場所に飛んだって話は聞いたが……)
「攫われた私の姉様と部下の兎が超次元サッカーなる競技に参加させられている可能性があると……」
依姫の言葉にサバミの顔がハッと明るくなった。
「あんたも出る!? 姉様と部下を救おうぜ!」