東方キャラとオリキャラでイナズマイレブンする話 作:みかづき椛
クリアナイト(黒幕子のチーム)
レイセン
玉兎 玉兎 玉兎 玉兎 玉兎
ウドンゲ ウバメ てゐ
清蘭 鈴瑚
アキス 魔理沙
シラウオ 妖夢 早苗 依姫
サバミ リード 霊夢 萃香
ラック
コチヤーズ(早苗のチーム)
後半14分頃、ラックは止めたボールを眺めていた。
(全く痛くはないが……少しでも気を抜けば押し込まれただろうな……)
「蹴るな! こっちに投げろ!」
緊迫したサバミがラックに向けて叫んだ。
(くそ……普段なら断るところだが……大事に行くか……)
ラックがサバミにボールを投げる。サバミが胸でトラップし、全身が光る。
「ミキシトランス! カサゴ!」
髪が紺色から黄色に変わり、黒い悪魔の翼と白い天使の翼が生える。足元の砂が流れ始めた。
「スカイウォーク!」
サバミは三回空中を跳び、砂のない場所に着地。
「なんとか翼を生やして形にした!」
サバミからシラウオ、シラウオから依姫にボールが渡る。依姫の背中から青と黒のオーラが噴き出し、炎の後頭部、黄色いM字装飾、四本腕の化身――太陽神アポロが現れる。
「サンシャインフォース!」
依姫はインフィニティの記号を描き、アポロの四つの拳から炎が噴射。大きな火球を依姫が縦回転で蹴り飛ばす。レイセンは背中から幸運のラストベガを出現させた。
「ラッキーダイス!」
幸運のラストベガはサイコロを投げ、出目が全て六。ボールは勢いを失ってレイセンの手のひらで止まった。
(人がいない場所を狙うサイコロ……どういう理屈かは分からないけど……あのサイコロをなんとかすれば……しかしどうすれば……大きくてかなりの重さがありそうだった……)
依姫はサイコロ一個を見ながら内心そう言った。
◆
後半16分頃、紅葉舞う中で地面を奔る黄色い斬撃の伝来宝刀がレイセンのラッキーダイスで止められた。その様子をベンチに座る残無が冷静に見ていた。
「総帥さん、何か策が思いついたなら早く言ってあげたら?」
残無の隣の空間の裂け目から顔を覗かせる八雲紫が一言申す。
「思いついたならとっくに言ってますよ!」
残無の隣に座るカサゴがムッとした顔で返す。
「はいはい」
「日狭美!」
残無が前に立っている日狭美呼びかけると、日狭美は笑顔で振り向いた。
「なんですか残無様!」
「よい策が頭に浮かんだ。背番号20のアキスから、背番号89の選手と交代すると審判に伝えろ」
「かしこまりました! 審判に言っておきます!」
(背番号89……誰かしら)
◆
後半18分頃、アキスがドリブルで中央を駆け上がっていると、ディフェンダーの玉兎五人、ウドンゲ、てゐが円形に囲む。中心に向かって砂が流れ始め、アキスが苦い表情でドリブルを続ける。
「ここでクリアナイト! アンデスのありじごくだー!」
「魔理沙の流星ブレードを止めて、三人でのマークを止めたんだ!」
サバミがハッとした表情で叫んだ時、砂の動きが止まった。アキスが玉兎二人の間を突破したが、待ち構えるウバメが地面を蹴り、砂を巻き上げてバク転する。
「デザートストーム」
砂煙に包まれたアキスから、ウバメが静かにボールを奪う。
「……取ります!」
妖夢がウバメに突進し始める。
「デザートドリフト」
ウバメは流砂に乗ってしゃがみながら横回転。砂を妖夢に浴せ、抜き去る。
「うわっ! 砂ですか!」
ウバメの左右に玉兎二人、てゐ、ウドンゲが並び、五人が左足でスライディングしながら広範囲に砂を巻き上げる。
「クリアナイト! ここで必殺タクティクス、大砂漠砂嵐です! 砂まみれです!」
「砂で五人が見えなくなった……!」
リードシクティスが鋭い目で広範囲の砂塵に突撃していった。
「リードシクティス選手! 大砂漠砂嵐に大激突していったー! 止められるかー!?」
(あ……あれ……?)
リードシクティスが砂の中で四つの人影を確認するが、そこにウバメの姿はなかった。
「ボールを保持していたウバメさんがいない! どこに……!?」
砂嵐が晴れると、ウバメが逆サイドをドリブルで駆け抜けていた。
「なんとウバメ! 大砂漠砂嵐を陽動にして逆サイドに走っていたー!」
「ダストジャベリン!」
ウバメが右足でボールを蹴り上げ、砂が噴き出し、投槍のような砂のボールがラックを襲う。
「任せろ!!」
ラックが両手で受けるも、吹き飛ばされてゴールネットに押し込まれた。
「くそ……! 異世界の砂をなまら使いこなしてる……!」
サバミはそう言って唇を噛み締め、審判の長い笛の音が鳴り響く。
「ゴーール!! 0−5!! これで両チーム、1点を取られたら負けという状況になりましたーー!!」
ラックが地べたに両手をつき、うなだれる。
「ラックさん!」
早苗、妖夢、サバミが駆け寄る。依姫が内心冷静に分析する。
(あのキーパー……小さいから吹き飛ばされやすい……もっと一人だけでも踏ん張れる何かを身につけないと……)
その時、審判の長い笛が響き、交代ボードが掲げられる。赤色で20、緑色で89と表示。
「え!? 私と交代!?」
アキスが驚いて自身を指差すと、シラウオが近付く。
「何か良い策が思いついたはず……勝つために大人しく下がって」
「は〜い……」
アキスが渋々フィールドを去る。リードシクティスが日狭美の激しい手招きに気付く。
「もしかして私……呼ばれている……?」
コチヤーズのベンチでは誰も準備していなかったが、突然の交代指示にざわついた。スキマから心配そうに八雲紫が残無に話しかける。
「早く交代メンバーに伝えたら?」
「ならば伝えよう。八雲紫、お主出ろ」
「……え? う……嘘じゃないわよね……」