東方キャラとオリキャラでイナズマイレブンする話   作:みかづき椛

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  三十一話 二つの要素がある砂のフィールド

「黒幕子、全然来ないじゃないかーー!!」

 満月が雲一つない夜空を照らす永遠亭の縁側で、ラックが叫んだ。サバミがラックの肩に手を置き、なだめる。

「いやラック、ナイターの可能性はあるぜ」

 ラックがサバミの手を振り払い、睨んだ。付近に座る輝夜が笑顔で言う。

「今宵は満月! きっと満月に照らされながら試合をしたかったのだわ〜!」

「……それならそうと言って欲しいものだが」

 ラックが不満げに呟いた瞬間、部屋に黒幕子が突然現れた。

「出たー!!」

 フナと妖夢は同時に叫び、依姫は鬼の形相で黒幕子を睨み、刀を抜いて切っ先を黒幕子に向けた。

「黒幕子!! 姉様はどこにいる!」

 真剣な表情のサバミは依姫を制するように前に立った。

「納刀しな。まずは超次元サッカーだ」

 永琳がカナの髪をぐちゃぐちゃと撫でながら冷静に言う。

「依姫、ここは大人しくね。今ここで黒幕子を殺しても、豊姫が無事に帰ってくるとは限らないから」

 依姫は表情を落ち着かせ、刀を納めた。

「……分かりました」

「さて……ナイターはいいんだが、試合はどこでやるんだ?」

 サバミは黒幕子に尋ねると、黒幕子は上を指差した。

「上です」

 黒幕子がリードシクティスに視線を移した。

「フィールドを作りましょう。永遠亭の上に」

「上にですか……!?」

「特徴は一面茶色の砂、重力は少し軽く、たまに流れる砂で足を取られる」

 サバミが驚いて叫んだ。

「お……おい! その特徴はまさか……! イナイレGOのデザートスタジアムとGO3のサンドリアスの要素が合わさったフィールドを作る気じゃないだろうな!?」

 黒幕子以外の全員が首を傾げた。

 数十分後、永遠亭の上空に茶色の砂でできたサッカーフィールドが浮かんだ。コチヤーズ一行と永琳、輝夜はベンチ周辺に集まっていた。そしてクリアナイトのベンチ前に、和装の黒幕子・黒いキーパーユニフォームを着用、灰色ロングに冠を乗せている塵塚ウバメ・赤いユニフォームを着用している玉兎五名・短い兎耳の水色ショートのレイセン・浅葱色のダブルおさげの清蘭・ブロンドのボブカットにハンチング帽の鈴瑚・黒髪ショートの因幡てゐ・ピンクのロングヘアで長い兎耳の鈴仙・優曇華院・イナバの十一人がいた。

「依姫さんのお姉ちゃんはいるんですか!?」

 フナが尋ねると依姫がうつむいた。

「いいえ……今はいません」

「コチヤーズ、全員集合!」

 監督日狭美の号令でメンバーが集まり、その日狭美がスタメンを発表する。

「FWはアキスと魔理沙のツートップ! サイドハーフはシラウオと依姫! ボランチは妖夢と早苗! サイドバックはサバミと萃香様! センターバックはリードシクティスと霊夢! キーパーはラック!」

「霊夢、すごいな……練習してないのにスタメンか……って、さすがにいきなりスタメンは大丈夫なんですか、総帥……」

 サバミが曇った表情で残無にそう質問した。

「役立たずなら交代させればよい」

「って……巫女よりこのフラフラ鬼がなんでスタメンなんだ……」

 ラックが萃香を指差して指摘した。

「大人しく従ってくださいね。残無様には何か狙いがあるはずですから」

「頼むぞ萃香」

「まぁ〜……素晴らしい采配だと思っておくよ」

「黒幕子によると、数分間フィールドで練習していいそうです」

 萃香がふらつきながら言った言葉に対して、リードシクティスが情報を伝えた。

「無駄な話をしてないでフィールドに行きましょう!」

 早苗は周りにキャプテンらしくそう呼びかけた。

「それじゃあ皆さん、ユニフォーム姿になりましょう」

 リードシクティスはそう言うと、霊夢を背番号0の緑色のユニフォームに、依姫を背番号40のユニフォームに着替えさせた。他のメンバーも同様にユニフォーム姿に変わった。

「ちょっと待て! 霊夢の背番号0って……!」

 サバミが笑いをこらえて口元を両手で隠した。

 砂のフィールドで、霊夢を除くコチヤーズのスタメン十人がパスの練習を始めた。サバミがシラウオにパスを出すが、ボールが伸びすぎてタッチラインを越えた。

「くっ……やはりパスが伸びるな……」

 シラウオがボールを取りに走り出す中、サバミは内心で考える。

(この前の練習試合では圧倒して勝ったのに、なぜ急にナイターや砂のフィールドだなんて厳しい条件を……? ん? 総帥?)

 サバミは視線をクリアナイトのベンチに移すと、黒幕子と残無が会話をしていた。

「あの二人……何を話しているんだ……」

 コチヤーズのベンチ前に、妹紅が慌てた様子で空から降りてきた。

「輝夜……永遠亭上空に大量の砂が出現して何かと思ったら……これはなんだ?」

「超次元サッカーのフィールドらしいわ! 妹紅も観戦して応援しましょ〜!」

 輝夜が軽い口調で答えた。

「応援ねぇ……よく分からないけど見学はしていくよ」

 妹紅がため息をつき、ベンチに腰を下ろした。ベンチの並びは左からカサゴ、フナ、イヨカ、キクラゲ、永琳、輝夜、妹紅、射命丸文の順に並んでいた。

「あっ! 残無様が帰ってきましたわ!」

 日狭美が興奮気味に叫び、残無が無表情でカサゴの隣の席に座ると、カサゴが尋ねる。

「総帥! 何を話してきたんですか?」

「……黒幕子は呆れていた。弱すぎるコチヤーズに。じゃから、この第三試合……特殊な勝利条件がついた。それはクリアナイトは6点、コチヤーズは1点とれば勝ち……というものじゃ」

 残無の言葉で、ベンチに座るメンバーのほとんどが驚きの表情に変わった。

「え!? 1点取れば勝ち!?」

「道理で先日、クリアナイトが圧倒的に勝ったのに、コチヤーズに不利な条件を出したわけですね」

 早苗が驚いて叫んだ隣で、依姫は分析した。

「とにかく、これはチャンス! 残無様に捧げる初勝利をたった1点だけ取って決めましょう!」

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