東方キャラとオリキャラでイナズマイレブンする話 作:みかづき椛
迷いの竹林では、落とし穴に落ちたキクラゲに向かって地面に伏せた魔理沙が手を伸ばしていた。
(キクラゲさんの手をつかもうとするなんて……すごい勇気……)
フナが薄目で魔理沙を見ながら内心呟いた瞬間、穴の底から巨大なキノコが生え、キクラゲがそれに乗って上昇。驚いた魔理沙が飛び上がる。
「うわっ! なんだキクラゲ、自力で上れたのか!」
「そうだよ〜。手を延ばしてくれてありがとね〜」
キクラゲが笑顔で礼を言うと、巨大キノコを消した。
「それにしてもこの落とし穴は誰が掘ったのだ!?」
苛立ちのラックの言葉に射命丸文が返す。
「てゐがイタズラで掘ったのでしょうね」
「そのてゐってうさぎはイタズラ好きなのか?」
ラックが射命丸文にそう質問すると、シラウオが遠くに視線を移して呟く。
「……誰か来る」
一行がシラウオの指差す方向を見ると、竹林をくぐり抜ける足音が近付いてきた。白髪のロングヘアに紅白のリボンと小さなリボンをいくつか付け、白いカッターシャツと赤いズボンにサスペンダーを着けた藤原妹紅が現れた。
「誰!?」
フナが驚きの表情でそう叫ぶと、妹紅は素っ気なく返す。
「……あんたらが私を叫んで呼んだんじゃないか」
◆
それから妹紅はコチヤーズを永遠亭へ案内すると決め、そして数十分後、一行は竹林を抜けて永遠亭の入口に辿り着いた。
「それじゃあ」
軽い挨拶を済ませた妹紅は飛び去った。
◆
数分後、永遠亭の和風の部屋で、黒のロングヘアに白いリボンをつけ、ピンクの衣と赤いロングスカートでふてぶてしく床に座る蓬莱山輝夜と、赤と紺のナース服に長い銀色の三つ編みの八意永琳がコチヤーズ一行と対面した。リードシクティスが超次元サッカーの状況を説明し終えると、永琳が静かに頷く。
「なるほどね。だいたい理解したわ。その超次元サッカーの試合はここでやるってこと?」
「う〜ん……いくら永遠に廊下が続いてるとは言え、フィールド作れませんよね……」
リードシクティスがペコペコと頭を下げながら永琳の質問にそう返すと、永琳の表情が寂しげに変わった。
「ウドンゲ……最近急にいなくなったと思えば、まさか攫われただなんて……」
「うどん? 食べ物ではないだろう?」
「食べ物ではなくて、名前です。鈴仙・優曇華院・イナバですよ、ラックさん」
不思議そうなラックの言葉に、射命丸文が答えた。
「いや長いな!」
「ウドンゲは助手で早く帰ってきて欲しいけどねぇ……」
後方から前に出た依姫が、硬い表情で永琳に話しかける。
「八意様、もしかしたら次の試合……が出るかもしれません」
「え……依姫もいたの?」
「はい……私も姉様が攫われまして……」
「それは大変だわね〜」
輝夜が軽い口調で言うと、ラックが内心で静かにツッコむ。
(この者のノリが軽い感じ、鼻につくな……)
「そうかそうか……それは辛いな〜……代わりにこいつで我慢してくれ」
サバミが困り顔のカナを無理やり永琳の前まで押し出した。
「ふあぁん! なにするんですかぁ、サバミさ〜ん!」
「あら〜? その兎は?」
輝夜が興味深そうに尋ね、サバミが笑顔で答える。
「こいつはカナって名前で、言うなれば異世界の兎だ! ウドンゲの代わりと言っちゃあなんだが、次の試合までこいつの頭をわしゃわしゃしててくれ!」
サバミが笑顔で答え、ラックが薄目でサバミを睨む。
(サバミはもっとイラっとさせるやつだったな……)
永琳がカナに近付き、マイクを見つめた。
「そのマイクは?」
「あの……私……超次元サッカーの実況を担当させてもらっているカナと申します……」
カナが恥ずかしそうに自己紹介すると、永琳がカナの頭をもみもみとマッサージするように撫で始めた。
「ふ……ふえぇ〜……くすぐったいです〜……」
◆
一方、永遠亭の廊下をアキスが真剣にジャージ姿でサッカーボールでドリブルしていた。そこへ紅白の巫女服をまとった霊夢がゆっくりと近付いてきた。アキスはドリブルを止め、霊夢に視線を移した。
「ん……? もしかして今日入ったばかりの巫女?」
「コチヤーズだなんて名前のチームメイトになったつもりはない。あくまで助っ人」
「霊夢は練習しないの?」
「練習なんていらない。適当に活躍してみせるから」
そう言った霊夢は笑顔で胸を張っていた。そこへ、日白残無と日狭美が歩いてきた。
「霊夢は天才型じゃ。もしかすると超次元サッカーでも良い結果を残すかもしれん。駄目ならすぐ交代させればよい」
「残無……表で指揮する監督を日狭美にやらせて、裏で采配……あんたらしいわね」
残無が微笑むと、アキスが不満気に質問する。
「それより……霊夢はスタメン確定ってこと?」
「そうじゃ」
残無は頷き、重い空気が流れる中、キクラゲが明るい笑顔でその場に現れた。
「アキスは天才型でもあるし努力家でもあるけどね〜」
「あっ! お姉ちゃん……! 私はサボる天才型は嫌いってことを言いたいんだよ……!」
アキスはそう言って頬を膨らませた。
「なるほどね〜!」
「……悪かったわ。それでも私は練習しないけどね」
霊夢が軽く謝るも、日狭美は内心ツッコむ。
(それ、謝ったことにならないのでは……?)
「まぁまぁ、味方内でのバチバチは止めよう〜」
頬に赤みが差し、ふらふらと歩く萃香が現れ、場を和ませようとした。
「って萃香! なんでもう呑んでるの!?」
「私が酒飲んだら悪いか〜、霊夢〜」
「勝利の時に宴をするから、先行はずるいってこと!」
「そうだよ! 酒飲んだらまともに試合できないよ!」
アキスが霊夢に続けてツッコんだ。
「そうだ〜。だから私はスタメンにはならないな〜」
残無はニヤリと口角を上げ、萃香に一言発する。
「そうか。萃香よ、スタメン発表を楽しみにしておれ」
萃香の表情が凍りついた。
「まさか、そんなわけない。私がスタメンに選ばれることなんてな〜」