東方キャラとオリキャラでイナズマイレブンする話   作:みかづき椛

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フォーメーション

 クリアナイト(黒幕子のチーム)
        藍
   玉兎 玉兎 玉兎 玉兎
    玉兎 幽々子 ラルバ
    ルナサ メルラン リリカ

        フナ   魔理沙
  シラウオ 妖夢   早苗 ラック
 サバミ リード  エリィ   文
        橙
 コチヤーズ(早苗のチーム)


  四十九話 幽々子様のために

 クリアナイト第四試合キックオフから1分が経過した頃、妖夢はドリブルでフィールドを走っている中、足を止めた。目線の先には無表情の幽々子がいた。

「ゆ……幽々子様……」

 妖夢は少し動揺しながら、幽々子にボールを奪われそうになった。

「落ち着いて!」

 早苗の呼びかけに妖夢は頷き、気迫の表情に変わって幽々子を抜いた。

「よし!」

 前を走るフナが小さくガッツポーズし、姉のシラウオと妖夢三人は並んだ。

「あの必殺技をしましょう!」

 フナの言葉で二人は頷き、空中に蹴り出したボールを三人で連続して一回ずつ蹴りを入れる。

「ソードオブダルタニアン!!」

 三つの青い輪っかの形をした魔法陣の中心からオレンジ色のオーラをまとったボールが一直線にゴールを襲い始めた。しかし、ボールの軌道は大きく右に逸れてゴールの上を通過した。

「おっと! ここでソードオブダルタニアンが大きく逸れました! タイミングが合わなかったのでしょうか!?」

「タイミング……一体誰が……お姉ちゃんがミスるはずないけど……」

「すみません……多分私です……」

 フナが妖夢をチラリと見ながら呟き、妖夢が暗い表情で答えた。

「幽々子様を救う為に力みすぎたのかもしれません……次こそ決めましょう!」

 前半2分頃、中央前線を走るメルランがヒールリフトを行う。

「ファントムシュート!」

 メルランはすぐさまボールを右足で蹴った。紫色になったボールはいくつもの数に分かれ、ゴールを襲い始める。

「橙!!」

 エリィたちの叫び声に、橙は四足歩行でゴール前に飛び出した。

「ワイルドクロー!」

 橙は右手にオレンジ色の鋭い爪がある黄色い手を装着、一つの紫色の球に向かって飛んでボールを地面に叩きつけて勢いを止めた。

「橙! こっちこっち!」

 エリィは手を挙げてパスを求めた。橙からのキックでエリィにボールが渡り、妖夢にパスを送る。

「次こそ決める!」

 再び妖夢の前に幽々子が迫った。

「失礼します! Zスラッシュ!」

 妖夢は左から抜き去ろうと飛び出した瞬間、ターンしながら斜めに下がって右から幽々子を抜き去り、地面に赤いZを描いた。

「よ……妖夢……」

 早苗は呆然と妖夢を見つめていた。妖夢の足元にはボールがなく、幽々子の足元にはボールがあった。

「え……!? どこかで落とした……?」

 唖然とする妖夢、幽々子はドリブルで前を走り始める。

「まずい……妖夢が力みまくっている……!」

 冷静な表情の魔理沙はそう言った時、残無はベンチから鋭い目線を妖夢に向けていた。

 前半3分頃、幽々子からボールを受け取ったルナサはリードシクティスと対面していた。

(ドリブルで来るか……シュート技でくるか……)

 ルナサはボールに横回転をかけるように左足で軽く蹴って前に送ると、ボールから黄色い五線譜と音符がリードシクティスを囲った。

「メロディウェイブ」

 リードシクティスは頭を抱え、膝をついてうなだれた。

(ヤバいな……シクティスさんにメンタル攻撃は効きやすいってバレてるな……)

 サバミが内心そう呟いた時、輪っか状の青い五線譜がボールを囲んで青い様々な音符がついた。

「フォルテシモ」

 ルナサは軽やかな音を鳴らしながらボールをゴールに向かって蹴った。青がかった白い球が襲う。橙は右手の指先から五本の鋭い青紫色の爪を伸ばした。

「スラッシュネイル!」

 ボールは4つに切り裂かれて橙の掌に収まる。そしてすぐさま新しいボールが橙の元に渡され、軽い蹴りでエリィに渡す。

「橙ありがとう! 妖夢さん!」

 エリィは妖夢に向かってボールを蹴るも、妖夢は右足でのトラップに失敗してしまう。

「あわわ!!」

 こぼれたボールはシラウオが冷静に右足でコントロールした。

「す……すみません……」

 妖夢のトラップミスをした時、ベンチに座る残無の前に立つ日狭美が呼ばれて振り向いた。

「残無様? 何か指示でもあるんですか?」

「交代だ。妖夢を下げる」

 残無の言葉で周りは一度、息を飲んだ。

「よ……妖夢さんを下げるって……本気で言ってます……!?」

 残無の隣に座るカサゴがそう訴えた。

「それはちょっと酷じゃないかしら」

「そ……そうですよ! 妖夢さんはご主人である幽々子様を助けるためにチームに入って人一倍努力してたんですよ!」

 カサゴは涙目で訴えながら残無の服をつかんで揺らした。

「残無様を揺らさないでくださいまし!!」

 日狭美はカサゴの服をつかんで乱暴に地面に倒した。

「酷とは言ったが紫、妖夢のミスのせいで負け、藍を取り戻せなかったらどうする」

「それは……そうですけど……」

「カサゴ、儂のことが気に入らぬのなら、お主が指揮をとっても良いのじゃぞ」

「う……私が指揮……」

 カサゴはすぐに顔を上げることが出来なかった。

 前半5分頃、妖夢・シラウオ・フナのソードオブダルタニアンが二度目の失敗に終わってボールがコートの外に出た時、交代を告げる笛の音が鳴り響いた。審判が持つ交代ボードには赤い11と青の33が描かれていた。

「ここでコチヤーズ! 早くも選手交代です!」

 妖夢は交代ボードを見て数秒間立ち尽くした。

「交代……ですか……」

 気が抜けたようにそう呟く妖夢にチームメイトが駆け寄る。重い雰囲気が漂う中、妖夢は唇を噛み締めながらフィールドの外へ歩き始めた。

「必ず勝って見せますから!」

 早苗は妖夢に向かってそう叫ぶと、魔理沙は大きく息を吸った。

「そうだ! 妖夢任せろ!」

 妖夢は目を滲ませ、ベンチに向かって走り始めた。背番号33番のキクラゲがフィールドに入った。

「大丈夫かな〜……」

 普段は能天気なキクラゲが珍しく暗い表情を浮かべていた。

「キクラゲ……総帥はやっぱり妖夢がミスを連発していたから、交代したんだな」

 真剣な表情のサバミはキクラゲにそう尋ねた。

「そうだね〜……だからみんなも力みすぎないようにね。即交代あるから」

 キクラゲのゆるいながらも真面目な言葉に、周りのコチヤーズのメンバーは無言で頷いた。




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        藍
   玉兎 玉兎 玉兎 玉兎
    玉兎 幽々子 ラルバ
    ルナサ メルラン リリカ

        フナ   魔理沙
  シラウオ キクラゲ 早苗 ラック
 サバミ リード  エリィ   文
        橙
 コチヤーズ(早苗のチーム)
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